定義

先進技術には、AI・X-tech・IoT・ビッグデータ等が該当します。

市場規模・環境

先進技術の中でもAI、IoT、ビッグデータに分けて市場規模を解説します。

AI

国内におけるAIの市場規模は、2020年度は513億円[1]で前年度から19.9%増[1]でした。2025年度には1,200億円[1]に達すると予測されており、中でもAI環境の自作を支援する機械学習プラットフォームの成長が期待されています。

出典：AI主要8市場規模推移および予測(ITR)を基に弊社作成

IoT

国内IoTの市場規模は、2020年度で2,130億円[2]です。
過去4年間は下記のとおりの推移であり、緩やかな右肩上がりの成長が続いています。

出典：国内IoT市場推移（矢野経済研究所）を基に弊社作成

ビッグデータ

ビッグデータ全体の市場規模に関するデータはないため、医療の分野に絞って市場規模を紹介します。
医療ビッグデータビジネスの市場規模に関する推移・予測は以下の通りです。[3]

出典：医療ビッグデータビジネスの国内市場(富士経済グループ)を基に弊社作成

課題・展望

• 今後の高い市場成長率が見込まれている
• 新しい代替的な先進技術が出てきた場合には、見込んでいた高い成長率とならない可能性もある
• スタートアップや大企業など競争環境が激しく、投資資金も大きくなっている 

M&Aの件数・規模

先進技術のみのM&A件数に関するデータはないため、情報通信業界全体のデータをお伝えします。
情報通信業のM&A件数は以下の通り推移しています。[4]

参考：コーポレートガバナンス改革を踏まえた価値創造に資する合併と買収に関する実態調査(KPMG FAS)を基に弊社作成
※KPMG FASはレコフM&Aデータベースの情報等を基に分析

M&Aが行われている背景

この事業領域では、主に以下の背景でM&Aが活用されています。

• 先進技術に係る技術者や特許の獲得
• 既存事業とのシナジー創出
• 大手グループへのジョインなど、将来の投資資金の確保

メリット

デメリット

譲渡企業

• 技術者などのキーマンと綿密なコミュニケーションを取り、M&Aの実施について事前に協議しておく
• 譲り受け企業とどのようなシナジーを創出できるか、交渉前にあらかじめイメージを深めておく
• 現在の株式市況や多額の資金調達が必要なタイミングなど、M&Aのタイミングはよく検討しておく
• 競合企業や市場など、自社の競争環境を譲り受け企業に説明できる準備をする

譲り受け企業

• 財務諸表だけでなく、技術デューデリジェンスを実施し、対象会社の価値の源泉を把握する
• 特許の取得など、競合企業に模倣されないための対応策を準備しておく
• 譲渡企業が作成した事業計画がかなり高い成長カーブを描いている場合、現実的に達成可能性な事業計画になるよう譲り受け企業で修正を行い、企業価値算定を行う
• 技術者などのキーマンに対して、M&A後もモチベーション高く活躍してもらえるよう、インセンティブプランを設計する

主な有名事例

[1] AI主要8市場規模推移および予測(ITR)
[2] 国内IoT市場推移（矢野経済研究所）
[3] 医療ビッグデータビジネスの国内市場(富士経済グループ)
[4] コーポレートガバナンス改革を踏まえた価値創造に資する合併と買収に関する実態調査(KPMG FAS)
[5] OXの株式取得（応用地質）
[6] Zeroの株式取得（ネオマーケティング）
[7] AI Infinityの株式取得（エムティーアイ）