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IoT企業のM&A(売却・買収)動向、事例、成功のポイント

IoT業界は大きな発展が予想される分野であり、M&Aが活発に行われています。IoT業界の市場動向やM&A・売却の動向、近年の事例、成功のポイントについて、図解も交えてわかりやすく解説します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法務・金融専門ライター 相良義勝)

IoT M&A 2

目次
  1. IoT業界の市場動向
  2. IoT業界のM&A動向
  3. IoT企業の売却・提携・増資事例10選
  4. IoT企業の買収事例3選
  5. IoT企業のM&Aを成功させるポイント
  6. まとめ

IoT業界の市場動向

世界のIoT市場動向

IoT業界は将来にわたって大きな成長が見込まれている分野です。
世界で利用されているIoT機器・端末の数は着実に増加しており、今後はとくに医療、産業、自動車・宇宙航空分野向けの機器や一般消費者向け製品が大きく伸びていくと予想されています。
IoT デバイス 推移
図:世界のIoTデバイス数の推移および予測
令和3年情報通信白書(総務省)を基に作成

日本のIoT導入状況と市場動向

現在のところ日本企業のIoT利用率は低く、従業員規模100人以上の企業を対象にしたIDCの調査によると、2020年時点での利用率は6.8%に留まっています。
時系列で見てもIoT利用率の上昇は緩やかで、本格的な導入はまだこれからという感があります。[1]

とは言え、IoTやAIなどのデジタルソリューションの導入は動かしがたい流れとして進行しており、IoTを利用する側の企業によるIoT関連支出・投資額は持続的に成長していくものと見られます。[2]

2020時点において支出・投資額が相対的に大きい分野は、製造、電気(スマートグリッド・スマートメーター)、自動車(コネクテッドカー)、スマートホーム(セキュリティ・自動化・家電)、公共インフラ・情報システム、小売(オムニチャネル化)、運輸(貨物管理)などです。

とくに今後の成長が期待される分野としては、スマートグリッド・スマートメーター、公共インフラ・情報システム、スマートホーム、院内ケアシステム、農場監視システム、小売店舗内販促システムなどが挙げられます。

2020年から続くコロナ禍の影響はIoT産業を含むIT業界にも及んでいますが、他の業界に比べれば打撃は小さく、コロナ禍によりデジタル化の勢いが加速されたというプラスの側面もあります。
相対的に見ればIT業界にとって有利な状況が続いていると言ってもよく、今後も堅調な成長が見込まれています。[3]

とくにIoTインフラ市場への支出額は高い成長率で推移するものと予想されます。[4]

M&A・事業承継
【2021年最新版】IT業界のM&A事例56選

IT業界における厳選した56例のM&Aについて、「2021年の最新事例」や「システム開発分野」などのジャンルに分けて解説します。 事例では売り手・買い手企業の特徴やM&Aの手法、売買価格を紹介します。(中 […]

M&A・事業承継
事業投資とは?目的、方法、M&Aによる成功事例【わかりやすく解説】

事業投資とは、事業への投資を通じて利益を得ることです。新規事業への投資やM&Aなどの方法があり、それぞれメリット・デメリットは異なります。事業投資の目的や方法、投資事業有限責任組合による投資の仕組みなどを詳しく解 […]

[1]国内IoT市場 企業ユーザー動向調査結果を発表(IDC)
[2]国内IoT市場 産業分野別予測とユースケース別の事例考察を発表(IDC)
[3]国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表(IDC)
[4]国内IoTインフラ市場予測を発表(IDC)

IoT業界のM&A動向

IoT業界では技術開発やソリューションサービス提供での協業などを目的として活発にM&Aが行われています。
IoT技術・サービスの開発を推進しているのはベンチャー企業・スタートアップ企業が多く、大手中堅企業が技術・人材の獲得やオープンイノベーションを目的としてそうした企業を買収・子会社化するという構図が典型的です。

売却側としては、大手グループに加わることで経営基盤を安定化し、技術・サービス開発を次の段階に進めることが可能になります。

子会社化・関連会社化しない範囲でIoT企業の株式を取得して協力関係を構築するケース(資本業務提携)が多いのも、IoT産業関連のM&Aの特徴です。
売り手側としては資金の調達や相手企業の経営資源の活用により事業成長を加速することができ、買い手側としてはリスクを抑えつつ(段階的に)協業を進めることができるのがメリットと言えます。

IoTの用途は産業から生活まで多岐にわたることから、以下のような多様な業種の組み合わせでM&Aが行われています。

  • IoTソリューション事業の拡大を図っている大手メーカーや公共インフラ事業者(建設・エネルギーなど)が、自社事業と関連するIoT技術・サービスを有する企業を買収
  • IoT分野に進出したシステム開発会社が、IoT開発を専門的に行う企業を買収
  • 住生活関連サービスを展開する企業が、スマートホーム関係のIoT企業を買収

そのほか、ファンドによるIoTベンチャーへの投資も多く見られます。

IoT企業が買い手となるケースでは、開発力・人材力強化を目的としたシステム開発の買収や、海外同業者の買収などが行われています。

M&A・事業承継
M&Aとは?目的・手法・メリット・流れを解説【図解でわかる】

M&A(エムアンドエー)とは、Merger(合併)and Acquisitions(買収)の略で、「会社あるいは経営権の取得」を意味します。今回は、M&Aの意味・種類・目的・メリット・基本的な流れ・税金・ […]

M&A・事業承継
M&A市場の現状と動向 今後の展望も解説【2021年最新】

M&Aの市場は、後継者不足問題の深刻化などを理由に拡大してきました。しかし2020年は、コロナ禍の影響で市場が縮小しました。公認会計士が、M&Aの市場の動向および今後の展望を徹底解説します。(公認会計士 […]

IoT企業の売却・提携・増資事例10選

IoT デバイス
国内IoT関連企業が売り手側となったM&A(売却・資本提携・増資)の事例を紹介します。

【生産設備・IoTソフトウェア開発×エネルギー】ジェイティエンジニアリングがソフトウェア事業を東京ガスに譲渡

譲渡企業の概要

ジェイティエンジニアリング:生産設備・機械器具の開発・設計・建設・保全事業や、工場を初めとする各種施設向けのIoTパッケージソフトウェア「Joy」シリーズの開発・提供事業を展開[5]

譲り受け企業の概要

東京ガス:首都圏向け都市ガス供給事業、発電・電力供給事業、不動産事業などを展開[6]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:「Joy」シリーズのソフトウェア資産とパートナー事業者ネットワークを継承し、DXソリューション市場での新規事業展開を図る[7]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年1月
  • 手法:事業譲渡
  • 結果:東京ガスがジェイティエンジニアリングから「Joy」シリーズに関する事業を譲受し、同シリーズの販売を開始[8]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
ソフトウェア業の売却・M&A動向と最新事例20選

ソフトウェア業に対するニーズがデジタル化などを背景として拡大し、ソフトウェア企業の売却・M&Aも活性化しています。ソフトウェア業の現況とM&A動向・事例、M&Aを行うメリットなどをくわしく解説しま […]

M&A・事業承継
LPガス業界のM&A動向・事例、売却価格相場|業界動向も解説

LPガスの需要が縮小するなか、LPガス業界ではM&Aを活用して生き残りを図る動きが活発化しています。業界の現状と絡めながら、LPガス業界のM&A動向と2018年~2021年のM&A事例、売却価格相 […]

【IoT関連プラットフォーム×SaaS】プラススタイルがBBソフトサービスと経営統合

譲渡企業の概要

プラススタイル:IoT製品を創出したい企業と最先端IoT製品を購入したい消費者をつなげるプラットフォーム「+Style」を通して、IoT関連の商品企画・販売促進・マーケティング・ECをサポートする事業を展開[9]

譲り受け企業の概要

BBソフトサービス:海外大手ソフトウェアメーカーのセキュリティ製品の日本市場向けカスタマイズ・流通事業や、ソフトウェアベンダー・サプライヤー向けのライセンス販売・課金プラットフォーム事業などを展開[10]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:両社のノウハウを融合し、IoT製品販売・普及の拡大を図る[11]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年10月
  • 手法:不明
  • 結果:BBソフトサービスを存続会社として、プラススタイルとBBソフトサービスが経営統合[12]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
ネットショップの売却価格相場や所要期間、最新事例を解説

ネットショップの売却価格は、営業利益の1〜3年分が相場です。近年は、Amazonや楽天等のショッピングモールを活用したネットショップの売却が活発に行われています。売却事例やメリットを徹底解説します。(中小企業診断士 鈴木 […]

M&A・事業承継
サイバーセキュリティの売却・M&A事例17選、売却価格相場

サイバーセキュリティの重要性が高まっていることを背景に、業界内ではM&Aが活発化しています。サイバーセキュリティ事業の最新M&A事例や売却価格相場、売却の成功可能性を高めるポイントを詳しく解説します。(中 […]

【システム開発・SES×ソフトウェア開発】GHインテグレーションがフーバーブレインの子会社に

譲渡企業の概要

GHインテグレーション:ネットワーク・インフラ、5G通信、IoT、AIなどの領域において、システム受託開発や大手システムインテグレーターを主要顧客とするSES(エンジニア派遣サービス)の事業を展開

譲り受け企業の概要

フーバーブレイン:自社開発セキュリティツールなどを用いたセキュリティ対策支援ソリューション、自社開発の監視・分析ツールによる業務可視化・働き方分析ソリューション、ツール導入・運用支援・保守サービスなどの事業を展開

M&Aの目的・背景

譲渡企業:フーバーブレインの上場IT企業としての信頼度・ブランド・資金力を利用して事業の拡大・高付加価値化と、次世代技術への対応体制の強化を図る

譲り受け企業:新たな成長領域への進出を図るために必要となる優秀なエンジニアの確保

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年3月
  • 手法:株式譲渡株式交換
  • 結果:フーバーブレインがGHインテグレーションの株式の70%を取得したのち、両社間で株式交換を行い、フーバーブレインがGHインテグレーションを完全子会社化
  • 譲渡金額:2億6,640万円(株式取得現金+交換時価)
成功事例
最新のIT需要を取り込むために、 優秀なエンジニアを抱えるSIerをM&Aで完全子会社化

日本経済のカギを握るIT。しかしその内実を見ると、IT業界で急成長している分野においては、エンジニア不足が深刻な問題となっています。インフラ関連のネットワークエンジニアをはじめ、5GやIoT、セキュリティ関連のような高度 […]

M&A・事業承継
システム開発・受託開発の最新売却・M&A事例、売却価格の相場

システム開発・受託開発会社の売却は、後継者不足などの課題を背景に増加傾向です。システム開発・受託開発会社の売却・M&A事例やメリット、売却価格の相場、高値での売却可能性を高める方法を徹底解説します。(中小企業診断 […]

【IoTシステム開発×建設コンサルティング】エフェクトが長大の完全子会社に

譲渡企業の概要

エフェクト:組み込みシステムの受託開発やAI・IoT活用システムの自社開発などの事業を展開[13]

譲り受け企業の概要

長大:橋梁・道路・河川・港湾・鉄道などに関する建設コンサルティング事業と、道路・公共施設運営などのサービスプロバイダ事業を展開[14]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:公共インフラ領域におけるIT関連新規事業の創出および既存事業拡大[13]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年3月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:長大がエフェクトの全株式を取得し同社を完全子会社化[13]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
建設業のM&A動向・売却事例・メリット【2021年最新版】

人手不足や市場規模の縮小などの影響で、近年建設業界ではM&Aの件数が増加傾向です。この記事では、建設業のM&A動向や最新の売却事例、事業売却のメリット、M&Aを成功させるポイントをくわしく解説しま […]

M&A・事業承継
AI企業のM&A事例17選 動向、売却のメリットも徹底解説

AI産業市場は急速に拡大しており、M&Aも活発です。AI産業の市場動向と、AI企業(AI関連技術・サービスを開発・提供している企業)のM&A・売却動向、メリット、近年のM&A事例を詳しく解説します […]

【IoTコンサルティング×コンサルティング】イオトイジャパンがエル・ティー・エスの子会社に

譲渡企業の概要

イオトイジャパン:IoTビジネスの新規展開を検討している企業へのIoT技術・ソリューション提供会社の紹介、IoTビジネス事業化に関するコンサルティングなどの事業を展開[15]

譲り受け企業の概要

エル・ティー・エス:既存事業改革・新規事業開発・DXなどに関し、戦略策定から実行支援にいたるコンサルティングサービスを提供[15]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:IoTビジネス事業化支援を初めとする新規事業開発コンサルティングサービスの強化[15]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2020年1月[16]
  • 手法:株式譲渡・第三者割当増資
  • 結果:エル・ティー・エスが発行済株式の譲受と第三者割当増資によりイオトイジャパンの株式の75%を取得し、同社を子会社化
  • 譲渡金額:2,000万円(発行済株式の譲渡)、4,000万円(第三者割当増資)[15]
M&A・事業承継
システム開発会社のM&A動向と事例30選【2021年最新版】

システム開発業界は人材不足の慢性化やクラウド化の進展により過渡期を迎えており、M&Aが活発化しています。近年のシステム開発業界の動向と、システム開発会社の最新M&A事例を厳選して30例お伝えします。(執筆 […]

【IoT開発×計測技術・IoT開発】cynapsが三弘と資本業務提携

譲渡企業の概要

cynaps:IoT機器とIoT開発運用プラットフォームの企画・開発・販売事業を展開[17]

譲り受け企業の概要

三弘:産・官・学向け各種計測技術装置・計測システムの企画・開発・販売を70年以上にわたって手がけ、近年では密回避・換気アラートサービスなどのIoTクラウドサービスを展開[17]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:cynapsとの協業によりIoTクラウドサービスの産業・工業用計測機器分野への拡大を図る[17]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年12月
  • 手法:資本業務提携
  • 結果:三弘がcynapsに出資し、業務提携を開始[17]
  • 譲渡(増資)金額:不明
M&A・事業承継
情報通信業のM&A動向・メリット、売却価格の相場【成功事例も紹介】

最新技術領域への適応などを目的に、情報通信業のM&Aは活発に行われています。情報通信業のM&Aでは、優秀な人材確保などのメリットを期待できます。情報通信業のM&A動向や売却・買収のメリット、M&a […]

【IoT開発×印刷・情報サービス】ラトナが大日本印刷と資本業務提携

譲渡企業の概要

ラトナ:IoT・エッジコンピューティング・AI分野での技術開発事業などを展開[18]

譲り受け企業の概要

大日本印刷:印刷・プリント技術をベースとして、出版関連事業、マーケティング事業、情報セキュリティ事業、フォト・イメージング事業、包装・パッケージ関連事業、内外装材・産業用高機能材・電子機器部材事業などを展開[19]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:技術開発・事業拡大のための資金調達[18]

譲り受け企業:自社の強みとラトナの強み(IoT・エッジコンピューティング分野での技術力、エッジコンピューティング分野の特徴である高セキュリティ・低コスト)を掛けあわせ、物体認識・顔画像認識などの技術を通して小売・製造・エンタテインメント業界向けのソリューション提供力を強化[20]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年8月
  • 手法:資本業務提携
  • 結果:大日本印刷がラトナに出資し、両社が業務提携を開始[18][20]
  • 譲渡(増資)金額:不明
M&A・事業承継
印刷会社の売却動向やメリット、近年の事例をくわしく解説

市場規模が縮小するなか、印刷業界ではM&A・会社売却により現状打開を図る動きが活発化しています。印刷業界の課題と現状打開の動き、印刷会社の売却動向、売却のメリット、最新の売却事例を解説します。(執筆者:京都大学文 […]

【生活空間IoT×防犯・セキュリティ】LiveSmartがセコムと資本提携

譲渡企業の概要

LiveSmart:エネルギー事業者や不動産事業者などに向けて、AI・IoTを活用した生活空間スマート化プラットフォームを提供[21]

譲り受け企業の概要

セコム:個人向けのホームセキュリティ・防犯・防災・高齢者見守りサービス、法人向けのセキュリティ・防犯・防災・災害時対策・勤怠管理サービスなどの事業を展開[22]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:「安心・安全・快適・便利」な暮らしに寄与するプラットフォーム事業において協力関係を構築[21] 

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年6月
  • 手法:第三者割当増資・資本提携
  • 結果:LiveSmartがセコムを引受先とする第三者割当増資を行い、同社と資本提携契約を締結[21]
  • 譲渡(増資)金額:不明
M&A・事業承継
警備業界のM&A動向や事例10選を徹底解説【2021年最新】

市場が拡大傾向にある警備業界では、人手不足などの課題解決手段としてM&Aが活用されています。警備業界のM&A動向や最新事例、M&Aのメリット、売却・買収の成功可能性を高めるポイントを徹底解説します […]

M&A・事業承継
サービス業のM&A・売却動向、件数、事例7選【最新版】

サービス業のM&A件数は、2016年以降増加傾向であり、2020年には全業種中で最多となりました[1]。サービス業のM&Aは、事業規模の拡大などを目的に行われます。サービス業のM&A・売却動向や件 […]

【太陽光発電IoT×建設】ヒラソル・エナジーが東急建設を引受先とする第三者割当増資を実施

譲渡企業の概要

ヒラソル・エナジー:AI・IoTにより太陽光発電設備をパネル単位で保守管理する遠隔モニタリング・データ解析プラットフォームを開発[23]

譲り受け企業の概要

東急建設:公共インフラの土木工事、公共・民間向け建築、不動産取得・賃貸などの事業を展開[24]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:ベンチャー企業への出資を通して新たな成長機会の創出を図る戦略の一環[23]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年6月
  • 手法:第三者割当増資・資本提携
  • 結果:東急建設がヒラソル・エナジーによる第三者割当増資を引受け、同社と投資契約を締結[23]
  • 譲渡(増資)金額:不明
M&A・事業承継
建設業の売却額はどのくらい?高額で売却するポイントと注意点

建設業の高額売却を成功させる可能性を高めるためには、建設業に特有のポイントを押さえることが重要です。建設業の売却手法や売却額を左右する要因、許認可などに関する注意点をくわしく解説します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法 […]

M&A・事業承継
太陽光発電業界のM&A動向・事例15選【2022年最新】

太陽光発電の新規開発には停滞感があり、既設太陽光発電所・太陽光発電事業を対象とするM&Aの動きが活発化しています。太陽光発電業界の現状とM&A動向、近年のM&A事例をくわしく解説します。(執筆者: […]

【周産期医療IoT×ファンド】メロディ・インターナショナルがKYOTO-iCAP2号ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施

譲渡企業の概要

メロディ・インターナショナル:香川大学発のベンチャー企業で、胎児の心拍と妊婦のお腹の張りを計測する分娩監視装置「iCTG」と、同装置の計測結果を妊婦・クリニック医師・中核病院などの間で共有して遠隔医療コミュニケーションを実現するプラットフォーム「Melody i」を開発[25]

譲り受け企業の概要

KYOTO-iCAP2号ファンド:京都大学の出資により設立された投資・事業支援会社京都iCAP(京都大学イノベーションキャピタル)が運営するファンドで、京都大学や他の国立大学から発したベンチャー企業を対象として投資事業を展開[25]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:事業成長の加速

譲り受け企業:投資事業の一環[25]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年4月
  • 手法:第三者割当増資
  • 結果:メロディ・インターナショナルがKYOTO-iCAP2号ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施
  • 譲渡(増資)金額:1億5,000万円[25]
M&A・事業承継
M&Aにおけるファンドの役割 種類やメリット・デメリットも解説

M&Aで投資ファンドは、出資等を通じて企業価値を高め、株式売却などで利益を得ることを目的とします。M&Aにおけるファンドの役割や種類、ファンドとM&Aを行うメリットとデメリットをくわしく解説します […]

【IoTシステム構築×ファンド】MomoがみなとAファンドを引受先とする第三者割当増資を実施

譲渡企業の概要

Momo:50種類以上のセンサーと5種類の通信規格をベースにして手軽にIoTシステムを構築できるプラットフォーム「Palette IoT」の開発・提供、同プラットフォームを用いたIoTシステム製品(スマート農業ツールや積雪量自動計測システムなど)の開発・販売、IoT関連ソフトウェアの共同開発・受託開発などの事業を展開[26]

譲り受け企業の概要

みなとAファンド:みなと銀行とみなとキャピタルが共同で設立したファンドで、農林漁業者や農林漁業関連事業に携わる事業者などを対象とした投資事業を展開[27]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:事業成長加速と開発体制・内部体制強化のための資金調達[28]

譲り受け企業:投資事業の一環

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年4月
  • 手法:第三者割当増資
  • 結果:MomoがみなとAファンドを引受先とする第三者割当増資を実施
  • 譲渡(増資)金額:3,000万円

[5]会社概要(ジェイティエンジニアリング)
[6]事業紹介(東京ガス)
[7]国内トップシェアのソフトウェア事業の譲受について(東京ガス)
[8] ソフトウェア「Joyシリーズ」の販売開始について(東京ガス)
[9]+Styleとは(プラススタイル)
[10]ビジネスモデル(BBソフトサービス)
[11]+Style事業の移管に関するお知らせ(BBソフトサービス)
[12]+Styleの運営会社変更のご案内(プラススタイル)
[13]エフェクトの完全子会社化によるインフラ技術革新の推進強化について(長大)
[14]長大について(長大)
[15]イオトイジャパンの連結子会社化のお知らせ(エル・ティー・エス)
[16]会社沿革(エル・ティー・エス)
[17]cynapsへ出資・業務資本提携を行いました(三弘)
[18]シリーズA Extensionラウンドにおいて、大日本印刷からの資金調達を実施(ラトナ)
[19]事業領域(大日本印刷)
[20]ラトナと資本業務提携(大日本印刷)
[21]セコムと資本提携契約を締結(LiveSmart)
[22]トップページ(セコム)
[23]ヒラソル・エナジーとの投資契約を締結(東急建設)
[24]事業内容(東急建設)
[25]「京都iCAP」を引受先とする第三者割当増資を実施(メロディ・インターナショナル)
[26]トップページ(Momo)
[27]「みなとAファンド」の設立について(みなと銀行)
[28]「みなとAファンド」による投資実行について(りそなグループ)

IoT企業の買収事例3選

国内IoT関連企業が買い手側となったM&A(買収・合併)の事例を紹介します。

【半導体×半導体】ルネサス エレクトロニクスが英Dialog Semiconductorを完全子会社化

譲渡企業の概要

Dialog Semiconductor:低電力・コネクティビティ技術を強みとし、IoT・家電・自動車・産業分野向け半導体製品を提供する英国企業[29]

譲り受け企業の概要

ルネサス エレクトロニクス:マイコンやSoC(System-on-a-chip)製品を中心とする各種半導体製品の開発事業と、自社製品群を用いたIoTシステム構築などの組み込みソリューション提供事業を展開[30]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:ルネサス エレクトロニクスの製品・技術基盤、販売・顧客サポート網の活用による成長機会の拡大

譲り受け企業:自社技術・製品群と補完関係にあるDialog Semiconductorの技術資産の獲得により製品ポートフォリオを拡充し、IoT・産業・自動車分野の高成長市場向けソリューション提供力を強化[29]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年8月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:ルネサス エレクトロニクスがDialog Semiconductorの全株式を取得し同社を完全子会社化
  • 譲渡金額:約48億ユーロ(1ユーロ130円換算で約6,240億円)[31]
M&A・事業承継
製造業のM&A・売却動向や最新事例、価格相場を徹底解説

製造業のM&Aは、主に大手企業への傘下入りやIT化を目的に行われます。今回の記事では、製造業のM&A動向や最新・有名事例、メリット、相場、成功させるポイントをわかりやすく解説します。(中小企業診断士 鈴木 […]

【無線通信・IoTプラットフォーム×IoT構築】メリテックがEoxys Systems Indiaを子会社化

譲渡企業の概要

Eoxys Systems India:通信事業者や一般法人向けにIoT・クラウドソリューションを提供するインド企業[32]

譲り受け企業の概要

メリテック:無線通信・モバイルネットワークの測定・解析・監視ソフトウェア製品や通信・産業・医療向けIoTプラットフォームなどを開発・提供[33]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:IoTソリューション事業の基盤強化[32]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年1月(発表)
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:メリテックがインドの100%子会社Meritech Softwareを通してEoxys Systems Indiaの過半数株式を取得し同社を子会社化[32]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
クロスボーダーM&Aとは?メリットや手法、有名事例を徹底解説

クロスボーダーM&Aとは、譲渡企業か譲受企業のいずれかが海外の企業であるM&Aです。近年増加傾向にあるクロスボーダーM&Aの目的や手法、有名事例、成功に導くための注意点をわかりやすく解説します。(公認会計 […]

【IoT・AI開発×システム開発】リコノミカルがかなめいを吸収合併

譲渡企業の概要

かなめい:大規模システム・Webサイトなどの開発・運営事業を展開[34]

譲り受け企業の概要

リコノミカル:AI・IoT・AR・RPA野での技術開発・ビジネス開発などの事業を展開[34]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:人員・ノウハウの融合による事業推進のスピードアップと経営効率化[34]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2020年7月
  • 手法:吸収合併
  • 結果:リコノミカルがかなめいを吸収合併し同社の権利義務のすべてを承継[34]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
Webメディア売却の事例や相場を徹底解説【2021年最新版】

Webメディア売却の市場は近年拡大しており、さまざまな種類・規模のメディアが売買されています。Webメディア売却の動向や最新事例、メリット、売却金額の相場などをくわしく解説します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法務・金 […]

M&A・事業承継
M&A成功事例40選 大企業・中小企業・業界別|2021年版

今回は大企業・中小企業別、業界別に厳選したM&A事例40選を紹介します。国内・海外の大企業事例から中小企業事例まで、譲渡・譲り受け企業の概要、M&Aの目的・M&A手法、成約に至るまでを解説します。 […]

[29]Dialogを買収(ルネサス エレクトロニクス)
[30]トップページ(ルネサス エレクトロニクス)
[31]Dialogの買収を完了(ルネサス エレクトロニクス)
[32]Eoxys Systems Indiaを買収(メリテック)
[33]トップページ(メリテック)
[34]システム開発のかなめいを吸収合併(リコノミカル)

IoT企業のM&Aを成功させるポイント

IoT 成功 ポイント

売却側・買収側双方にとってのポイント

相性のよい相手を積極的に探す

M&Aの成否は売り手企業と買い手企業の相性(統合により生じるシナジーの大きさ、経営方針・組織文化・ITシステムの親和性など)によるところが大きく、相手企業とのマッチングが重要なポイントとなります。

近年ではM&Aマッチングサイトなどが普及したことにより、幅広い候補のなかから有望な相手企業を探したり、リアルタイムで売却・買収ニーズをチェックしたりすることが容易になりました。
そうしたサービスを利用して相性のよい相手を積極的に探し出すことが、M&Aを成功に導く大きな鍵です。

技術の権利関係をチェックする

製品やサービスに利用している技術や新規開発技術の権利関係(権利の帰属、ライセンス契約の内容など)が、M&Aを機に大きな問題として浮上するケースがあります。

権利関係が不明確だったり、M&Aによる承継や契約の移転・継続が不可能な内容だったりすると、M&A後の事業展開に大きな支障を来したり、第三者とのトラブルが発生してその対処のために過大なコストがかかったりする恐れがあります。

これは買い手側にとって大きなリスクであり、買い手に統合される売り手企業にとっても他人事ではありません。リスクの大きさは譲渡価格を引き下げる要因にもなります。
技術の権利関係については詳細にチェックし、問題点があれば対応を慎重に検討・協議する必要があります。

人材流出・モチベーション低下に注意する

M&Aによる職場環境・労働条件などの変化が人材流出やモチベーション低下を引き起こす例が少なくありません。
IoT開発事業においては人材力が主要な経営資源のひとつであり、キーパーソンの流出や人材の大量流出などが起これば致命的なダメージにつながる恐れがあります。

売り手側・買い手側ともに人材関連の問題に留意し、交渉段階から十分に検討・協議しておく必要があります。

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売却側にとってのポイント

売却を視野に入れて事業を展開する

会社・事業の売却という選択肢は事業成長のための基本的な戦略のひとつであり、起業家にとっては投資を回収して次の展開を図るための手段でもあります。

中長期的に売却という選択肢を視野に入れて事業を展開することにより、有力な買い手企業へ好条件で売却できる可能性が高まります。

競業避止義務に留意する

事業の一部を切り離して譲渡する売り手企業や、M&Aを機に会社を離れる経営者・役員などに対しては、M&A契約競業避止義務(一定の範囲・期間において売却対象と競合する事業を行うことを禁じる取り決め)が課されるのが一般的です。

競業避止義務の対象範囲・期間によってはM&A以降の事業展開の大きな足かせとなる可能性があるため、買い手側と十分に協議して落としどころを探る必要があります。

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まとめ

IoT業界は市場拡大が大いに期待できる分野であり、オープンイノベーションなどの観点からM&Aが盛んに行われています。
IoT企業にとってM&Aは基本的な事業戦略のひとつと言え、今後ますます活発に利用されていくものと予想されます。

(執筆者:相良義勝 京都大学文学部卒。在学中より法務・医療・科学分野の翻訳者・コーディネーターとして活動したのち、専業ライターに。企業法務・金融および医療を中心に、マーケティング、環境、先端技術などの幅広いテーマで記事を執筆。近年はM&A・事業承継分野に集中的に取り組み、理論・法制度・実務の各面にわたる解説記事・書籍原稿を提供している。)