事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

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不動産開発・売買・仲介のM&A・事業承継の動向と事例

不動産開発・売買・仲介業では、後継者不在の深刻化などを背景としたM&Aが活発です。M&Aにより、譲渡企業は「顧客ニーズに合うサービスの提供」、譲り受け企業は「取扱物件の獲得」などのメリットを期待できます。

不動産開発・売買・仲介の概要

定義

この業種には、以下の事業内容が該当します。

  • 不動産開発・売買
  • 不動産代理・仲介

市場規模・環境

不動産取引業(建物・土地売買業および不動産代理業・仲介業)の市場規模は(売上高合計)以下の通り推移しています。[1]

出典:サービス産業動向調査(e-Stat)を基に弊社作成
※各業種の1年間あたり売上高は「各月売上高の平均」×12ヶ月で計算

2013年〜2017年における建物・土地売買業と不動産代理業・仲介業それぞれの売上高は以下のとおりです。[2]

出典:サービス産業動向調査 拡大調査(e-Stat)を基に弊社作成
※「平均×12」で算出した売上高ではないため、計算の結果に若干の違いがある点に注意

不動産開発業の市況を示す「新設住宅の着工戸数」は以下の通り推移しています。[3]

出典:令和3年度 住宅経済関連データ(国土交通省)を基に弊社作成

課題・展望

不動産開発・売買・仲介の領域では、以下の課題があります。

  • 少子高齢化に伴う需要の先細り、物件に対するニーズの変化
  • 空き家数の増加、既存ストックの老朽化
  • 自然災害や感染症流行に伴うリスク
  • 顧客の囲い込み(両手仲介)
  • 慢性的な人手不足

上記課題を受けて、当領域の企業には以下の取り組みが求められます。

  • 顧客のニーズを踏まえたサービスや物件の提供
  • 海外市場への進出
  • 取引先や取扱物件の分散による業績悪化のリスク軽減
  • DXの強化による業務の生産性向上、顧客の満足度向上

不動産開発・売買・仲介のM&A動向

M&Aの件数

2019年度の国内M&A件数は1,536件であり、そのうち全体の2%を不動産業界(Real Estate)が占めています。
したがって、同年の不動産業界に関するM&A件数は、1,536件×2%=約31件(小数点は四捨五入)と推定されます。[4]

上記の推定方法に基づくと、2015年度から2019年度における不動産業界のM&A件数は以下の通りです。

参考:コーポレートガバナンス改革を踏まえた価値創造に資する合併と買収に関する実態調査(KPMG FAS)を基に弊社作成
※KPMGは、レコフM&Aデータベースなどの情報をベースに件数を算出

不動産開発・売買・仲介業のM&A件数についても、業界全体とおおむね同じように推移していると考えられます。

M&Aが行われている背景

不動産開発・売買・仲介の領域では、以下の目的・戦略でM&Aが活用されています。

  • 後継者不在の深刻化
  • 他地域や海外への進出
  • 中古物件などのニーズへの対応強化
  • 建設事業とのシナジー創出

不動産開発・売買・仲介でM&Aを行うメリット・デメリット

メリット

譲渡企業

  • 事業承継を行い、ハッピーリタイアや売却利益の獲得、個人保証からの解放を実現できる
  • 従業員の雇用や取引先との契約を維持できる
  • 大手不動産・建設会社の傘下入りにより、単独では実現できなかった事業の成長加速や収益の安定化を期待できる
  • 譲り受け企業のITシステムやブランド力、取扱物件情報などを活用し、収益性や生産性の向上を見込める
  • 譲り受け企業との協働により、顧客のニーズ(中古物件など)に合うサービスの提供が可能となる

譲り受け企業

  • 有資格者(宅建士など)や優秀な技術者を確保できる
  • 新しい地域や隣接ビジネス、海外への進出により、経営リスクの分散や売上増加を期待できる
  • 事業規模の拡大により、仕入コストや管理コストを削減できる
  • 新しい顧客や取扱物件、ネットワークを獲得できる
  • 一から当該業種に参入する場合と比べて、より短期間で事業を軌道に乗せることを期待できる

デメリット

譲渡企業

  • 契約条件を譲り受け企業が変更することで、従業員や顧客に迷惑をかけるリスクがある
  • 株主や経営陣としての地位を失う、経営の自由度が低下するリスクがある

譲り受け企業

  • 不要な資産や未払残業代などの簿外債務を引き継ぐリスクがある
  • 期待していたシナジー効果を創出できず、買収資金を回収できないリスクがある

不動産開発・売買・仲介のM&Aを成功させるポイント

譲渡企業

  • 物件情報の質を高める、種類や量を増やす
  • 顧客のニーズを踏まえたサービスや物件を提供できる体制を作る
  • 競合企業との差別化を図利、他社にはない強み(独自の集客ノウハウやデザイン性の高い物件など)を確立する
  • 不要な資産や簿外債務など、会計や法律上のリスクをできる限り減らしておく

譲り受け企業

  • 物件情報の質(立地条件、デザイン性など)や種類、量を精査する
  • 顧客のニーズを満たしているか、競合企業との差別化を実現できている譲渡企業を選定する
  • 資金計画・事業計画の妥当性や銀行との関係(資金調達力)、自己資本比率を精査する
  • 優秀な人材や有資格者の有無を確認する

不動産開発・売買・仲介のM&A事例・インタビュー

主な有名事例

M&Aが行われた時期

譲渡企業・譲り受け企業の概要

M&Aの目的・背景

M&Aの手法・成約

2022年9月

譲渡企業:THEグローバル社

譲り受け企業:SBIホールディングス

譲渡企業(親会社):事業の選択と集中[5]

譲り受け企業:不動産金融事業分野の拡大 [6]

手法:株式譲渡

結果:SBIホールディングスがTHEグローバル社の一部株式(51.95%)を取得し、同社を連結子会社化[6]

取得価額:30億8,805万円[5]

2019年8月

譲渡企業:小山建設、小山不動産、草加松原住建

譲り受け企業:ハウスドゥ

譲り受け企業: 不動産事業の拡大

手法:株式譲渡

結果:ハウスドゥが譲渡企業3社の全部または一部の株式を取得し、小山建設グループを子会社化

取得価額: 26億5,100万円[7]

2022年2月

譲渡企業:NC MAX WORLD

譲り受け企業:アジアゲートホールディングス

譲り受け企業:不動産事業および不動産コンサルティング事業の収益拡大

手法:株式譲渡

結果:アジアゲートホールディングスがNC MAX WORLD株式を追加取得し、同社を完全子会社化

取得価額:31億8,750万円[8]

[1] サービス産業動向調査(e-Stat)
[2] サービス産業動向調査 拡大調査(e-Stat)
[3] 令和3年度 住宅経済関連データ(国土交通省)
[4] コーポレートガバナンス改革を踏まえた価値創造に資する合併と買収に関する実態調査(KPMG FAS)
[5] 特定子会社の異動を伴う株式譲渡(アスコット)
[6] THEグローバル社の株式取得(SBIホールディングス)
[7] 小山建設グループの株式取得(ハウスドゥ)
[8] NC MAX WORLDの完全子会社化(アジアゲートホールディングス)

M&Aサクシードで成約した事例

不動産開発・売買・仲介に関連する業界でも成約が生まれています。

譲渡
不動産業・一級建築士事務所・工務店・
  • 業種
    不動産業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    2億5,000万円~5億円
株式譲渡
譲り受け
注文住宅等建築業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    10億円~25億円
譲渡
プレハブ等建築業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    2億5,000万円~5億円
株式譲渡
譲り受け
不動産業
  • 業種
    不動産業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    10億円~25億円
譲渡
営業コンサルティング業
  • 業種
    サービス業(法人向け)
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    1億円~2億5,000万円
株式譲渡
譲り受け
不動産賃貸業・外食産業等
  • 業種
    不動産業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    10億円~25億円

不動産開発・売買・仲介のM&A案件一覧

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