- 管工事施工管理技士業
- 業種
- 建設、土木、工事業
- 地域
- 中部地方
- 売上高
- 1億円~2億5,000万円
- 建設・工事業
- 業種
- 建設、土木、工事業
- 地域
- 近畿地方
- 売上高
- 10億円~25億円
電気・通信工事のM&A・事業承継の動向と事例
電気・通信工事のM&Aは、人手不足や時代の移り変わりによるニーズの変化等を背景に活発です。M&Aによって、譲渡企業は「事業の継続」、譲り受け企業は「有資格者の獲得」等のメリットを得られます。
電気工作物の設置等を行う「電気工事業」と、電気通信設備に関する工事を実施する「通信工事業」が該当します。
電気工事業および電気通信工事業の完成工事高(市場規模)は以下の通り推移しています。[1]
出典:建設工事統計調査(e-Stat)を基に弊社作成
また、建設業全体に占める電気工事業および電気通信工事業の完成工事高の割合は以下のとおりです。[1]
出典:建設工事統計調査(e-Stat)を基に弊社作成
電気工事業には以下の課題が存在します。
・分離発注の促進
分離発注とはクライアントが建築・電気設備・機械設備について、それぞれを別々に発注することにより、設備会社に良質な施工と明確な責任を課すやり方のことです。
クライアントにとっては、コストの透明性・品質保証・コスト削減などのメリットがあります。
この分離発注の促進が電気工事業における大きな課題です。
現在、民間工事においては、約3割が分離発注であるとされています。[2]
出典:電気工事業の現状と課題 (日本電設工業協会)を基に弊社作成
・仕事の担い手の育成と確保
建設への投資が1992年をピークに約半減し、企業は若者の採用を控えています。[2]
また少子高齢化という日本全体の構造的な問題などにより労働力の高齢化が進んでいます。
単に労働者が不足しているだけではなく、第一線で活躍する若者の不足も深刻です。
残業や休日出勤などの過酷な労働環境や処遇が、電気工事業を敬遠する要因となっています。
特に若者に対して、電気工事業界の魅力を発信する必要があります。
現在、電気通信工事の需要は増加傾向にあり、将来性のある産業と言えます。しかし解決すべき課題も多くあります。
通信工事には以下の課題が存在します。
・モバイル通信「5G」への対応
現代社会はますます情報化が進んでいます。
情報技術の発展に伴い、5Gが導入されていますが、5Gの導入には基地局の設置が必要です。
この5G設備の導入へのニーズが、今後、通信工事業界で高まっていくでしょう。[3]
出典:情報通信行政の最新動向(総務省)を基に弊社作成
・IoT時代への対応
IoT(Internet of Things)は様々なものをインターネットに接続する技術です。
近年、テレビ・照明・監視カメラ等、様々な家電製品をインターネット経由で制御するIoTサービスが普及しています。
そしてIoTサービスの普及に伴い、通信ネットワーク技術は複雑化・多様化しています。
通信工事業界では、IoT時代への対応も課題の1つです。
・光ファイバー回線の普及・展開
インターネット回線の中でも光ファイバー回線は、その速度と安定性から広く普及が進んでいます。
インターネット通信の増加に伴い、オフィスや家庭でインターネット回線を光回線に切り替える工事が増加しています。
光回線に切り替えるには、光ケーブルの敷設工事が必要であり、今後も光回線に関わる通信工事が増えていくでしょう。
・業務効率化
具体的には、AR(各超現実)等を活用した安全教育や機器の操作の教育、ウェアラブルカメラ等の活用による現場作業員への専門技術者からの作業指示等が対策として有効であると考えられています。
・人手不足の解消
通信工事業界では、少子高齢化による労働力の高齢化や、長時間労働や休日出勤などの労働環境に対するマイナスイメージ等から、技術者不足が問題となっています。
人手不足の問題を解決するためには、専門技術者の育成・労働環境の改善・ICTやロボットを活用した業務の効率化等の対応が必要です。
通信工事の今後の展望:情報化が進む社会において、電話やインターネット設備の設置・保守などの通信工事は欠かせません。
今後は大阪万博に伴う建設活動の影響により、ニーズは高まる傾向にあると考えられます。
設備の老朽化に伴い、建物の建て替えや修繕工事も盛んに行われています。
通信工事は私たちの生活に欠かせないものであり、今後も需要がなくなることはないと言えるでしょう。
2017〜2021年において、建設業界全体のM&A件数は以下のとおり推移しています。[4][5]
出典:「建設業界」M&A取引金額が過去最高に(M&A Online)、M&Aの主役交代!? 「製造業」が「サービス業」にトップの座を譲る(M&A Online)を基に弊社作成
譲渡企業 |
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譲り受け企業 |
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譲渡企業 |
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譲り受け企業 |
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M&Aが行われた時期 | 譲渡企業・譲り受け企業の概要 | M&Aの目的・背景 | M&Aの手法・成約 |
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2021年12月 | 譲渡企業:ユウキ産業 譲り受け企業:ETSホールディングス | 譲り受け企業:ユウキ産業が保有する優良顧客とのリレーションの活用 | 手法:株式譲渡 結果:完全親子関係[6] |
2021年7月 | 譲渡企業:フジクラエンジニアリング 譲り受け企業:きんでん | 譲渡企業と譲り受け企業とが保有する経営資源の相互の補完・共有・活用 | 手法:株式譲渡 結果:完全親子関係[7] |
2018年10月1日 | 譲渡企業:NDS 譲り受け企業:コムシスホールディングス | 譲り受け企業:企業価値の一層の向上 | 手法:株式交換 結果:完全親子関係[8] |
[1]建設工事統計調査(e-Stat)
[2]電気工事業の現状と課題 (日本電設工業協会)
[3]情報通信行政の最新動向(総務省)
[4]「建設業界」M&A取引金額が過去最高に(M&A Online)
[5]M&Aの主役交代!? 「製造業」が「サービス業」にトップの座を譲る(M&A Online)
[6]ETSホールディングス_ユウキ産業の子会社化(ETSホールディングス)
[7]フジクラエンジニアリングの子会社化(きんでん)
[8]コムシスホールディングスとNDSの経営統合に関する株式交換契約締結 (コムシスホールディングス)
電気・通信工事に関連する業界でも成約が生まれています。
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