事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

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建設工事・ゼネコンのM&A・事業承継の動向と事例

建設工事・ゼネコンのM&Aは、人手不足や後継者不在などを背景に活発です。M&Aによって、譲渡企業は「多重下請け構造からの脱却」、譲り受け企業は「優秀な職人の獲得」などのメリットを得られます。

建設工事・ゼネコンの概要

定義

建築物等の新設や解体などを行う「建設工事業(建築工事業)」と、建設工事や土木工事をまとめて請け負う「ゼネコン(総合建設業)」が該当します。

市場規模・環境

2016〜2020年における建設工事業の建設投資額は、以下のとおり推移しています。[1]

出典:令和3年度(2021年度)建設投資見通し(国土交通省)を基に弊社作成

一方で、ゼネコンの市場規模(主要上場ゼネコンの売上高合計)は以下の通り推移しています。[2][3][4][5]

出典:2018年3月期〜2021年3月期の「上場ゼネコン 業績動向」調査(東京商工リサーチ)を基に弊社作成

課題・展望

建設工事・ゼネコンには、下記の課題があります。

  1. 多重下請構造による利益率の低さ
  2. 人材の高齢化と不足
  3. 劣悪な労働環境(休暇日数の少なさ、時間外労働の多さなど)
  4. 社会保険に加入していない人材の多さ

2つ目の課題を例に挙げると、建設業は全産業と比較して、55歳以上の就業者数が多い一方で、15〜34歳の就業者数は少ない現状[6]であり、高齢者の大量離職によって深刻な人材不足となるおそれがあります。

出典:建設業就業者の年齢構成(厚生労働省) を基に弊社作成

こうした課題を受けて、建設工事・ゼネコンの事業者には以下の取り組みが求められます。

  • 労働環境の改善(適切な賃金水準の確保など)
  • ICTの活用による生産性の向上、労働時間の削減等
  • 職人の育成強化、キャリアアップ支援

建設工事・ゼネコンのM&A動向

M&Aの件数

2017〜2021年において、建設業界全体のM&A件数は以下のとおり推移しており、買収・売却が活発化しています。[7][8]
単体のデータはないものの、建設工事・ゼネコンによるM&Aも活発に行われていると考えられます。

出典:「建設業界」M&A取引金額が過去最高に(M&A Online)M&Aの主役交代!? 「製造業」が「サービス業」にトップの座を譲る(M&A Online)を基に弊社作成

M&Aが行われている背景

  • 職人などの専門技術を持った人材の確保、人手不足の解消
  • 後継者不在に伴う事業承継
  • 事業規模の拡大や海外展開の実現
  • 経営状況(利益率など)の改善
  • 垂直統合によるコスト削減、水平統合や隣接業種の買収によるシナジー効果の創出

建設工事・ゼネコンのM&Aを行うメリット・デメリット

メリット

譲渡企業

  • 後継者不足の企業でも事業承継を行い、会社や事業を存続させることが可能
  • 会社や事業の売却利益を得ることで、悠々自適な老後生活や新規事業に資金を投下できる
  • 経営者は個人保証から解放される
  • 大手ゼネコンや建設会社の傘下入りを果たすことで、利益率の改善や受注の安定化、従業員の待遇向上などを期待できる
  • 多重下請け構造から脱却できる可能性がある

譲り受け企業

  • 優秀な職人や建設業許可、大手発注元などの経営資源を獲得できる可能性がある
  • 事業規模の拡大により、価格交渉力の向上や管理・仕入コストの削減、売上の増加などを期待できる
  • 新しい地域(海外含む)や隣接業種に参入できる
  • ITのシステムやノウハウ等を取得し、生産性の向上や労働環境の改善を実現できる
  • 一から参入する場合と比べて、短期間で建設工事・ゼネコンの事業を軌道に乗せることが可能

デメリット

譲渡企業

  • 職人や従業員、取引先からM&Aの実施に対して反発を受けるおそれがある
  • 株主としての権利を失ったり、経営の自由度が低下したりするおそれがある

譲り受け企業

  • 訴訟リスクや簿外債務(未払残業代など)を引き継ぐ場合がある
  • 引き継いだ職人が離職したり、取引先から契約を打ち切られたりするリスクがある

建設工事・ゼネコンのM&Aを成功させるポイント

譲渡企業

  • 職人の技術力向上、有資格者の育成
  • 元請比率の向上
  • 法務・労務問題(長時間労働など)、会計問題(粉飾決算など)の解決
  • 売上や利益が成長しているタイミングでの売却
  • 老朽化している建設機械等の買い替え

譲り受け企業

  • 優秀な職人や有資格者を数多く抱える譲渡企業の選定
  • 建設設備等の買い替え費用の事前見積もり
  • 法務問題や会計問題の精査、対策の検討
  • スムーズな人材や取引先の引き継ぎ、離職や契約打ち切りの防止策実施
  • 建設業許可の引き継ぎ条件や可否の確認

建設工事・ゼネコンのM&A事例

主な有名事例

M&Aが行われた時期

譲渡企業・譲り受け企業の概要

M&Aの目的・背景

M&Aの手法・成約

2022年3月

譲渡企業:西武建設

譲り受け企業:ミライト・ホールディングス

譲り受け企業:両社が有する経営資源の相互活用による事業展開の加速

手法:株式譲渡

結果:ミライト・ホールディングスが西武建設株式の95%を取得し、同社を子会社化

取得価額:約620億円[9]

2022年3月[10]

譲渡企業:日本道路

譲り受け企業:清水建設

譲り受け企業:受注拡大、事業競争力の強化、建設に関する研究開発体制の合理化[11]

手法:公開買付け(TOB)

結果:清水建設が日本道路株式を追加取得し、同社を子会社化

取得価額:222億円[10]

2021年11月、12月

譲渡企業:昭和建設

譲り受け企業:戸田建設

譲り受け企業:茨城エリアにおける強固な事業基盤の確立、市場シェアの拡大

手法:株式譲渡、株式交換

結果:戸田建設が昭和建設株式の57%を取得し、その後株式交換を行うことで同社を完全子会社化

取得価額:非公表[12]

[1] 令和3年度(2021年度)建設投資見通し(国土交通省)
[2] 2021年3月期決算「上場ゼネコン54社 業績動向」調査(東京商工リサーチ)
[3] 2020年3月期決算「上場ゼネコン55社 業績動向」調査(東京商工リサーチ)
[4] 2019年3月期決算上場ゼネコン57社(東京商工リサーチ)
[5] 業績動向調査、上場ゼネコン58社「2018年3月期業績」調査(東京商工リサーチ)
[6] 建設業就業者の年齢構成(厚生労働省)
[7] 「建設業界」M&A取引金額が過去最高に(M&A Online)
[8] M&Aの主役交代!? 「製造業」が「サービス業」にトップの座を譲る(M&A Online)
[9] 西武建設の子会社化(ミライト・ホールディングス)
[10] 清水建設による当社株式に対する公開買付けの結果(日本道路)
[11] 清水建設による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(日本道路)
[12] 昭和建設の完全子会社化(戸田建設)

M&Aサクシードで成約した事例

建設工事・ゼネコンに関連する業界でも成約が生まれています。

譲渡
管工事施工管理技士業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    中部地方
  • 売上高
    1億円~2億5,000万円
株式譲渡
譲り受け
建設・工事業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    近畿地方
  • 売上高
    10億円~25億円
譲渡
建設・土木業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    東北地方
  • 売上高
    5億円~10億円
株式譲渡
譲り受け
建築・警備業等
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    10億円~25億円
譲渡
不動産業・一級建築士事務所・工務店・
  • 業種
    不動産業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    2億5,000万円~5億円
株式譲渡
譲り受け
注文住宅等建築業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    10億円~25億円
譲渡
公共工事中心 建築工事業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    九州地方
  • 売上高
    1億円~2億5,000万円
株式譲渡
譲り受け
建設会社
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    九州地方
  • 売上高
    5億円~10億円
譲渡
プレハブ等建築業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    2億5,000万円~5億円
株式譲渡
譲り受け
不動産業
  • 業種
    不動産業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    10億円~25億円
譲渡
建機リース業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    1億円~2億5,000万円
株式譲渡
譲り受け
土木建築等請負業
  • 業種
    建設、土木、工事業
  • 地域
    中部地方
  • 売上高
    10億円~25億円

建設工事・ゼネコンのM&A案件一覧

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