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AI企業のM&A事例17選 動向、売却のメリットも徹底解説

  • 執筆者: 相良 義勝 (京都大学文学部卒 / 専業ライター)

AI産業市場は急速に拡大しており、M&Aも活発です。AI産業の市場動向と、AI企業(AI関連技術・サービスを開発・提供している企業)のM&A・売却動向、メリット、近年のM&A事例を詳しく解説します。

AI企業 M&A事例 動向

目次
  1. AI産業の市場動向
  2. AI企業のM&A動向と売却・買収のメリット
  3. AI企業の売却・増資事例
  4. AI企業の買収事例
  5. まとめ

AI産業の市場動向

AI産業は近年めざましいスピードで成長しており、AI産業の市場規模は今後も順調に拡大していくものと見られます。
IT専門調査会社IDC Japanの調査によると、2020年の国内AIシステム市場の規模は前年比47.9%増の約1,580億円となりました。[1]

コロナ禍によりITシステムのユーザー企業がDXの必要性を改めて強く認識するようになり、企業変革のためのAI導入が加速された結果、AI関連のソフトウェア、ハードウェア、コンサルティングなどの市場が大きく伸びたものと思われます。

AI産業にとってはコロナ禍が打撃となるどころか、むしろ追い風となって働いている状況と言えます。
今後も毎年平均25.5%の成長率で市場規模が拡大していくとIDC Japanは予測しています。

[1]国内AIシステム市場予測を発表(IDC)

AI企業のM&A動向と売却・買収のメリット

オープンイノベーション(外部・異分野との協業によるイノベーション)などの観点から、大手を中心に各業種の企業が、AI関連ベンチャー企業を対象とするM&A(子会社化や一部事業譲受、出資・資本提携)を盛んに行っています。

買い手側としては、先端技術・サービス開発のためのリスクやコストを抑えながら、他社の成果やリソースを取り込んでイノベーションを加速することができるというメリットがあります。
売り手側としても、大手企業の傘下に入り安定した経営基盤のもとで開発・サービス提供体制を拡大したり、事業譲渡や増資で得た資金を用いて事業成長を加速したりすることが可能になります。

現在のところAI企業はM&Aにおいて売り手側に立つケースが多いものの、開発体制強化やサービス拡大を目指して積極的に他社買収を進めるAI企業も現れてきています。

AI企業は技術開発・活用のレベルに応じて3タイプ(下記A~C)に分類することができ、タイプごとにM&Aの傾向(相手方の業種や期待されるシナジーなど)に違いが見られます。

  1. AIの要素技術(機械学習・画像解析・音声認識・自然言語処理など)を開発する企業
  2. 要素技術をもとに、各業種の業務現場で利用可能なAIソリューションを開発する(受託開発やソリューションの提案・実装を行う)企業
  3. A・Bタイプの企業の技術をもとに、AIを用いたビジネス向け・消費者向けツールなどを開発して、それをベースとしたサービスを展開する企業

この分類をもとにAI企業が関わるM&Aの主な傾向をまとめると以下のようになります。
これらのほか、ベンチャーキャピタルによるAI企業への出資(AI企業から見れば増資による資金調達)なども盛んに行われています。

売り手

買い手

シナジー

A・BタイプのAI企業

電機などのメーカー

  • 開発力強化
  • ソリューションのワンストップ提供体制強化
  • 新規事業分野開拓

BタイプのAI企業

CタイプのAI企業

  • 開発力強化
  • 既存サービス拡大
  • 新規サービス開発

B・CタイプのAI企業

マーケティング会社、不動産会社、消費者向け製品のメーカーなど

  • 業務のDX推進
  • 新規サービス・販売手法の開発
  • 需要分析・予測の精密化・効率化

システム開発会社

BタイプのAI企業

  • 開発力強化
  • エンジニア人材の拡充

買い手の事業と関連するサービスを展開する異業種企業

CタイプのAI企業

  • AI活用領域・サービス提供範囲の拡大
  • 新規サービス開発
M&A・事業承継
M&Aとは?目的・手法・メリット・流れを解説【図解でわかる】

M&A(エムアンドエー)とは、Merger(合併)and Acquisitions(買収)の略で、「会社あるいは経営権の取得」を意味します。今回は、M&Aの意味・種類・目的・メリット・基本的な流れ・税金・ […]

M&A・事業承継
M&Aのメリット・デメリットを買い手・売り手ごとに徹底解説

M&Aをする最大のメリットは時間を買えることです。買い手は新規事業や既存事業の拡大にかかる時間を買えます。売り手は投資回収・現金化の時間を短くできます。今回はM&Aのメリット・デメリットを解説します。 目 […]

AI企業の売却・増資事例

AI企業 売却 増資事例

AI企業が売り手となったM&A事例と、AI企業が他社を引受先として行った増資・資本提携の事例を紹介します。

【AIソリューション×マーケティング】Zeroがネオマーケティングの子会社に

譲渡企業の概要

Zero:クライアント企業のマーケティング活動・DXをサポートするAIアルゴリズムの設計・実装やAIソリューション提供などの事業を展開[2]

譲り受け企業の概要

ネオマーケティング:マーケティングリサーチ、デジタルマーケティング、ブランディング、PR、D2C支援、カスタマーサクセスなどのサービスを展開[3]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:マーケティング・DX支援におけるAI活用の推進、マーケティングデータ解析における効率化・予測精度向上[2]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年1月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:ネオマーケティングがZeroの全株式を取得し同社を完全子会社化
  • 譲渡金額:6億400万円[2]
M&A・事業承継
【2021年最新版】IT業界のM&A事例56選

IT業界における厳選した56例のM&Aについて、「2021年の最新事例」や「システム開発分野」などのジャンルに分けて解説します。 事例では売り手・買い手企業の特徴やM&Aの手法、売買価格を紹介します。(中 […]

【AIソリューション×ITサービス】AI Infinityがエムティーアイの子会社に

譲渡企業の概要

AI Infinity:自然言語処理・音声認識・画像解析の技術を活用したAIソリューションを開発[4]

譲り受け企業の概要

エムティーアイ:IoT・AIを活用して消費者・企業・自治体をつなぐヘルスケアデータベースサービス・子育て支援アプリの開発事業と、モバイル決済などのフィンテック事業を展開[5]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:協業によるAI事業の拡大[4]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年12月
  • 手法:第三者割当増資
  • 結果:エムティーアイがAI Infinityの第三者割当増資を引き受け議決権の保有割合を17.55%から51.56%にアップし、同社を子会社化
  • 譲渡金額:2億円[4]
M&A・事業承継
アプリの売却方法|流れや相場、成功事例を徹底解説

市場拡大にともない、アプリ事業・会社の売却は活発化しています。ユーザー数などの指標が良ければ、中小企業が開発したアプリでも高値で売却できます。アプリ売却の方法や売却価格の相場、事例などをわかりやすく解説します。(中小企業 […]

【AI・半導体×製造派遣・請負】シンコムとアダプトIPがフジアルテの子会社に

譲渡企業の概要

シンコム:半導体開発・設計、半導体関連ソフトウェア・ハードウェアの開発・販売・輸出入、深層学習関連のソフトウェア・ハードウェアの設計・開発などの事業を展開[6]

アダプトIP:エッジAI受託開発、AI学習データセット作成、ワイヤレス・5Gシステム開発、LSI設計・テストなどの事業を展開[7]

譲り受け企業の概要

フジアルテ:製造業向け人材派遣・紹介、製造請負、生産管理体制構築などのサービスを展開[8]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:顧客基盤・営業拠点ネットワークの相互活用、採用・人材育成・キャリア形成支援活動の連携を通した事業成長、事業ポートフォリオ拡充[9]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年12月
  • 手法:不明
  • 結果:フジアルテがシンコムとアダプトIPを子会社化[9]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
人材派遣会社の売却・M&A事例11選【2021年最新版】

人材派遣事業を売却して大手企業の傘下に入れば、安定的な人材確保や事業運営が可能となります。 また、事業承継の実現や売却利益を得られることもメリットです。今回の記事では、人材派遣事業の売却相場や事例を分かりやすく解説します […]

M&A・事業承継
システム開発・受託開発の最新売却・M&A事例、売却価格の相場

システム開発・受託開発会社の売却は、後継者不足などの課題を背景に増加傾向です。システム開発・受託開発会社の売却・M&A事例やメリット、売却価格の相場、高値での売却可能性を高める方法を徹底解説します。(中小企業診断 […]

【AIソリューション×不動産】ABEJAがヒューリックと資本業務提携

譲渡企業の概要

ABEJA:高度なディープラーニング技術をベースにしたAIソリューション・AIコンサルティングの事業を展開[10]

譲り受け企業の概要

ヒューリック:オフィスビル・商業施設・宿泊施設・高齢者住宅の開発・賃貸・資産価値最大化などの事業を展開[11]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:オフィス賃貸事業のDX推進、DXプラットフォームを実装したサブスクリプション型フレックスオフィス「Bizflex」[12]の事業における譲渡企業との協業の強化[10]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年11月
  • 手法:資本業務提携
  • 結果:ヒューリックがABEJA株式の4.9%を取得し、同社と資本業務提携契約を締結[10]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
不動産仲介業のM&A動向と最新事例13選

不動産仲介業界では少子化やDXの流れなどを背景としてM&Aが活発化しています。不動産仲介業界の現況とM&A動向、近年の事例を紹介し、M&Aを行うメリットや成功のポイントをくわしく解説します。 目次 […]

【AIソリューション×飲料メーカー】シナモンがサントリーホールディングスと資本提携

譲渡企業の概要

シナモン:AI関連製品・サービスの開発、AIソリューション提供などの事業を展開[12]

譲り受け企業の概要

サントリーホールディングス:スピリッツ・ビール・ワイン・健康食品製造などの事業を展開するサントリーグループの持株会社[13]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:スタートアップ企業への投資を通したオープンイノベーション推進(具体的には、顧客体験向上のためのDX加速、ビジネスプロセスの抜本的再構築の推進、オンライン販売手法開発)[12]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年8月
  • 手法:資本参加・提携
  • 結果:サントリーホールディングスがシナモンに出資し、同社と提携[12]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
食品卸業界のM&A・売却事例や動向、売却価格の相場を徹底解説

食品卸売業のM&A・売却では、事業基盤の強化などのメリットを得られます。売却金額の相場は、時価純資産+営業利益の2〜5年分です。食品卸売業の最新M&A事例や売却・買収のメリットなどを徹底解説します。(中小 […]

【AIサービス×マーケティング】AlphaがMacbee Planetの完全子会社に

譲渡企業の概要

Alpha:独自のAI配信アルゴリズムと3D技術を駆使したマーケティングプラットフォーム「3DAD」を展開[14]

譲り受け企業の概要

Macbee Planet:データとテクノロジーを活用したLTV(顧客生涯価値)予測に基づくマーケティング事業を展開[14]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:譲渡企業の得意分野のひとつであるゲーム・エンターテインメント業界へのLTVマーケティングの展開、自社主要クライアントである美容業界・金融業界への「3DAD」の提供による事業拡大、データ解析・配信技術のAIによる効率化・精度向上、譲渡企業の3D技術の活用によるサービス向上と新広告領域(VR・AR)の展開[14]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年8月[15]
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:Macbee PlanetがAlphaの全株式を取得し同社を完全子会社化
  • 譲渡金額:12億円[14]
M&A・事業承継
ゲーム会社の売却・M&A動向や手法、売却額の相場、最新事例

ゲーム会社の売却は、市場規模が拡大している現状において有用な戦略であり、投資資金の回収などを実現できます。ゲーム会社の売却メリットや手法、最新のM&A事例、成功可能性を高めるポイントを徹底解説します。(中小企業診 […]

【AI・IoTサービス×建設】ヒラソル・エナジーが東急建設を引受先とする第三者割当増資を実施

譲渡企業の概要

ヒラソル・エナジー:AI・IoTにより太陽光発電設備をパネル単位で保守管理する遠隔モニタリング・データ解析プラットフォームを開発[16]

譲り受け企業の概要

東急建設:公共インフラの土木工事、公共・民間向け建築、不動産取得・賃貸などの事業を展開[17]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:ベンチャー企業への出資を通して新たな成長機会の創出を図る戦略の一環(具体的には、DX推進・デジタル技術拡大による競争優位性の獲得、再生可能エネルギー利用拡大によるサステナビリティ推進)[16]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年6月
  • 手法:第三者割当増資・資本提携
  • 結果:東急建設がヒラソル・エナジーの第三者割当増資を引受け、同社と投資契約を締結[16]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
建設業のM&A動向・売却事例・メリット

人手不足や市場規模の縮小などの影響で、近年建設業界ではM&Aの件数が増加傾向です。この記事では、建設業のM&A動向や最新の売却事例、事業売却のメリット、M&Aを成功させるポイントをくわしく解説しま […]

M&A・事業承継
ベンチャー企業のM&Aを成功させる秘訣とは【事例12選】

ベンチャー企業にとってM&Aは、大きな戦略的意味を持ちます。ベンチャー企業にとってのM&Aの意味や近年の動向・事例、売却価格の決定方法や成功の秘訣について、図解を用いて徹底解説します。 目次ベンチャー企業 […]

【AIロボット×電機】Kyoto Roboticsが日立製作所の子会社に

譲渡企業の概要

Kyoto Robotics:立命館大学発のベンチャー企業で、ロジスティクスや製造の現場の完全自動化を目的とした3次元画像認識・AI制御・知能ロボットシステムを開発[18]

譲り受け企業の概要

日立製作所:日立グループの中核をなす総合電機メーカー

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:譲渡企業のAI・ロボット技術を取り込み、ロボットSIソリューション(ロボットを用いた自動化システムの構築)の付加価値向上とワンストップ提供体制強化を図る[18]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年4月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:日立製作所がKyoto Roboticsの発行済株式の約96%を取得し、同社を子会社化[18]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
製造業のM&A・売却動向や最新事例、価格相場を徹底解説

製造業のM&Aは、主に大手企業への傘下入りやIT化を目的に行われます。今回の記事では、製造業のM&A動向や最新・有名事例、メリット、相場、成功させるポイントをわかりやすく解説します。(中小企業診断士 鈴木 […]

【AIサービス×通貨処理機】アジラがAI-OCR事業をローレルバンクマシンへ譲渡

譲渡企業の概要

アジラ:行動認識AIを中核とした映像解析の事業と、ディープラーニング技術を用いたOCR(文字画像の電子テキスト化)の事業を展開[19]

譲り受け企業の概要

ローレルバンクマシン:通貨処理機器・システムや金融オンライン端末の開発・製造・販売・保守などの事業を展開[19]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:映像解析事業への経営資源集中

譲り受け企業:AIをベースとしたOCR事業と既存事業の融合による新規事業開発[19]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年3月
  • 手法:事業譲渡
  • 結果:ローレルバンクマシンがアジラからAI-OCR「ジジラ」の事業を譲受しサービス提供を開始[19]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
金融業界のM&A・売却動向と事例

金融業界では、業界再編やIT技術の取得に向けてM&Aを行うケースが増えています。今回の記事では、2021年現在における金融業界の最新M&A動向・事例をわかりやすく解説します。(中小企業診断士 鈴木裕太 監 […]

【AI・IoTシステム×建設コンサルティング】エフェクトが長大の完全子会社に

譲渡企業の概要

エフェクト:組み込みシステムの受託開発、AI・IoTシステムの自社開発などの事業を展開[20]

譲り受け企業の概要

長大:橋梁・道路・河川・港湾・鉄道などに関する建設コンサルティング事業と、道路・公共施設運営などのサービスプロバイダ事業を展開[21]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:グループの経営資源・ノウハウと譲渡企業の先端ITの融合による各種研究開発の加速、新事業領域創出、既存事業拡大 [20]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年3月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:長大がエフェクトの全株式を取得し同社を完全子会社化[20]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
IoT企業のM&A(売却・買収)動向、事例、成功のポイント

IoT業界は大きな発展が予想される分野であり、M&Aが活発に行われています。IoT業界の市場動向やM&A・売却の動向、近年の事例、成功のポイントについて、図解も交えてわかりやすく解説します。(執筆者:京都 […]

【AIサービス×ベンチャーキャピタル】LegalForceに複数のベンチャーキャピタルが出資

譲渡企業の概要

LegalForce:一般企業・法律事務所向けAI契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」やクラウド契約書管理システム「Marshall」を開発[22]

譲り受け企業の概要

WiL、ジャフコグループ、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、DIMENSION:ベンチャーキャピタルとして運営ファンドを通した投資事業を展開[22]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:開発体制・営業体制強化と認知獲得推進のための資金調達[22]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年2月
  • 手法:第三者割当増資
  • 結果:LegalForceが上記6社を含む複数のベンチャーキャピタルの各運営ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施
  • 譲渡(増資)金額:計約27億円[22]
M&A・事業承継
ソフトウェア業の売却・M&A動向と最新事例20選

ソフトウェア業に対するニーズがデジタル化などを背景として拡大し、ソフトウェア企業の売却・M&Aも活性化しています。ソフトウェア業の現況とM&A動向・事例、M&Aを行うメリットなどをくわしく解説しま […]

【AIサービス×総合商社】レコテックに双日が出資

譲渡企業の概要

レコテック:廃棄物の種類・量・所在を可視化し再生資源循環の最適化を図るAIプラットフォームを開発[23]

譲り受け企業の概要

双日:自動車・航空機・鉄道・船舶・インフラ・ヘルスケア・金属資源・化学素材などを扱う総合商社[24]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:AIプラットフォームの開発推進

譲り受け企業:サーキュラーエコノミー型の新たなサプライチェーンの構築を図る[23]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年1月
  • 手法:第三者割当増資
  • 結果:レコテックが双日を引受先とする第三者割当増資を実施[23]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
商社の売却・M&A動向とメリット、事例をわかりやすく解説

商社(専門商社)業界では、同業者(専門・総合商社)やメーカーへの会社売却が活発です。商社の売却では、取引先拡大などのメリットを得られます。売却動向や2020年〜2022年のM&A事例を徹底解説します。 目次商社売 […]

M&A・事業承継
リサイクル・リユース業の売却動向、M&A事例

リサイクル・リユース市場は拡大基調にあり、大手による事業拡大の動きや業界構造の変化に伴いM&Aが活発化しています。リサイクル・リユース業の現況やM&A動向、近年の売却・M&A事例を徹底解説します。 […]

[2]Zero の株式の取得に関するお知らせ(ネオマーケティング)
[3]サービス(ネオマーケティング)
[4]AI Infinityの連結子会社化に関するお知らせ(エムティーアイ)
[5]サービス情報(エムティーアイ)
[6]企業情報(シンコム)
[7]Company(アダプトIP)
[8]サービス紹介(フジアルテ)
[9]シンコム及びアダプトIPの子会社化に関するお知らせ(フジアルテ)
[10]ABEJAとの資本・業務提携契約を締結(ヒューリック)
[11]事業内容(ヒューリック)
[12]人工知能スタートアップ「シナモン」へ資本参加(サントリー)
[13]事業紹介(サントリー)
[14]Alphaの株式の取得に関するお知らせ(Macbee Planet)
[15]沿革(Macbee Planet)
[16]ヒラソル・エナジーとの投資契約を締結(東急建設)
[17]事業内容(東急建設)
[18]知能ロボットシステム開発のKyoto Roboticsを買収(日立グループ)
[19]AI-OCR「ジジラ」をローレルバンクマシンへ事業譲渡(アジラ)
[20]エフェクトの完全子会社化によるインフラ技術革新の推進強化について(長大)
[21]長大について(長大)
[22]LegalForce、シリーズCラウンドにおいて総額30億円調達(LegalForce)
[23]レコテックに出資(双日)
[24]事業紹介(双日)

AI企業の買収事例

AI企業 買収事例 M&A

AI企業が買い手となったM&Aの事例を紹介します。

【AIサービス×ITサービス】TIME MACHINEが電源カフェを完全子会社化

譲渡企業の概要

電源カフェ:リモートワーカーなどをターゲットとして、電源コンセントが利用可能なカフェの検索サービス「DENGEN CAFÉ」を展開[25]

譲り受け企業の概要

TIME MACHINE:AIによる自動日程調整ツールやオンライン名刺交換ツールを開発[25]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:シームレスな連携による両社サービスの拡充[25]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年2月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:TIME MACHINEが電源カフェの全株式を取得し同社を完全子会社化[25]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
情報通信業のM&A動向・メリット、売却価格の相場【成功事例も紹介】

最新技術領域への適応などを目的に、情報通信業のM&Aは活発に行われています。情報通信業のM&Aでは、優秀な人材確保などのメリットを期待できます。情報通信業のM&A動向や売却・買収のメリット、M&a […]

【AIサービス×Web広告代理店】ニューラルポケットがフォーカスチャネルとネットテンを子会社化

譲渡企業の概要

フォーカスチャネル:都心部の富裕層向けマンションを主な設置場所としてデジタルサイネージ(電子看板)による広告事業を展開[26]

ネットテン:全国9か所に営業拠点を置き、小売店・飲食店・官公庁向け屋外デジタルサイネージ設置販売事業を展開[27]

譲り受け企業の概要

ニューラルポケット:AI解析技術とカメラ・デジタルサイネージの組み合わせによる各種ソリューションを提供(街中や物流施設における人・車両の動態把握、リアルタイムのターゲティング広告、ファッショントレンド予測など)[28]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:譲渡企業の営業力・営業網・設置ノウハウ・メンテナンス体制などを活用しつつ、AIを組み込んだデジタルサイネージのサービス拡大を図る[26][27]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年11月1日(フォーカスチャネル)、2022年2月(ネットテン)
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:ニューラルポケットがフォーカスチャネルとネットテンの全株式を取得し両社を完全子会社化
  • 譲渡金額(フォーカスチャネル):2億5,000万円+アーンアウト条項に基づく追加対価(株式譲渡後6か月の譲渡企業売上高に応じて0円~1億5,000万円)[26]
  • 譲渡金額(ネットテン):24億円+株式譲渡契約に定める対応事項完了を条件とした追加対価1億円[27]
M&A・事業承継
広告代理店のM&A動向と事例13選

インターネット広告・デジタル広告が勢いを増すなか、旧来型ビジネスからの脱却を図る広告代理店やWeb系広告代理店によるM&Aが盛んに行われています。近年の業界動向とM&Aの動向・事例を徹底解説します。(執筆 […]

【AIソリューション×システム開発】エクサウィザーズがエクスウェアを完全子会社化

譲渡企業の概要

エクスウェア:各種企業の基幹システム開発、SaaSの基盤開発・アプリ開発、AI活用サービスの開発などの事業を展開[29]

譲り受け企業の概要

エクサウィザーズ:自社開発のAIプラットフォーム・AIプロダクトをベースに、社会課題解決・産業革新を目的としたソリューション事業を展開[30]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:AIに関する技術力・対応力の強化

譲り受け企業:エンジニア人材の確保、AIの開発体制・社会実装推進体制強化[29]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年4月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:エクサウィザーズがエクスウェアの全株式を取得し同社を完全子会社化[29]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
システム開発会社のM&A動向と事例30選

システム開発業界は人材不足の慢性化やクラウド化の進展により過渡期を迎えており、M&Aが活発化しています。近年のシステム開発業界の動向と、システム開発会社の最新M&A事例を厳選して30例お伝えします。(執筆 […]

【AIソリューション×システム開発】シーアイエスがフィニティを完全子会社化・吸収合併

譲渡企業の概要

フィニティ:東海地区において自動車部品製造・機械設備製造・食品加工・物流などの大手・中堅企業を主な顧客として基幹業務システム開発事業を展開[31]

譲り受け企業の概要

シーアイエス:東海地区の企業向けにシステム基盤構築や業務パッケージ導入支援などの事業を展開し、近年はAI・クラウドを活用したソリューション提供事業を強化[31]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:協業によるシステム開発・ソリューション提供体制の強化[31]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2020年4月(株式譲渡)、2021年3月(吸収合併)[32]
  • 手法:株式譲渡・吸収合併
  • 結果:シーアイエスがフィニティの全株式を取得して同社を完全子会社化し[31]、体制強化のためさらに同社を吸収合併[33]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
食品製造業のM&A動向、売却価格、事例20件を徹底解説

食品製造業界では消費ニーズの変化や競争激化などを受けてM&Aが活発化しています。食品製造業の現状と絡めながら、食品メーカーのM&Aの動向、メリット、売却価格、2020年から2022年に行われたM& […]

【AI・IoT開発×システム開発】リコノミカルがかなめいを吸収合併

譲渡企業の概要

かなめい:大規模システム・Webサイトなどの開発・運営事業を展開[34]

譲り受け企業の概要

リコノミカル:AI・IoT・AR・RPA分野における技術開発・ビジネス開発などの事業を展開[34]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:人材・ノウハウの融合による事業推進加速と経営効率化[34]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2020年7月
  • 手法:吸収合併
  • 結果:リコノミカルがかなめいを吸収合併し同社の権利義務のすべてを承継[34]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
Webサイト販売の流れとおすすめサービス、注意点を徹底解説

Webサイトの売買は一般化しており、将来的に販売することを目的にサイト運営を行う例も少なくありません。Webサイト販売の流れと、おすすめの販売支援サービス、成功のポイント・注意点をくわしく解説します。(執筆者:京都大学文 […]

M&A・事業承継
M&A成功事例40選 大企業・中小企業・業界別|2021年版

今回は大企業・中小企業別、業界別に厳選したM&A事例40選を紹介します。国内・海外の大企業事例から中小企業事例まで、譲渡・譲り受け企業の概要、M&Aの目的・M&A手法、成約に至るまでを解説します。 […]

[26]電源カフェの全株式を取得し完全子会社化(TIME MACHINE)
[26]フォーカスチャネルの株式の取得に関するお知らせ(ニューラルポケット)
[27]ネットテンの株式の取得に関するお知らせ(ニューラルポケット)
[28]HOME(ニューラルポケット)
[29]エクスウェアを完全子会社化(エクサウィザーズ)
[30]事業概要(エクサウィザーズ)
[31]当社連結子会社による株式取得に関するお知らせ(JBCCホールディングス)
[32]沿革(JBCCホールディングス)
[33]グループ内組織再編に関するお知らせ(JBCCホールディングス)
[34]システム開発のかなめいを吸収合併(リコノミカル)

まとめ

AI産業は急速に成長しており、今後も大幅な市場拡大が見込まれます。
そうしたなか、M&Aの動きも盛んです。
拡大する市場における熾烈な競争を勝ち抜く上で、M&Aは基本的な事業戦略としてますます重要性を増していくものと思われます。

(執筆者:相良義勝 京都大学文学部卒。在学中より法務・医療・科学分野の翻訳者・コーディネーターとして活動したのち、専業ライターに。企業法務・金融および医療を中心に、マーケティング、環境、先端技術などの幅広いテーマで記事を執筆。近年はM&A・事業承継分野に集中的に取り組み、理論・法制度・実務の各面にわたる解説記事・書籍原稿を提供している。)