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飲食料品小売のM&A・事業承継の動向と事例

飲食料品小売の分野ではノウハウ獲得やドミナント戦略の強化などを目的としたM&Aが活発です。M&Aにより譲渡企業は事業承継の実現や大手企業への傘下入りによる成長性向上、譲り受け企業は仕入コスト削減やシナジー創出などのメリットを期待できます。

飲食料品小売の概要

定義

飲食料品小売の分野には、以下の業種が該当します。

  • 酒類小売
  • 飲食料品小売

市場規模・環境

飲食料品小売業全体の市場規模は以下のとおり推移しています。[1][2]

出典:経済構造実態調査(e-Stat)令和3年経済センサス‐活動調査(e-Stat)をもとに弊社作成

酒小売業単体の市場規模は以下のとおり推移しています。[1][2]

出典:同上

課題・展望

飲食料品小売の分野には、主に以下の課題があります。

  • 勤務時間が長く(下図1)、休日日数が少ない[3]
  • 労働生産性が低い(下図2)[3]
  • 慢性的な人手不足
  • 漁獲量や生産量の変動によって左右されやすい
  • IT導入の遅れ(セルフレジや電子タグによる商品管理などの普及が不十分)

図1
出典:卸売業・小売業における働き方の現状と課題(農林水産省)をもとに弊社作成

図2
出典:同上

上記の課題を受けて、飲食料品小売の分野では以下の取り組みに対する重要性が高まっています。

  • 売上予測の精度向上による適材適所の人員配置実現
  • セルフレジ導入や在庫管理のシステム化などによる生産性向上、人員削減
  • クレーム対応マニュアルの導入や柔軟な勤務シフト構築などによる業務負担の軽減
  • 取扱商品の多様化や事業の多角化などによる経営リスクの軽減

飲食料品小売のM&A動向

M&Aの件数

「食品・農林水産業界のM&A件数」は以下のとおり推移しており、2013年と比較すると2017年は件数が増加傾向です。[4]

参考:第166回 食品・農林水産業界(マールオンライン)を基に弊社作成
※上記データは本記事の対象外となる農林水産業も含んでいる点に注意

一方で、小売業のM&A件数は以下のとおり増加傾向です。[5]

出典:【小売業界】2022年上期のM&Aは34件(M&A Online)を基に弊社作成

上記2つのデータは期間が異なるものの、どちらも増加傾向であることから、飲食料品小売業のM&Aも活発に行われていると考えられます。

M&Aが行われている背景

飲食料品小売の分野では、以下の目的・戦略によってM&Aが実施されています。

  • ノウハウや設備、販路等の獲得
  • 海外や新しい地域への進出、多角化
  • 大手企業のグループ入り
  • 仕入れ力やIT投資などの強化
  • 一定地域内におけるドミナント戦略の強化

飲食料品小売でM&Aを行うメリット・デメリット

メリット

譲渡企業

  • 大手スーパーやコンビニ、卸売業者などの傘下に入ることで、ノウハウやブランド力、販売ノウハウなどを獲得し、売上や成長性を高めることが可能
  • 後継者不在の問題を解決し、事業承継を実現できる
  • 従業員の雇用維持、待遇の向上、育成環境の整備を期待できる
  • 利益率の悪い部門や事業を切り離すことで、主力事業への集中や多角化を図れる
  • 工場や事業、会社の譲渡益を確保し、ハッピーリタイア後の生活や新規事業などに資金を費やせる

譲り受け企業

  • 仕入の一括化や事業所の統廃合などにより、グループ全体のコストを削減できる
  • 海外や未出店地域への進出により、売上拡大を図れる
  • 一定地域内におけるドミナントを強化し、長期的に競争優位を築ける可能性が高まる
  • 隣接する業種(製造や卸など)に進出し、シナジー創出や業績悪化のリスク軽減を図れる
  • 経営戦略や事業計画の進行にかかる時間を削減できる

デメリット

譲渡企業

  • 親会社の経営方針に従うことで、経営の自由度が低下するおそれがある
  • 契約内容の変更にともない、従業員や顧客から反発を受ける場合がある

譲り受け企業

  • 未払残業代や訴訟などの簿外・偶発債務を引き継ぐおそれがある
  • 期待していたシナジー効果を得られず、譲受に費やした資金を回収できないおそれがある

飲食料品小売のM&Aを成功させるポイント

譲渡企業

  • 安定した仕入先や魅力的な商品ラインナップ、販売ノウハウなどの強みを確立する
  • 自社事業の強みを理解し、シナジー効果を最大限評価してくれる譲り受け企業を選定する
  • 事業や市場規模が成長しているタイミングで譲渡を決断する
  • 簿外債務や偶発債務、不要な在庫などの問題は可能な限り解決しておく
  • 飲食料品小売のM&Aに関する実績が豊富なアドバイザーや仲介会社に実務を依頼する

譲り受け企業

  • 競争優位性の高い強みや、自社事業とのシナジー効果を見込める経営資源を有する譲渡企業を選定する
  • M&Aの目的や戦略(商品ラインナップの拡充など)を明確化し、それに合致する譲渡企業かどうかをチェックする
  • デューデリジェンスで未払残業代などの問題点を精査し、対策検討や譲受金額の修正を行う
  • 仕入・商品管理システムや仕入先、事業所等の統合計画を入念に立てておく
  • 優秀な人材をスムーズに引き継げるように対策する(好条件の提示や働きやすい環境作りなど)

飲食料品小売のM&A事例・インタビュー

主な有名事例

M&Aが行われた時期

譲渡企業・譲り受け企業の概要

M&Aの目的・背景

M&Aの手法・成約

2021年3月

譲渡企業:だいまる

譲り受け企業:小僧寿し

譲り受け企業:食品小売事業への本格参入、自社デリバリー事業とのシナジー創出

手法:株式譲渡

結果:小僧寿しがだいまるの全株式を取得

取得価額:非公表[6]

2020年4月

譲渡企業:アンデス食品

譲り受け企業:G-7ミートテラバヤシ 

譲り受け企業:人材や事業運営ノウハウの共有、事業拡大

手法:株式譲渡

結果:G-7ミートテラバヤシがアンデス食品の株式を取得(割合は非公表)

取得価額:非公表[7]

2020年12月

譲渡企業:ダンガミ

譲り受け企業:カクヤスグループ

譲り受け企業:九州地方へのさらなる事業展開

手法:株式譲渡

結果:カクヤスグループがダンガミの全株式を取得

取得価額:21億1,000万円[8]

[1] 経済構造実態調査(e-Stat)
[2] 令和3年経済センサス‐活動調査(e-Stat)
[3] 卸売業・小売業における働き方の現状と課題(農林水産省)
[4] 第166回 食品・農林水産業界(マールオンライン)
[5] 【小売業界】2022年上期のM&Aは34件(M&A Online)
[6] だいまるとの株式譲渡契約締結(小僧寿し)
[7] アンデス食品の株式取得(G-7ホールディングス)
[8] ダンガミの株式取得(カクヤスグループ)

M&Aサクシードで成約した事例

飲食料品小売に関連する業界でも成約が生まれています。

譲渡
アパレルECサイト
  • 業種
    EC 小売業
  • 地域
    南関東地方
  • 売上高
    1億円~2億5,000万円
株式譲渡
譲り受け
事務機器販売業・EC事業等
  • 業種
    EC 小売業
  • 地域
    近畿地方
  • 売上高
    25億円~50億円
譲渡
家具海外製造・WEB販売業
  • 業種
    EC 小売業
  • 地域
    中部地方
  • 売上高
    5億円~10億円
株式譲渡
譲り受け
家具インテリア企画販売
  • 業種
    日用品
  • 地域
    中国地方
  • 売上高
    10億円~25億円
譲渡
ギフトECポータルサイト
  • 業種
    EC 小売業
  • 地域
    近畿地方
  • 売上高
    1億円~2億5,000万円
株式譲渡
譲り受け
中小企業向けコンサルティング
  • 業種
    サービス業(法人向け)
  • 地域
    近畿地方
  • 売上高
    2億5,000万円~5億円

飲食料品小売のM&A案件一覧

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