電気工事業はM&Aが盛んな業種のひとつで、同業者をはじめ様々な業種との間でM&Aが行われています。電気工事業界の現況やM&Aの動向・メリット、近年のM&A・売却事例をくわしく解説します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法務・金融専門ライター 相良義勝)
本記事では、電気工事士法・電気工事業法に基づいて事業を展開する電気工事会社のM&Aについて解説します(近縁業種である電気通信工事業を専業とする会社は除外しています)。
ここではまず近年の電気工事業界の動向を整理しておきます。
国土交通省の建設工事施工統計調査によると、電気工事業の完成工事高は1996年度の約11.6兆円をピークとして減少に転じ、2003年度から2012年度までは7兆円程度で推移していましたが、2013年以降は東日本大震災復興などの需要により増加傾向に転じました。[1]
建設工事施工統計調査(国土交通省)を基に作成
近年は東京オリンピックの工事需要もあり堅調で、2019年には完成工事高が約8.9兆円に達しています。[2]
建設工事施工統計調査(国土交通省)を基に作成
主要20社を対象とした設備工事業に係る受注高調査によると、電気工事業の受注高は2020年にはコロナ禍の影響で大きく落ち込みました。
2021年も緊急事態宣言期に前年比マイナスとなっていますが、回復傾向も見えてきています。[3]
電気工事業の工事高は建設業全体の動向に左右される側面が大きく、国内の建設投資(建築・土木工事への投資合計額)の動向から今後の見通しをある程度占うことができます。
みずほ銀行の予想によると、2021年度以降の建設投資はコロナ禍や中長期的な人口減少の影響を免れないものの、公共・民間の大型工事(インフラ維持更新・首都圏都市再開発・リニア中央新幹線関連工事)による需要が下支えし、底堅く推移するものと見られます。[4]
参考:建設投資額(名目値)の推移
出典:「令和3年度(2021年度) 建設投資見通し」(国土交通省)
工事内容としては新築・新設に伴う設備工事の割合が高いものの、近年ではリニューアル(維持・修繕)工事の需要が堅調に推移しており、今後もこの傾向は続いていくものと見られます。[1]
新築・新設工事の場合、施主は設備工事も含めた工事全体をゼネコンなどに一括発注し、電気工事会社を初めとする設備工事会社は下請として工事を受注するケースが多くを占めますが、リニューアル工事においては設備工事会社が直接受注するケースも少なくありません。
そのため、設備工事業界においてはリニューアル工事への対応力を強化することにより直接受注の割合を上げ、利益率を高めようとする動きが見られます。
また、環境に配慮した建築のニーズも拡大することが予想され、この方面でも設備工事会社が独自性を発揮する余地が多分にあると考えられます。[5]
設備工事会社にリニューアル工事や環境関連工事などを直接発注するケースでは、必要となる工事の種類を見極めて適切な業者を個別に選び出して発注するとなると施主の負担が大きいため、電気・空調・給排水などの各種設備工事を一体的に実行できる会社のほうが受注に有利です。
また、建築投資の伸びがあまり期待できない状況においては、多種類の工事に対応できるように業容を拡大し相乗的な受注拡大を図ることが、事業成長の重要な戦略となります。
こうした背景から、設備工事業界では事業の総合化を進める動きが活発化しています。[5]
建設業界全体で就業者の減少と高齢化が問題となっています。[6]
2019年度の建設業構造実態調査では、電気工事会社の81.1%(個人事業主の63.6%)が人材不足を経営上の課題として挙げており、後継者問題を抱えている会社も40.4%(個人事業主では59.1%)にのぼります。[7]
2019年度建設業構造実態調査 経営上の課題(国土交通省)を基に作成
高齢熟練者の退職が相次ぐことで人材不足が今後さらに深刻化する恐れがあり、労働環境改善などによる若年就業者の入職促進やAI・ロボット導入による業務効率化、協業・M&Aを通した人材力向上などの対応が求められています。
[1]研究所だよりNo.351 建設関連産業の動向・電気工事業(建設経済研究所)
[2]2019年度建設工事施工統計調査・表番号8-3(e-Stat)
[3]設備工事業に係る受注高調査・電気工事(e-Stat)
[4]日本産業の中期見通し(みずほ銀行)
[5]総合化を進める設備工事会社の将来像(三井住友信託銀行)
[6]建設業及び建設工事従事者の現状(国土交通省)
[7]2019年度建設業構造実態調査(経営上の課題)(e-Stat)
電気工事会社の買収により、買い手企業は売り手企業の経営資源(施工技術力、有資格者を初めとする人材、顧客基盤、営業ノウハウ、実績など)を獲得し、比較的短期間で事業の内容や規模を拡大することができます。
実際に、以下のような買収者・買収目的による電気工事会社の買収が盛んに行われています。
買収者 | 買収目的 |
---|---|
同業者 | 顧客基盤・取引基盤の拡大 |
電気工事以外の設備工事会社・総合設備工事会社 | 業容拡大・事業総合化 |
電気機器のメーカー・商社など | 据付・メンテナンス工事の内製化 |
人材派遣会社 | 対応分野拡大 |
ビル・施設管理会社 | 電気工事の内製化 |
売り手側としては、自社よりも事業基盤の大きな同業者・異業種企業に会社を売却することにより、受注機会や業容の拡大、業務管理の効率化、雇用の安定化、後継者の確保(第三者への事業承継)などが可能になります。
電気設備は現代文明の基盤のひとつであり、多方面の事業に関係してくることから、電気工事会社は様々な業種からの買収ニーズが高く、比較的売却しやすい業種であると言えるでしょう。
電気工事会社が買い手となるM&Aでは、同業者買収のほか、空調設備・給排水設備などの設備工事会社を買収して事業総合化を図る例が多く見られます。
また、大手電気工事会社・総合設備工事会社においては海外の設備工事会社を買収する動きが盛んです。
国内電気工事会社が売り手となった近年のM&A事例を紹介します。
フジクラエンジニアリング(現FEN):電力会社・通信事業者を主な顧客とし、電力設備・通信設備の設計から施工までを請け負う総合エンジニアリング事業を展開[8]
きんでん:電力インフラ設備、各種ビル・施設の電気設備、計装設備、情報通信設備、空調・衛生設備などの設計・構築・整備事業を展開[9]
譲渡企業・譲り受け企業:両社の経営資源の相互補完により、再生可能エネルギー関連工事市場および次世代通信関連工事市場において持続的成長を図る[8]
アイテック:ビルや商業施設、工場の電気工事・電気通信工事、電柱や通信アンテナ柱の建柱工事などの事業を展開[11]
アウトソーシングテクノロジー:エンジニア派遣事業、システム構築・ソフトウェア開発請負事業などを展開[12]
譲り受け企業:自社の技術者リソース・人材教育ノウハウとアイテックが有する顧客基盤の融合による事業ポートフォリオ拡大、グループ全体の事業成長[12]
親和電気:大阪府守口市で電気工事や電気設備・資材の卸販売などの事業を展開[13]
サコス:建設機械レンタルを中心に、産業機械・鉄道工事用機械・事務用備品・発電機・受変電機器などのレンタル事業、中古建設機械買取販売事業、システムソリューション事業を展開[14]
譲渡企業・譲り受け企業:親和電気の事業とサコスの発電機レンタル事業の連携による新規需要創造[15]
メビウス:イルミネーション・店舗電気設備の工事業、店舗イベント用電飾器具の販売、ゲームアプリの開発・販売などの事業を展開[17]
オーウイル:飲食品関連原材料を中心とした商社業、飲食工場向け排水処理システム・大型シーリングファンの提案・販売事業などを展開[18]
譲り受け企業:電気機器設置作業の内製化による業務用大型シーリングファン販売事業の業容拡大[19]
明成:消防用設備や監視カメラの電気工事・点検、各種施設・マンションのメンテナンス・警備などの事業を展開[20]
東洋テック:警備事業とビル管理事業を合わせた総合管理サービス事業、ホームセキュリティ事業などを展開[21]
譲り受け企業:電気工事業のノウハウ・リソースを取り込み、警備・ビル管理事業との一体運営により経営資源の有効活用とシナジーの実現を図る[20]
富士工機:長野県で制御機器・受配電機器を初めとする電気機械器具の販売・施工、電気通信工事などの事業を展開[22]
アヅマテクノス:新潟・秋田・東京に拠点を構え、メーカー・研究機関などに向けて真空産業機器・光学精密測定機器・電子計測器などの販売・施工・修理事業を展開[23]
譲渡企業・譲り受け企業:強みの相互補完による事業の成長と拡大[22]
中央電機工事:名古屋市を拠点に官公庁や大手企業を主な顧客として電気工事業を展開[24]
TOKAI:中部・関東エリアを中心に、LPガス・都市ガス供給事業、住宅販売・リフォーム事業、建築・不動産開発事業、空調・衛生設備工事業などを展開[25]
譲り受け企業:主に静岡県内で展開してきた設備工事業の中京圏への拡大、空調・衛生・電気の主要3設備工事を総合的に受注できる体制の構築[24]
クリシマ:富山と東京に拠点を構え電気設備工事やサイン工事などの事業を展開[26]
ホクタテ:警備を含む総合ビルメンテナンス、通信システム・管理システム構築、旅行代理店、PR用品・事務用品・オフィス家具の販売などの事業を展開[26]
譲り受け企業:電気設備工事業の取り込みによる事業ポートフォリオ強化[26]
上野電気工業:ファクトリーオートメーション(工場自動化)に特化した電気設備設計・施工事業を展開[27]
オークラサービス:物流機器製造大手オークラ輸送機の子会社として、グループ企業製品の据付・メンテナンス・システム構築提案などの事業を展開[28]
譲り受け企業:上野電気工業の技術力・実績の取り込みによる工事・メンテナンス事業の基盤拡大、グループとしての総合力強化[29]
町田電機商会:長野県で官公庁・地元企業を主な顧客として電気設備・計装装置などの新設・改修工事業を展開[30]
富士古河E&C:国内および東南アジアを中心とする海外で、プラント・施設・オフィスビルなどを対象とする電気設備工事業、情報通信設備工事業、空調設備・衛生設備工事業を展開[31]
譲り受け企業:施工体制・事業基盤の強化[32]
サンユウ:埼玉県で産業機械の電気設備工事業と制御盤・分電盤の設計・製作事業を展開[33]
藤井産業:電設資材・産業機器・建設資材・土木建設機械などの販売業、建築・設備工事業、産業システム・情報システムに関するソリューション事業、太陽光発電システム施工事業などを展開[34]
譲り受け企業:提案力・取扱商品の拡充、技術力の向上、仕入れの効率化、埼玉エリアでの利益拡大[33]
田村電気工事:茨城県内で架空送電線路の建設・保守・点検を中心とする事業を展開[36]
住友電設:国内外で電気・通信・空調・給排水・衛生などの各種設備工事を総合的に展開[37]
譲渡企業:住友電設による経営支援のもとで事業成長を図る
譲り受け企業:田村電気工事との連携により茨城地域において施工力増強・労働力確保・品質維持向上を図る[36]
丸電三浦電機:札幌地域を中心に電気設備・電気通信設備の工事・リフォーム・メンテナンス事業を展開[38]
エア・ウォーター北海道:北海道全域で産業ガス供給事業、医療機関向け事業(医療ガス供給、医療機器販売・レンタル、病院設備工事・保守点検)、LPガス・灯油の供給事業、エコ住宅リフォーム事業を展開[39]
譲り受け企業:医療機関向け総合監視業務や住宅リフォーム業務における電気設備工事受注能力の拡大、産業ガス・エネルギー供給管理業務における電気通信関連技術の向上とIoT化の推進[38]
エヌビーエス:各種プラント・社会インフラ向け電気計装設備の設計・施工、プラント建設のためのエンジニア派遣、発電設備遠隔監視などの事業を展開[40]
鴻池運輸:製造業における生産工程最適化のための各種業務請負、各種プラント向け機器・設備のエンジニアリングサービス(設計・製作・据付工事・保全)、メディカル業界・航空業界におけるサービス品質向上のための各種業務請負、国内外向け総合物流サービスなどの事業を展開[41]
譲り受け企業:エンジニアリングサービス事業の強化(機械設計・据付工事に加えて電気・計装工事や運転管理まで一貫して対応できるサービス提供体制の構築)[42]
[8]フジクラエンジニアリングの株式取得に関するお知らせ(きんでん)
[9]事業領域(きんでん)
[10]トップメッセージ(FEN)
[11]事業内容(アイテック)
[12]アイテックの株式取得に関するお知らせ(アウトソーシング)
[13]企業概要(親和電気)
[14]事業紹介(サコス)
[15]親和電気の株式取得に関するお知らせ(サコス)
[16]会社概要・沿革(サコス)
[17]事業内容(メビウス)
[18]業務カテゴリー(オーウイル)
[19]新会社設立及び事業譲受に関するお知らせ(オーウイル)
[20]明成の株式取得に関するお知らせ(東洋テック)
[21]トップページ(東洋テック)
[22]富士工機子会社化のお知らせ(アヅマテクノス)
[23]会社概要(アヅマテクノス)
[24]中央電機工事の株式取得に関するお知らせ(TOKAIホールディングス)
[25]事業内容(TOKAI)
[26]クリシマの完全子会社化に関するお知らせ(ホクタテ)
[27]業務案内(上野電気工業)
[28]事業案内(オークラサービス)
[29]上野電気工業の子会社化に関するお知らせ(オークラサービス)
[30]町田電機商会(富士古河E&C)
[31]事業・技術紹介(富士古河E&C)
[32]町田電機商会の株式取得に関するお知らせ(富士古河E&C)
[33]サンユウの株式の取得に関するお知らせ(藤井産業)
[34]事業一覧(藤井産業)
[35]沿革(藤井産業)
[36]田村電気工事の株式取得に関するお知らせ(住友電設)
[37]技術・ソリューション(住友電設)
[38]丸電三浦電機の株式取得について(エア・ウォーター)
[39]事業概要(エア・ウォーター北海道)
[40]事業案内(エヌビーエス)
[41]KONOIKEグループの事業(鴻池運輸)
[42]エヌビーエスの全株式を取得(鴻池運輸)
国内電気工事会社が買い手となった近年のM&A事例を紹介します。
七つ森ふもと舞茸(旧農事組合法人麓上舞茸生産組合):宮城県大和町で舞茸などの生産・販売事業を展開[43]
プロジェクトウサミ:太陽光発電システム機器やオール電化システム機器の販売・設置工事などの事業を展開[44]
譲渡企業:第三者への事業承継による後継者不在問題の解決、スマート農業への転換
譲り受け企業:営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)事業の推進[43]
ユウキ産業:大規模施設ビルを対象に、水処理事業大手栗田工業の特約店として水処理全般にわたるサービス(用品販売や機器・装置の設置・配管・配線工事)を提供するとともに、空調・給排水・電気設備工事や各種点検・メンテナンス・環境測定などの事業を展開[46]
ETSホールディングス:送電線・鉄塔・電力流通設備の建設工事、各種ビル・施設向け電気工事・電気通信工事、産業用メガソーラーシステム施工などの事業を展開[47]
譲り受け企業:ユウキ産業の空調工事業と優良顧客リレーションを取り込み、共同営業体制のもとで電気工事・空調工事の一括受注体制の整備を図る[48]
YL Integrated:シンガポールで電気工事業を展開[50]
ミライト・ホールディングス:電気設備・電気通信設備の設計・施工・保守・コンサルティング、システム開発、ITソリューションなどの事業を展開するミライトグループの持株会社[51]
Lantrovision:ミライト・ホールディングスの子会社で、シンガポールを初めアジア13カ国でLAN配線の設計・施工・保守・コンサルティング事業を展開[50]
譲り受け企業:Lantrovisionの通信ケーブリング事業にYL Integratedの電気工事業を加えることでアジア地域におけるサービス提供体制を拡充し、ミライトグループのグローバル事業の中長期的な拡大を図る[50]
PHPC:フィリピンにおいて日系企業を主な顧客として電気・空調・衛生設備の設計・施工事業を展開[53]
関電工:電気・空調・給排水・計装・情報通信・電力などの各種設備工事業、自然エネルギー発電システムの建設事業、日系企業の海外生産拠点構築支援事業を展開[54]
譲り受け企業:社会インフラ開発・都市開発などの建設投資拡大が期待できる有望なマーケットのひとつであるフィリピンへの進出、海外事業体制の強化、人材確保・育成・派遣拠点の確保[53]
昭和コーポレーション:ビル・プラントの熱絶縁工事業、断熱配管支持具を初めとする部材の製造・販売事業を展開[56]
中電工:電気・空調・情報通信などの各種設備工事業、環境に配慮した建築物・発電設備の設計・施工事業を展開[57]
譲渡企業・譲り受け企業:都市圏での工事施工・営業活動の連携による事業拡大、付加価値の高いトータルサービスの実現[58]
菱栄設備工業:首都圏を中心にマンション・ビルなどの給排水・衛生・空調設備工事業を展開[60]
四電工:電気・空調・給排水・送電・配電などの設備工事業、公共施設の設計・建設・運営事業(PFI・指定管理者事業)、CAD開発・販売事業を展開(首都圏では主に電気設備工事業を展開)[61]
譲渡企業:譲り受け企業と営業面・施工面で協業を進め、収益力強化と業務効率化を図る
譲り受け企業:首都圏において電気工事と給排水・衛生・空調設備工事の一体的なサービス提供体制を構築し、総合設備企業として収益基盤強化を図る[60]
[43]農業法人のM&A案件成約について(七十七銀行)
[44]サービス内容(プロジェクトウサミ)
[45]七つ森ふもと舞茸 事業継承のご案内(プロジェクトウサミ)
[46]事業内容(ユウキ産業)
[47]トップページ(ETSホールディングス)
[48]ユウキ産業の完全子会社化に関するお知らせ(ETSホールディングス)
[49]ユウキ産業の完全子会社化完了に関するお知らせ(ETSホールディングス)
[50]YL Integratedの子会社化に関するお知らせ (ミライト・ホールディングス)
[51]グループ会社一覧(ミライト・ホールディングス)
[52]2020年3月期有価証券報告書(ミライト・ホールディングス)
[53]海外法人の株式取得(関電工)
[54]営業紹介(関電工)
[55]会社概要(関電工)
[56]事業内容(昭和コーポレーション)
[57]営業案内(中電工)
[58]ホライズン1の株式取得および孫会社の異動に関するお知らせ(中電工)
[59]沿革(中電工)
[60]菱栄設備工業の株式取得に関するお知らせ(四電工)
[61]営業案内(四電工)
電気工事会社は多様な業種からの買収ニーズが高く、同業者だけでなく様々な異業種企業との間でM&Aが活発に行われています。
電気工事会社が買い手となるM&Aでは、電気工事以外の設備工事会社を買収して事業総合化を進める動きが盛んです。
今後は建設投資の伸びがあまり期待できない状況にあり、人材不足が深刻化する恐れもあることから、電気工事業にとってM&Aという経営戦略の重要性がますます高まっていくものと予想されます。
(執筆者:相良義勝 京都大学文学部卒。在学中より法務・医療・科学分野の翻訳者・コーディネーターとして活動したのち、専業ライターに。企業法務・金融および医療を中心に、マーケティング、環境、先端技術などの幅広いテーマで記事を執筆。近年はM&A・事業承継分野に集中的に取り組み、理論・法制度・実務の各面にわたる解説記事・書籍原稿を提供している。)