サイト売却の相場と算出方法|実際のM&A事例で解説【2026年版】
WEBサイト・WEBメディア運営のM&A・売却案件一覧を見る関連する業種の売却相場
「自分のWebサイトは、一体いくらで売れるのだろうか?」
個人・法人を問わずサイト売買市場が急成長している今、この疑問は誰しもが抱くものです。
サイト売却の相場として広範に用いられている目安は、「月間営業利益の18ヶ月〜24ヶ月分」です。
高値での売却を成功させる可能性を高めるためには、単純な収益だけでなく、Googleが重視する「E-E-A-T」に準拠したコンテンツの質を高めることや、属人性を排除した運営体制といった「無形資産」の価値を客観的に証明することが不可欠です。
本記事では、サイト売却における価格相場や価格を上げる・下げる要素、相場把握に役立つ2025年に行われたサイトM&A事例などをくわしく解説します。
また、サイト売却のメリットや手続きといった基礎知識も紹介します。
※本記事における税務の解説は、2025年11月時点の情報に基づいています。法改正などによる変更もありますので、かならず最新情報をご確認ください。
▶ 最新データ:アフィリエイトサイトのかいしゃ価値トレンド(同業の会社がいくらでM&Aしたか)

サイト売却・買収の相場
はじめに、Webサイトの売却・買収における価格相場を解説します。
あわせて、サイトの種類別に見た相場の差異や、最終的な売却・買収価格の決定プロセスもお伝えします。
「月間営業利益の18〜24ヶ月分」が相場
Webサイト売却の相場として、広範に用いられている目安は、「月間営業利益の18ヶ月〜24ヶ月分(1.5年〜2年分)」です。
基本的には、Webサイトの価値が高く見積もられるほど、月間営業利益の加算月数が多くなります。
サイト売却相場の簡単な計算例s
月間営業利益が400万円のWebサイトを例にすると、売却価格の相場は以下のとおり算出されます。
- サイト売却の相場 = 400万円 × 18ヶ月〜24ヶ月 = 7,200万円〜9,600万円
月間営業利益の加算分に関する考え方
一例ではあるものの、一般的には以下のような考え方で「月間営業利益をどのくらい加算した金額が適切かどうか」を検討します。
- 18ヶ月分(1.5年)以下:買収リスクが高い(投資資金を回収できないリスクが高い)サイトの場合、上記の相場を下回る加算月数が適用されます。
- 18ヶ月分(1.5年):市場全体で競争優位性がそれほど高くない一般的なサイトに関しては、相場の最低水準が適用されます。
- 24ヶ月分(2年):平均的な相場であり、収益の安定性が確認できるサイト、または緩やかな成長トレンドが見られるサイトに適用されます。
- 24ヶ月分以上(2年以上):特定分野で強いE-E-A-Tを確立している優良サイトや、市場の成長性が高いジャンルのサイト、ブランド力などの競争優位性がある強みを持っているサイトなどについては、より多くの月間営業利益を加味する傾向があります。
相場算定に「営業利益」を用いる理由
サイト売却の相場算定では、粗利益や純利益ではなく「営業利益」を用います。
その理由は、営業利益がサイトの「本業」から生み出す収益力を最も正確に表す指標であるためです。
営業利益は、売上高から売上原価および販管費(外注費、サーバー代、ドメイン費用、広告宣伝費など、サイト運営に直接必要な経費)を差し引いた利益です。
サイトの集客力やコンテンツ力、運営効率といった本質的パフォーマンスを反映しているため、粗利益と比較して相場算定に適しています。
また、純利益の算出過程では、本業とは無関係な収益・費用や特別損益、法人税等の支払いなども加味されているため、営業利益と比較して相場算定には適していないと言えます。
Webサイトの種類によって相場は多少異なる
上記はサイト売却・買収の大まかな相場であり、Webサイトの種類によっても相場は変わってきます。
一般的に、継続課金モデルなどを取り入れており収益の確実性が高いサイトは高倍率となり、外部環境の変化に左右されやすいサイトは低倍率となる傾向があります。
各サイト種別における相場傾向は以下の通りです。
サイト種別 | 加算月数の目安 (月間利益の倍率) | 評価の構造的理由 | 高評価の要因(E-E-A-T関連) |
Webメディア(雑記・特化ブログ) | 12〜24ヶ月 | 広告収入の安定性に依存。特定テーマにおける権威性が評価のカギ。 | 特定ジャンルでの強い「専門性」と「権威性」。 |
アフィリエイトサイト | 4〜24ヶ月 | GoogleアルゴリズムやASP規約の変更による収益変動リスクが大きい。 | アルゴリズムやASP規約変動への対策が不可欠。 |
ECサイト | 12〜24ヶ月 | 広告運用による利益率、商材の魅力度、リピート率などが総合的に評価される。 | 確立されたブランドの「信頼性」やLTVの高さ、利益の安定性。 |
会員サイト・SaaS | 24〜36ヶ月 | 継続課金モデルによる収益の予測可能性が高い(買収リスクが低い)。 | 低いチャーンレート(解約率)、サービス提供者の高い専門性。 |
スマホアプリ | 18〜36ヶ月 | ECサイトやSaaSモデルに近い評価基準。ダウンロード数、継続利用率を主に重視。 | 独自機能やユーザー体験(UX)の高さ、エンジニア等の無形資産の価値。 |
アフィリエイトサイトにおける加算月数の幅が大きい理由
アフィリエイトサイトは、「SEO対策の質」や「ASPの分散度合い」などからの影響を特に受けるジャンルです。
また、対策を十分に行なっていてもGoogleアルゴリズムやASP規約の変更により、想定外に収益や集客数が減少するリスクもあります。
一方で、複数の収益源を持ち、E-E-A-Tによって検索変動に強い堅牢なコンテンツ基盤を持つアフィリエイトサイトであれば、高く評価される傾向があります。
このように、実態によってリスクの度合いが大きく変わるため、各アフィリエイトサイトの中身によって「どのくらいの月間営業利益を加算すべきか」が大幅に変動します。
ECサイトの在庫と評価
ECサイトの売却では、上記の計算式で算出した金額に加えて、売却時点の棚卸資産(在庫)が別途評価され、売買価格に加算されることが一般的です。
在庫処理の健全性も評価対象となります。
最終的な売却価格は買い手との交渉で決定される
上記計算式で算出した相場は、あくまで価格交渉の基礎となる「理論的な目安」です。
実際の売買価格は、買い手と売り手の間で行う交渉によって決定されます。
交渉の際には、以下のような要素も踏まえて、妥当な価格を考えることが一般的です。
- 買い手側の戦略的価値(シナジー):買い手が自社の既存事業と統合することで、コスト削減や売上増加といった大きな相乗効果(シナジー)を見込める場合、相場を超えるプレミアム価格が提示される可能性もあります。
- 潜在的リスクの評価(DD結果):デューデリジェンス(DD)を通じて、著作権侵害、未払いの税金、Googleからペナルティを受けるリスクなどが発見された場合、そのリスク解消にかかるコストや、将来的な収益の確実性の低下が価格に織り込まれ、大幅な減額を求められる可能性があります。
- 無形資産の証明:コンテンツの独自性、確立されたブランド力、ドメインの健全な運用履歴といった、財務諸表には現れない無形資産の価値を、売り手が論理的かつ客観的に証明できた場合、交渉を有利に進められます。

サイト売却の相場はいくら?売却方法・流れ・注意点を解説【事例付】
Webサイト売却の相場は「月間営業利益の12〜24カ月分」が目安です。売却の方法と流れ、高く売れるサイトの特徴、失敗しないための注意点を事例付きで解説します。
サイトの売却・買収価格を上げる要素
サイトの売却価格を上げる要素は、主に以下の7つです。
- コンテンツの質が高い
- SEOが徹底されており、PV数やユーザー流入が増加している
- 買収後に運営しやすいサイトである
- ジャンルの新規性または成長性が高い
- 会員プログラムやSNSを有している
- マネタイズのポイントを意識して作り込む
- ブランド力などの無形資産の強みを有している
以下では、各要素をくわしく解説します。
コンテンツの質が高い
2025年現在、コンテンツの質は単なる情報量ではなく、Googleの評価基準であるE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)に準拠しているかが問われます。
たとえば、以下の要素を満たしていることで、GoogleからE-E-A-Tに準拠していると判断されやすくなります。
- 経験(Experience)の証明:コンテンツ作成者が実際にその商品やサービスを利用した「一次情報」や独自の知見を提供している
- 一次情報の活用:競合が扱っていないデータ、オリジナルな写真、詳細な検証プロセスなど、独自性の高い情報で構成されている
- 権威性(Authoritativeness)の裏付け:執筆者やサイト運営者の情報が明確であり、その分野における資格や実績が示されている
質の高いコンテンツは、Googleのコアアップデートに対する耐性を高め、収益の安定性を担保する要素となります。
SEOが徹底されており、PV数やユーザー流入が増加している
集客力の高さ、特にオーガニック検索からの流入の多さは、広告費を削減しても収益を維持できる堅固な事業基盤を証明する要素となります。
具体的には、以下の要素を満たしていることで、サイトの売却・買収価格を高めやすくなります。
- オーガニック流入の割合:総トラフィックのうち、SEO経由の流入がたとえば70%以上など高い割合を占めている場合、有料広告への依存度が低いため、高く評価されやすい
- 安定した成長トレンド:過去12ヶ月以上にわたって、PV数や検索順位が着実に上昇傾向にあることは、サイトの成長性が高いことを示す強力な証拠となる
- ロングテールキーワードの網羅:特定のビッグキーワードだけでなく、ニッチなロングテールキーワードで広範に上位表示されている場合、集客基盤の多様性(リスクの低さ)が評価されやすくなる
買収後に運営しやすいサイトである
サイトの運営が属人化(特定の個人のスキルやノウハウに依存)しておらず、買い手がスムーズに引き継ぎ、継続的に収益を上げられる体制が構築されているサイトは、高値での売却可能性が高まります。
理由としては、サイトのコンテンツ品質や公開スピードを維持できるため、収益減のリスクが低いためです。
具体的には、以下の対策が施されているサイトであれば、買い手から引き続き自分たちでも運営しやすいと判断される可能性が高いです。
- 詳細な運営マニュアルの整備:コンテンツの企画、制作、公開、収益管理、トラブルシューティングなどの方法や手順が詳細に文書化されている
- シンプルなシステム構成:古く複雑なコードや、特殊なサーバー環境ではなく、汎用性の高いCMS(例:WordPressなど)を使用し、誰でもメンテナンスしやすい構成である
- 外注先の情報開示と引継ぎ:コンテンツライターや保守担当者といった外注先との契約内容や連絡先が明確であり、引き継ぎが可能である
ジャンルの新規性または成長性が高い
市場が急速に拡大しているジャンルのサイトや、ニッチ市場ではありながら今後の成長が期待されているジャンルのサイトなどは、今後より多くの収益を得ることが見込まれ、高値での売却可能性が高まります。
ジャンルの新規性や成長性をアピールするには、業界レポートや公的資料(例:経済産業省の調査など)を参照し、ターゲット市場の規模拡大が見込まれることを買い手に対して客観的に証明することが重要です。
会員プログラムやSNSを有している
サイトが会員プログラムやSNSアカウントを保有していることは、集客チャネルのリスク分散に直結し、収益の安定性が高く評価されます。
Googleなどの検索エンジンからの集客のみに依存しているサイトは、アルゴリズムの変動によってアクセスが激減するリスクを常に抱えているためです。
具体的には、以下のメリットを買い手側にもたらす可能性があるため、サイトの売却・買収価格を高めやすくなります。
- 集客チャネルのリスク分散:SNSや会員顧客を有することで、Googleアルゴリズム変動による急激なアクセス減のリスクを回避でき、収益基盤の安定性が高まる
- ブランド力とファンコミュニティの証明:Webメディアが公式SNSアカウント(X、Instagramなど)を所有し、多数のフォロワーがいる場合、そのメディアはブランドとして多くのファンを獲得している証明となり、買収価値を高く見積もる要因となる
マネタイズのポイントを意識して作り込む
サイト売却における査定額の主要な根拠が営業利益である以上、マネタイズができているサイトであるほど売却価格は基本的に高くなります。
収益化のしやすさやPV単価の高さに直結するジャンルやマネタイズ設計を意識することが、売却価格を上げるカギとなります。
具体的には、以下の要素を満たしていることで、サイトの売却・買収価格を高めやすくなります。
- 高収益なジャンルの選定:アフィリエイト業者や純広告の出稿ニーズが充分にあるカテゴリーやジャンルを扱う記事は、収益化がしやすく、サイトの評価額が高くなりやすい
- 効率的なマネタイズ手法の確立:大量アクセスによるクリック課金型広告(例:アドセンス)によるマネタイズなのか、高単価アフィリエイト商材の販売による広告型マネタイズなのか、サイトの特性に応じた最適な収益モデルを確立する
- 収益性の証明:過去の収益データにおいて、収益構造が明確で、マネタイズ効率が高いことを客観的に示せる
ブランド力などの無形資産の強みを有している
サイト売却では、営業利益を中心とした財務データが評価対象となります。
ですが、財務データのみならず、ブランド力などの無形資産の強みを有している場合も、買い手から高い評価を受ける要素となります。
具体的には、以下のような強みが評価されやすいです。
- ドメインエイジと運用履歴:ドメイン運用歴が15年以上の長期にわたり、スパム歴などのマイナス要因がない健全なドメインは、Googleからの「信頼性(Trust)」の証明となる
- 質の高い被リンクプロファイル:公的機関、大学、業界の権威あるサイトから自然に獲得されている被リンクは、サイトの「権威性」を高める強力な無形資産となる
- 指名検索の割合:サイト名やブランド名で検索して訪れるユーザー(指名検索)が多い場合、安定した集客につながる強いブランド認知度と顧客ロイヤリティの証拠となる
- その他:情報の見やすさやブランドイメージに沿った「デザイン性」、優れたコンテンツを作成するのに不可欠な「人材」など

会社はいくらで売れる?相場の計算方法と高く売るための戦略
会社の売却額は「時価純資産+営業利益2〜5年分」が中小企業の相場です。自社の目安を知る計算方法、価格が上がる会社の条件、相場以上で売る戦略を解説します。
サイトの売却・買収価格を下げる要素
サイトの売却・買収価格を下げる要素は、基本的に上述した「上げる要素」を満たすサイトとは正反対のことをしているWebサイトです。
具体的には、買い手から見て「潜在的な負債」や「収益の不確実性」となる要素が、価格を押し下げます。
この章では、特に注意すべき4つの要素をお伝えします。
コンテンツの質が悪い
前述のE-E-A-Tを満たさないコンテンツは、将来的な検索順位の急落リスクが高いため、価格を下げる要因となり得ます。
具体例として、以下を満たすWebサイトは売却価格の減額に注意です。
- 独自性の欠如:誰でも書ける、あるいは他サイトの情報を単にリライトしただけのコンテンツが多い場合、独自性が低いと見なされるおそれがある
- 情報源の不明確さ:YMYL(Your Money or Your Life)領域にも関わらず、医学的、金銭的な情報に専門家の監修や信頼できる情報源の参照がない場合、信頼性(Trust)が欠如していると判断されるおそれがある
- 過度な宣伝要素:ユーザーに価値を提供することよりも、広告収益を追求する意図が強すぎる「広告塔」のようなサイト構成はマイナス評価となり得る
- 情報の古さ:掲載されている情報が古く、現在では不正確となっている
高リスクなSEO対策を行なっている
過去にペナルティのリスクを伴う、Googleの品質ガイドライン違反のSEO対策を行っていた場合、買収後の収益停止リスクが高いため、致命的な減額要因となります。
具体例として下記が挙げられます。
- 不自然な被リンク:短期間で大量に生成された低品質なバックリンク、または相互リンクや有料リンクといったリンクスパム行為の履歴
- キーワードの乱用:検索順位を上げる目的で、不自然にキーワードを詰め込んだコンテンツ(キーワードスタッフィング)の存在
- 隠しテキストやクローキング:ユーザーには見えない手法で検索エンジンを欺く行為の履歴
サイト運営の属人性が高い
特定個人(オーナー)の存在がサイトの運営維持に不可欠である場合、その個人がいなくなった買収後には流入数や収益額が減額するリスクが高いため、サイト売却額の減額要因となります。
具体例として下記が挙げられます。
- オーナー自身の集客力に依存:コンテンツの著者としてのオーナーの専門性や知名度が強すぎて、他の運営者に引き継げない(例:インフルエンサーが運営しているサイトなど)
- 特定の取引先との関係性:広告主や外注先との契約がオーナー個人の人脈に依存しており、引き継ぎが困難
- コンテンツ作成に専門知識が不可欠:特定の資格保有者や職業に就いている人物でないと、正確なコンテンツを作成するのが困難
PV数や収益額などの指標が低下傾向である
サイトの売却価格は、将来の収益予測に基づいて決定されます。
過去データが右肩下がりである場合、将来の収益予測も下方修正され、売却価格が大幅に下がるか、買い手がつかない事態に陥ることもあります。
以下のような状況にあるサイトは、上記の理由からサイト売却価格が減額となり得るため注意です。
- アルゴリズム変動による急落:Googleのコアアップデートなどで短期間に急激な順位下落があった場合、集客力・収益力が不安定と見なされやすい
- 競合の台頭:直近において、競合サイトに検索順位が大幅に抜かされている場合、今後の集客や収益力が低く評価されやすくなる
収益がないサイトでも売却できる?
先ほどお伝えしたとおり、最終的なサイトの売却価格は買い手との交渉で決定します。
そのため、収益が現在ゼロ、または少ないサイトであっても、売却が成立する可能性は十分にあります。
買い手が現在の収益性のみならず、将来的な収益につながる無形資産の価値や、自社事業とのシナジー効果なども評価対象に含めるためです。
具体的には、以下の条件を満たしているサイトは、収益が少ない(またはゼロ)でも売却できる可能性はあります。
条件 | 詳細 |
コンテンツ自体の資産価値がある |
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ドメインが強力 |
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技術的資産の価値が高い |
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トラフィックにポテンシャルがある |
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これらの潜在的な価値が、買い手が求めるリターンを上回ると判断されれば、少額ではあるかもしれませんが、売却が成立する可能性はあります。
サイトを運営する会社・事業の売却価格相場
Webサイトを法人として運営している場合、その事業または会社全体をM&A(株式譲渡または事業譲渡)する際の価格算定は、一般的な企業M&Aの財務基準にしたがって行われます。

M&A実務の相場は「EBITDA × 3〜8倍 + 現預金 - 有利子負債」
Webサイト事業を運営する会社や事業単位での売却価格相場を算出する際、M&A実務の現場では企業価値評価手法の一つである「類似会社比較法(マルチプル法)」を簡便化した計算式で見積もるケースが多いです。
具体的には、事業が生み出す実質的なキャッシュフローに近い収益力を示すEBITDAを基準に、以下の計算式で価格相場を算出します。
- 会社・事業売却における価格相場 = EBITDA × 3〜8倍 + 現預金 - 有利子負債
※補足
- EBITDA:簡易的には「営業利益+減価償却費」で計算され、事業が純粋に生み出すキャッシュ創出力に近い収益力を示します。
- EBITDAの倍率(マルチプル):企業の成長性や収益の安定性、業界特性によって変動します。上場企業の全業種平均は約6~8倍ですが、一般的には3倍から5倍がボリュームゾーンとなります。
たとえば、EBITDAが6,000万円、適用倍率が5倍、現預金が2,000万円、有利子負債が1,000万円であるWebサイト事業の運営会社を売却するケースでは、価格相場が以下のとおり計算されます。
- 価格相場 = 6,000万円 × 5倍 + 2,000万円 − 1,000万円 = 3億1,000万円
この手法のメリットは、財務情報さえあれば比較的容易に価格相場を算出でき、市場や売り手企業の状況をある程度加味できるため、実態に即した価格を見積もれる点です。
ただし、最終的な売却価格は、買い手企業の戦略的ニーズや交渉結果によって決定されるため、上記の計算結果は参考として留める必要があります。

M&Aの価格相場はいくら?企業価値の算定方法と価格を高めるポイント
中小企業M&Aの価格相場は「時価純資産+営業利益2〜5年分」が目安です。企業価値算定の3つの方法、業種・規模別の相場観、売却価格を高めるポイントを解説します。
「時価純資産+営業利益×2〜5年分」で考える場合もある
中小企業のM&Aでは、年買法と呼ばれる手法で売却価格の相場を考えるケースもあります。
計算式は以下のとおりです。
- 会社・事業売却における価格相場 = 時価純資産+営業利益×2〜5年分
※補足
- 時価純資産:企業が保有する資産(システム、オフィス備品、現預金など)を時価に換算し、負債を差し引いた純資産の価値です。
- 営業利益×2〜5年分:時価純資産に上乗せされる「のれん代(営業権)」であり、ブランド力やノウハウ、顧客基盤といった無形資産の価値が該当します。
たとえば、時価純資産が3,000万円、営業利益が5,000万円、3年分の営業利益をのれん代として加味するケースを想定すると、Webサイト事業・会社の売却価格相場は以下のとおり計算されます。
- 価格相場 = 3,000万円 + 5,000万円 × 3年分 = 1億8,000万円
前述した簡易的なマルチプル法と比べて、より簡単に売却価格の相場を見積もれる点がメリットです。
ただし、のれん代の算定根拠が弱いため、こちらも参考の1つとして利用するのに留めることがおすすめです。

M&Aの価格は利益の何倍が妥当?業種別相場と価格決定の仕組みを徹底解説
M&Aの価格は「時価純資産+営業利益の2〜5年分」が中小企業の目安です。業種別の相場観、価格が決まる仕組み、高く評価される会社の特徴を事例とともに解説します。
実際の価格は「企業価値評価」の結果などをもとに交渉で決定

Webサイト単体を売却する場合と同様に、Webサイトを運営する事業・会社のM&Aでも、買い手との交渉で最終的な売買価格が決定されます。
交渉の際には、企業価値評価の結果を基準として考えることが一般的です。
企業価値評価(バリュエーション)とは、その会社や事業の経済的な価値を金額として評価することです。
収益性や純資産、市場の状況、類似会社など、多様な評価基準に基づいて評価を行います。
なお、実際の売買価格交渉では、企業価値評価の結果のみならず、デューデリジェンスで見つかったリスク要因や買い手企業のM&Aに対する緊急度合い、想定されるシナジー効果の大きさなども考慮されます。
企業価値評価の主な方法
企業価値評価(バリュエーション)は、以下3つの基本的なアプローチに分類され、通常はこれらを複合的に利用して適正価格を算出します。

マーケットアプローチ
- 特徴:類似上場会社や類似M&A事例などを基準に企業価値を算定する手法です。客観性が高く、当事者の納得感が得られやすい一方で、類似企業や事例を探すことが難しい場合がある点に注意です。
- サイトM&Aでの利用:客観性の高さから、中小規模のサイト運営会社によるM&Aでは幅広く活用されています。
インカムアプローチ
- 特徴:今後会社が生み出すお金(将来のキャッシュフロー)を予測し、「割引率」で割り引いて現在の価値に換算することで企業価値を算定する手法です。事業の成長性や各企業が有する固有の強みなどを評価に反映できる一方で、評価者の主観や恣意が入りやすい点に注意です。
- サイトM&Aでの利用:成長性が極めて高いスタートアップ的なWebサイト事業や、大規模な会員制SaaSモデルの評価に利用されます。
コストアプローチ
- 特徴:現在の会社の決算書(純資産)をもとに企業価値を算定する手法です。当事者が理解しやすく、かつ納得しやすい評価を行える一方で、将来性や固有の強みを反映できない点に注意です。
- サイトM&Aでの利用:将来的な収益力や固有の強みを反映しないため、簡易的に相場を見積もる場合や、評価額の最低水準を定めるケースでのみ活用することが望ましいです。

バリュエーションとは?M&Aの企業価値評価3つのアプローチを図解で解説
バリュエーション(企業価値評価)の3つのアプローチ(インカム・マーケット・コスト)を図解で解説。DCF法・マルチプル法・時価純資産法の使い分けと相場観がわかります。
サイト売却・M&Aの相場把握に役立つ事例【2025年最新】
この章では、サイト売却・M&Aの相場把握に役立つ事例を3例紹介します。
各事例では、売却手法や成約金額、売り手および買い手企業の業績、M&Aの目的を解説します。
事例を確認することで、サイト売却・M&Aの相場に関する理解を深めることに役立ちます。
【経営コンサルティング×Webサイト】エムキャップ二十一号に対するマネーフォワードの子会社売却
売却の手法・成約
2025年11月、株式譲渡の手法により、親会社であるマネーフォワードがスマートキャンプの全株式を売却し、本件M&Aを行いました。
売却価格は非公表ですが、本件の株式譲渡により、2025年11月期に63億4,400万円の特別利益が発生する見込みです。
譲渡企業の概要
企業名 | スマートキャンプ(マネーフォワードの連結子会社) |
事業内容 | SaaS マーケティングプラットフォーム「BOXIL」などの運営 |
主要な経営成績および財政状態 (2024年11月期) |
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譲り受け企業の概要
企業名 | エムキャップ二十一号 |
事業内容 | 経営コンサルティング業務、有価証券の取得および保有、その関連業務 ※丸の内キャピタルが管理及び運営している丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合が全持分を有する特別目的会社 |
主要な経営成績および財政状態 | 非公表 |
M&Aの目的・背景
マネーフォワードは、ファンド運営で培った経営改善の手法や三菱商事グループとの幅広いネットワークを保有する丸の内キャピタルのサポートを受けることで、グループ全体の資本配分最適化や、子会社であるスマートキャンプのさらなる成長を図るために、本件のM&Aを実施しました。
※参照元:連結子会社の異動(株式譲渡)および特別利益の計上見込みに関するお知らせ(マネーフォワード)

Webメディア売却の相場とメリット|最新事例と高く売るポイント【2026年版】
Webメディア・ブログの売却相場(月間営業利益の12〜24カ月分が目安)と最新事例を解説。評価されるメディアの条件、売却の流れとメリットを紹介します。
【Webサービス×Webサイト】エイチームに対するストレイナーの会社売却
売却の手法・成約
2025年3月、株式譲渡の手法により、ストレイナー株主が全株式を売却し、本件M&Aを行いました。
売却価格は2億4,000万円です。
譲渡企業の概要
企業名 | ストレイナー |
事業内容 | 経済ニュースを取り扱うサイト「Strainer」や、財務データベース「Finboard」の運営 |
主要な経営成績および財政状態 (2024年6月期) |
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譲り受け企業の概要
企業名 | エイチーム(現:エイチームホールディングス) |
事業内容 | ECサイト運営、比較・情報サイト運営、ゲームアプリ開発・提供など |
主要な経営成績および財政状態 (2025年7月期) |
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M&Aの目的・背景
エイチームは、未開拓である経済情報サイト市場への進出により、新規法人顧客の獲得を図るために、本件のM&Aを実施しました。
※参照元:
株式会社ストレイナーの株式取得(子会社化)に関するお知らせ(エイチーム)
2025年7月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(エイチームホールディングス)

Webサービス売却の相場と事例|高く売るポイント【2026年版】
Webサービス・アプリの売却相場(営業利益・MRRの倍率)と最新M&A事例を解説。評価されやすいサービスの特徴、売却の流れと高値売却のポイントを紹介します。
【Webサービス×Webサイト】セレスに対するファイブゲートが有するポイントサイト「Point Income」等の事業売却
売却の手法・成約
2025年9月、事業譲渡の手法により、ファイブゲートがポイントサイト「Point Income」と、アフィリエイトプログラム「AD-LEAP」を売却し、本件M&Aを行いました。
売却価格は2億円です。
譲渡企業の概要
企業名 | ファイブゲート |
事業内容 | インターネットメディア事業、IT コンサルティング事業、インターネット広告事業 |
譲渡対象事業の主要な経営成績 (2024年10月期) |
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譲り受け企業の概要
企業名 | セレス |
事業内容 | モッピー(ポイントサイト)などの運営 |
主要な経営成績および財政状態 (2024年12月期) |
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M&Aの目的・背景
セレスは、国内ポイントメディア市場におけるシェアを拡大させるために、本件のM&Aを行いました。
※参照元:
ポイントサイト「Point Income」の事業譲受に関するお知らせ(セレス)

IT事業売却の相場と事例|案件一覧・高く売るポイント【2026年版】
IT事業・IT企業の売却相場と最新M&A事例を解説。売り手市場が続くITセクターの動向、評価されやすい事業の特徴、実際の売却案件の探し方を紹介します。
サイトの売却・M&Aを成功させるポイント
この章では、ここまでお伝えした内容を踏まえて、サイトの売却・M&Aの成功可能性を高めるポイントとして、以下の6点を解説します。

それぞれのポイントをくわしく解説します。
コンテンツやSEO対策の質を高める
売却交渉の直前になって慌てて対策しても遅いため、最低でも半年前から以下の施策を通じて、Googleからの評価を盤石なものにしておきます。
- E-E-A-Tの徹底:著者情報に専門性(資格や所属団体など)を明記し、公的機関の資料を参照して「権威性」を証明する。また、体験ベースのコンテンツやオリジナルのデータに基づいたコンテンツなどを増やし「経験」を強化する。
- クリーンなSEOの維持:不自然な被リンクがないか定期的にモニタリングし、不要なリンクは否認ツールで処理しておくなど 、将来的なペナルティリスクを事前に排除する。
売上や利益を伸ばす
売却直前の1年間、収益を右肩上がりのトレンドに保つことが、買い手に対して説得力のある交渉材料となります。
具体的な対策としては下記が挙げられます。
- 費用対効果の高い施策に集中:短期的に高いコンバージョン率が得られるページの改善や、LTV(顧客生涯価値)の高い顧客セグメントへの施策に集中し、売却前の利益を最大化する。
- EBITDAの最大化:サイト運営に不要な経費を削減し、EBITDAを最大化させる。
他にはない独自の価値を確立する
他の競合サイトにはない、唯一無二の強みを確立し、買い手が模倣困難な資産であることを証明します。
以下が主な施策として効果的です。
- 特定顧客層の独占:特定のニッチ市場における圧倒的なブランド認知度の確立や、独自の会員データ確保、顧客との密接なコミュニティ構築などを実施する。
- 独自システムの権利化:開発したシステムや技術、独自のデータベースを特許や商標で保護し、法的に独占的な優位性を持たせる。
マイナス評価を受ける要因を改善しておく
売却を検討する時点で、自サイトを買い手視点から客観的に評価し、潜在的なリスクを徹底的に洗い出して改善しておくことが重要です。
- 法務リスクの解消:利用規約、プライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表記が最新の法令に準拠しているかを確認し、未払いのライセンス費用や著作権侵害のリスクをゼロにする。
- システムの最適化:古いPHPバージョンや複雑なカスタムコードを最新化し、買い手が容易に保守・運用できる状態にしておく。
- 属人性の排除:コンテンツ制作やサイト保守の全手順をマニュアル化し、運営ノウハウを簡単に共有できるようにしておく。
高く売却できるタイミングを選択する
サイトを高値で売却するためには、市場の状況と自サイトの成長トレンドを見極め、最適なタイミングを選ぶ戦略的な判断が不可欠です。
具体的には、以下のタイミングを意識することで、サイト事業や会社の売却価格を高めやすくなります。
- 業績が急速に伸びている時期:サイトの収益が右肩上がりで成長している時期は、買い手が将来のキャッシュフローに大きな期待を抱くため、相場以上の価格(プレミアム)を提示しやすくなる。
- 市場の成長率が高い時期:サイトが属する市場全体が拡大トレンドにある場合、そのポテンシャルが評価され、売却価格を高めやすくなる。
ただし、M&Aの手続きには相応の時間を要するため、高値で売却できるタイミングに差し掛かったら、迅速に買い手探しやDD(デューデリジェンス)準備に着手することが重要です。
自社にとって適した専門業者を利用する
Webサイトの売却を成功させるためには、自社にとって最適なM&A専門業者を利用することが有用な戦略です。
特に、自社が属する業界の知見やM&A実績が豊富な専門業者を選ぶことで、以下のメリットを期待できます。
- 最適な買い手候補の選定:広範囲なネットワークを活用することで、自社の経営資源への需要が大きい買い手候補や、大きなシナジー効果が想定される買い手候補を選定してもらいやすくなる。
- 無形資産が有する価値の適正評価:Webサイト業界の知見やM&A実績を有する専門業者であれば、運営ノウハウや技術、ブランドなどの無形資産が有する価値を客観的かつ適正に評価できる。
上記のメリットにより、専門家がサイトの潜在的な価値を交渉で最大限に引き出すため、結果的に高い値段で売却できる可能性が高まります。

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サイトの売却・M&Aでかかる費用
売却価格から以下の費用と税金が差し引かれた残りが、売り手側の手取りとなります。
手取り額を最大化するためには、これらの費用構造を正確に理解しておく必要があります。
仲介手数料
M&A仲介業者やサイト売買業者を利用する場合、売却価格に応じて成功報酬が発生します。
一般的には、取引規模が大きくなるほど、料率が下がるレーマン方式が採用されます。
レーマン方式の手数料率は業者によって異なるものの、概ね1%〜5%の範囲です。
ただし、ほとんどの専門業者では、成功報酬に最低報酬額を設定しているため注意が必要です。
なおM&A仲介業者を利用する場合、成功報酬以外にも着手金や中間報酬といった手数料も発生することが一般的です。
税金
Webサイトの売却では税金が発生します。
どのような税金が発生するかは、以下のケースごとに異なります。
- 個人によるWebサービス単体、または事業単位での売却(事業譲渡)
- 法人によるWebサービス単体、または事業単位での売却(事業譲渡)
- Webサービスを運営する会社ごとの売却(株式譲渡)
各ケースにおける課税の概要は以下のとおりです。
売却ケースの種別 | 課税の概要 |
1 | ①譲渡所得に該当する場合
※長期譲渡所得については、上記計算の1/2が課税対象
②事業所得や雑所得に該当する場合 以下のケースに該当する場合、事業所得や雑所得とみなされる可能性が高い
|
2 |
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3 |
|
※参照元:
No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)(国税庁)
No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法(国税庁)
No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)(国税庁)
その他
仲介手数料と税金以外にも、サイト売却では主に以下の費用もかかります。
- 弁護士・税理士費用:契約書のリーガルチェックや、税務申告の助言を依頼する費用
- 印紙税:売買契約書に貼付する印紙代(取引金額に応じて変動)
- 移行費用:サーバーやドメイン等の移行作業にかかる費用

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サイト売却・M&Aの概要
相場や費用とは別に、サイト売却・M&Aに関する基本的な知識を簡潔に紹介します。
サイト売却・M&Aのメリットとデメリット
メリット
主なメリットは以下です。
- サイト単体や事業、会社の売却益を得られる
- サイト運営の負担から解放され、新たな事業やプライベート等に集中できる
- 買い手の下で、サイト事業のさらなる成長を図れる
デメリット
以下のデメリットに注意が必要です。
- 安定的な収入源や運営者、経営者等の立場を失うおそれがある
- 買い手が見つからない、または希望条件で売却できないリスクがある
- 売買契約に含まれる競業避止義務により、一定期間、類似事業の立ち上げが制限されるおそれがある

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サイト売却・M&Aの手順
サイト売却・M&Aは、大まかに以下のステップで段階的に進められます。
- 準備段階:財務データ(調整後EBITDA)、アクセスデータ、コンテンツのE-E-A-T証明資料、運営マニュアルなどを整備し、売却戦略を策定する。
- マッチング段階:M&A仲介会社との契約やプラットフォームへの登録・案件掲載を通じて、買い手候補を探す。
- 交渉・契約段階:買い手候補と基本的な条件交渉を行い、基本合意書を締結。その後デューデリジェンス(DD)を行い、その結果を踏まえて価格や条件面の最終交渉を実施。交渉がまとまったら、最終譲渡契約書を締結する。
- 実行段階:売却価格の決済が行われ、ドメイン、サーバー、システム、運営ノウハウなどが買い手に引き渡される。

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サイト売却・M&Aの方法
サイト売却の買い手候補を探す方法を3つ紹介します。
マッチングサービス
個人・法人を問わず、Webサイトの売り手と買い手をつなぐオンラインサービスです。
多くの買い手候補者に案件を広く公開でき、無料または比較的安価に利用できます。
ただし、多くの場合、契約交渉や手続きは売り手自身が行う必要がある点に注意です。
M&A仲介会社
買い手探しから条件交渉、契約の手続き、締結までを一貫して代行する専門業者です。
買い手探しの手間がなく、M&A実務にかかる負担を軽減できる点がメリットです。
マッチングサービスよりも、手数料は高い傾向がある点に注意です。
個人の交渉
既存のサービスを利用せず、自ら買い手を探し、交渉や契約手続きを行う方法です。
費用を大幅に抑えやすいものの、専門知識がない場合、買い手に都合のよい契約を結ばされるリスクを伴う点に注意です。

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サイト売却・M&Aの注意点
サイト売却・M&Aでは、以下の点に注意が求められます。
- 売却可否:無料ブログなど利用規約で売却が禁止されていないか確認する
- データ正確性:トラブルを防ぐために、収益などのデータは正確な値を公表する
- 契約上のリスク:競合条項(競業避止義務)の範囲を具体的にチェックし、売却後の事業活動を制限されないか確認する
- 責任範囲:著作権違反などに関する売却後の売り手の責任範囲(補償・買戻契約)を厳しく確認しておく

M&Aのリスク|買い手・売り手のリスクや対処法を解説
M&Aのリスクを事前に認識することで、トラブルや損失を回避しやすくなります。M&Aで注意すべきリスクの種類やリスクマネジメント手法などについて、公認会計士が具体的な事例を交えてわかりやすく解説します。(公認会計士監修記事)
サイト売却の相場に関連する質問と回答
最後に、サイト売却の相場に関連する3つの質問を取り上げ、その回答をお伝えします。
SNSアカウントの売買相場は?
SNSアカウント(Instagram、Xなど)の売買相場は、収益額のみならず、エンゲージメント数やフォロワー数などによっても左右されます。
ある程度マネタイズが上手くいっている、もしくはエンゲージメント数などが優れていて潜在的な収益性が高いSNSアカウントであれば、「月間営業利益の12ヶ月分(1年分)」が大まかな目安となります。
ドメインのみ売買する場合の相場は?
Webサイトのコンテンツやシステムを伴わないドメイン単体での売買相場は、そのドメインが持つ「ポテンシャル」や「信頼性」などによって決定されます。
ドメインの査定額を左右する評価基準は以下の通りです。
- ドメイン名に含まれるキーワードの価値:検索需要の高いキーワードや、覚えやすいブランド名が含まれているか。
- ドメインエイジと過去の運用履歴:運用歴が長く、スパムサイト運用歴やブラックリスト登録歴がない、健全な運用履歴があるドメインは高く評価される。
- 過去におけるWebサイトのアクセス数と収益性:過去にそのドメインで運営されていたサイトの履歴(アクセス数、収益性)が、ドメインの潜在的なSEO価値として評価される。
基本的には、数千円から数万円程度が相場です。
サイト売買で儲けることはできる?
サイト売買は、売り手と買い手の双方にとって、戦略的に活用すれば利益(儲け)を生み出すことが可能な取引です。
買い手視点
買い手の利益は、「リスクを抑えてサイトを買収し、その収益を効率的に成長させること」によって得られます。
以下のポイントを押さえることで、儲けられる可能性が高まります。
- リスクを抑えた買収:DDの結果や潜在的なリスクを踏まえて、回収可能性の高い範囲内で買収価格を設定する
- シナジーの創出:買収したサイトに自社のノウハウや商品・サービスを導入し、買収前の収益を上回る成長を実現させる
売り手視点
売り手の利益は、「サイト価値の最大化と税金・費用の最小化」によって得られます。
具体的には以下のとおりです。
- 価値の最大化:コンテンツのE-E-A-Tを強化したり、無形資産の強みを確立したりすることで、相場の上限またはそれ以上での価格による売却を目指す
- 税金・費用の最小化:税金や手数料を最小限に抑えられるように、M&Aスキームや依頼する専門業者を選ぶ

会社売却でいくら儲かる?金持ちになれる相場と手取りを増やすポイント
会社売却で得られる金額の相場は「時価純資産+営業利益2〜5年分」が目安。手取り額の計算、売却額を高めるポイント、売却後の資産運用まで解説します。
サイト売却・買収の価格相場に関するまとめ
Webサイトの適正価格相場は、「月間営業利益の18〜24ヶ月分」が一つの目安であり、ジャンルによっては36ヶ月分に達する可能性もあります。
法人事業のM&Aにおいては、「EBITDA×3〜8倍+現預金 有利子負債」が大まかな相場の目安です。
高値売却の可能性を高めるには、以下の2点を両立させることが効果的です。
- リスクの排除:潜在的なSEOペナルティリスクや、属人性による運営リスクをDD前に徹底的に排除し、価格減額要因をゼロにする。
- E-E-A-Tによる収益安定性の証明:2025年最新のSEOトレンドに合わせ、コンテンツを「経験に基づく一次情報」で満たし、サイトの安定性と信頼性を客観的に証明する
上記は最低限のポイントであり、他には「独自の集客ノウハウやブランド力の強化」などの施策も効果的です。
サイト運営事業の売却を検討している方は、まず自社事業の相場を把握し、それを踏まえた上で具体的なM&A戦略を検討することがおすすめです。

売却しやすい会社・事業の特徴10選|買収ニーズが高い業界も解説
売却しやすい会社には共通点があります。利益体質・属人性の低さ・許認可など10の特徴と、買収ニーズが高い業界、売却前に磨いておくべきポイントを解説します。
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