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化学業界の最新M&A動向・化学メーカーのM&A事例15選

更新日:2023年11月08日twitterfacebook
M&A・事業承継
  • 法務監修: 相良 義勝 (京都大学文学部卒 / 専業ライター)

化学業界ではイノベーション推進などを目的としたM&Aが活発です。M&Aでは、開発力強化などのメリットを得られます。業界の現状と、化学メーカー(化学製品製造会社)の最新M&A動向・事例を徹底解説します。

化学業界  化学メーカー M&A

化学業界の現状とM&A動向

化学業界の現状

化学産業は事業所数・製品出荷額・従業員数において製造業全体の10数パーセントを占める大きな産業です。[1]
化学産業の中心である石油化学工業の製品は、以下の3つのレベルに分けることができます。

  1. 汎用性の高い基礎化学品(エチレンなど)
  2. ①をもとに生産される各種産業向け原料・素材
  3. ①や②をもとに生産される最終製品(界面活性剤・塗料・農薬・接着剤など)

基礎化学品の需要は今後も世界的に順調に伸張すると見られますが、日本企業の基礎化学品生産は安価な海外製品の市場拡大などの影響で需要減少が続いています。[2]

一方、②③のうち感光性・強磁性・高導電性・絶縁性・高遮熱性などの高い機能性を持つ製品については、日本企業が高いシェアを維持している例が多く、特定分野での機能性を追求した化学品のイノベーション推進が今後も成長の大きな鍵を握っていると言えます。

化学業界のM&A動向

化学メーカー同士のM&A

大手総合化学メーカーにおいては、特定事業分野の強化とイノベーション推進のため、特定分野に強み・先進性を有する同業企業へのM&A買収や出資)を行う動きが盛んです。

特定分野の化学品製造事業を展開する企業においても、関連性のある同業者を買収し、シナジー追求と成長加速を図る例が多々見られます。

売り手側の化学メーカーとしても、M&Aにより技術・生産面の連携を図ることで中長期的な事業成長が期待できます。
また、収益性・成長性が期待できない事業を切り離し、経営資源をコア事業に集中するためにM&Aが利用される例も少なくありません。

異業種企業とのM&A

化学メーカーと異業種企業の間では以下のような組み合わせのM&Aが行われています。

買い手

売り手

目的・メリット

化学メーカー

バイオ・医薬メーカー

買い手:バイオ・医薬関連分野の強化

売り手:経営基盤・開発力の強化、事業の選択と集中

化学製品を扱う商社

化学メーカー

買い手:サプライチェーンの上流・下流に当たる化学メーカーの取り込みによる事業ポートフォリオ拡充

売り手:買い手の調達・販売ネットワークの活用による事業安定化・拡大

化学品を用いる最終製品のメーカー

化学メーカー

買い手:生産力・開発力の取り込み

売り手:生産・販売の安定化、買い手の営業力・取引網を介した事業拡大

産業廃棄物処理・リサイクル企業

化学メーカー

買い手:化学品製造技術の取り込みによる再生マテリアル製販一貫体制の構築

売り手:原料調達・生産・販売の安定化

M&A市場の現状と動向 今後の展望も解説
M&A・事業承継
M&A市場の現状と動向 今後の展望も解説

M&Aの市場は、後継者不足問題の深刻化などを理由に拡大してきました。しかし2020年は、コロナ禍の影響で市場が縮小しました。公認会計士が、M&Aの市場の動向および今後の展望を徹底解説します。(公認会計士 前田 樹 監修)

M&Aとは?目的・手法・メリット・流れを解説【図解でわかる】
M&A・事業承継
M&Aとは?目的・手法・メリット・流れを解説【図解でわかる】

M&A(エムアンドエー)とは、Merger(合併)and Acquisitions(買収)の略で「会社あるいは経営権の取得」を意味します。今回はM&Aの意味・種類・目的・メリット・基本的な流れ・税金・手数料など、全般的にわかりやすく解説します。

[1]化学産業の現状と課題(経済産業省)
[2]日系化学メーカーにとっての新たなM&Aの潮流(KPMG)

化学業界のM&A・売却相手企業を探す【無料】

化学メーカー同士のM&A事例

化学メーカー M&A 事例

 

 

【素材】日本材料技研がレアメタルメーカーのエムアンドシーを買収

譲渡企業の概要

エムアンドシー:レアメタル(モリブデン・タングステン)を用いた精密加工部品製造業。医療分野等へ納品。

譲り受け企業の概要

日本材料技研:化学品製造業・オープンイノベーションに関するコンサルティング業。VC機能も有する。

M&Aの目的・背景

譲渡企業:新規顧客の開拓・さらなる素材の活用等に乗り出せる。

譲り受け企業:機能材料分野における大手企業で埋もれている休眠特許ライセンスを譲り受けて、スケールアップ、マーケティングを進めて事業化しているため、エムアンドシーの素材についても広く活用することができる。

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年12月
  • 手法:株式譲渡
  • 譲渡金額:秘密保持契約により非公表
ニッチトップ製造業の新たな成長スキーム。M&Aによる成長企業グループへの参画
成功事例
ニッチトップ製造業の新たな成長スキーム。M&Aによる成長企業グループへの参画

「M&Aによってニッチトップ企業の集合体を作る」ことを掲げた成長企業グループに、自社の成長を託したオーナーの決意に至るストーリーを追います。株式会社エムアンドシー 前・代表取締役社長 加瀬 雅己 氏と現・取締役社長 加瀬 一成 氏、そして譲り受けた日本材料技研株式会社 代表取締役社長 浦田 興優 氏に話を聞きます。

【総合化学×接着剤・ケア用品】ハリマ化成グループが独Henkelのはんだ事業を買収

譲渡企業の概要

Henkel AG & Co.:接着剤を中心とする化学製品と、ヘアサロン・家庭向け美容品、各種洗剤・クリーナーの製造販売事業を展開[3]

譲り受け企業の概要

ハリマ化成グループ:樹脂・化成品、製紙用薬品、電子材料、ローターなどの化学製品の製造販売事業、倉庫業、ホテル・ゴルフ場経営事業、不動産管理事業などを展開する企業グループの持株会社[4]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:自動車業界・通信業界においてはんだ材料への需要が高まるなか、Henkelの高性能はんだ材料製品群と世界レベルの販売網・生産拠点などを取り込み、はんだ材料事業のラインナップ拡充と競争力強化、生産規模拡大、生産効率向上を図る[5]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年4~6月(予定)[6]
  • 手法:事業譲渡
  • 結果:ハリマ化成グループがHenkek AG &Co.からはんだ材料事業に係る設備、技術、商標・特許、在庫、従業員、商圏、工場不動産などを取得し、海外子会社の事業に統合
  • 譲渡金額:秘密保持契約により非公表[5]
クロスボーダーM&Aとは?メリットや手法、有名事例を徹底解説
M&A・事業承継
クロスボーダーM&Aとは?メリットや手法、有名事例を徹底解説

クロスボーダーM&Aとは、譲渡企業か譲受企業のいずれかが海外の企業であるM&Aです。近年増加傾向にあるクロスボーダーM&Aの目的や手法、有名事例、成功に導くための注意点をわかりやすく解説します。(公認会計士 伊藤嘉朗 監修)

【総合化学×核酸化学】三井化学がナティアスに出資

譲渡企業の概要

ナティアス:医薬品産業向けに、核酸API、核酸系アジュバント、PCR遺伝子検査用プライマー/プローブ、核酸中間体などの製造販売事業と、核酸医薬品の受託製造事業を展開[7][8]

譲り受け企業の概要

三井化学:生活・健康産業向け機能性化学製品、自動車産業向け複合材料製品、半導体・電子部品工程部材、農業向けグリーンケミカル製品、各種基礎化学品などを製造する大手総合化学メーカーで、近年は素材提供に留まらずサービス要素を組み合わせたソリューション型ビジネスを推進[9]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:自社の核酸API製造技術と譲り受け企業の酵素技術・精密有機合成技術を掛けあわせ、核酸中間体製造事業・核酸医薬品受託製造事業の強化を推進[8]

譲り受け企業:生活・健康分野におけるソリューションビジネスの拡大[10]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年3月
  • 手法:第三者割当増資業務提携
  • 結果:三井化学がナティアスの第三者割当増資を引き受けて同社に出資し、両社間で業務提携を開始[8]
  • 譲渡(増資)金額:不明
半導体業界のM&A動向と近年の事例14選【徹底解説】
M&A・事業承継
半導体業界のM&A動向と近年の事例14選【徹底解説】

半導体企業のM&Aは、急速な市場成長などを背景に活発化しています。半導体業界のM&A・業界再編動向を解説し、有名事例や2020年・2021年の事例を中心に、近年のM&A事例をくわしく紹介します。

【表面処理×粉体・液体製品】理研アルマイト工業が関東化学工業を完全子会社化

譲渡企業の概要

関東化学工業:家庭用・業務用粉体洗剤の受託製造事業、防錆保護被膜剤のオリジナル製品製造事業、航空業界向け防除雪氷液・融雪剤製造事業を展開[11]

譲り受け企業の概要

理研アルマイト工業:ロケット部品や人工衛星構体などの宇宙航空分野を中心に、各種産業用部品・部材に対するアルミニウム表面処理の受託事業を展開[12]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:産業向け製品から家庭向け製品まで幅広い領域に対応する技術を有する譲渡企業をグループ内に取り込み、技術力の強化と事業分野の拡大を図る[12]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年12月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:理研アルマイト工業が関東化学工業の全株式を取得し同社を完全子会社化[12]
  • 譲渡金額:不明

【農薬・ファインケミカル×農薬】北興化学工業がOATアグリオの除草剤事業を譲受

譲渡企業の概要

OATアグリオ:農薬、肥料、バイオスティミュラント(植物の免疫力向上剤)を中心とする研究開発・製造・販売事業を展開[13]

譲り受け企業の概要

北興化学工業:水稲・園芸分野の農薬や電子材料・医薬品原料・中間体などのファインケミカルの製造販売事業を展開[14]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:経営資源の選択と集中により新技術・新製品の開発加速を図る[15]

譲り受け企業:水稲除草剤分野のポートフォリオ拡充、国内外における同分野事業の拡大[16]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年10月[17]
  • 手法:事業譲渡
  • 結果:北興化学工業がOATアグリオから水稲除草剤「ベンゾフェナップ・ベンフレセート原体および同原体含有製剤」の販売権・農薬登録権・技術情報・商標使用許諾権などを譲受
  • 譲渡金額:守秘義務契約により非開示[15]
製造業のM&A・売却動向や最新事例、価格相場を徹底解説
M&A・事業承継
製造業のM&A・売却動向や最新事例、価格相場を徹底解説

製造業のM&Aは、主に大手企業への傘下入りやIT化を目的に行われます。今回の記事では、製造業のM&A動向や最新・有名事例、メリット、相場、成功させるポイントをわかりやすく解説します。(中小企業診断士 鈴木裕太 監修)

【総合化学×接着剤】三菱ガス化学がJ-ケミカルとユタカケミカルを完全子会社化

譲渡企業の概要

J-ケミカル:木質系接着剤・ホルマリンなどの販売事業を展開[18]

ユタカケミカル:J-ケミカルと三菱ガス化学の出資により設立され、J-ケミカルの製造部門を担う会社として接着剤・ホルマリンの製造販売事業を展開[18]

譲り受け企業の概要

三菱ガス化学:各種基礎化学品と無機化学品・合成樹脂・光学材料・電子材料・脱酸素剤などの機能化学品の製造販売事業、エネルギー資源開発・発電事業、健康食品素材の開発事業などを展開[19]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:接着剤・塗料などの原料であるホルマリンに関連する事業の拡大(譲渡企業との連携により接着剤の原料から製品までの一貫生産体制を構築し、ホルマリン事業を安定的な収益基盤へと成長させる)[18]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年5月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:三菱ガス化学がJ-ケミカルの全株式を取得し同社およびユタカケミカルを完全子会社化(その後、J-ケミカルとユタカケミカルが合併しMGCウッドケムに社名変更)[20]
  • 譲渡金額:不明
食品製造業のM&A動向、売却価格、事例20件を徹底解説
M&A・事業承継
食品製造業のM&A動向、売却価格、事例20件を徹底解説

食品製造業界では消費ニーズの変化や競争激化などを受けてM&Aが活発化しています。食品製造業の現状と絡めながら、食品メーカーのM&Aの動向、メリット、売却価格、2020年から2022年に行われたM&A事例などを徹底解説します。

LPガス業界のM&A動向・事例、売却価格相場|業界動向も解説
M&A・事業承継
LPガス業界のM&A動向・事例、売却価格相場|業界動向も解説

LPガスの需要が縮小するなか、LPガス業界ではM&Aを活用して生き残りを図る動きが活発化しています。業界の現状と絡めながら、LPガス業界のM&A動向と2018年~2021年のM&A事例、売却価格相場などをわかりやすく解説します。

【産業機械・化成品×乾燥剤】パーカーコーポレーションが東海化学工業所を完全子会社化

譲渡企業の概要

東海化学工業所:医療・食品用乾燥剤の製造販売事業を展開[21]

譲り受け企業の概要

パーカーコーポレーション:産業機械・試験機械の輸入・販売、生産設備の試作・設計・製造、自動車産業を初めとする各種産業向け化学品の製造販売事業などを展開[22]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:技術ノウハウ・製品販売網の共有により事業拡大・経営基盤多様化を図る[21]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年3月[23]
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:パーカーコーポレーションが東海化学工業所の全株式を取得し同社を完全子会社化
  • 譲渡金額:非開示[21]

【燃料油・化学×燃料油・化学】出光興産がENEOSから石油化学製品製造設備を譲受

譲渡企業の概要

ENEOS:石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油など)の精製・販売事業、ガス・石炭の輸入・販売事業、石油化学製品などの製造・販売事業、電気・水素の供給事業を展開[24]

譲り受け企業の概要

出光興産:燃料油の製造・販売、基礎化学品・高機能材の製造・販売、火力発電・再生可能エネルギー電源の開発・運営、資源の採掘・開発などの事業を展開[25]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:製造機能を停止した事業所の整理[26]

譲り受け企業:製品としての揮発油留分の需要減少加速が見込まれるなか、揮発油留分を高付加価値の石油化学原料生産に活用するための設備拡充を図る[27]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年10月(予定)
  • 手法:資産譲渡
  • 結果:出光興産がENEOS知多事業所のパラキシレン製造装置と周辺設備を譲受[27]
  • 譲渡金額:不明

【樹脂原料・機能材×総合化学】大阪有機化学工業が三菱ケミカルからアクリル樹脂事業を譲受

譲渡企業の概要

三菱ケミカル:三菱ケミカルホールディングスグループの中核事業会社で、各種機能化学品・素材の製造販売事業を展開[28]

譲り受け企業の概要

大阪有機化学工業:アクリル酸エステルの生産を基盤として、樹脂原料、電子材料、化粧品原料、機能性材料などの製造・販売事業を展開[29]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:譲渡企業の頭髪化粧品用アクリル樹脂事業を取り込み、化粧品用アクリル樹脂の製品ラインナップ拡充と海外販売チャネル獲得、生体適合材料・超親水性コーティング開発への活用を図る[28]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年2月[29]
  • 手法:事業譲渡
  • 結果:大阪有機化学工業が三菱ケミカルから頭髪化粧品用アクリル樹脂「ユカフォーマー」「ダイヤフォーマー」「ダイヤスリーク」の製造・販売事業を譲受[28]
  • 譲渡金額:不明
化粧品会社のM&Aの動向、売却価格、事例30件を徹底解説
M&A・事業承継
化粧品会社のM&Aの動向、売却価格、事例30件を徹底解説

化粧品関連企業のM&Aが活発化しています。化粧品ビジネスのデジタル化・EC化やアジアメーカーの台頭、コロナ禍など、業界を取り巻く状況と絡めながら、M&Aの動向やメリット、売却価格、近年の事例をわかりやすく解説します。

[3]会社情報(ヘンケルジャパン)
[4]グループ体制(ハリマ化成グループ)
[5]Henkelのはんだ材料事業買収(ハリマ化成グループ)
[6]Henkelのはんだ材料事業買収日程変更(ハリマ化成グループ)
[7]事業内容(ナティアス)
[8]三井化学を引受先とする第三者割当増資(ナティアス)
[9]会社概要
[10]ナティアスへの出資と業務提携(三井化学)
[11]製品一覧(関東化学工業)
[12]関東化学工業をグループ傘下へ(理研アルマイト工業)
[13]事業概要(OATアグリオ)
[14]会社概要(北興化学工業)
[15]事業譲渡(OATアグリオ)
[16]事業の譲受け(北興化学工業)
[17]開示事項の経過(OATアグリオ)
[18]J-ケミカル社の株式取得(三菱ガス化学)
[19]事業紹介(三菱ガス化学)
[20]合併、社名変更(MGCウッドケム)
[21]子会社の異動を伴う株式取得(パーカーコーポレーション)
[22]事業紹介(パーカーコーポレーション)
[23]2021年3月期有価証券報告書(パーカーコーポレーション)
[24]会社概要(ENEOS)
[25]事業概要(出光興産)
[26]出光興産への設備譲渡契約締結(ENEOS)
[27]石油化学製品製造設備の譲受(出光興産)
[28]化粧品用アクリル樹脂事業の譲受(大阪有機化学工業)
[29]事業・製品(大阪有機化学工業)
[30]第75期有価証券報告書(大阪有機化学工業)

化学メーカーによる異業種企業買収・出資事例

化学メーカー 買収 事例

【化学×バイオ】住友化学・三菱ケミカルがマイオリッジに出資

譲渡企業の概要

マイオリッジ:京都大学発スタートアップ企業で、再生医療製品・バイオ医薬品・培養食品などのメーカーに向けて、iPS細胞由来心筋細胞の販売や、培地成分データベースの提供、独自の培地スクリーニング技術を活用した培地受託開発などの事業を展開[31]

譲り受け企業の概要

住友化学:基礎化学品や幅広い分野にわたる機能性化学品を製造する大手総合化学メーカー[32]

三菱ケミカルホールディングス:基礎化学品や幅広い分野にわたる機能性化学品、医薬品・医療機器などを製造する大手総合化学グループの持株会社[33]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:細胞培養関連製品・サービスの開発促進[31]

譲り受け企業(住友化学):医薬品分野において市場成長が見込まれる細胞加工製品の品質向上、培養コストの削減[34]

譲り受け企業(三菱ケミカルHD):細胞培養周辺材料の課題解決力強化、品質・供給の安定化[35]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年4月
  • 手法:資本業務提携
  • 結果:住友化学、三菱ケミカルホールディングス、凸版印刷がマイオリッジに出資し、4社間で資本業務提携を締結
  • 譲渡(増資)金額:3社総額6億円[31]

【化学×医薬】三井化学アグロがMeiji Seikaファルマの農薬事業を取得

譲渡企業の概要

Meiji Seikaファルマ:医療用医薬品、動物薬、環境影響に配慮した農薬などの製造販売事業を展開[36]

譲り受け企業の概要

三井化学アグロ:三井化学グループの農薬事業における中核企業で、独自の原体をベースにした農薬の研究開発・製造・販売事業や、建築資材の環境管理(防虫・防蟻・防湿)事業などを展開[36]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:農薬事業は海外展開も含めさらなる成長が期待できるものの、コロナ禍のなか医療用医薬品事業の事業基盤を強化し新薬創出に向けて経営資源の集中を図ることが急務であることから、同事業の譲渡を決定[37]

譲り受け企業:譲渡企業が有する農薬原体、国内外の顧客基盤、創薬・製剤技術、天然物に関する技術を取り込み、国内市場におけるプレゼンス向上と海外農薬市場への展開加速、継続的な新規原体創出、市場ニーズに基づく製剤開発の強化を図る[36]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2022年1月
  • 手法:吸収分割・株式譲渡
  • 結果:Meiji Seikaファルマが新設した子会社に農薬事業を吸収分割により承継させた上で、三井化学アグロが同新設会社の全株式を取得し完全子会社化
  • 譲渡金額:約442億円[38]

【化学・バイオ×バイオセンサー】佐々木化学薬品がバイオエックスを完全子会社化

譲渡企業の概要

バイオエックス:半導体技術を活用した酵素反応測定装置の開発・製造・販売事業を展開[39]

譲り受け企業の概要

佐々木化学薬品:一般化学薬品や金属表面処理薬品、機能性樹脂の開発・製造・販売を手がけ[40]、近年はライフサイエンス分野に参入して試薬や抗体の販売・受託作製事業を展開[41]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:ライフサイエンス事業における取扱分野拡充[40]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2020年10月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:佐々木化学薬品がバイオエックスの全株式を取得し同社を完全子会社化[40]
  • 譲渡金額:不明

[31]資本業務提携(マイオリッジ)
[32]事業・製品(住友化学)
[33]製品を探す(三菱ケミカルHD)
[34]マイオリッジと資本業務提携(住友化学)
[35]マイオリッジに出資(三菱ケミカルHD)
[36]Meiji Seikaファルマの農薬事業を取得(三井化学アグロ)
[37]農薬の製造販売事業の譲渡(Meiji Seikaファルマ)
[38]Meiji Seikaファルマの農薬事業を取得完了(三井化学アグロ)
[39]製品紹介(バイオエックス)
[40]バイオエックスの株式取得(佐々木化学薬品)
[41]ライフサイエンス事業(佐々木化学薬品)

異業種企業による化学メーカー買収・出資事例

【リサイクル×プラスチック化学】アカルタスホールディングスが美濃化学工業を完全子会社化

譲渡企業の概要

美濃化学工業:プラスチック原料の製造販売・委託加工業を展開[42]

譲り受け企業の概要

アカルタスホールディングス:一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬・中間処理、廃棄物処理に関するコンサルティング、不用品回収・遺品整理、プラスチック原料・スクラップの仕入・販売・加工などの事業を展開する企業グループの持株会社[43]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:プラスチック製造ノウハウをグループ内に取り込み、譲渡企業と既存子会社との連携を通して再生プラスチックマテリアルの製販一体体制を構築し、同分野の事業拡大を図る[42]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年12月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:アカルタスホールディングスが美濃化学工業の全株式を取得し同社を完全子会社化
  • 譲渡金額:守秘義務により非公表[42]
リサイクル・リユース業の売却動向、M&A事例
M&A・事業承継
リサイクル・リユース業の売却動向、M&A事例

リサイクル・リユース市場は拡大基調にあり、大手による事業拡大の動きや業界構造の変化に伴いM&Aが活発化しています。リサイクル・リユース業の現況やM&A動向、近年の売却・M&A事例を徹底解説します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法務・金融専門ライター 相良義勝)

【紙製品×化学】カミ商事がハクビ化学を完全子会社化

譲渡企業の概要

ハクビ化学:愛媛県四国中央市に拠点を置き製紙用の各種接着剤や工業薬品の製造販売業を展開[44]

譲り受け企業の概要

カミ商事:愛媛県四国中央市に本社を置き、紙原料の仕入事業と、子会社を通じて製造した各種用紙・板紙・家庭向け紙製品シリーズの販売事業を展開[45]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:家庭向け紙製品生産の更なる効率化[44]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年12月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:カミ商事がハクビ化学の全株式を取得し同社を完全子会社化[44]
  • 譲渡金額:不明

【産業ガス・化学×総合商社×バイオ化学】エア・ウォーターと双日がGreen Earth Instituteに出資

譲渡企業の概要

Green Earth Institute:RITE(公益財団法人地球環境産業技術研究機構)発のベンチャー企業で、バイオマスを原料とした非石油由来の化学品・燃料の開発と商業化の事業を展開[46]

譲り受け企業の概要

エア・ウォーター:産業ガス供給、機能化学品開発・製造、医療ソリューションサービス、エネルギー供給、農産物生産、食品製造販売などの多様な事業を展開[47]

双日:自動車・航空機・鉄道・船舶・インフラ・ヘルスケア・金属資源・化学素材などを扱う総合商社[48]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:譲り受け企業(出資企業)の事業ネットワークや専門性の高い知見を活用し、バイオ化学品の事業パイプライン拡充と国内外での事業開発推進を図る[49]

譲り受け企業(エア・ウォーター):環境問題対応素材の開発やケミカルリサイクルなどの環境ビジネスに進出し、他事業との連携を通してスマート・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの変革を加速[50]

譲り受け企業(双日):自社の化学業界関連顧客ネットワークや販売・調達網と譲渡企業の技術を掛け合わせ、今後大きな成長が期待されるバイオ化学品分野での新事業構築と、低炭素・循環型社会に貢献する環境ビジネスの創出を図る[46]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年6月
  • 手法:第三者割当増資
  • 結果:エア・ウォーター、双日、Sony Innovation Fund by IGV(ソニーグループと⼤和キャピタル・ホールディングスによるファンド)がGreen Earth Instituteの第三者割当増資を引き受け同社に出資[49]
  • 譲渡(増資)金額:不明
M&A成功事例40選 大企業・中小企業・業界別|2021年版
M&A・事業承継
M&A成功事例40選 大企業・中小企業・業界別|2021年版

今回は大企業・中小企業別、業界別に厳選したM&A事例40選を紹介します。国内・海外の大企業事例から中小企業事例まで、譲渡・譲り受け企業の概要、M&Aの目的・M&A手法、成約に至るまでを解説します。コロナ禍以降の最新M&A事例も紹介します。

[42]美濃化学工業の株式取得(アカルタスHD)
[43]事業紹介(アカルタスHD)
[44]ハクビ化学の株式取得(カミ商事)
[45]事業案内(カミ商事)
[46]Green Earth Instituteに出資参画(双日)
[47]事業紹介(エア・ウォーター)
[48]事業紹介(双日)
[49]第三者割当増資を実施(Green Earth Institute)
[50]Green Earth Instituteに出資(エア・ウォーター)

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まとめ

化学業界では特定分野の強化を目的として同業者とのM&Aを行う動きが盛んです。
また、技術面で関連性のあるバイオ・医薬企業とのM&Aや、サプライチェーン上のつながりが強い隣接企業とのM&Aも活発化しています。
こうした動きは今後さらに拡大していくものと見られます。

(執筆者:相良義勝 京都大学文学部卒。在学中より法務・医療・科学分野の翻訳者・コーディネーターとして活動したのち、専業ライターに。企業法務・金融および医療を中心に、マーケティング、環境、先端技術などの幅広いテーマで記事を執筆。近年はM&A・事業承継分野に集中的に取り組み、理論・法制度・実務の各面にわたる解説記事・書籍原稿を提供している。)

 

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