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M&Aの手数料が高い理由とは?相場や安く抑える方法を徹底解説

M&Aの手数料が高い主な理由は、専門家の人件費が高いからです。ただし、工夫次第で手数料を安くできる可能性があります。公認会計士が、手数料が高い理由や相場、安く抑える方法を詳しく解説します。(公認会計士 前田 樹 監修)

手数料 種類 まとめ

目次
  1. M&Aの手数料が高い理由とは
  2. M&A手数料の種類一覧
  3. 各手数料の相場
  4. レーマン方式の中身を確認することも重要
  5. サービスの質が高く、かつ手数料が安い専門業者を選ぶ方法
  6. まとめ

M&Aの手数料が高い理由とは

近年M&Aが一般的になり、中小企業でも行われることが増えてきました。

M&Aを進めるにあたっては専門的な知識が必要となり、また、経験等がなければなかなか進めることが難しいため、仲介会社などに相談することになります。
しかし、M&Aの専門家への手数料は高く、依頼したくてもできないケースもあります。

では、なぜM&Aの手数料は高いのでしょうか。M&Aの手数料が高くなってしまうのにはさまざまな理由があります。

M&Aでは、デューデリジェンス契約書作成、企業価値の算定など法務会計税務などさまざまな専門的な知識が必要となる場面が多数あります。
こうした専門的な知識は専門性が高く、弁護士公認会計士税理士などの資格保有者に依頼することも多くなります
専門家の人件費は高いため、手数料が高くなりやすいのです。

一方で、中小企業であればどこまでの範囲で業務が必要になるかにより、依頼範囲を抑えることができます
依頼範囲を抑えたり、ブランド力がそこまで高くない会社に依頼したりすることでM&Aの手数料は抑えることができます。

M&Aの手数料は高くなりやすいのですが、規模感や依頼内容など工夫をすればやすく抑えることができます。

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M&A手数料の種類一覧

M&A手数料の種類について解説していきます。

相談料

相談料とは、M&A案件を進める前に事前に相談した際に発生する手数料となります。
正式に契約する前の手数料であることから、事前相談料と呼ばれることもあります。

着手金

着手金とは、アドバイザリー業務を依頼する際に手付金として支払う手数料となります。
着手金の有無や金額の設定方法は受託者により異なります。

中間報酬

中間報酬とは、一定の条件を満たした時に支払う手数料となります。
一定の条件として基本合意書の締結のタイミングなどで設定されることになります。
着手金と同様で中間報酬の有無や金額の設定方法などは受託者により異なります。

なお、基本合意書の締結が中間報酬の条件として設定されるのですが、基本合意書には法的拘束力があるわけではないので基本合意書が締結されても案件がストップしてしまうケースがあります。
そういった場合においても
一度支払った中間報酬は返金されないので留意が必要です。

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リテイナーフィー

リテイナーフィーとは、業務を毎月実施することを前提に支払われる毎月定額の手数料となります。
業務期間中は業務の提供を受けているため、契約期間が終わるまで支払われることになります。
M&Aにおいては交渉や資料の作成など業務が多く、それらのニーズに応えてもらうための費用と考えると良いでしょう。

なお、期間に応じて支払われるため、長期間の案件になると多額になるので留意が必要です。

デューデリジェンス費用

デューデリジェンスとは、買収先の企業の調査を行うことをいいます。
デューデリジェンスは法務財務税務ビジネス、システムなど幅広い範囲で行われます。

これらは専門的な内容も多く、各業務の専門家に依頼して行われます。
デューデリジェンス費用とは、これら企業調査にかかる費用となります。

成功報酬

成功報酬とは、M&Aの案件が成立した際に支払うことになる手数料となります。
成功報酬は一般的にレーマン方式と呼ばれる方法で計算されます。

取引金額

手数料率

5億円以下

5%

5億円超10億円以下

4%

10億円超50億円以下

3%

50億円超100億円以下

2%

100億円超

1%

上表の通り、成功報酬は取引の規模に応じて計算されることになるため、大規模な取引ほど成功報酬は高くなります。
一方、取引規模が小さい場合には報酬額が小さくなるため、最低報酬額が設定されている場合もあります

なお、当然ながら成功報酬は案件が成立しなければ支払うことはありません。

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各手数料の相場

各手数料の概要に解説しましたが、次に各手数料の相場について解説していきます。

相談料の相場

相談料は一般的に事前の相談であるため、無料であることがほとんどです。
かかったとしても数万円程度であることがほとんどでしょう。
この後につながるM&Aの報酬の方が大きいため、相談ベースではほとんど費用がかかりません。

着手金の相場

着手金の相場は100万円から200万円程度となります。
ただし、受託者や取引の規模によっては着手金がない場合もあるため、事前に確認をする方がいいでしょう。

また、着手金は返金されないものであるため、支払いに問題がないかは事前に確認をしておきましょう。

中間報酬の相場

中間報酬は固定報酬で支払うケースもあれば、成功報酬の一部として成功報酬の10%のような形で設定されます。
一般的な相場としては、
0円から200万円程度あるいは上述した成功報酬の10%から20%程度で設定されることになります。

受託者によっては中間報酬も設定されない場合もあるため、事前に確認をしておきましょう。

リテイナーフィーの相場

リテイナーフィーは毎月定額かかる費用となりますが、その相場としては月額で30万円程度から100万円程度となります。
案件が進んでいなくても発生してしまう費用であるため、事前に発生するのか確認をしましょう。

最近はリテイナーフィーが設定されていない場合も多いので、気になる場合は設定されていないところを選択するのも一つでしょう。

デューデリジェンス費用の相場

デューデリジェンス費用は会社の規模によって業務量が異なりますが、小規模な案件であれば1つの分野で30万円から300万円程度、M&A全体で100万円から500万円程度となります。
依頼する業務範囲によって違いが出るため、費用を抑えるには業務範囲を抑えることや全ての分野で実施するのではなく、分野を絞ることも一つの手です。

上場会社同士のM&Aなどになると1つの分野で1,000万円を超えることもあります。
そのような場合はM&A全体で1億円を超えることもあります。

成功報酬の相場

成功報酬は一般的にレーマン方式と呼ばれる方法で計算されます。
一般的に取引金額の1%から5%となるような報酬体系となっており、規模に応じて計算されることになります。

成功報酬と呼ばれる通り、M&Aの案件が成立しなければ支払うことはありません
そのため、成功報酬は仲介会社などの収益源となるため、仲介会社などにとっては案件を成立させることがかなり重要になります。

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売り手

登録無料

買い手

  • 基本料金:無料
  • 成約時手数料:譲渡金額の2.0%(最低金額200万円)
  • 交渉リクエスト数:20通
  • 契約期間:6カ月の自動更新

レーマン方式の中身を確認することも重要

先述したレーマン方式の計算方法は一般的ではあるものの、取引金額の基準や手数料率の設定が異なる場合があります。

取引金額の基準には、「譲渡金額(買収価格)」「移動総資産」「企業価値」がよく使われますが、どの基準を用いるかによって大きく金額が異なります。

報酬基準額 手数料

負債金額が大きい会社になると譲渡金額は大きくなくても負債を含んで計算された総資産や企業価値は大きくなり、成功報酬は高額になってしまうケースもあります。

また、成長企業であれば、現時点の総資産は小さいかもしれませんが、譲渡金額や企業価値は大きくなり、成功報酬が高額になります。
買収しようとしている会社によってどの取引金額を用いると高額になるかは変わるので、レーマン方式の中身を確認するとともに、買収しようとしている会社の想定額も確認しておくことが重要になります。

また、報酬体系もさまざまであるため、レーマン方式だけを見れば安くなっても他に手数料がかかることで高額になることもあるので、全体のバランスを見て選んでいきましょう。

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サービスの質が高く、かつ手数料が安い専門業者を選ぶ方法

専門業者 選定

サービスの質が高く、かつ手数料が安くなるようにするにはどのように業者を選べばいいのか解説していきます。
一般的にサービスの質が高ければ、手数料が高くなりますが、高ければいいというものではなく、自社のニーズに合った業者を選ぶ方が重要になります。

また、いくらサービスが幅広くても自社の必要のないサービスであれば手数料が高くなるだけなので必要な範囲に絞ることも重要です。

Step1:自社の業種や行いたいM&Aの取引規模を得意とする専門業者をリストアップする

まずStep1として、自社の業種や行いたいM&Aの取引規模を得意とする専門業者をリストアップします。

そして、この段階で1社に絞るのではなく、複数社リストアップしておく方がいいでしょう。
業界などが特殊で専門業者が少ないケースもあるかもしれませんが、比較することでわかることもあるので比較対象となる複数社リストアップする方がベターです。

自社の業種や行いたいM&Aを得意とする業者をリストアップすることで、その後の取引や交渉の中でキーとなることを適切にアドバイスしてもらえる可能性も高まります。

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Step2:リストアップした業者内で、手数料体系や見積もりを比較する

リストアップが完了したらそれぞれの業者の手数料体系や見積もりを取り寄せましょう。
手数料体系や見積もりを入手して比較することで各業者の特徴などもわかってきます。
入手する際にはできるだけ情報を伝え、合計でどれくらいの費用がかかるのか確認しておくことが重要です。

実際に進めていくと当初想定していない費用などが生じてしまうことや思っていた業務内容となってない場合などがあります。
そうしたことが起こらないように事前に情報を集めておくことが重要になります。

そして集めた情報をもとに各業者を比較・検討していくことになります。

Step3:サービスの質と手数料の安さを両立している専門業者に依頼する

手数料体系や見積もりのリストアップができれば具体的に検討していくことになります。

サービスの内容と手数料であれば、まずはサービスの内容で絞り込みを行い、その後手数料の比較という流れになります。
自社の思っているサービスの内容になっていなければ、効率的な進め方にならず、失敗してしまう可能性も出てきます。

いくら手数料が安くてもM&Aは成立しなければ意味がないので、適切にサポートを行ってもらえる専門業者を選定して依頼をしましょう。
同じようなサポートが期待できる業者が残れば、そこは手数料の安い業者を選択すればいいでしょう。

いずれにしても自社のニーズに合わせたサービスを提供してくれ、手数料が安い専門業者に依頼することでM&Aの成立に向け進めていきましょう。

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まとめ

ここまでM&Aにおける手数料が高いことについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

M&Aは専門知識や経験が必要となるため、業者に依頼することになります。
その際のM&Aの手数料は高くなりやすいのですが、業務内容や範囲を適切に設定することで手数料を抑えることも可能です。

一方で、費用が高いからといって依頼しなければM&Aが失敗する可能性も出てきますし、費用が安い業者になると期待通りの働きをしてもらえない可能性も出てきます。
必要なサービスを提供してくれる業者を選択し、適切な水準の手数料を支払えるよう検討していきましょう。

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(執筆者:公認会計士 前田 樹 大手監査法人、監査法人系のFAS、事業会社で会計監査からM&Aまで幅広く経験。FASではデューデリジェンス、バリュエーションを中心にM&A業務に従事、事業会社では案件のコーディネートからPMIを経験。)