サイトM&Aとは、Webサイトを売買することです。サイトのM&Aでは、売却利益を獲得できるなどのメリットを得られます。サイトM&Aの方法やおすすめのサービス、オリジナルの事例などをくわしく紹介します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法務・金融専門ライター 相良義勝)
サイトM&Aとは、Webサイト運営事業を対象とするM&Aです。
Webサイト(Webメディアやソーシャルメディア、ECサイトなど)を事業譲渡の手法により譲渡・譲受するのが典型的ですが、吸収分割や株式譲渡が用いられるケースもあります。
サイト運営事業は様々な権利義務(資産、権利、契約、ノウハウなど)で構成されています。
事業譲渡では、譲渡取引によりそれぞれの権利義務を個別に買い手に承継させます。
したがって、債権・債務や取引契約・雇用契約など、売り手・買い手以外の第三者が絡むものの承継については、第三者の同意が必要です。
事業譲渡では、売り手から買い手に移転する権利義務の内容・範囲を事業譲渡契約書に明記します。
サイトM&Aでは以下のような権利義務が譲渡対象となります。
ドメイン・サーバー関係 |
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プログラム・コンテンツ関係 |
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会員・ユーザー関係 |
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取引関係 |
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人材関係 |
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その他 |
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吸収分割とは、売り手企業から一部の事業を切り離し、買い手企業に吸収させるというM&A手法です。
事業譲渡と異なり、事業を構成する権利義務がまとめて(包括的に)買い手企業に承継されるため、個別の移転手続きが不要です。
ただし、会社法に基づく諸手続きが必要になります。
吸収分割は、事業規模が比較的大きく、権利義務の件数が多いサイトのM&Aで利用されるのが通例です。
売り手企業が譲渡対象のサイトの運営のみを事業としているケースでは、株式譲渡により会社ごと買収することでサイトM&Aを行うこともあります。
株式譲渡は事業譲渡や会社分割に比べて手続きが簡便であるというメリットがあります。
また、売り手企業は買い手企業の子会社として存続するため、ある程度自立性を保持した形で経営統合を図ることができます。
実際のサイト売却金額には非常に大きな幅がありますが、大まかな相場としては、「月間営業利益(直近数か月~半年の月間営業利益の平均)×18~24(1年半~2年分)」程度が目安となります。
あくまで目安に過ぎませんが、サイトのジャンルごとの相場も考えることができます。
ポータルサイトやマッチングサイトは立ち上げや運営に大きな時間と費用がかかり、買収ニーズも高いことから、比較的相場が高く、ポータルサイトは「月間営業利益の3年~5年分」、マッチングサイトは「月間営業利益の2~3年分」が譲渡金額の目安となっています。
アフィリエイトサイトやブログサイトは参入のハードルが低く、収益性に大きな幅があります。
月間営業利益の半年分程度に評価されることもあれば、2年分あるいはそれ以上となることもあります。
ECサイトは中間的な位置づけとなり、上記の平均的な相場(月間営業利益の1年半~2年分)で取引されることが多いようです。
ブランド力があるECサイトは月間営業利益の2年分を超える値がつくこともあります。
なお、Googleのサイト評価アルゴリズムの裏をかくようなSEO対策(ブラックハットSEO対策)を施しているサイト(例:自演リンクで上位表示を稼いでいるサイト)は、安定性に欠けるため、相場が大きく下がります。
すでに事業として成り立っているサイトを買収することで、買い手はスピーディーに事業の規模や分野を拡大することができます。
いち早く時流をつかみ、時代の一歩先を行く経営を展開していく上で、M&Aは大きな武器となります。
サイトを一から立ち上げた場合、安定した収益や顧客基盤を獲得するまでに長い時間がかかり、そこにいたる前に失敗して撤退することになれば投入した資金と時間を無駄にすることになります。
すでに出来上がったサイトを買うことで、買い手側は成長のための「時間を買う」ことができます。
自社でサイトの立ち上げ(構築)を行うためのリソースを欠いている企業であっても、M&Aによりサイト運営事業に参入することが可能になります。
サイト構築は苦手であってもデジタルマーケティングに長けている企業であれば、買収したサイトの急速な成長を図ることもできるでしょう。
売り手側は、サイトM&Aにより事業の整理と資金調達を同時に行うことができます。
サイトをある程度の収益性を有するレベルまで育て上げたものの、自社内ではそれ以上の展開が望めない(そのためのリソースが不足している)という場合、他社に売却してサイトの成長を委ね、自社としては売却で得た資金をもとに新規事業に乗り出す(または既存の別事業に重点的に取り組む)という選択肢が考えられます。
つまり、育てたサイトを売るという選択肢が、会社成長の起爆剤として利用できるわけです。
サイト売買市場は今後も拡大していくことは確実であり、「サイトを育てて売る」という選択肢は経営戦略としてますます一般化していくことが予想されます。
ここでは、サイトM&Aに特化し、売り手と買い手のマッチングや交渉仲介などの支援を提供しているサービスを取り上げ、サービス内容と料金体系を紹介します。
売り手側がインターネット上のシステムに売却サイトの情報を登録し、買い手側が自らそれを検索・閲覧して有望な相手を探して交渉オファーを送る、という流れでマッチングが行われるのが基本の形です(マッチングサイト形式)。
大半のサービスがマッチングサイトのサービスに加えてM&A交渉の仲介を基本サービスまたはオプションとして提供しており、それ以外にもサービスごとに特徴的なオプション(サイト移行代行など)が用意されています。
エスクロー(買い手から譲渡代金を預かり、サイト移譲確認・検収完了後に売り手に送金するサービス)を無償で提供しているサービスが多いのも、サイトM&A専門サービスの特徴と言えます。
SiteStockは2007年から運営されている実績豊富なサイトM&A専門サービスです。[1]
サービス内容 | 料金 | |
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基本サービス |
| 【売主・買主双方】 |
オプション | 仲介(独自のネットワークを活用した売り手・買い手企業の紹介、売り手として登録していないサイト運営企業に対する買収交渉打診代行、マッチング成立後の交渉仲介など) | 【売主・買主双方】 仲介手数料:110,000円(税込) 成功報酬:税抜譲渡金額の10%+消費税 |
レベニューシェア(伸びた利益の一定割合を対価としてシェアすることを条件に、SiteStockが人材・資本・プロモーションをサイトに提供するサービス) | 応相談 |
ラッコM&Aは、Webサイト運営者向けに様々な支援サービスを展開するラッコ株式会社が運営しているサイトM&A専門サービスです。[2]
サービス内容 | 料金 | |
---|---|---|
基本サービス |
| 【売主】 【買主】 |
オプション | 売主向け仲介サービス(買い手企業との交渉、成約に向けた集客活動、サイト移行代行など) | 成約時手数料:A+B+C A:成約金額3,000万円以下の部分の10% |
サイト移行代行 | 33,000円(税込) |
サイトキャッチャーは2005年から運営されている実績豊富なM&A専門サービスです。[3]
サービス内容 | 料金 | |
---|---|---|
基本サービス |
| 【売主・買主双方】 |
オプション | 仲介(買収対象サイトまたは買い手候補の提案、交渉仲介など) | 【売主・買主双方】 A:売買金額2000万円以下の部分の10% |
サイト指名買い(売り手として登録していないサイト運営企業への交渉打診代行、交渉仲介) | 成約時手数料:買収金額の10%+10万円(税別)(最低報酬額22万円/税込) |
サイト売買Zは交渉仲介を基本サービスに含むサイトM&A専門サービスです。
オプションが豊富に用意されています。[4]
サービス内容 | 料金 | |
---|---|---|
基本サービス |
| 【売主】 A(成約額が25万円以上):成約額(税込)の3%(最低55,000円/税込) 【買主】 |
オプション | 入札方式(複数の購入希望者による入札で買主を決定) | 【売主】 【買主】 |
売主向け専任媒介契約(サイト売買Zが売却案件を独占的に扱い、積極的な売り込みを行うサービス) | 【売主】 【買主】 | |
サイトハンティング(売り手として登録していないサイト運営企業への交渉打診代行、交渉仲介) | 【買主】 【売主】 | |
サイト移行代行 | 【売主・買主双方からの依頼】 【売主・買主の一方のみをサポート】 | |
訳ありサイト売買(売上ゼロのサイトなどの売買マッチング) | 【売主】 【買主】 | |
サイト買取(サイト売買Zがサイトを買取るサービス) | 【買取価格】 |
サイトレードは2006年から運営されている実績豊富なサイトM&A専門サービスです。
基本サービスに交渉仲介が含まれます。[5]
サービス内容 | 料金 | |
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基本サービス |
| 【売主】 譲渡金額1億円以下の場合:譲渡金額の3%(専任委託でなく他の業者も利用する場合は5%)、最低成功報酬220,000円 譲渡金額1億円超の場合:無料 【買主】 譲渡金額5,000万円以下の場合:譲渡金額の10%、最低成功報酬220,000円 譲渡金額5,000万円超~1億円以下の場合:譲渡金額の6~9%(譲渡金額により変動) 譲渡金額1億円超の場合:個別相談 |
オプション | サイトハンティング(売り手として登録していないサイト運営企業への交渉打診代行) | 基本受託料金:220,000円 ターゲット件数に応じた手数料:20件まで220,000円、30件まで330,000円、40件まで440,000円 |
サイト事業分析報告書作成(公認会計士によるサイト事業価値算定と報告書作成) | 要問い合わせ |
タウンライフサイトM&Aはアフィリエイトサイトの売買に強いサイトM&A専門サービスです。[6]
サービス内容 | 料金 | |
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基本サービス |
| 【売主】 【買主】 |
オプション | 仲介(案件情報の作成・修正、候補企業への営業、交渉、契約・譲渡手続きサポートなど) | 【売主】 【買主】 |
サイト購入後の収益化サポート(アフィリエイトプログラムの提案) | 要問い合わせ |
UREBAは独占掲載案件(UREBAにのみ登録の案件)とすることで格安の手数料で利用できるサイトM&A専門サービスです。[7]
サービス内容 | 料金 | |
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基本サービス |
| 【売主・買主双方】 |
オプション | 仲介(売却戦略立案、案件情報の作成・修正、買い手候補への営業、交渉・契約・譲渡手続きのサポート、売買対象サイトに関する裏付け資料の確認、自演リンクのチェックなど) ※売却金額が大きいなど、一定の条件を満たす場合に利用可能(審査制) | 【売主・買主双方】 |
収益が発生していないサイトの売買 ※良質なコンテンツを有するサイト限定(審査制) | 【売主】 【買主】 | |
サイト移行代行 | 要問い合わせ |
サイトマはサイト売買の全作業(マッチングから交渉、契約、サイト移転まで)を代行してくれるサイトM&A専門サービスです。[8]
サービス内容 | 料金 | |
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基本サービス |
| 【売主】 【買主】 |
オプション | 1~3日以内での案件掲載・告知(急いで売却したい売り手向け) | 33,000円(税込) |
サイト高額売却化コンサルティング | 別途相談 | |
買収後のサイト運営サポート | 常時SSL化対応・Wordpressバージョンアップなど:各33,000円(税込) | |
部分作業サービス(他社サービスで売買が成立した案件に対する部分サポート) | サイト引っ越し・契約書作成代行:44,000円(税込) |
M&A全般を取り扱うマッチングサイトでも、サイトM&Aを行うことが可能です。
サイト移行代行のようなサイトM&Aに特有のサービスや仲介サービスは提供していない(他社との契約が必要になる)のが一般的ですが、幅広い相手(例えばWeb関係以外の企業など)とのマッチングも成立しやすいという利点があります。
ここでは一例として事業承継・M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aサクシード」のサービスを紹介します。
M&Aサクシードは完全審査制のM&Aプラットフォームです。
審査を通過した、M&Aに本気の優良企業のみが登録しているため、質の高いマッチングを図ることができます。[9]
サービス内容 | 料金 | |
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基本サービス |
| 【売主】 【買主】 |
オプション | 買主による売主の公募 | 【売主】 【買主】 |
[1] サイト売買やサイトM&AのコンサルティングならSiteStock
[2] サイト売買のラッコM&A
[3] サイト売買・サイトM&A国内実績No.1【サイトキャッチャー】
[4] サイト売買Z
[5] サイト売買のサイトレード
[6] サイト売買やサイトM&AのコンサルティングならタウンライフサイトM&A
[7] サイト売買のUREBA
[8] サイト売買・サイトM&Aの専門サービス『サイトマ』
[9] 事業承継 M&Aプラットフォーム【M&Aサクシード】
サイト運営ノウハウは、プログラムやコンテンツ、ライセンスのように契約で定めれば確実に移譲できるというものではありません。
ノウハウの引き継ぎについて、具体的な方策を練る必要があります。
買い手側としては、ノウハウのなかでマニュアル化できる部分については売り手側にマニュアルの作成を求め、マニュアルでは表現しきれない部分については、売り手側のキーパーソンに一定期間引き継ぎのためのサポートを要請することになります。
売り手側としては、サイトの売却可能性と売却金額を高めるためにそうした要請にある程度応じることになりますが、あまりに負担や拘束が大きくなると売却後の事業展開に支障を来すため、買い手との交渉で適切な落としどころを探る必要があります。
サイトの売り手が同様のサイトを再び立ち上げてしまうと、買い手側の事業展開にとって脅威となり、サイトを買収した意味がなくなってしまします。
したがって、売り手に対して競業避止義務を課すのが一般的です(事業譲渡の場合は、会社法に競業避止義務の規定が存在します)。
売り手側としては、競業避止義務の期間や範囲をできるだけ限定する方向で交渉を行うことが重要です。
会社分割の場合、事業に含まれる権利義務が包括的に買い手企業に承継されるため、サイトを利用するユーザーや取引先との契約、サイトで使用しているプログラムなどのライセンス契約も、自動的に引き継がれることになります。
一方、事業譲渡の場合には、契約上の地位を個別に移転する手続きが必要です。
取引契約やライセンス契約については取引先・ライセンサーと個別に協議することになります。
ユーザーとの利用契約については、ユーザー数が膨大なケースでは個別協議を行うのは現実的ではありません。
通例、サイト運営者は登録ユーザーとの間で利用規約を契約内容としてサイト利用契約を結んでおり、将来的にサイトM&Aを行うことを見越して利用規約のなかに次のような内容の条項を置くのが一般的です。
こうした条項が利用規約に存在していれば、改めてユーザーの同意を得る手続きを経ずに契約や顧客情報を移転できますが、そうでなければ買い手が改めて利用規約を提示してユーザーと契約を結ぶ手続きが必要になるため、M&A取引に支障が出る恐れがあります。
譲渡しようとするサイトで外部のライターやフォトグラファー、デザイナーが作成したコンテンツやユーザーが投稿したコンテンツを使用している場合、会社分割であれば事業に含まれるものとして自動的にコンテンツの使用権が承継されますが、事業譲渡の場合には個別の移転手続きが必要です。
将来的にそうした事態が生じることを見越して、コンテンツ制作の業務委託契約書で事業譲渡に伴う使用権の譲渡について規定しておくことがあります。
ユーザーのコンテンツの著作権については、サイト運営や事業の承継を円滑にするため、利用規約で以下のように規定しておくのが一般的です。
コンテンツ使用権の譲渡について業務委託契約書や利用規約で規定されていない場合、著作権者との個別協議が必要になります。
ユーザー数が膨大なケースでは個々のユーザーから同意を取り付けるのは現実的ではなく、最悪の場合、この問題をきっかけにM&A取引が破談になる恐れがあります。
ECモール内で運営されているECサイトは、モールの規約により譲渡が制限または禁止されている場合があるため、注意が必要です。
例えば、Yahoo!ショッピングの店舗は、書面によりヤフーの事前承諾を得ない限り譲渡ができません(ショッピングストア利用規約第39条[10])。
楽天市場も同様で、事前に契約主体変更申請を行い、楽天の承諾を得ることが求められます。[11]
ECモール店舗のM&Aでは、売り手企業が契約しているECモールの利用規約を確認し、不明点はモール運営会社に問いあわせて確認した上で、交渉を進める必要があります。
[10] Yahoo! JAPANでネットショップ開業 約款・ガイドライン(Yahoo!JAPAN)
[11] サービスの流れ(楽天事業承継アシスト)
2021年に行われたサイトM&Aの事例を5件紹介します。
ポーラスタァはWebメディア・アプリ・コンテンツの制作などを行っている企業です。[12]
譲渡対象となったのは妊娠・出産・マタニティ情報サイトの「ニンプス」です。[13]
ソルブメディアはベビー用品のオンラインショップ運営などを手がけている企業です。[13]
ソルブメディアのグループ企業であるソルブグループでは家計・保険に関するファイナンシャルプランナー紹介・相談サービスを展開しており、同サービスとソルブメディアのEC事業、ポーラスタァの「ニンプス」事業のシナジーが期待できることから、今回のM&Aが行われました。[13]
2021年8月、ソルブメディアはポーラスタァから「ニンプス」の事業を譲り受けました。[13]
AsitaはWebメディア開発・運営、Webマーケティング支援、広告企画代理の事業を展開している企業です。[14]
譲渡対象となったのは通信制高校比較サイト「GO!通信制高校」です。[15]
プレマシードはWebメディア運営やメディア化支援などの事業を展開している企業です。[16]
プレマシードは通信制高校・サポート校の検索ポータルサイト「通信制高校ナビ」の運営や通信制高校の生徒募集支援の事業を展開しており、同事業の質を向上させることを目的として今回のM&Aを実施しました。[15]
2021年8月、プレマシードはAsitaから「GO!通信制高校」の事業を譲り受けました。[15]
そとあそびはアウトドアレジャー・アクティビティ専門の予約サイト「SOTOASOBI」を運営していた企業です。[17]
アソビューは休日の便利でお得な遊び(アウトドアスポーツ・ものづくり体験・遊園地など)の予約サイトやギフト販売サイトの運営、予約管理システム・チケット電子化などのDXソリューションの提供などを行っている企業です。[18]
コロナ禍のなかにおいてもマイカーなどでの日帰り旅行は活況で、アウトドアアクティビティのニーズは増加傾向にあります。
withコロナ時代においてアウトドアアクティビティの需要は拡大していくと望めることから、同領域のコンテンツとユーザー基盤の拡充を図り、対象事業者の開拓、サポート体制強化、一体的なシステム開発体制の構築などを行うことを目的として、今回の子会社化が行われました。[17]
さらに、経営資源の集約・再配置による事業運営効率化と成長加速のため、そとあそびがアソビューに吸収合併されることになりました。[19]
2021年1月、アソビューがそとあそびの全株式を取得し同社を完全子会社化しました。[17]
さらに2021年7月、アソビューを吸収合併存続会社、そとあそびを吸収合併消滅会社とする吸収合併が行われました。[19]
楽天はECモール楽天市場の運営を初めとして多角的な事業を展開する、日本を代表するコングロマリット企業です。[20]
譲渡対象となったのは食事の出前・宅配の注文サイト「楽天デリバリー」とテイクアウト注文サイト「楽天リアルタイムテイクアウト」の事業です。[21]
ぐるなびは飲食店情報提供・予約サイト「ぐるなび」の運営や飲食店経営に関する各種業務支援サービスなどの事業を展開している企業です。[22]
ぐるなびと楽天は資本業務提携を通して会員サービスの連携を行ってきましたが、両社の経営資源を効率的に活用しながら今後の協業体制を強化することを目的として、「楽天デリバリー」「楽天リアルタイムテイクアウト」の事業をぐるなびが譲受することになりました。[21]
2021年7月、楽天が運営する「楽天デリバリー」「楽天リアルタイムテイクアウト」の事業が吸収分割によりぐるなびに承継されました。[23]
吸収分割の対価は1,300万円です。[21]
MOTEHADAはWeb企画・ホームページ作成などの事業を展開している企業です。[15]
譲渡対象となったのは、脱毛サロン・エステ・アートメイク・スキンケアに関する来店誘致型SEOメディア「MOTEHADA」です。[25]
ピアラはECマーケティングテック事業と広告マーケティング事業を展開している企業です。[25]
ピアラはSEOに関する知見の獲得とオウンドメディア運営事業の開拓を目的として今回のM&Aを行いました。[25]
2021年5月、ピアラがMOTEHADAのメディアサイト「MOTEHADA」を譲受することが決定されました。
公表された予定によると、同年6月中旬に譲渡が実行されています。[25]
[12] HOME(ポーラスタァ)
[13] 株式会社ソルブメディアが、妊娠・出産・マタニティ情報サイト「ニンプス」事業を買収(PR TIMES)
[14] about(Asita)
[15] 通信制高校比較サイト『GO!通信制高校』事業譲受のおしらせ(PR TIMES)
[16] トップページ(プレマシード)
[17] アソビュー、アウトドア予約そとあそび社の全株式取得。ニューノーマルでの遊び方提案を強化(アソビュー)
[18] 事業紹介(アソビュー)
[19] 吸収合併に関するお知らせ(アソビュー)
[20] 楽天の強み(楽天)
[21] 株式会社ぐるなびとの会社分割(簡易吸収分割)による「楽天デリバリー」 事業及び「楽天リアルタイムテイクアウト」事業の承継に関するお知らせ(楽天)
[22] 会社概要(ぐるなび)
[23] 株式会社ぐるなびとの会社分割(簡易吸収分割)による「楽天デリバリー」事業 及び「楽天リアルタイムテイクアウト」事業の承継の完了に関するお知らせ(楽天)
[24] MOTEHADA合同会社(MOTEHADA)
[25] 美容情報サイト「MOTEHADA」事業譲受のお知らせ 自社メディア保有で SEO領域強化(ピアラ)
事業承継・M&Aプラットフォーム「M&Aサクシード」を通して行われたサイトM&Aの事例を4件紹介します。
Choiseeは宮城県仙台市に拠点を置き、ホームページ制作やWeb集客コンサルティングなどの事業を展開している企業です。[26]
譲渡対象となったのはガジェット・IT系ツールのレビューサイトです。[27]
大阪府を拠点に、Webサイト制作、オウンドメディア制作・運営、システム開発などの事業を展開している企業です(詳細非公表)。[27]
Choiseeはオーナー経営者が1人で運営を行っている企業であり、レビューサイトの収益化に成功したものの、Googleの動向への対応を個人で行うことに限界を感じつつありました。
そんな折に単一のWebメディアでもM&Aで売却できることを知り、売却で得た資金による新規事業立ち上げを視野に入れつつ、「M&Aサクシード」を通じて買い手を選定し、事業を譲渡することになりました。[27]
2020年10月、Coiseeは買い手となるWeb関連会社にガジェット・ITツール系レビューメディアの事業を譲渡しました。
宮城と大阪という遠く離れた2社のM&Aでしたが、M&Aプラットフォームとリモートでの直接交渉を通して募集開始から2か月に満たない期間で譲渡契約が成立しました。[27]
GEARはWebサイト・メディア運営、SEO対策、Web制作などの事業を展開している企業です。[28]
譲渡対象となったのはサイト売買に特化したM&Aプラットフォームです。
ラグザス・クリエイトは中古車・廃車売買プラットフォーム「カーネクスト」や音楽レッスンのマッチングプラットフォーム、車や音楽に関するWebメディアなどを運営している企業です。
GEARは人員不足のために十分に価値を高められずにいたM&Aプラットフォーム事業を譲渡し、次のビジネス展開のためのまとまった資金調達を行うことを検討しており、一方のラグザス・クリエイトは事業領域拡大のために積極的なM&Aに取り組んでいるところでした。
そうした両社の想いが「M&Aサクシード」上で出会い、事業譲渡が成立することになりました。
2021年4月、GEARはラグザス・クリエイトにサイト売買M&Aプラットフォームの事業を譲渡しました。[30]
アパレル・雑貨などのECサイトを運営している大阪府の企業です(詳細は非公開)。[31]
宝島ジャパンは茨城県に拠点を置き、モンゴル製品の日本への紹介、健康食品の販売、アパレルショップ運営などの事業を展開している企業です。[31]
宝島ジャパンはアパレル販売のデジタル化を重大な経営課題と認識し、インターネットに強く事業内容に親和性のある企業をM&Aの相手として探しており、譲渡側となるECサイト運営企業は過剰在庫を抱えている状況でした。
両社の取扱商品には親和性があり、デジタル面の強化だけでなく商材面のシナジーも期待できることから、今回のM&Aが行われることになりました。[31]
2021年8月[32]、宝島ジャパンは譲渡企業からアパレルEC事業(在庫やインターネットショッピングモール店舗・自社ECサイトなど)を譲り受けました。
大阪と茨城という遠く離れた2社のM&Aでしたが、すべてオンラインでやりとりをすることで交渉開始から4か月という短期間で最終契約に至っています。[31]
ミチはオリジナルのネイルチップを販売するECサイト「ミチネイル」を運営していた企業です。[33]
丸井織物は大手の合繊織物メーカーです。[33]
丸井織物はM&Aを企業成長戦略の大きな柱としており、オリジナルグッズ制作のECサイトを展開する子会社のオリジナルラボを初めグループ企業との様々なシナジーが期待できることから、「ミチネイル」の事業の譲受を決定しました。[33]
2019年7月、ミチは「ミチネイル」の事業を丸井織物に譲渡しました。
M&Aプラットフォームを利用することで最初のコンタクトから2か月という短期間で事業譲渡が成立しています。[33]
[26] Home(Choisee)
[27] 1人で運営していたIT系情報サイトの売却益を、新規事業の準備資金に。交渉から契約までリモート完結(M&Aサクシード)
[28] ホーム(GEAR)
[29] マッチングプラットフォーム運営会社がWebメディアをM&A。事業成長のスピードを高める「M&A経営」が常識に(M&Aサクシード)
[30] M&A(事業譲受)により「Webサイト売買マッチングプラットフォーム」を新規展開(ラグザス・クリエイト)
[31] アパレル販売会社が同業の通販サイトをM&A。with/afterコロナを見据え、ECサイトを(M&Aサクシード)
[32] アパレル販売会社が同業の通販サイトをM&A ~with/afterコロナを見据え、ECサイトを強化~ (事業承継M&Aプラットフォーム「M&Aサクシード」経由)(PR TIMES)
[33] シナジーを生むM&Aによって、買い手企業と売り手企業の双方がwin-winの関係に(M&Aサクシード)
サイトM&Aは盛んに行われており、今後さらに売買市場が拡大していくことが予想されます。
経営戦略において「サイトは育てて売るもの」という捉え方が一般的になっていくことでしょう。
サイトを運営している企業も、将来的にサイト運営を考えている企業も、早い段階でM&Aという選択肢を視野に入れ、売却・買収戦略を検討していくことが求められています。
(執筆者:相良義勝 京都大学文学部卒。在学中より法務・医療・科学分野の翻訳者・コーディネーターとして活動したのち、専業ライターに。企業法務・金融および医療を中心に、マーケティング、環境、先端技術などの幅広いテーマで記事を執筆。近年はM&A・事業承継分野に集中的に取り組み、理論・法制度・実務の各面にわたる解説記事・書籍原稿を提供している。)
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