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農業におけるM&A・事業承継の動向、メリット、手法、最新事例

農業従事者の減少・高齢化が進むなか、法人による農業経営が増加し、事業承継や農業進出を目的としたM&Aが活発化しています。農業の現状やM&Aの目的・メリット、手法、動向、近年の事例をくわしく解説します。(執筆者:京都大学文学部卒の企業法務・金融専門ライター 相良義勝)

(FV)M&A 農業

目次
  1. 農業の現状
  2. 農業にとってのM&Aの目的・メリット
  3. 農業におけるM&Aの取引手法(スキーム)
  4. 農業におけるM&Aの動向
  5. 農業法人のM&A事例
  6. まとめ

農業の現状

農業経営主体の構成

2021年2月の時点において農業を営む経営主体(個人・法人・団体)の総数は約103万900と推計され、そのうち個人事業主は約99万1,400(全体の約96%)、法人は約3万1,600、団体は約7,900です。

時系列で見ると、一貫して個人事業主が減少して法人が増加する流れとなっています。[1]

農業従事者の減少と高齢化

農業従事者の中核を占める基幹的農業従事者は長期的に減少し続けており、高齢化が進行しています(図1)。
基幹的農業従事者とは、農家(農業を経営する世帯)の世帯員のうち、15歳以上で、普段から農業を専業または主な仕事としている人を指します。

農業従事者数の推移

図1:基幹的農業従事者の数・年齢構成
出所:農業を担う人材の育成・確保に向けて(農林水産省)

こうした状況を背景として、担い手を欠く農地を取得して経営規模を拡大する農業法人が増加し、法人に雇用されて農業に従事する人の割合が上昇しています。[2]

M&A・事業承継
事業承継(事業継承)とは?税制や補助金、方法、税金【図解で解説】

事業承継(事業継承)とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐことです。事業承継の方法は親族内承継、社内承継、M&Aの3種類です。事業承継を行う理由、方法ごとのメリット・デメリット、流れ、税金、税制や補助金などの支援策 […]

農業法人の種類と一般企業の農業参入状況

農業法人の種類

会社と農業組合法人

農業法人とは、農業を営む法人の総称です。
大きく分けると、農業を営む会社(会社法に定められた株式会社、合名会社、合資会社、合同会社)と、農業組合法に定められた農事組合法人があります。

会社である農業法人は農業以外の事業を営む会社と法的に同様の扱いがされます。

一方、農事組合法人においては、事業内容が農業関係共同利用施設の設置、農作業の共同化、農業経営、およびそれらに付随する事業に限定され(農業組合法第72条の10[3])、組合員になれるのは農民や組合などに限定されます(同法第72条の13[4])。

そのため、事業を多角化したり組織を拡大したりするためには株式会社などへの組織換えが必要となります。
組織換えには総組合員の3分の2以上の賛成による特別決議が必要です。[5]

農地所有適格法人とリース法人

農地を用いて農業を営むためには、個人・法人にかかわらず、農地法に基づき一定の要件を満たす必要があります。

とくに、農業法人が農地を「所有」して農業を営むためには、「農地所有適格法人」としての要件を満たすことが求められます(農地法第2条第3項[6])。

農地を借りて農業を営むのであれば農地所有適格法人の要件は不要ですが、その場合にもいくつか満たすべき要件があります。[7]

経営主体

満たすべき要件

すべての農業経営主体(個人・法人)

【農地利用】

農地のすべてを効率的に利用するための事業計画を持つこと

【面積】

農地取得後の農地面積合計が原則として50アール以上であること(北海道では2ヘクタール以上、その他の地域でもアール数が異なる場合がある)

【地域との調和】

地域が一体となって採用・実施している農地利用法・栽培法・水利調整などに支障をきたすような行為を行わないこと

農地所有適格法人

【法人形態】

非公開の(株式に譲渡制限がある)株式会社、農事組合法人、持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)であること

【事業内容】

売上高の過半を農業(農作業や生産物の加工・販売、必要な資材の製造など)が占めること

【議決権】

総議決権の過半数を農業関係者(法人が行う農業に常時従事する個人、農地の権利を提供した個人、基幹的な農作業を法人に委託している個人、農地中間管理機構・農地利用集積円滑化団体を通して法人に農地を貸し付けている個人、地方公共団体・農業協同組合など)が占めること

【役員構成】

農業に常時従事する株主・組合員・社員(持分会社の出資者)が、役員(取締役・理事・業務執行社員)の過半数を占めること

【役員の農作業従事】

農業に常時従事する役員または重要な使用人のうち少なくとも1人が、定められた日数以上農作業に従事すること

農地を賃借して農業を営む一般法人

(リース法人)

【賃貸借契約】

農地の賃貸借契約に解除条件(農地を適切に利用しない場合は契約解除となること)が付されていること

【地域における役割分担】

適切な役割分担(話し合いへの参加や農道・水路の維持活動への参画など)のもとに農業を行うこと

【役員の農業従事】

役員または重要な使用人のうち少なくとも1人が、農業(関連するマーケティング・経営企画なども含む)に常時従事すること

一般企業の農業参入状況

2009年の農地法改正で農地リース方式による農業参入が自由化されました。
農地所有適格法人は2016年の農地法改正で農地所有要件が緩和されたことにより誕生した呼称です。

これらの改正を背景として一般企業による農業参入が進み、農地所有適格法人・リース法人の数が大きく伸びています。[8][9]

リース法人として栽培農業に参入した企業の業種・営農作物は下図のような構成になっています。

農業参入数の動向

図2:2019年12月末現在の業種別(左)・営農作物別(右)のリース法人数(「農業・畜産業」に該当するのは、観光農園・菌床栽培を行っていた法人や、一般企業が農業参入にあたり作った子会社など)
出所:リース法人の農業参入の動向(農林水産省)

矢野経済研究所の調査によると、異業種国内有力企業による農業ビジネスの市場規模は年々増大しており、とくにリース農地と太陽光利用型栽培施設による農業ビジネスが大きな比重を占めています。

2018年度の推計では、調査対象全体の市場規模が697億5,300万円、うち農地所有適格法人による事業が112億3,200万円、リース法人による事業が295億5,000万円、太陽光利用型栽培施設での事業が212億4,100万円などとなっています。[10]

[1]令和3年農業構造動態調査結果(農林水産省)
[2]農業を担う人材の育成・確保に向けて(農林水産省)
[3]農業組合法第72条の10(e-Gov法令検索)
[4]農業組合法第72条の13(e-Gov法令検索)
[5]農事組合法人の株式会社への組織変更について(農林水産省)
[6]農地法第2条(e-Gov法令検索)
[7]法人が農業に参入する場合の要件(農林水産省)
[8]農地所有適格法人の農業参入の動向(農林水産省)
[9]リース法人の農業参入の動向(農林水産省)
[10]国内有力企業の農業ビジネスに関する調査を実施(2019年)

農業にとってのM&Aの目的・メリット

売り手側の目的・メリット

事業承継

農業従事者が減少・高齢化するなか、後継者難を抱える農家・農業法人が少なくありません。親族内承継が困難な場合でも、第三者(親族外)への譲渡という手段を選択肢に入れることで、事業承継の可能性は大きく広がります。

経営の安定化・大規模化

M&Aにより事業規模の大きな他の農業法人や一般企業と統合する(法人と一体化したり、子会社となったりする)ことにより、より安定した経営基盤のもとで事業を展開する道がひらけ、ITや新農法の導入により経営効率化や事業成長を図ることが可能になります。

デジタル技術を用いた次世代農業への脱皮

今後の農業を考える上でデジタル化は避けられないテーマです。

デジタル技術による農作業・水管理の自動化や、農産物・家畜の状態のリアルタイムモニタリングなどは、作業の効率化、コスト削減、生産力向上に大きく貢献すると考えられます。

逆に、デジタル化に対応できない農業法人は競争に後れをとることになるでしょう。

農業の経営主体の大半を占める個人農家や小規模な農業法人にとって、自らの資産・努力によってデジタル化を推し進めることは困難ですが、他法人と統合して経営基盤を強化することにより、そうした展開も容易になります。

M&A・事業承継
M&Aとは?目的・手法・メリット・流れを解説【図解でわかる】

M&A(エムアンドエー)とは、Merger(合併)and Acquisitions(買収)の略で、「会社あるいは経営権の取得」を意味します。今回は、M&Aの意味・種類・目的・メリット・基本的な流れ・税金・ […]

買い手側の目的・メリット

同業者買収の目的・メリット

農家・農業法人による同業者の買収には以下のような目的・メリットが考えられます。

  • 一定地域において農地・事業規模を拡大することにより、経営効率化と大幅なコスト削減を実現
  • 新たな販路の獲得、クロスセリング(買い手側の商品を売り手側の販路に、売り手側の商品を買い手側の販路に乗せることにより、商品提案力・売上を増強)
  • 離れた地域で別品目を生産する農業法人を買収することにより、商品ラインナップ拡充と不作時のリスク分散を図る

異業種による農家・農業法人買収の目的・メリット

異業種企業による農家・農業法人の買収には以下のような目的・メリットが考えられます。

  • 飲食業や食品小売業、加工食品製造業などの企業が農業生産者をグループ内に取り込み、原材料の安定的な調達、商品やサービスの付加価値向上・ブランド化を図る
  • これまでの事業で培った技術、経営ノウハウ、IT資源などを買収した事業に投入し、農業経営の効率化や新品目・農法の導入を通して革新的な農業ビジネスの展開を図る
  • 地域貢献・CSR活動の一環として農業に関わり、企業ブランドの向上を図る
M&A・事業承継
M&Aのメリット・デメリットを買い手・売り手ごとに徹底解説

M&Aをする最大のメリットは時間を買えることです。買い手は新規事業や既存事業の拡大にかかる時間を買えます。売り手は投資回収・現金化の時間を短くできます。今回はM&Aのメリット・デメリットを解説します。 目 […]

M&A・事業承継
買収とは?M&Aとの違い・メリット・手法・事例・手続きを解説

買収とは、他社の事業または会社の経営権を取得することを指します。買収では、既存事業の拡大や新規事業への進出などを迅速に実現できます。買収を成功させるには、デューデリジェンスやPMIの徹底が重要です。今回は買収のメリット、 […]

農業におけるM&Aの取引手法(スキーム)

M&Aは株式譲渡事業譲渡合併といった一定の取引手法(スキーム)に従って行われます。
農地所有適格法人や農事組合法人の場合、選択できるスキームに法的な制限があります。

個人によるM&A

個人が当事者(売り手・買い手)となる場合、事業譲渡のスキームが用いられます。

事業譲渡

事業譲渡とは、事業を構成する権利義務(資産、負債、契約など)を個別に買い手に移転するという手法です。
譲渡する権利義務の内容を当事者間の協議で選別できるのが利点です。

しかし、個別の権利移転手続き(債権・債務・契約の相手方の同意取得や変更登記など)が必要であるため、売り手側の事業規模が大きく権利義務の件数が多いと手続きが煩雑となり、事務コストがかさみます。

個人間や個人・法人間の事業譲渡では通常それほど権利義務の件数が大きくなることはありません。

M&A・事業承継
事業譲渡とは?メリット・手続き・流れ【図解で分かる】

事業譲渡とは、会社がある事業の全部または一部を譲渡することをいいます。企業全体を売買対象とする株式譲渡と違い、譲渡対象の事業を選べるのが特徴です。M&Aの代表的な手法のひとつです。この記事では、事業譲渡の意義、株 […]

M&A・事業承継
個人でもM&Aできる?公認会計士が案件の探し方を徹底解説 

個人によるM&Aは、マッチングサイトや公的機関のサービスを中心に、数多く成約しています。今回は個人によるM&Aに焦点を当てて、案件の探し方やM&Aのメリット・デメリット、流れをくわしく解説します。 […]

法人によるM&A

農地所有適格法人以外の会社が売り手となる場合

農業法人として特別に課される制限はなく、一般企業と同様にスキームを選択できます。
基本的なスキームには、株式譲渡、株式交換株式移転株式交付、事業譲渡、会社分割吸収分割新設分割)、合併(吸収合併新設合併)があります。

これらのうち、株式譲渡(売り手法人株式の50%超~100%を買い手法人が取得し、売り手法人を子会社化する手法)は業種にかかわらず最も広く利用されるスキームです。
農業法人のM&Aでは事業譲渡もよく利用されます。

株式譲渡

一般的に、法人間の事業譲渡では事務コストが問題となる場合が少なくありません。

合併(2つの法人が一体化する手法)や会社分割(一部の事業を他法人に一体化する手法)では、権利義務がまとめて移転されるため、その点についての手続きは簡便ですが、会社法にしたがって株主や債権者、従業員のための一連の手続きを遂行する必要があります。

農業法人は比較的小規模である場合が多いことから、合併・分割よりも事業譲渡が選択されるケースが大半です。

こうしたスキームは2つの法人が経営統合(狭義のM&A)を行うための方法です。

一方、経営統合にはいたらないものの、出資を通して2つの法人が協力・協業関係を構築するケース(資本提携・資本参加)もあり、これも広い意味ではM&Aに含まれます。

資本提携と業務提携

農地所有適格法人の会社が売り手となる場合

農地所有適格法人であるためには議決権要件(総議決権の過半数を農業関係者が占めること)を満たす必要があるため、株式譲渡スキームにより買い手法人が売り手法人の株式を取得して子会社化するという方法はとれません。

それに代わるスキームとして、以下のような手法があります。

  1. 買い手法人のオーナー経営者・取締役・支配株主などの個人が売り手法人の株式を譲り受け、(買い手法人自身が議決権要件に抵触しない範囲で譲り受ける株式と合わせて)過半数の議決権を取得
  2. 1で株式を譲り受けた個人が、売り手法人において常時農業に従事する役員となる
  3. 1・2により買い手法人が実質的に売り手法人の支配権を取得して同法人を子会社化するとともに、農地所有適格法人としての議決権要件や役員要件を維持する

農地所有適格法人同士のM&Aであれば、こうした株式取得を用いたスキームよりも、事業譲渡により売り手側の事業を買い手側に移転するというスキームの方が簡便です。

議決権要件に抵触しない範囲で農地所有適格法人に出資を行い、協力関係を構築するケース(広義のM&A)もよく見られます。

農事組合法人の場合

農事組合法人が当事者となるM&Aでは以下のスキームが利用できます。

  1. 組合員の入れ替え(売り手側組合員の脱退・買い手側組合員の加入)により買い手側が十分な数の議決権を取得
  2. 出資持分譲渡(出資制の農事組合法人の場合、出資持分の譲渡により組合員の入れ替えが行える)
  3. 農事組合法人同士の新設合併(複数の農事組合法人が消滅し新設の農事組合法人に統合)・吸収合併(一方の農事組合法人が消滅し他方の農事組合法人に統合)

①②については、総組合員の3分の2以上の賛成による決議が必要となる場合が一般的です。[11]

③については、農業組合法に基づき以下のような手続きを行うことが求められます。[12]

  1. 合併についての総会決議
  2. 設立委員選任の総会決議と設立委員による定款作成・役員選任(新設合併の場合)、定款変更などの総会決議(吸収合併の場合)
  3. (出資制の農事組合法人の場合)財産目録・貸借対照表を作成して債権者に開示し、合併に異議があれば述べるように債権者に対して公示・個別催告を行い、債権者からの異議があれば債務の弁済や信託会社への財産信託などにより対応
  4. 合併の登記
  5. 行政機関への届出

M&Aを行う前に農事組合法人から株式会社に組織変更した上で、株式会社に対するM&Aのスキームを利用するケースもあります。

[11]農事組合法人の具体的な運営方法(島根県)
[12] 農事組合法人の手引 Ⅰ・6 農事組合法人の合併(栃木県)

M&A・事業承継
M&Aスキーム(手法)の種類・特徴・メリット・税金を図で解説

M&Aのスキーム(手法)には多くの種類があります。目的にあわせた方法を選ぶことで、利益を最大化することができます。今回は各スキームごとの特徴・メリット・デメリット・かかる税金・成功事例を解説します。(中小企業診断 […]

農業におけるM&Aの動向

農家・農業法人の第三者への事業承継については、農業振興や新規就農・農業参入促進の観点から国、地方自治体、農協などにより様々な支援策が実施されており、日本政策金融公庫や地方銀行、民間M&A専門機関などによる仲介・融資・マッチングを通して同業者や異業種企業による事業承継が活発に行われています。

農業法人による生産規模拡大・共同事業推進を目的としたM&A(事業の譲受、子会社化、出資による経営参加)や、異業種企業による農業進出のためのM&Aも盛んです。

また、地方銀行などが主体となって農業法人向けのファンドを設立し、地域の農業法人に対して出資を行う事例も多く見られます。

M&A・事業承継
M&A市場の現状と動向 今後の展望も解説【2021年最新】

M&Aの市場は、後継者不足問題の深刻化などを理由に拡大してきました。しかし2020年は、コロナ禍の影響で市場が縮小しました。公認会計士が、M&Aの市場の動向および今後の展望を徹底解説します。(公認会計士 […]

農業法人のM&A事例

農業 M&A 事例

2020年から2021年の間に行われた農業法人のM&Aの事例をいくつか紹介します。

【農業×農業】大和フード&アグリがスマートアグリカルチャー磐田の株式を取得

譲渡企業の概要

スマートアグリカルチャー磐田:静岡県磐田市において、最先端の大規模園芸設備を用いてパプリカなどの野菜の大量生産・販売事業を展開[13]

譲り受け企業の概要

大和フード&アグリ:大和証券グループにより食・農業の新規ビジネス展開のために設立された子会社で、トマトの生産・販売事業を展開[13]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:譲渡企業を通して大規模園芸設備による生産事業を拡充し、新たにパプリカの生産・販売ビジネスを開始[13]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年10月
  • 手法:資本参加(詳細非公表)
  • 結果:大和フード&アグリがスマートアグリカルチャー磐田に資本参加し、同社の経営に参画[13]
  • 譲渡金額:不明

【アミューズメント×農業】丸三が農の郷を完全子会社化

譲渡企業の概要

農の郷:「しまね大学発・産学連携ファンド」の出資により設立されたベンチャー企業で、トマト生産事業を展開[14]

譲り受け企業の概要

丸三:出雲市に本社を置き、パチンコ・スロット事業、飲食事業、ホテル・温泉宿事業などを展開[15]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:設立時の事業方針(5年以内の会社売却)の実行

譲り受け企業:以前手がけていたトマト栽培事業への再参入、島根大学との共同研究によるトマト加工品開発、栽培品種・収穫量の拡大による売上増加、観光農園事業の拡大[14]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年10月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:丸三が農の郷の全株式を取得し同社を完全子会社化(丸三の取締役が農の郷の社長を兼務)
  • 譲渡金額:非公表[14]
M&A・事業承継
ベンチャー企業のM&Aを成功させる秘訣とは【事例12選】

ベンチャー企業にとってM&Aは、大きな戦略的意味を持ちます。ベンチャー企業にとってのM&Aの意味や近年の動向・事例、売却価格の決定方法や成功の秘訣について、図解を用いて徹底解説します。(執筆者:京都大学文 […]

【農業×農業】グッドソイルグループがアグリ・アライアンスを子会社化

譲渡企業の概要

アグリ・アライアンス:東広島市で環境整備(暗渠排水)と土作りにこだわった野菜栽培事業を展開[16]

譲り受け企業の概要

グッドソイルグループ:東京・広島・スイス・フィリピンに拠点を置き、栽培用土壌の開発、野菜・果物の栽培、生産物を用いた加工品の開発・販売などの事業を展開[17]

M&Aの目的・背景

譲渡企業・譲り受け企業:グループとして共同事業を推進[18]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年9月
  • 手法:株式譲渡
  • 結果:グッドソイルグループがアグリ・アライアンスの株式の49%を取得し同社を子会社化[19]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
クロスボーダーM&Aとは?メリットや手法、有名事例を徹底解説

クロスボーダーM&Aとは、譲渡企業か譲受企業のいずれかが海外の企業であるM&Aです。近年増加傾向にあるクロスボーダーM&Aの目的や手法、有名事例、成功に導くための注意点をわかりやすく解説します。(公認会計 […]

【発電機器販売×農業】プロジェクトウサミが七つ森ふもと舞茸の事業を承継

譲渡企業の概要

七つ森ふもと舞茸(旧農事組合法人麓上舞茸生産組合):宮城県黒川郡で舞茸を初めとする農産物の生産・販売事業を展開[20]

譲り受け企業の概要

プロジェクトウサミ:太陽光発電システム機器やオール電化システム機器の販売・施工、エコ住宅リフォームなどの事業を展開[21]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:後継者不在問題の解消、事業のさらなる発展

譲り受け企業:農業進出による事業多角化[20]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年6月
  • 手法:不明
  • 結果:プロジェクトウサミが七つ森ふもと舞茸の事業を承継(プロジェクトウサミ代表取締役社長が七つ森ふもと舞茸の代表取締役社長を兼務)[22]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
リフォーム会社の売却・M&A動向や手法、売却額相場、最新事例

リフォーム会社の売却・M&Aは、生活様式の多様化等の影響で活発です。リフォーム会社の売却価格相場は、営業利益の2~4倍または300万~3,000万円です。売却事例やメリット、手法を徹底解説します。 目次リフォーム […]

M&A・事業承継
太陽光発電業界のM&A動向・事例15選【2022年最新】

太陽光発電の新規開発には停滞感があり、既設太陽光発電所・太陽光発電事業を対象とするM&Aの動きが活発化しています。太陽光発電業界の現状とM&A動向、近年のM&A事例をくわしく解説します。(執筆者: […]

【ファンド×農業】いわぎん農業法人投資事業有限責任組合がキートスファームに出資

譲渡企業の概要

キートスファーム:岩手県盛岡市で岩手県特別栽培農産物認証・有機JAS認証を取得した有機野菜などの栽培事業を展開[23]

譲り受け企業の概要

いわぎん農業法人投資事業有限責任組合:岩手銀行、いわぎん事業創造キャピタル、日本政策金融公庫が共同で組成したファンドで、岩手銀行営業エリア内の認定農業者(または認定農業者として認定を受けることが確実な農業法人)を対象とした投資事業を展開[23]

M&Aの目的・背景

譲渡企業:農地集積などの取り組みを通して持続可能な農業生産方法を確立し、地域農業の担い手として地域の発展に貢献しつつ、企業価値の向上を図る

譲り受け企業:投資事業の一環[23]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2021年3月
  • 手法:出資(無議決権優先配当株式の引受)
  • 結果:キートスファーム発行の無議決権優先配当株式をいわぎん農業法人投資事業有限責任組合が引受け、同社に出資
  • 譲渡金額(出資額):2,000万円[23]
M&A・事業承継
M&Aにおけるファンドの役割 種類やメリット・デメリットも解説

M&Aで投資ファンドは、出資等を通じて企業価値を高め、株式売却などで利益を得ることを目的とします。M&Aにおけるファンドの役割や種類、ファンドとM&Aを行うメリットとデメリットをくわしく解説します […]

【上下水処理×農業】メタウォーターがプラントフォームの株式を取得

譲渡企業の概要

プラントフォーム:魚と植物を同時に育てる循環型農業手法「アクアポニックス」の企画・設計・施工・運営委託、同手法を用いた自社プラントでの野菜栽培・魚介類養殖、生産物の加工・販売などの事業を展開[24]

譲り受け企業の概要

メタウォーター:浄水・下水・汚泥処理設備を初めとする機械・電気設備の設計・製造・施工・維持管理などの事業を展開[25]

M&Aの目的・背景

譲り受け企業:譲渡企業の「アクアポニックス」を活用した新産業・雇用創出ソリューション事業の展開(下水処理場の未利用地における下水熱・再生水利用農業生産拠点の創出など) [24]

M&Aの手法・成約

  • 実行時期:2020年3月
  • 手法:第三者割当増資
  • 結果:メタウォーターがプラントフォームによる第三者割当増資を引受け、同社株式を取得[24]
  • 譲渡金額:不明
M&A・事業承継
設計事務所の売却・M&A・事業承継の方法や流れ、最新事例

設計事務所の売却・M&Aは、事業承継や売却利益の獲得を実現する手段として有効です。設計事務所の売却・M&Aを行う方法や流れ、近年の事例、成功可能性を高めるポイントをわかりやすく解説します。(中小企業診断士 […]

M&A・事業承継
M&A成功事例40選 大企業・中小企業・業界別|2021年版

今回は大企業・中小企業別、業界別に厳選したM&A事例40選を紹介します。国内・海外の大企業事例から中小企業事例まで、譲渡・譲り受け企業の概要、M&Aの目的・M&A手法、成約に至るまでを解説します。 […]

[13]スマートアグリカルチャー磐田への経営参画について(大和証券グループ)
[14]農の郷、LPCグループに(山陰中央新報デジタル)
[15]会社概要(丸三)
[16]HOME(アグリ・アライアンス)
[17]トップページ(グッドソイルグループ)
[18]共同事業スタート(アグリ・アライアンス)
[19]株式取得に関するお知らせ(グッドソイルグループ)
[20]農業法人のM&A案件成約について(七十七銀行)
[21]サービス内容(プロジェクトウサミ)
[22]七つ森ふもと舞茸 事業継承のご案内(プロジェクトウサミ)
[23]いわぎん農業法人投資事業有限責任組合による投資について(岩手銀行)
[24]プラントフォームの第三者割当増資により同社株式を取得(メタウォーター)
[25]ソリューション(メタウォーター)

まとめ

農業従事者は年々減少し、高齢化が進行しており、後継者難を抱える農家・農業法人が少なくありません。

規制緩和により参入障壁が低くなったことで、異業種からの農業参入が活発化し、農業界では個人経営から法人経営へのシフトや経営の大規模化が徐々に進んでいます。
今後は農業のデジタル化・スマート化の流れが本格化していくものと見られます。

そうしたなか、事業承継や事業拡大、新事業推進などの手段としてM&Aが活用されており、今後さらにそうした動きが活発化していくことが予想されます。

(執筆者:相良義勝 京都大学文学部卒。在学中より法務・医療・科学分野の翻訳者・コーディネーターとして活動したのち、専業ライターに。企業法務・金融および医療を中心に、マーケティング、環境、先端技術などの幅広いテーマで記事を執筆。近年はM&A・事業承継分野に集中的に取り組み、理論・法制度・実務の各面にわたる解説記事・書籍原稿を提供している。)