事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

JPX 東証上場

当社はビジョナル(東証上場)
のグループ会社です

異業種M&Aが生んだ未来への成長戦略。譲渡企業「選択と集中」の事業譲渡と譲り受け企業「多角展開」のベストマッチング

  • 譲渡
    株式会社オドラナ
    本社所在地:大阪府
    事業概要:シェアオフィス運営(直営、FC)、並びにシェアオフィス向けクラウドサービスの開発・提供
    従業員数:8名(2024年12月現在)
    譲渡理由:事業の選択と集中
    事業譲渡
    譲り受け
    株式会社アブレイズ 
    本社所在地:静岡県
    事業概要:リハビリを中心とした介護事業の運営
    従業員数:103名(2024年12月現在)
    譲り受け理由:事業領域拡大のため
  • 大阪府
  • 静岡県
  • シェアオフィス
  • IT
  • 介護

異業種間でのM&Aによるシナジー効果が注目されています。重点領域へのリソース集中を図りたい譲渡企業、そして多角的な事業を展開したい譲り受け企業。このM&Aは双方にとって、新たな成長戦略を描くための大きな分岐点となりえるものでしょう。今回、ご紹介するのはシェアオフィス事業を主とする株式会社オドラナが、介護サービス業の株式会社アブレイズに1部門を事業譲渡した成功ストーリーです。株式会社オドラナ 代表取締役 細野耕平氏と株式会社アブレイズ 代表取締役 大淵裕昭氏にお話を聞きます。

「重点領域の選定に着手」(オドラナ)/「もう一つの柱が必要」(アブレイズ)

――オドラナ様がM&Aで「直営シェアオフィス事業」を事業譲渡しようと考えた理由や経緯を教えてください。

オドラナ 細野 当社は25年前、ベンチャー支援のコンサルタントを主業務としてスタートしました。業界で評価をいただき事業拡大するなかで、あきない総合研究所(旧社名)が展開してきたのが、直営の「起業支援型シェアオフィス」です。

その後、2013年からフランチャイズでのシェアオフィス事業を開始し、2023年時点で直営と合わせて10拠点まで増やすことができました。

2020年、私は従業員として会社を承継し、新たな代表者となりました。それを機に株式会社オドラナへと社名変更すると同時に、シェアオフィス業界を「フレキシブルオフィス」と再定義しました。その中で、業界の発展にとって何ができるのかを改めて会社の方向性の検討し、事業を見直し必要なものへの注力していく準備に着手しました。

当社の事業は大別すると3つありました。「直営シェアオフィス」、「フランチャイズ・シェアオフィス」、そしてシェアオフィスを運営するための「クラウドシステムの開発販売」です。すべてがシェアオフィスやコワーキングスペース等のフレキシブルオフィス関連ではあるものの、運営方法が違うため、当社の事業運営の優先事項の明確化にあたっては直営シェアオフィスをM&Aで事業譲渡し、システム開発部門も含めたフレキシブルオフィス業界全ての発展のための価値創造に力を注ごうと決めました。

直営シェアオフィスは創業時から育ててきた事業ということもあり、思案を重ねたのですが、再投資が必要な時期であること、人的資源をどこに投資するかなどを踏まえ、M&Aによってさらに成長させてくださる譲り受け企業を求めるのが正解だと判断しました。

――アブレイズ様は介護サービス業です。なぜシェアオフィスという、異なる分野の事業を譲り受けようと考えられたのですか?

アブレイズ 大淵 公務員だった私がアブレイズを創業して20年になります。静岡県を中心に、リハビリを中心とした介護サービスに特化して運営してきました。

2024年度前期の売上げが5億円超、従業員はパートさんを含めて100人を超え、毎年着実に成長を続けてきました。その成功を促したのが2度の介護事業のM&Aです。当社独自の経営方法に譲り受けた会社のノウハウが加わって、「1+1が3にも4にもなった」結果だと思います。

当社の当面の目標は10億円企業へのステップアップです。そのためには介護サ―ビスに加えて新たな柱となる事業が必要であると常々考えていました。

新しい業種が加わることで、既存事業の課題解決につながる

――シェアオフィス事業を譲り受けられることで、介護サービス業にどのような影響があると考えられていますか?

大淵 介護サービス業の大きな課題は、国の制度に左右される部分が大きいこと、そして人材確保が大変であることです。当社社員の平均年齢は40〜50歳です。20〜30年後も介護事業を継続するためには、若い力の確保が必要です。今回譲り受けた事業は、若い力が集まる場所でもあり、そこから何かのヒントを得られると考えています。
先日、オドラナ社が運営する「Katanaオフィス渋谷」を訪れたのですが、業種を超えた大勢の若い方々による多様なコミュニケーションで活気に溢れていました。起業家を支援することの魅力だけでなく、介護サービス業界が必要としている若いエネルギーや課題を解決するヒントがここにはある――そんな気持ちにさせられました。

――異なる分野の事業を譲り受けることに、不安はありませんでしたか?

大淵 他業種を譲り受けようと考えたのは、同業を譲り受けた場合は、若い人材の確保という課題解決には近づかないからです。これまでの経験から、M&Aによるシナジー効果を実感していましたので、他業種を譲り受けることに躊躇はありませんでした。

また、以前にゼロから他業種の運営に取り組んだことがありましたが、あまり上手くいきませんでした。それであれば、しっかり運営されている経営者や会社からのサポートを得ながらやっていくのが一番の成功の近道だと考えています。

とはいえ私ひとりでは、他業種の情報も知識もありません。そこでかつて良い結果をもたらしてくれたM&Aサクシードには、何かいい事業があれば提案してくれるように伝えていました。そこでオドラナ様を紹介いただいたのです。

複数企業との対話を重ねることで、望む縁につながる

――非常に多くの企業(50社)がオドラナ様に関心を持ったなか、細野様がアブレイズ様を選ばれた理由を教えてください。

細野 当初、M&Aの交渉にあたっては、譲渡後のビジョンや事業計画の有意性が判断基準だったところもありました。しかし今振り返ってみると、それ以上に重要だったのは、大淵様の人柄にあったと思います。事業の特性上としてもお譲りした後も関係性は続いていくでしょう。そのご縁を感じたのが大淵様だったのです。
複数の企業と対話を重ねる過程を通じて、 納得のお相手を見つけることができました。

時期尚早ですが、大淵様なら事業の発展性は間違いありません。引き継ぎに際して、よりきめ細やかにアブレイズ様をサポートしていきます。

大淵 細野様は私よりも若いですが、実績のある会社を承継して成長させてこられました。人としても経営者としても共鳴する部分がいくつもあります。このような方ならずっとお付き合いできると感じました。

M&Aサクシードは「大手・優良企業の案件や情報、機会の総量が非常に多い」ので、説得力がある

――交渉はどのように進んでいきましたか。

大淵 初めての業界に対してのM&Aのため、当初は手探りの点もありましたが、M&Aサクシードがうまく間に入ってくれました。

メールや電話などすべてのレスポンスが非常にスピーディーで、判断も実行もやりやすかったですね。私の気持ちを汲んで細野様に伝えてくれるなど、こちらの期待を超えた仕事ぶりに何度も助けられました。

細野 私にとってM&Aは未知の領域でしたので、「どう進めればいいのだろう」という気持ちがつきまとっていました。しかしM&Aサクシードの実直な対応に不安は一掃されました。最初から最後まで、プロフェッショナルとしての信頼を感じられたことが大きかったと思います。

印象に残っているのが、意思決定までの担当者との壁打ち(アイデアや悩みを話し、フィードバックをもらうことで考えを整理・改善していく手法)です。そこでM&Aに対する方向性が収斂されていきました。

また、M&Aサクシードの優れている点は、質のいいプラットフォームであること、譲り受け企業にも大手・優良企業が多く、出会いの機会の総量が非常に多いことです。実際に交渉リクエストやトップ面談の数を体感してそれを実感しました。

大淵 他業種との出会いを求めてのM&Aでしたので、M&Aサクシードでの検索でもなかなか分からないところが多かったので、手間がかかるだろうと案じていました。ですが、担当者が私のニーズを十分に理解し、いくつもの候補企業を提案してくれました。大変心強かったですね。短期間で話がまとまった理由は、M&Aサクシードの優れた“目利き力”にあったように思います。

M&Aでの伴走者の存在は安心感だけでなく、数多くの出会いやチャンスをもたらす

――アブレイズグループに、シェアオフィス事業が加わりました。今後の展開を教えてください。

大淵 まずは引き継いだ2つのシェアオフィスを丁寧に運営します。実は当社の本社がある静岡にはシェアオフィスがあまりありません。新たに得たノウハウで静岡にも新規店舗のオープンを計画したいと思っています。

――細野様は戦略的な選択と集中をした後、どのような会社の未来図を描かれていますか?

細野 社名であるオドラナに込めたメッセージは「好きで働く人が増えることで“心躍る”社会を作る」ことです。自分ですべてを決めて自分の責任で働く。そんな人をひとりでも増やすための社会基盤を作っていきたい。

私たちは、シェアオフィス、コワーキングスペースなどを総称して「フレキシブルオフィス」と定義しました。オドラナはその運営を裏で支える総合ソリューションのプロフェッショナルカンパニーになれるよう成長していきます。そのための起爆剤としてこの事業譲渡があったと、気を引き締めています。

大淵 オドラナ様のシステムを、人手不足が深刻な介護サービス業界でもぜひ展開していただきたいですね。現場を楽にしてくれる可能性が非常に高いと思います。

細野 それは今初めて聞きました。そういう風におっしゃっていただいて感激です。これからも両社がつながっていければ、M&Aを行った意味がどんどん広がっていきますね。

――M&Aを検討中の経営者の皆様に大淵様からメッセージをいただけますか。

大淵  M&Aについて相談相手がいる経営者は多くありません。私もそうでした。さらに、M&Aでは、法務的な要件など手間がかかる場面が数多くあります。M&Aサクシードにはこれまでに培った様々な知識や経験がありますし、場合によっては専門家も紹介してくれます。M&Aでの伴走者の存在は安心感だけでなく、想像以上の出会いやチャンスをもたらしてくれます。私たちのような良いご縁が生まれることを期待しています。

M&Aサクシード 担当者コメント

木戸 亮介シニアコンサルタント

担当者

株式会社オドラナ様はM&Aサクシード上でも非常に多くの引き合いがあり、誠実なご案内を心がけて伴走させていただきました。 多くの利用者様に愛される本シェアオフィスは細野様の拘りや思いがたくさん詰まった素晴らしい事業であり、 その思いを安心してお任せできる株式会社アブレイズの大淵様と出会うことができたこと、株式会社アブレイズ様の新しい挑戦に微力ながら貢献することができたことを非常に嬉しく思っています。 今回のご成約を通じて、両社様がますますご発展されることを祈念いたします。

担当者プロフィール

大学卒業後、株式会社三井住友銀行へ入行。関西の法人営業部を経て、東京の本店営業部へ。大企業の融資取引や、事業承継案件にも従事。2018年「M&Aサクシード(旧:ビズリーチ・サクシード)」の立ち上げに参画。