事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

JPX 東証上場

当社はビジョナル(東証上場)
のグループ会社です

「オンリーワンの技術」を持つメーカーを次代につなぐ。グループ化により日本の底力のある中小企業をつなぐM&A

  • 譲渡
    舶用電球株式会社
    本社所在地:東京都
    事業概要:白熱電球、LED製品の製造販売
    従業員数:40名(2024年12月現在)
    譲渡理由:後継者不在のため
    株式譲渡
    譲り受け
    株式会社老舗ホールディングス 
    本社所在地:東京都
    事業概要: グループの経営戦略策定、経営管理等
    従業員数:140名(2024年12月現在 舶用電球株式会社を含む)
    譲り受け理由:事業領域拡大のため
  • 東京都
  • 製造業
  • 後継者不在

日本が世界に誇る中小製造業の技術力や創造力。まさに「オンリーワン」の言葉に値する歴史をつむいできました。しかし、後継者不足がその道のりを難しくしつつあることも事実。その状況を変えるのが、M&Aによる中小企業のグループ化です。会社の形はほぼ変えず、相互にないものを補い合うことで、予想を超えた効果をあげることが期待できます。舶用電球(はくようでんきゅう)株式会社 取締役社長 古谷誠治氏と株式会社老舗ホールディングス 代表取締役 七森正史氏にお話を聞きます。

「オンリーワンの技術」を持つ会社を後世につなぐ

――舶用電球様の企業概要、歴史を教えてください。

舶用電球 古谷 大正12年に漁業用電球の専門メーカーとして創業しました。いわゆる「100年企業」と言われる部類に入ります。表示灯用、車載用、特殊小形照明用など、産業用の白熱電球をメインとして成長し、国内唯一の艦船用電球および船灯用電球のメーカーとして、国の行政機関とも長年取引をしています。

その後LED分野の製品開発に着手、私の代ではホームセンターへの分野にも事業を広げてきました。当社にしか製造できない製品群の多い産業部門の好調と相まって、前期の全社売上は約20%伸長しました。

――老舗ホールディングス様は「老舗」を社名に冠しています。そこに込めた思いをお聞かせください。

老舗ホールディングス 七森 弊社は、後継者がいらっしゃらない会社様がM&Aでグループに入って頂くことで成長・拡大をしています。「社会に残るべき会社や老舗の暖簾を守る」という意思を表しました。老舗に特化しているわけではありませんが、実績やブランド力のある会社、いつの世にも求められるいい会社は、業歴のある会社や老舗が多いため、老舗ホールディングスという社名にしました。

――老舗ホールディングス様では、すでに中小企業3社がM&Aでグループ入りしています。

七森 3年半前に広島の創業75年の豆菓子メーカーを私個人で譲り受けしました。それが後に当社を興すきっかけとなりました。

その後、富山県の富山名物、七越焼を製造する和菓子メーカーの「七越」と同じく富山県で人気のベーカリー「パン・オーレ」を譲り受けました。いずれも地元で長く愛されてきた名店です。どちらも後継者がおらず、事情を知る関係者や金融機関からは強く継続を望まれていた会社です。

3社とも偶然、食関連ですが、特にその分野にこだわってはいるわけではありません。当社の基本的な考え方は、「技術力やブランド力はあるが承継に悩んでいる」会社をつなぎ、グループ化していくことにあります。

 

M&Aが可能にする、マーケットが縮小する業界でも生き残れる方法

――今回、M&Aを選択された理由、背景を教えてください。

古谷 承継者がいなかったことと業界の成長性の限界です。電球業界自体が難しくなっていくなかで、会社や雇用を守っていくためにどうすべきか模索していました。その結果、会社を新たな方法で成長させてくれる会社に、M&Aで譲渡することが最善だと考えたのです。

――マーケット拡大に大きな期待が持ちづらい部分があるとのことですが、七森様はそこにどのような可能性を見出したのでしょうか?

七森 白熱電球のマーケットはかつてから縮小したものの、現在は微減レベルで推移しています。確かに成長マーケットではありませんが、同業他社が廃業や撤退するケースが増え、それらの会社の仕事を舶用電球が吸収したことで、一種の寡占状態が生まれています。独自の製造設備があることも強みになり、舶用電球は「オンリーワン」の会社になったわけです。 

譲り受けを決めたもう一つの理由は古谷社長の存在です。古谷社長は現在55歳で、長期に渡りそのまま社長を継続していただけます。苦しい業界の中で生き残り、そこから業績を伸ばした確かな経営手腕をお持ちです。「ぜひご一緒させてください」とお願いするのに時間はかかりませんでした。

――七森様が「M&A経営」に注力するようになった経緯を教えてください。

七森 メガバンクでの法人担当を経て、投資ファンドに転職しました。約6年間、M&Aを経験した後、事業会社に転職をして、リアルビジネスの世界において、企業経営を学ぶことができました。その時の経験やノウハウが、「M&A経営」を核にした老舗ホールディングス創業の出発点になっています。

 

「これからの10年、ともに汗をかける」

――交渉中、相手にどのような印象を持たれましたか?

古谷 「すごく良い話になりそうだ」と直感しました。七森さんの意欲だけでなくスピード感が伝わってきたからです。

七森 1、2回の面談で「ぜひご一緒に」という気持ちになりました。最初の面談から古谷社長は会社を過大に説明されることもなく、一貫して正直にお話をして頂きました。「古谷社長ならこれからの10年、ともに汗をかける」と思えたのです。

――M&Aにおいて、七森様の判断の目安やポイントを教えてください。

七森 特に「これ」と決めているポイントはなく、過去の業績や財務内容、事業の特徴、市場環境など基本的なことを様々な観点から見ていきます。これ自体は特別なことではないと思いますが、それらを踏まえて投資のスキームや税務リスクに投資採算、クロージング後に残って頂ける社長との信頼関係や委任内容など多岐にわたって検討、交渉する必要があります。

古谷 七森さんは、M&Aの候補先と聞いて、すぐに説明のために東京へ足を運んでくださいました。成約後は社員全員に説明の場を設け、社員は安心感を得たようです。社内の雰囲気はビフォーアフターで大きく変わっていません。

七森 今は舶用電球の経営はすべて古谷社長にお任せしています。ちょうど管理部長が退任するタイミングでしたので、老舗ホールディングスのメンバーから経理に強い社員がその後を引き継いでいます。

経理を引き継いだ彼が非常に温和な性格だったことが奏功して、皆さん快く受け入れてくれたようです。ドンピシャな人事になりました。

 

M&Aサクシードには、知りたい情報がしっかりと掲載されている

――古谷様はM&Aに当初、どんなイメージをお持ちだったのでしょうか?

古谷 経験したことがないので怖いイメージは多少ありました。しかしM&Aサクシードからきめ細やかな説明を受けたので、そんな可能性はないことを確信できました。さらに、七森さんやM&Aサクシードの担当者と会話を重ねる中で、M&Aの印象は180度転換し、ポジティブに感じられるまでになったのです。

M&Aサクシードに対して、不安な部分は一つ残らず質問しました。担当者からはすぐに返事は戻ってきますし、嘘やごまかしのない正直ベースでのやりとりでしたので、もやもやすることはありませんでした。

電球というわかりづらい業界だったと思うのですが、担当者の「本当に理解しよう」という姿勢に信頼感を持ちました。

――プラットフォームとしてのM&Aサクシードの優れた点を教えていただけますか?

七森 比較的、規模の大きい譲渡企業があることが優れていると思います。それに加えて、BS・PLなど事前に知りたい情報が掲載されているので、「問い合わせをして良いかどうか」という入口の判断を明確にすることができると思います。

 

M&Aによる企業グループ化で承継の危機を乗り越える

――仲間が増えたことでグループはどう変わりますか?

七森 舶用電球がグループに入って頂いたことで、老舗ホールディングスに「消費者向けの製造小売・サービスの部門」と「機械・工業系の部門」ができました。この2つの軸で成長・発展を図っていこうと思います。

グループ全体での成長・発展を図りながら、1社1社も成長しようとしております。古谷社長とは「“日が高いうち”にM&Aや新規投資などチャレンジをしましょう」という話をしております。

古谷 シナジー効果がある産業系の会社が増えれば、舶用電球だけでなく、グループ全体へのプラスの影響が大きいと思います。

――どのようなシナジー効果が期待できますか?

七森 今の時代、コンプライアンスや労務管理など、中小企業が1社単独では情報収集や対応が難しい問題が多くなってきました。グループ各社が持つ良い情報やネットワークを共有できれば、解決も容易になると思います。

売上・利益といったわかりやすい指標だけでなく、グループ化によるメリットはバックオフィスをはじめ、様々な場面で効いてくるはずです。

――M&Aを検討中の経営者の皆様に対してメッセージをいただけますか。

古谷 何か起きたらあっという間に会社がなくなってしまう――今はそんな時代です。中小企業経営者にとって、特に承継問題は差し迫ったテーマではないでしょうか。しかし、相談相手がいない方が多いと思います。

今回、私はM&Aサクシードを通して幸せな出会いに恵まれました。M&Aと聞くと、躊躇される方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ一歩足を進めてみてください。 

――老舗ホールディングス様のこれからの「M&A経営」の方向性を教えてください。

七森 業種を問わず、「特徴あるものづくりが得意」「ブランド力がある」会社の経営者様には、ぜひ当グループに注目していただきたいです。

今回の舶用電球がグループに入って頂いたことで製造業のハウハウがさらに蓄積されることになります。老舗ホールディングスには、事業承継に熱意を持って取り組む同志(社員)がいて、会社を承継させて頂いたら、実際に会社に入り込んで製造、品質、営業、財務、総務など実務までやらせて頂きます。極端に言えば、手書きの伝票や段ボール1箱の配達までやらせて頂き、ビジネスを把握させて頂きます。これにより課題を理解し、既存の社員様との関係を構築することで、M&Aを良い結果に導くものと考えております。結果として、会社を譲渡していただいたオーナー様、社長様に「良かった」と思ってもらえるように共に歩んでいきたいです。

M&Aサクシード 担当者コメント

水村 浩明シニアコンサルタント

担当者

舶用電球様は、特に産業用白熱電球の分野において、取引先にとって「なくてはならない」多くの製品を製造する役割を担っています。オーナーの古谷様は、その白熱電球市場でのより安定した事業運営、さらに新たな事業領域へのチャレンジも考えて、M&Aを通じて様々な経営経験を有する七森様が経営する老舗ホールディングス様へグループインされました。 今回のご成約を通じて、両社様がますますご発展されることを祈念いたします。

担当者プロフィール

慶應義塾大学商学部卒。株式会社静岡銀行へ入行し東京支店にて中堅・上場企業向けの融資業務に従事した後、浜松の支店へ異動し数多くの中小企業向け融資業務を担当。2018年、株式会社ビズリーチに入社し、「ビズリーチ・サクシード」(現「M&Aサクシード」)の立ち上げ時より参画。

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