事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

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障がい者支援事業者が大手企業のグループ入り。好業績をさらなる安定・拡大へ!

  • 譲渡
    ユアーズエバー株式会社
    株式会社ニューステップ
    本社所在地:福岡県飯塚市
    事業概要:障がい者就労継続支援A型事業所運営
    従業員数:38名(2023年4月時点)
    売上:約5億円
    譲渡理由:大手の傘下に入りたい
    株式譲渡
    譲り受け
    グループ持株会社:ソシオークホールディングス株式会社
    譲り受け事業会社:株式会社あしたばマインド
    本社所在地:東京都港区
    事業概要:フードサービス、子育て支援、運行管理・移動サービス事業など
    従業員数:約13,000名(2023年4月時点)
    売上:約300億円(2023年4月時点)	
    譲り受け理由:ソーシャルサービス事業領域の拡充
  • 福岡県
  • 東京都
  • 障がい者継続就労支援
  • フードサービス

好調な業績を次の段階=「安定成長・事業拡大」へとつなげるために、大手企業にグループ入りするM&Aが注目を集めています。大手の資本を力に、短期間で組織や業績を拡大できるだけでなく、譲渡したオーナーが引き続き事業に関わることができるケースが多いため、メリットの多いM&Aと言えるでしょう。今回の成功事例では、福岡県で障がい者就労継続支援事業を行う中小企業が、売上高約300億円のソーシャルサービス大手のグループ入りをすることで生まれる、大きな可能性に焦点を当てます。ユアーズエバー株式会社/株式会社ニューステップ 元代表取締役社長・現取締役社長執行役員 川口 栄喜 氏とソシオークホールディングス株式会社 代表取締役 大隈 太嘉志 氏に話を聞きます。

好調な業績を安定・拡大へ。M&Aで大手企業にグループイン

――川口様は好業績にもかかわらず2つの会社をソシオークグループ様に譲渡されました。その理由は?

ユアーズエバー株式会社/株式会社ニューステップ 川口様

ユアーズエバー/ニューステップ 川口 障がい者就労支援事業は今、利用者の方々に従事していただく仕事の「量」が重要になっています。(助成金等を支出する行政は)雇用人数ではなく、実際に働いた分の活動収益を重視する仕組みとなっているからです。そのため、事業所の定員に見合った仕事量を安定的に獲得して提供する必要があり、会社の規模や関連企業とのつながりが重要になってきます。M&Aサクシード登録時の希望欄に「大手企業の傘下に入りたい」と記したのはそういう理由からです。

そしてソシオークグループと出会えました。グループの力を借りることができれば、「さらに事業は伸びる」と感じました。ソーシャルサービスをこれだけの規模で運営している会社は他にありませんから。

ソシオークホールディングス 大隈 「障がい者も健常者も、男性も女性も、高齢者も若者も、誰もが尊重される社会、会社を創りたい」。これはソシオークグループ創設者が掲げ守り続けてきたビジョンです。成長を続けるなか、私たちは社会課題をビジネスで解決していく「CSV経営」を推進してきました。障がい者の方に一般就労していただくことはソシオークグループの大きなテーマであり、グループをあげて積極的に取り組んでいくことが、代表である私の使命でもあるのです。川口さんは2つの会社で複数の事業所を短期間で成長させ、見事な経営手腕を発揮されていましたが、いくつかの悩みを抱えていらっしゃいました。仕事の単価を上げることができない、まとまった仕事がうまく取れないなど…。ソシオークグループは、フードサービス事業、子育て支援事業、運行管理事業などグループ全体ではさまざまな事業を展開しています。それらは川口さんの事業と連携できることが多くあります。ソシオークグループは、九州エリアを特に伸ばしたいエリアと位置付けていたこともあり、そこを協力し合えるならWin-Winになるはず。事業所には安定した仕事を依頼し、ソシオークグループも増え続ける仕事の業務負担を分散し軽くしていくことができるというシナジー効果を得られます。

そしてソシオークグループの理念である「障がい者が尊重される社会、会社」を、このM&Aによって短期間で強化することができる。グループには現在13,000名を超える社員が在籍し、ありがたいことに年々社員の増加スピードも上がっています。それと同じように障がいを持つ方々の雇用も加速させる必要があると思っています。川口さんの事業所は障がい者を260名も雇用されているので、障がい者雇用率の点でもありがたい。今回のM&Aはソシオークグループの複数の課題を解決してくれました。

「一緒にやりましょう!」リタイアの気持ちを翻した素晴らしい出会い

――当初、川口様は譲渡後、経営に関わらないと考えていたそうですね。それが「取締役社長執行役員」として引き続き経営を担うことになりました。

ソシオークホールディングス株式会社 大隈様

川口 働き詰めで家族を省みる時間もなく、事業からはいったん退くつもりでした。しかし、代表と会話を続けるうちに「ぜひソシオークグループの一員として働かせて欲しい」という気持ちになっていったんです。

大隈 私から「頼むから残ってほしい」と伝えました。バイタリティやアイディア力など見習うことが大いにあり、グループの障がい者就労支援事業を成長させるには、川口さんの力が必要だと感じたからです。「他のグループ会社にも、川口さんが活躍するフィールドがあります。一緒にやりましょう!」と。

川口 早速、保育園事業を行う株式会社あしたばマインドの園長会議にグループ会社の立場で参加させていただいています。会社のみならず自分自身の次の成長につながる良いきっかけを与えていただきました。

大隈 ソシオークグループには放課後児童健全育成事業(いわゆる学童クラブ)を経営する株式会社明日葉があります。学童クラブでは障がい特性をもつ配慮を必要とする児童も増えてきており、障がい児童の育成も今後のテーマとして捉えております。今後放課後等デイサービスを事業領域に含めることで、障がい児童の見守りから就労継続支援、移行支援、一般就労へと一気通貫のサービスが提供できれば、障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援することができると考えています。

――急成長企業としてソシオークグループ様は大きな注目を集めています。

大隈 今年(2023年)、創業60周年を迎えます。2021年を初年度とする5ヶ年計画「Socioak Vision 500」が進行中です。「日本で最もソーシャルサービスを支えている企業グループを創る」を掲げ、25年度の売上高500億円を目標としています。

100億円を達成したのが2013年。その後10年間で300億円と3倍も伸長しました。チャンスをうまくとらえて時流にあった経営をしてきただけですが、何よりも社員が良いサービスを提供してくれたこと=「現場力」(現場が自ら解決する力)が成長の最大の理由です。

最後まで寄り添う、M&Aサクシード

――M&Aサクシードに掲載して、16社という多くの企業様からリクエストがありました。川口様がソシオークグループ様に決めた理由を教えてください。

川口 最初の面談はウェブでしたが、最初から大隈代表が参加してくださり、まず驚きました。2回目の面談では、大隈代表が九州まで足を運んでくださり、施設見学にも回ってくださいました。「大手企業のトップ自らが私に会いに来てくれるなんて」。驚いたと同時に心を掴まれました。数多くの企業様からお話をいただけたことは光栄でしたが、ソシオークとならうまくいく、ソシオーク以外はありえない、という思いがどんどん募っていき、その場で「ソシオーク様以外とはM&Aをする気はありません。」と伝えました。会議室は言葉では言い表せないような空気感に包まれていました。

大隈 一言ひとことに川口さんの覚悟が伝わってきました。もちろん心意気だけでなく実績も十分です。私たちのM&Aの際の判断基準ですが、事業内容はグループとの親和性を考えます。そして何よりも重視しているのが経営者の人柄と現場で働く方々の様子です。

――まさに「一期一会の出会い」だったのですね。M&Aサクシードの専任担当者が伴走することで、M&Aプロセスのスピードがぐんと上がったそうですね

川口 M&Aサクシードに掲載した当初、一人でM&Aのプロセスを行っていくことに不安がありました。しかし、その後は専任担当者が伴走してくれたため、安心して進められました。「もし先方から受け入れられない条件が出ても、受けられないことは受けられないときちんと伝えますので、一緒に最後まで走り抜きましょう」と言ってくれました。本当に心強かったです。

M&Aサクシードの担当は譲渡側の立場に寄り添ってくれるだけでなく、譲り受け企業にグループインした後のことまで親身に考えてくれました。M&Aではいくつもの具体的な手続きや決めなければいけない事項が発生しますが、一つひとつフォローしてくれて助かりました。

株式会社ニューステップの事業所

大隈 譲り受ける側の私たちも、M&Aサクシードの担当がいてくれて安心でした。うまく川口さんと私たちをつないでくれました。

川口 今回の話はうまくいくとどこかで信じていました。

大隈 ご縁ですね。

川口 これは敢えてお話ししたいのですが、大隈代表は私の希望した譲渡条件をはるかに上回るご提案をしてくださいました。男気を感じました。事業から離れようと考えたこともありましたが、これは逃げることはできない。

ソシオークグループの母体となった葉隠勇進株式会社の「葉隠」(江戸時代の書物)には、藩主に仕える者の心構えが記されています。これからは500億円の目標に向かって代表を支えることに力を尽くそうと覚悟が決まりました。

「譲渡企業の魅力を見つけて成長させていく」(大隈代表)

――事業や会社を譲渡するかどうかでお悩みの経営者に向けて、メッセージをお願いします。

川口 M&Aは最終的には経営者が一人で決めるものです。スタッフや自分の人生を譲り受け企業に預けるのではなく、自らが積極的に関わるべきです。M&Aが良いものになるか悪いものになるかは経営者次第です。譲渡する側も企業の将来を見据え、覚悟を持って話に臨むことが大事だと思います。その姿を見せることで、共に汗をかいたスタッフも改めて頑張ろうと思うのではないでしょうか。

――ソシオークグループ様の今後の「M&A経営」の方向性を教えてください。

大隈 グループ売上500億円を目指す中で、既存事業のオーガニックな成長だけではその達成は難しいと考えています。事業計画の達成、そして「日本で最もソーシャルサービスを支えている企業グループを創る」の達成に向けて、親和性の高い事業者のM&Aを積極的に検討していきたいと思います。

ソシオークグループの給食事業

私は、投機的なM&Aは行いません。譲渡企業の事業の魅力、そしてその経営者の方の魅力を見つけて、それを成長させるのがソシオークのスタイルです。川口さんにも「3年後には倍にしてね」とお願いしています。障がいをお持ちの方が活躍できるフィールドはまだまだ広がっています。先駆者として社会から「ソシオークがあって良かった」と言ってもらえるように努力していきたい。具体的には展開エリアを広げていく予定です。そこでグループの複数の事業をつなぎ、「社会と共生する樹でありたい」というミッションに向かって、着実に歩みを進めていきます。

M&Aサクシード 担当者コメント

水村 浩明チーフマネージャー

担当者

ユアーズエバー様、ニューステップ様は、障がい者就労継続支援事業者として当地では欠かせない役割を担っていらっしゃいます。オーナーの川口様は、サービス利用者様や従業員様にとってより良く、より安定・安心できる事業運営を目指したいと考えて弊社へお問い合わせいただき、この度多様なソーシャルサービスを運営されているソシオークホールディングス様にグループインされました。今後のご両社のさらなる発展を願っています。

担当者プロフィール

慶應義塾大学商学部卒。株式会社静岡銀行へ入行し東京支店にて中堅・上場企業向けの融資業務に従事した後、浜松の支店へ異動し数多くの中小企業向け融資業務を担当。2018年、株式会社ビズリーチに入社し、「ビズリーチ・サクシード」(現「M&Aサクシード」)の立ち上げ時より参画。