事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

JPX 東証上場

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スタートアップ×大手企業のM&A。最良の“仲間づくり” で成長戦略を実現

  • 譲渡
    GMOメイクアプリ株式会社(旧anect株式会社)
    本社所在地:福岡県
    事業概要:モバイルアプリ開発プラットフォームの開発・運営
    従業員数:5名
    譲渡理由:事業成長のため
    株式譲渡
    譲り受け
    GMOメイクショップ株式会社 
    本社所在地:東京都
    事業概要: ECビジネスにおけるネットショップ支援事業
    従業員数:286名(2025年1月31日時点)
    譲り受け理由:事業領域拡大のため
  • 東京都
  • 福岡県
  • IT
  • M&Aお試しマッチング

高品質のプロダクトを持ちながら、営業やマーケティングに手が回らず次のステップに進めない――スタートアップ企業の多くが抱えがちな悩みではないでしょうか。そんな状況を解決、成長戦略へとつなげるのが、M&Aによる大手企業へのグループ入りです。今回、紹介するのはアプリ開発プラットフォーム事業を主とするITスタートアップ企業と大手ECプラットフォーム企業のベスト・マッチングです。「優れたプロダクト」×「大手のアセット」の掛け算は大きなシナジー効果を生むことが期待されます。GMOメイクアプリ株式会社(旧:anect株式会社)* 代表取締役 木村一郎氏とGMOメイクショップ株式会社 代表取締役社長CEO 向畑憲良氏にお話を聞きます。

*グループ入りにより2024年10月1日「GMOメイクアプリ株式会社」に社名変更

福岡発スタートアップが大手企業にグループ入り

――GMOメイクアプリ(旧:anect)様の企業概要を教えていただけますか。

GMOメイクアプリ(旧:anect) 木村 モバイルアプリ開発プラットフォーム「Appabrik(アパブリック)」*の開発・提供を行っています。iPhoneやAndroidで動くモバイルアプリを、エンジニアではない方でも作成できるノーコード開発プラットフォームを運営しています。

クラウド型でありながら他のシステムとの連携もできること、パートナー企業様など他社のシステムとの機能連携も容易に可能であること、そして低価格・構築スピードの速さなどが「Appabrik」の高い評価につながったと思います。

*グループ入りにより2024年10月1日「makeappli byGMO」に改称 

――GMOメイクショップ様は、ECサイト構築サービス「makeshop byGMO」で12年連続、国内No.1の流通額で知られています。

GMOメイクショップ 向畑 お客様に支えられて、創業から現在まで成長を続けることができました。私たちのサービスを概略すると、「EC構築支援」「ECマーケティング支援」「EC運用受託」の3つの分野になります。

成長の理由はいくつかありますが、特に「理念」や「強い思い」を持ち続けてきたことにあったと私は考えています。

GMOメイクショップが掲げるミッションは「Commerce for a better future./商取引でより良い未来に」です。eコマースの市場は存在しているだけだとコストでしかありません。そのためご利用いただくお客様にとって商品が売れること(流通取引総額)にこだわり、ネットショップ運営者様や企業様がECビジネスを通じて成⻑できるよう、事業を展開してきました。

「eコマースの市場は絶対に伸びる」。創業時に私たちはそう考えました。そして「私たちがその市場を牽引することで社会の活性化に貢献できる」という信念が、結果をもたらしてくれたと感じています。

”仲間づくり”で双方の課題を解決

――M&Aまでの経緯を教えていただけますか。

木村 私自身は元々エンジニアですので、開発面については自信を持っています。しかし10年ほど会社を経営するなかで、売上を伸ばしきれていないことに歯がゆさを覚えていました。そこで、営業力への課題を解決する方法のひとつとして検討していたのが、大手企業へのグループジョイン(グループ入り)だったのです。

とはいえ、スタートアップやベンチャー企業はどこもそうだとは思いますが、リソースが限られるため、自分たちから積極的に検討を進めることはしていませんでした。そんな時に顧問税理士よりM&Aサクシードの「M&Aお試しマッチング」を紹介いただきました。

向畑 GMOインターネットグループでは、M&Aとは言わず “仲間づくり”と表現しているのですが、その仲間づくりや資本業務提携を、GMOメイクショップでは過去数年にわたり戦略的に推進してきました。

「どんな事業者様を招き入れれば良いのか?」「どの領域の事業なのか?」。これらのチェック事項を詰めながら、戦略を固めています。例えるならば、ジグソーパズルを埋めて美しいビジュアルを完成させることと言えるでしょう。

パズルのピースのひとつが、実店舗を運営する企業様に向けた「OMO(オンラインとオフラインの統合)領域」のサービス拡充です。

その具体策がモバイルアプリ領域で、仲間を探すことでした。ECビジネスのマーケティングのトレンドは今までは購入まででしたが、今後は購入後の体験までサポートすることがトレンドになっていきます。実店舗を運営する企業様にとって「会員アプリ」を活用することは、より強固な顧客関係を築けるからです。

現在、私たちはEC領域を中心に事業展開していますが、今後はそこにとどまらず、「商取引全体を盛り上げられる企業」へ成長していくことを目標としています。アプリ関連事業は、OMOによる流通額の拡大を目指すGMOメイクショップの成⻑戦略において、重要な役割を果たすことは間違いありません。

連携可能なサービス運営企業をリサーチする中で出会ったのが、GMOメイクアプリ(旧:anect)だったのです。 

胸襟を開いた交渉で、M&A後の未来図を一緒に描けた

――M&Aサクシードでの出会いから時間を経ず、交渉が始まりました。スムーズに話が進んだ理由はどこにあったのでしょうか。

向畑 初回面談で、木村社長から「Appabrik」を丁寧に説明していただきました。「とても良いサービスだ!」と直感したことを覚えています。

私からもいくつか質問をさせていただきました。その際の木村社長の回答が非常に的確だったのです。アプリ開発における経験値やノウハウの豊富さが伝わってきました。

弊社のアプリ開発における今後の戦略もお話ししました。木村社⻑には共感していただけただけでなく、アドバイスも頂戴し、話が未来の方向へと広がっていったのです。

製品の素晴らしさと同様に惹きつけられたのは、木村社長の人柄です。共に働くためには、やはり相性が良くないと難しい。気持ちが通じない仲間づくりは成功をもたらさないと思います。

「ぜひご一緒させていただきたい」。忌憚のない会話が仲間づくりの決め手となりました。

木村 初回面談から向畑社⻑が同席されたことに、GMOメイクショップの本気度を感じました。

GMOメイクショップは大きな組織体です。私の方では「検討には時間がかかるだろう」と考えていました。しかし初回面談の時点ですでに、GMOメイクショップの目的や方向性は明確だったのです。想像以上のスピード感に、成長する企業のダイナミズムを見た思いがしました。

当初の想定と異なる場面がなかったわけではありません。しかしそこで立ち止まることなく、両者が前向きに力を合わせて解決策を探っていったのです。すでに協働作業が始まっていたように思います。グループジョインをよりポジティブにとらえるようになりました。

課題だった営業力。大手のアセットとの組合せで解決、最大級のシナジー効果へ

――GMOメイクショップ様は、GMOメイクアプリ(旧:anect)様のグループ入りがどんなメリットを生むと考えられたのでしょうか。

向畑 GMOメイクアプリ(旧:anect)の課題は営業とマーケティングです。サービスのクオリティは認められている。とするなら、弊社の顧客基盤と営業力、マーケティング力をかけ合わせれば、大きなシナジー効果が生まれることは明白です。

木村 実はグループジョイン前から、GMOメイクショップの顧客をご紹介いただき、対応させていただいていました。そこでわかったのは、顧客の抱えている課題のほとんどが弊社のサービスによって解決できそうな内容だったことです。「なるほど、シナジー効果とはこういうことなのか」。膝を打つ思いでした。

向畑 今回の仲間づくりでは、外部からも想定外の好反応がありました。そのひとつが広報としての側面です。

GMOメイクアプリ(旧:anect)は福岡市が応援する初のスタートアップ企業です。GMOメイクショップへのグループジョインは大きな注目を集め、数多くのメディアやイベントで紹介されることになりました。

話題になるだけでなく、資金調達やグループジョインを検討中の企業様からご相談をいただくなど、具体的なビジネスチャンスも生まれています。 

木村 福岡市のスタートアップ都市宣言とともに育ってきた企業のイグジット例として、多方から注目いただき、喜んでいただけたのではないかと思っています。

M&Aは互いの強みを活かし合える戦略的なパートナーシップを生む

――M&Aサクシードの「ここがいい!」と感じられた点を教えてください。

木村 従来のグループジョインの進め方には煩わしさを感じることがありました。今回は、顧問税理士のサポートとM&Aサクシードの「M&Aお試しマッチング」での体験が非常に良かったです。M&Aサクシードの正式利用前に私たちに興味を持ってくださっている企業と会えたことは、検討の後押しになりました。

また、正式利用後も、担当者は数あるうちの一つとしての対応でなく、きちんと伴走してくれました。私が普段の業務で忙しくしている中でも、できる範囲でスケジュールに落とし込み、相談に乗ってもらいました。その結果、スピード感を持ってGMOメイクショップにジョインできたと感じます。

向畑 M&Aサクシードは譲渡企業数の数が豊富です。様々な業種や規模の企業が登録されていて、選択肢の多さという点で評価しています。新規登録の企業数も多く、更新頻度も高い。M&Aサクシードの担当者はレスポンスも早く、段取りや事前準備もしっかりと対応してくれました。


――M&Aを検討されている方へのメッセージをいただけますでしょうか。

木村 スタートアップの経営者は、自社単独で売上を作ることにどうしても囚われてしまいがちです。一方、リソースは限られています。そのような状況において、グループジョインというオプションを持っておくことは自社のサービス・プロダクトを伸ばす重要な手段の一つとなると思います。

GMOメイクショップにグループジョインを果たし、私は今、仕事の手応えを感じ始めているところです。私たちのような「幸せなご縁」が後に続くことを願っています。

 

――GMOメイクショップ様の今後の「M&A経営」の方針を教えてください。 

向畑 GMOメイクショップは、今後の戦略として、さらなる仲間づくりを加速させていく方針です。これまでの経験を活かし、シナジー効果を前提とした出資や譲り受けを積極的に推進することで、事業拡大と企業価値の向上を目指していきます。

特にベンチャー企業のグループジョインでは、2つの大きなメリットが生まれると考えています。

1つは、私たちにはベンチャーの方々より経験や顧客基盤などのアセットがあること。事業のグロースという意味では、業務提携ではなくグループジョインしていただくことによって、1+1以上の成長や加速度も確実なものとなるでしょう。ベンチャー企業の資金調達とも違った、グロースの確実性のようなものを手に入れることができると考えます。

もう1つが、経営の手法です。例えばビジネスの作り方や戦略の立て方――そういった経営ノウハウが私たちにはあり、一気に経営レベルを向上させることにつながるはずです。

M&Aサクシード 担当者コメント

俵 和孝シニアコンサルタント

担当者

GMOメイクアプリ(旧:anect)様は、確かな技術力を持ち、多くの企業様のアプリ開発支援を行ってこられました。M&Aサクシード上でも多くの関心を集め、ご成約までお手伝いできたことを嬉しく思っております。今回、GMOメイクショップ様とのご縁が生まれたことで、GMOメイクアプリ(旧:anect)様の強みである開発力と、GMOメイクショップ様の幅広い販路・営業力が融合し、より多くの企業様のECビジネスを支える体制が整うことを期待しています。このたびのご成約が、両社様にとって新たな飛躍のきっかけとなることを願い、今後のますますのご発展を心より祈念いたします。

担当者プロフィール

同志社大学商学部卒。株式会社ビズリーチへ入社し、HRMOS採用の新規開拓営業や他社事業買収後のPMIプロジェクト等に従事。その後、M&A仲介会社にてソーシングからエグゼキューションまでを一貫して対応し、多数の成約に関与。2024年にM&Aサクシードへ参画し、アドバイザー業務に従事。

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