事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

JPX 東証上場

当社はビジョナル(東証上場)
のグループ会社です

優れたITシステムをもつメンテナンス会社がグロース上場企業にグループ入り。互いの成長と効率化が実現!

  • 譲渡
    株式会社ハマノテクニカルワークス
    本社所在地:大阪府
    事業概要:住宅設備等のメンテナンス及び修理代行
    従業員数:6名
    譲渡理由:事業成長のため
    株式譲渡
    譲り受け
    株式会社交換できるくん
    本社所在地:東京都
    事業概要:住宅設備機器・交換工事のEC販売等
    従業員数:約187名(2024年3月時点)
    譲り受け理由:事業拡大のため
  • 東京都
  • 大阪府
  • 住宅設備
  • DX

「思い描いた通りのM&Aだった」「信頼関係のなかですべてがスムーズに進んだ」――今回ご紹介するのは、譲渡・譲り受け双方の会社が、スピーディかつ丁寧なやりとりのなかで、信頼関係の構築から契約が成就するまでのストーリーです。M&Aサクシードが直接、譲渡企業を譲り受け企業に紹介、あいだに入って伴走させていただきました。譲渡する株式会社ハマノテクニカルワークスのメイン事業は、浴室暖房乾燥機等のメンテナンスや業務用アプリケーションの開発。一方、譲り受けする株式会社交換できるくんは、住宅設備機器・交換工事をセット販売するECサービスで注目を集め、東証グロース上場を果たした急成長企業です。株式会社ハマノテクニカルワークス 前代表取締役社長 濱野隆一氏と株式会社交換できるくん 取締役副社長 佐藤浩二氏にお話を聞きます。

「さらに事業を成長させてくれる会社と出会えた」

――濱野様が譲渡を考えた理由を教えてください。

ハマノテクニカルワークス 濱野 60歳までにM&Aで第三者承継しようと考えていました。業績は順調でしたが、会社のさらなる成長を冷静に判断した時、規模が大きく明確な意思のある会社に引き継ぐ方がいいと考えたからです。

メンテナンスはまだまだ伸び代がある業界です。しかし成長を加速させるためには、これまでとまったく違う新しい考え方を導入する必要があります。その意味でもM&Aは有効な手段ではないでしょうか。

――オーナー経営者の譲渡として60歳は早くありませんか?

濱野 そう思われるかもしれませんね。でも先延ばしを続けると、私が年齢を重ねるにつれて、社員や取引先はきっと不安を抱くようになるでしょう。早めの譲渡によって、そういった懸念を払拭することができます。

今回のM&Aで私自身はオーナーの立場を譲りますが、完全にリタイアするのではなく、交換できるくんグループ関連会社にて、得意とするシステムの分野で仕事を続けます。そこでは、集中したい仕事――ハマノテクニカルワークスの主製品である修理業務システム「RequestWise」の開発や交換できるくんへのカスタマイズ――に専念できます。事前に想定していた以上の非常に満足のいく譲渡となりました。

――交換できるくん様が今回のM&Aを考えるに至った経緯を教えてください。

交換できるくん 佐藤 基軸としているBtoCの住宅設備交換事業は自社だけでも拡大戦略は描けます。一方、当社の成長のために、新規事業領域への着手は常に検討しています。M&Aは、新規事業開発を時間的・リソース的に効率よく進める最適な方法だと考えています。

新規事業領域として、新たに取り組んでいるうちのひとつが法人事業です。今回のM&Aにより、BtoBのメンテナンス(修理)への事業拡大を加速することができました。具体的には、賃貸管理会社や関連会社に対するITを活用したメンテナンスサービスの提供が可能になりました。

法人顧客ニーズを分析すると、IT化の推進や当社のモデルの活用が求められていることがわかりました。そのためには「社内システム開発の強化」も必要です。IT業界では開発リソースやベンダーの確保が難しい状況が続いています。しかし、私たちはDXを強みにしている会社なので、外部に頼るのではなく、自社でDXやエンジニアを磨かなければ、他社との競争優位性や差別化ができません。そこでM&Aでも必然的に開発力のあるということは条件に入ってきます。

――M&A検討のベースには「新規領域の拡張」や「DX」があったわけですね。

佐藤 住宅設備関連の業界はIT化が非常に遅れています。そんななか、DXによるビジネスモデルを構築できたからこそ、当社は急成長できました。そして、ハマノテクニカルワークスのグループ入りで、法人事業のお客様からの大きな信頼を得ることになります。当社の強みや総合力がさらに高まることは間違いありません。

シナジー効果を最大化へ。たし算をかけ算に変えるM&A

――交換できるくん様はハマノテクニカルワークス様のどこに魅力を感じられたのでしょうか?

佐藤 単純な事業のたし算になるM&Aは考えていません。シナジー効果を発揮させることにこそM&Aの意味があります。

シナジー効果の最大化に向け、DXに加えて「既存事業と業務内容の近さ」という視点でお相手を探していました。そこでM&Aサクシードから紹介を受けたのがハマノテクニカルワークスだったのです。

まさに思い描いていた通りの会社でした。DXという点では優秀な業務システムと開発部門があり、業務内容はメンテナンスということで、私たち主業務である住宅設備交換と近しい。完璧な内容です。この二軸があることでかけ合わせの相乗効果が見込めます。

ハマノテクニカルワークスは会社の規模こそ小さいのですが、DXに関していくつかの側面において当社より進んでいる点がありました。詳しく実績を見ていく中で「こんな会社があり得るの?」と驚かされました。これからは、「BtoB向けDXソリューション提供」も視野にハマノテクニカルワークスのシステムをシステムベンダーとして広めることも見据えています。法人のお客様は小規模の交換工事が圧倒的に多く、効率良くこなさければ利益が出ません。DXはその問題を解決する有力な武器となります。

濱野 私が思う以上の高い評価をいただきました。「いや、そこまでではないですよ」と照れるほどでした。

手間と時間をかけて話に耳を傾けるうちに信頼が生まれた

――交渉はどのように進みましたか?

佐藤 私たちはM&Aの実施にあたってまず、経営の堅実さを確認します。オーナー企業では経営がなあなあになっている場合がありますが、濱野さんは堅実にされていた。デューデリジェンス(譲渡企業調査)の段階に入っても、情報の提供は非常に早かったし、すべての質問に対して包み隠さず答えていただけました。自ずと信頼感がわいてきました。

濱野 私が譲渡の条件としたのは、「メンテナンス業務」と「システム運用」の2点の継承・発展です。しかし、当社へお声掛けしてくださった会社のほとんどはどちらか一方を求められていた。多くの会社から交渉のオファーをいただきましたが、両輪がないと私の希望は叶えられないので、その点はじっくりと検討させてもらいました。

M&Aサクシードから交換できるくんの紹介を受けた当初は、他社とフラットに比較をしていました。しかし、やりとりを進めるなかで当社業務やシステムのことをよく理解していただけていることがわかり、信頼が生まれたのです。そこからはすべてがスムーズに進みました。最終的に交換できるくんに譲渡を決めたのは、2回目のトップ面談の後でした。

――トップ面談は1回の場合が多い中で、2回実施されたのはなぜでしょうか?

濱野 佐藤さんから「大阪営業所にいらっしゃいませんか?」という申し出をいただきました。トップ同士の再確認というのではなく、現場を統括されている方々と会うことで、私の選択肢を増やせるようにとのご配慮からです。

対応してくださった方全員が、いくつもの資料をもとに説明をしてくれました。そのおかげで一緒になった時の将来の予想図がくっきりと頭に浮かんだのです。直接の会話が理解を深めてくれました。話に耳を傾けるうちに信頼が強固になったと感じています。

「こんなにスムーズに進んだのは初めて」「M&Aサクシードの伴走が大きかった」

――交渉中に停滞した場面はありましたか?

濱野 それがなかったのです。最初は不安ばかりでしたが、交渉の頻度が上がるにつれ、どんどんとスムーズに進んでいきました。フラストレーションが溜まった記憶はありません。うまくいった要因はあいだに入ったM&Aサクシードの担当者の尽力が大きかったと思います。私の意思を尊重してくれたのもうれしかったですね。

佐藤 同感です。私はこれまでにM&Aを数多く経験してきましたが、こんなにスムーズな展開は初めてでした。

M&Aサクシードは、成約を急ぐことなくじっくりと伴走してくれました。両者の話に丁寧に耳を傾けてくれたおかげで、必要な情報を得るための純粋なキャッチボールができたように思います。3者間の自然体での会話が、結局は成功の近道でした。

「悩む前に複数の会社の話を聞いてみては」

――交換できるくん様は今後、「M&A経営」をどう展開されますか?

佐藤 M&Aの対象領域は幅広く考えています。施工だけ・リフォームだけという従来型のビジネスに特化されずに、新たなプロジェクトに取り組んでいる・挑戦したいという志をお持ちの事業者様とお会いしたいですね。

――譲渡をお考えのオーナー・経営者様に、濱野様から一言いただけますか?

濱野 私からお伝えしたいのは、もし悩まれているのであれば、「まず話を聞いてみては」ということです。譲り受け希望の会社のさまざまな意見に触れられるだけでなく、ご自身の考え方が深まる良い機会になるでしょう。仮に契約が成立しなくても、得られるものは大きいと思います。

M&Aサクシード 担当者コメント

松永 雅也シニアコンサルタント

担当者

株式会社ハマノテクニカルワークスの濱野様とは、どのような会社と一緒になると更なる成長が出来そうかや、どのような経営の考え方をもつ会社が良さそうかという点はもちろん、譲渡後の個人としての希望も擦り合わせをして、それらが叶えられるお相手を探すことに専念しました。 一方で、株式会社交換できるくん様とは、濱野様の希望を理解した上でのコミュニケーションを取って頂けたので、情報を正しく素早く届けることを心がけました。 そのため、両社様とも信頼を前提にしたコミュニケーションで進行が出来てスムーズにご成約に至れたのではないかと思っております。 今後のさらなる成長が見込める素晴らしいご成約だったと感じており、濱野様および両社の益々ご発展を心より祈念いたします。

担当者プロフィール

2016年、中央大学を卒業後、アイスタイルグループに入社。 人材、広告、SaaS、店舗運営、EC、PR、卸など、ビジネスにおける幅広いサービスで、中小中堅から大手顧客の課題を解決するコンサルティング支援業務を行う。2022年に株式会社M&Aサクシードに参画しアドバイザー業務に従事。