事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

JPX 東証上場

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エンジニア起業から成長企業へ M&AがもたらすIPOという次のステージ

  • 譲渡
    株式会社新適
    本社所在地:東京都
    事業概要:SI事業、システム開発・コンサルティング
    従業員数:13名(2024年4月時点)
    譲渡理由:事業成長のため
    株式譲渡
    譲り受け
    トリオシステムズ株式会社
    本社所在地:東京都
    事業概要:SI事業、システム開発、自社サービスの開発・販売
    従業員数:161名(2024年4月時点)
    譲り受け理由:事業成長および事業領域拡大のため
  • 東京都
  • IT
  • M&Aお試しマッチング

システム開発業界において、M&Aは成長戦略のひとつとして注目されています。エンジニア出身の経営者が創業した株式会社新適は、順調に事業を拡大してきましたが、さらなる成長を見据え、株式譲渡後も代表として残り、譲り受け会社と一緒にIPOを目指していくという選択を決断しました。本記事では、M&Aから1年が経った今、株式会社新適(以下、新適)代表取締役 新作恭史様と、グループ企業として受け入れたトリオシステムズ株式会社(以下、トリオシステムズ)代表取締役社長 朱自鵬様、双方の視点から、その経緯や成功のポイントをお伺いしました。

「ITエンジニアとしての起業から、成長企業へ」という共通項

――会社概要を教えてください。

新適 新作 新適の成り立ちは、私がエンジニアとしてフリーランスで受託していたところから始まります。その後、2008年に法人化しました。システム開発・コンサルティングを主務として、主に保険業界に特化してやってきました。

もともとは、システム会社でエンジニアのキャリアをスタートし、家業を手伝ったりした後に、改めてエンジニアとしてフリーランスで仕事を始めたという経緯もあります。

トリオシステムズ 朱 トリオシステムズは、システムインテグレーション、クラウドソリューション開発、FinTechソリューション、モバイル開発などのシステム開発事業と、自社サービスの展開をしています。システム開発で実績を上げて、目標としていた自社サービスを立ち上げた流れで、今は売り上げとしては半々になりました。今は、資本市場への参入(IPO)を見据えた経営を行っています。

私の父親は、IT業界ではないですが経営者で、私も将来的に自分の会社をつくり、大きな事業をやりたいという夢がありました。そのような背景もあり、システム開発の会社で経験を積んだ後、2013年に3人でこの会社を始めました。

成長の先に見据えるエンジニアの獲得とM&Aの検討

――M&Aを選択された理由、背景を教えてください。

新作 はじめは小規模で始めた会社ですが、ありがたいことにお客様の信頼を積み重ねて会社としても成長することができました。それにともない、安定した収益基盤を確立し、ますますお客様の要望に応えていきたいという気持ちが芽生え、自身の意識も変わってきました。

システム開発においては外部環境に左右されやすいエンジニア採用が命題になります。エンジニアの数に比例して価値を上げられる要素も大きいため、成長を軌道に乗せるために譲り受けること、グループインすることも必然的に選択肢に入ってきました。

 トリオシステムズとしても、成長戦略の大きな柱としてM&A経営(会社を譲り受けながら規模の拡大をしていく経営手法)を考えています。これまで新適も含めて合計4社グループに入っていただいています。

起業から最初の数年は採用も含め順調に事業拡大していきましたが、ある程度の規模になると自社採用のスピードだけではどうにもならないこともあると感じ、譲り受けを視野に入れることにしました。

「お試しマッチング」から始まったM&Aサクシードとの接点

――M&Aサクシードをどのようにご活用いただきましたか?

新作 最初は、気軽にフォームに登録したところから始まりました。簡単な登録の後、匿名でオファーが届いたのを覚えています。後から聞いたらそれが「M&Aお試しマッチング」* というサービスだったのですね。面倒な契約や提出書類が一切不要だったので、サービスを利用したという認識もないくらい簡単でした。オファーをくださった会社のリアルタイムのログイン状況なんかも見られて、本気度も計れるなと思いました。その結果を見て、具体的に相談に乗ってもらうことを決めました。

その後も36件もの企業様からのアプローチをいただくことができました。

*M&Aを検討中または今後検討する可能性がある企業のオーナー経営者が、利用契約前に匿名で情報を掲載し、自社に興味を持つ譲受候補企業の有無や属性、反応を知ることができる業界初の機能

――M&Aサクシードの伴走はいかがでしたか?

 新適が登録してすぐに、スピーディにご紹介をいただきました。やり取りはきめ細かく、レスポンスも早いので満足しています。今後も多くの提案をいただくことを期待しています。

対面して感じたシンパシーと、お互いが成長するための一部株式交換の提案

――お二人が初めて対面されたのがトップ面談とお伺いしています。

新作 トップ面談は6社様と行わせていただきましたが、その中でも実際に朱さんにお会いしてやはり波長が合いそうだなということが確認できました。もちろん、事前に資料は読み込んでいましたし、腹を決めるための材料をなるべく定量化して考えたりしていたのですが、ここはもう直感的な部分です。

二度目のオンライントップ面談では、より具体的に現場の担当も参加し、どうやったら2社を実務レベルで調整・統合できるようにするかなどを話すことができました。

 トップ面談で初めて新作さんとお会いした時に感じたことは、想像していた通りの人物だということでした。私も新作さんもエンジニア出身の経営者というところで、背景も含めてお互いの理解が進みやすい立場だと感じました。お会いしてすぐに、一緒に成長していきたいと思いました。

それもあって、単なる事業承継ではなく事業成長のために一緒にやっていきたいと思い、こちらから株式譲渡の対価と、一部弊社の株式をお渡しするスキームをご提案する流れになったことを記憶しています。

――譲り受け会社の株式を対価に含むスキームは珍しいと聞いています。

 新作さんのご意向も、一緒に会社を成長させることでした。弊社の株式を一部譲渡対価にさせて頂くことで、IPOという同じ目標に向けて足並みを揃えられますし、IPOした際には株主としてのメリットも感じていただけると考えています。

新作  私自身、M&Aは事業を成長軌道に乗せるためのひとつの手段であると考えていました。譲渡も譲り受けも模索する中で、色々なスキームがあることも理解しました。

今回、譲渡することとなりましたが、キャッシュを手にするだけが目的ではなかったです。もちろん、これは創業経営者として一度目のエグジットという意味合いはありますが、その対価として、キャッシュと次の成長に向けての投資という二つの意味を持つことができたことは、私の考えに非常にマッチしました。

成約して一年。組織の適応と人を大切にする経営は安定にも繋がった

――ご成約から一年経過されましたが、現在の様子を教えてください。

新作  現在は、新適としてはバックオフィスを委譲し、要所には携わるなどして50%、トリオシステムズグループの経営観点での仕事を50%という割合で配分しています。本来私が注力しないといけない部分に集中することができています。

新適のメンバーは株主構成が変わったけれども、M&A前と変わらない仕事をしている状況です。譲渡したらドラスティックに変わってしまうのではという心配がある方もいらっしゃるとは思いますが、事前にしっかり話を詰めたこともありその心配は無用でしたね。メンバーの気持ちとしては変化していると感じており、トリオシステムズグループとなったことで、今よりもより広い仕事を見据えてボトムアップしようという意識が生まれたと感じます。

グループの経営観点では、M&Aの仲間探しなどを主に担当しています。譲渡する側の気持ちも分かっているのでそれは強みと捉えています。

 新適は、新作さんも残られるので、あえて譲り受け前からほぼ変えず、トリオシステムズの若手が新適に二人出向しているという状況です。大きなトラブルもなく、うまくいっていると感じています。

一方で、社長が残らない場合には、従業員と一人ひとりとしっかり対話をしてトリオシステムズのリソースも加えながらベストな体制を考えていきます。組織は臨機応変に、譲渡企業様側の従業員を一番に考えてPMIを行います。

実は、譲り受けでは苦い思いも経験しています。コロナ禍で、コミュニケーションを取りづらかったこともあり、譲り受けた会社の社員の方が離脱してしまったこともありました。改めて譲渡企業様の従業員を大切にするということの重要性を感じました。その経験を活かし、一人ひとりの目標、やりたい仕事、待遇や働き方をヒアリングするなど、より丁寧に接することを心がけています。 

――一年経ったからこそ改めて感じる今の心境や今後の課題を教えてください。

新作  起業されている方には共通かもしれませんが、今回譲渡しオーナーではなくなったことで、心境的には少しプレッシャーが減ったかなと感じています。これまでは、すべて自分が面倒を見ないといけないという自分でも気づかない想いもあったのかもしれません。

一方で、一部株式を持っていることで、目標も改めて明確になりました。一年目は大きく変えずにきましたが、これからは、よりグループ全体の発展に貢献できるような仕事をしたいと気持ちを新たにしています。

 一年を通して、新適の目標もよりはっきりと見えてきました。人材の定着が進んでいる中、次のステップとして、より多くの仲間を増やし、持続的な成長へとつなげていくことが重要な課題だと認識しています。新作さんとも連携を強化しながら、課題解決に取り組んでいきます。

システム開発業界のM&Aをより大きな成長の選択肢に

――M&Aを検討中の経営者の皆様に対してメッセージをいただけますか。

新作 私のこれまでの経験から言うと、M&Aは経営するためのツールであり、より広げるとどう生きていくのか、生き残っていくのかというツールと捉えています。もちろん、譲渡や譲り受けだけが答えでもありません。選択肢のひとつとして考えるのが有効だと思います。

エンジニア、経営者として全力で働ける時間は数十年と、限られている中でどこまで時間を有効に使えるか…時間を早送りするという視点でM&Aを検討していただくといいのではないでしょうか。

――トリオシステムズ様のこれからの「M&A経営」の方向性を教えてください。

 弊社は年間30%の成長を維持しながら、IPOを見据え、さらなる成長を目指しています。同じビジョンを共有し、ともに前進できるシステム開発企業様との協業を積極的に進めていきたいと考えています。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽に声をかけてください。

M&Aサクシード 担当者コメント

松永 雅也シニアコンサルタント

担当者

株式会社新適様とは、商流や自社の強み・成長の余地を整理し、どのような会社と一緒になると更なる成長が可能か事前にすり合わせました。また、譲渡後の個人としての希望も伺っていたため、トリオシステムズ株式会社様からのご提案に対し、両社が希望するゴールに向けて、歩み寄りながら協議を進めることができたと考えております。 さらに、トリオシステムズ様については、交渉中のお話とM&A後の実態に大きなギャップがなく、新適様の従業員を第一に考えたPMIを実行頂いたことが、グループイン成功の要因だと感じております。 今回、1年後の両社のお話を伺える機会を得られたことを大変嬉しく思います。これからの両社の益々のご発展を心より祈念いたします。

担当者プロフィール

2016年、中央大学を卒業後、アイスタイルグループに入社。 人材、広告、SaaS、店舗運営、EC、PR、卸など、ビジネスにおける幅広いサービスで、中堅中小から大手顧客の課題を解決するコンサルティング支援業務を行う。2022年に株式会社M&Aサクシードに参画しアドバイザー業務に従事。

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