事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

JPX 東証上場

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【M&A支援事例】地域の金融機関が後継者不在の経営者に寄り添い、地域を超えたマッチングを実現

  • 譲渡
    企業: 自動車部品加工会社
    事業概要: 自動車部品の加工
    本社所在地: 愛知県
    譲渡理由:後継者不在のため
    株式譲渡
    譲り受け
    企業: 資材販売会社
    事業概要: 資材の販売
    本社所在地: 関東圏
    譲り受け理由:事業拡大のため
  • 愛知県
  • 自動車部品
  • 資材販売

時代の風を受けて、地域の金融機関が変わりつつあります。ここ数年で事業承継やM&Aのサービスを積極的に展開する流れが生まれています。そこで利用されているのがM&Aサクシードです。オンラインならではの特長――地域を超えた全国規模でのマッチングや業務の効率化――は、地域金融機関でこれまで難しかった業務を拡張しています。愛知県安城市に本部を置く碧海信用金庫は、増え続ける事業承継・M&A案件に対し、M&Aサクシードをうまく使うことで、お客様の課題を解決へと導いています。そして、「M&Aアドバイザーアワード2021」で最優秀賞 金融機関部門を受賞されました。碧海信用金庫法人営業部部長の竹之内 満 氏と同副部長の竹中 秀勇輝 氏に話を聞きます。(2021年3月公開)

 

地域金融機関ならではのお客様目線で、事業承継・M&Aを成功に導く

――碧海信用金庫は今期(2020年度)で70周年だそうですね。

竹之内 創業は昭和25年です。愛知県の安城市に本部を置き、西三河エリアを中心に愛知県のほぼ全域を営業エリアとしています。長期ビジョンは「地域No.1パートナーバンクへ」。お客様から信頼され、ファースト・コールをいただけるような地域ナンバーワン・パートナー・バンクを目指しています。地元では「へきしん」という愛称で親しみを持って呼ばれています。

現在、力を入れているのが「お客様への支援力・営業力」の向上です。私の担当部署である法人営業部はその中心的な役割を担っています。当金庫では企業の皆様へのサポートを幅広く行なっており、約10年前から事業承継とM&Aの専門チームを立ち上げています。約30名の部員のうち同チームに関わる者は9名になります。この数からも事業承継とM&Aでの積極性をご理解いただけると思います。今後も増員を図っていきたいと考えています。

 

――なぜ事業承継・M&Aの業務を強化するようにしたのですか?

竹之内 M&Aに当金庫が積極的に関わるようになったのは、ここ数年のことです。15年くらい前は、M&A案件が来たら専門の会社に受け渡していたような状況でした。しかし、中小企業の承継問題が社会的にクローズアップされるようになり、それを解決するひとつの手段として当金庫もM&Aに取り組むようになったのです。その問題意識から私たちも事業承継とM&Aに対応するチームを立ち上げることにしました。

 

当初は事業承継のご相談がほとんどでしたが、お客様の課題解決をするなかで、徐々にM&Aの案件が増えていきました。昨年は成約件数が二桁台に乗り、これまでの努力の成果が見える形になりました。

 

――碧海信用金庫はある意味で新参のプレーヤーです。数字を伸ばせたのは何が評価されたとお考えですか?

竹之内 「M&Aはあくまでもお客様の課題解決の延長線上」。お客様目線でやってきたことが評価していただけたのではないでしょうか。「大きな案件になりそうだ」「見返りが期待できる」というような意識を持たないことを部員には常々伝えています。通常の信用金庫の取引業務を発展させることがベースにあります。フィー・ビジネスとして採算ありきだけでやっているわけではありません。零細規模のお客様でも積極的にご相談に乗りますし、その方針がご相談の増加につながっているように感じます。

 

M&Aにおける業務効率を向上させるM&Aサクシード

――M&Aサクシードを使い始めたのはいつ頃からですか?

竹中 サービス開始直後(2018年)から利用しています。M&Aにおいてネットマッチングが増えていくだろうと予測していたからです。もうひとつの大きな理由はマッチングの可能性をできるだけ広げたかったことです。当庫のお客様とのマッチングだけでは対象はかなり限定されます。日本全国かつ様々な領域で譲り受け企業との出会いを増やしたい、と考えた時、そこにM&Aサクシードがありました。

M&Aサクシードの利用のメリットは業務面で3つあります。一つは、譲り受け企業をみつけるための時間や工数の大幅な削減が図れます。M&Aサクシードはインターネットに案件情報を登録した瞬間に全国に情報が発信されるため、リサーチ業務が大幅に短縮されます。一番早い案件ですと5分程度で譲り受け企業からの反応がありました。大体1週間以内に反応があります。

二つ目は、M&Aサクシード上で効率的な交渉ができることです。従来の流れでは、面談により譲り受け企業のところに実際に足を運んで提案をすることになります。しかし、M&Aサクシードではインターネットのなかでご挨拶の場面から始まり、様々なヒアリングまで非対面の交渉ができ、商談の効率化につながっています。

三つ目は、掲載情報に対して、譲り受け企業が「興味があるかないか」「どの部分が要求にあてはまるのか」などの前提条件をM&Aサクシード上に開示いただく場合が多いため、初期段階の交渉が進めやすくなります。初期段階のアプローチが円滑に進められる点は、今後の交渉を進めるにあたりすごく大きなポイントだと思っています。

 

竹之内 M&Aサクシードは、情報の有効性が一定水準以上担保されているため、安心して利用できます。なによりも“冷やかし”があまりないのが魅力的です。本当に関心のある企業からのオファーしか来ない。言い換えると本気度の高さが安心して使わせていただいている大きな理由になります。

 

M&Aサクシードが可能にする、地域を超えた事業譲渡

――営業エリアが限定される信用金庫にとって、M&Aサクシードによって譲り受け企業の候補を全国に広げられるのは大きいですね。

竹中 これまで私たちが知り合うことのできなかった県外の企業や上場会社の担当者と直接コンタクトがとれる点は、非常に大きなメリットだと思います。通常は、事前にアポイントをとらないといけないところが、M&Aサクシードを使うことで目の前に担当者がいるのと近い環境が画面上で実現できます。

 


竹之内 共通の目的を持ったなかで、未知の方とコミュニケーションがとれますので、非常に効率的です。その点がM&Aプラットフォームを好むユーザーが増えている大きな理由のひとつだと思います。われわれの客層や業務内容を考えると、M&Aサクシードはジャストフィットしていますね。

 

急を要する時、役立つのがM&Aサクシードのネットマッチング

――いまお話いただいた流れで成功した事例があるそうですね。

竹中 譲渡企業は愛知県内にある自動車部品加工会社です。当初、社内には後継者候補がいたのですが、突如承継を辞退されてしまいました。また、従業員にも打診をしたのですが、これも実現できず後継者が不在となりました。当初は親族内承継で相談を受けていたのですが、急遽方針を切り替えて、第三者への承継、つまりM&Aをすることになったのです。

オーナーはご高齢で体調もすぐれず、すでに引退していてもおかしくない状況でした。後継者が不在のため、オーナーは経営や現場管理、オーナー自身の治療等で体力的にも限界がきており、できるだけ早急に譲り受け企業を探す必要がありました。

そのため、会社を探して順番に当たっていくのでは間に合わず、「M&Aサクシードでネットマッチングの方が断然早いですよ」と紹介をしました。最初は情報を公にすることに抵抗感をお持ちでした。

 

――自分の会社の実情を公にすることを嫌がる方もいます。

竹中 「提案が具体化するまでは社名は明らかになりません」など、懸念されている点を丁寧に説明し、案件情報(ノンネーム情報)の掲載にご理解をいただきました。

実は社長は当庫に相談される前に、知り合いを通じ、ご自身で譲り受け企業を探されていました。しかし、狭い範囲であるがゆえに逆に噂が広まってしまうため、ご自身のみでの探索は無理だということに気づかれました。自分ひとりで譲り受け企業を探すことがどれだけ大変かというのを薄々感じられていたのでしょう。

 

――「なんとか会社を残したい」というオーナーの思いはどこから生まれたのでしょうか。

竹中 自分で立ち上げた会社なので、取引先もご自身で開拓した企業や人ばかりです。何よりも取引先に迷惑をかけたくないという気持ちが強かったようです。「廃業します」とはそう簡単に切り出せないと想像します。そのため、譲り受け企業への条件の第一は「取引先の仕事を優先してくれる会社」でした。

譲渡企業のオーナーは技術にこだわった、いわゆる職人気質の方です。最新鋭の機械を入れれば補えた内容かもしれませんが、小ロットですからそうもいかない。誰かがやらないといけない仕事でありながら、誰でもできるわけではない。その仕事を長年こつこつとやり続けた方なのです。

 

M&Aによって、これまでの事業を保ちつつ業務拡張への一歩も進める

――譲り受け企業は愛知エリアでもなく、業種も違いますね。

竹中 譲り受け企業は関東にある資材販売会社です。新たに営業所を作る構想があったため、M&AサクシードでM&A案件を探されていました。

当初、直接のシナジー効果はほとんど見つけられませんでした。しかし、交渉を重ねるうちにいくつかのプラス点があることがわかってきました。一つは、譲渡企業がメインで取引している企業の販路が活かせること。もう一つは技術力を横展開できそうだということです。譲渡企業の技術力は広範囲に受け入れられるものであったのですが、未開拓の分野が一定数ありました。そうしたところに入り込める可能性に気づかれたのです。

 

――譲渡企業からの条件提示は?

竹中 従業員の継続雇用、給与の保証、そして取引先の維持が絶対条件。その他はほぼなかったのですが、「仕事をやり続けさせてほしい」ということを最後の条件としてあげられました。譲り受け企業もそれに応じ、「技術の承継のためにぜひお願いします」とまとまりました。

 

小さな案件でも喜んで。それが地域金融機関の使命

――事業承継を考えている経営者に向けてメッセージをいただけますか。

竹之内 地域の金融機関が行うM&Aには大きな特色があります。「既存のお取引先を大切にし、お取引を継続していただくこと」「地域の経済基盤を維持していただくこと」。この二つが前提になります。つまり、M&Aだけで解決させるのではなく、事業承継へとつなぐことが大切なのです。M&Aと事業承継の二足のわらじで対応していくというのが私たちのスタンスであり、使命だと考えています。経済性ありきではなく、小さな案件でも採算度外視で地域のお客様の要望にお応えしていきます。それが私たちの行動指針だと考えています。

 

――企業を取り巻く状況が日々、変化しています。碧海信用金庫はどう対応していきますか。

竹之内 コロナ禍で資金の負担が重くなってきています。今後、中小企業のお客様からのM&Aに関するご相談は増えていくでしょう。そのため、人員を増強して対応していきますが、そこで重要になってくるのは社員教育です。量的にも質的にも体制を整えて対応する予定です。すでにインターネットを活用したWeb会議や動画配信による社内研修を始めています。様々な事態に対応できるよう、滞りが起こらないような体制構築に務めたいと考えています。いつでも当金庫へご相談ください。