事業承継・M&Aプラットフォーム M&Aサクシード

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撤退を考えていた大型ショッピングモールに入る飲食店をM&A。未来の可能性を手に入れる【M&A事例】

  • 譲渡
    大手アパレル会社
    (中之島キャピタル株式会社(旧・TSA Partners株式会社)経由で成約)
    
    事業概要:ハワイアンカフェ2店舗
    譲渡理由:事業の切り離しのため
    事業譲渡
    譲り受け
    オークニ商事株式会社
    
    事業概要:外食事業、障害児通所支援事業、通所介護事業
    本社所在地:東京都
    譲り受け理由:事業拡大のため
  • 静岡県
  • 千葉県
  • 飲食

2009年にコンサルティング会社として設立し、2010年からは飲食店や福祉介護施設など、全国に193拠点を展開しているオークニ商事。今回は、千葉県と静岡県にあるハワイアンカフェ2店舗を、中之島キャピタル株式会社(旧・TSA Partners株式会社)の仲介により譲り受けました。

交渉期間は実質わずか1ヶ月だったという今回のM&Aについて、オークニ商事株式会社 代表取締役の尾張良介氏と、中之島キャピタル株式会社 取締役COOの田中瞬氏に、どのような背景でなぜ成約に至ったのか、お話を伺いました。(2020年4月公開)

3ヶ月後の撤退を決めていた飲食店との出会い

――今回のM&Aの背景について教えてください。

尾張 オークニ商事は売上規模の拡大を目指すため、自前で新しく事業を作るのではなく、自社にはないブランドを持つ売り手企業を積極的に探していました。

ターゲットにしていたのは外食事業。オークニ商事は和食の店舗を多数出店していますが、違うブランドを展開していて、当社にはない取引先を持つ売り手企業が見つかれば、事業のさらなる拡大ができると考えていました。そこで見つけたのが、M&Aサクシードに掲載されていた2店舗のハワイアンカフェです。

田中 実は今回の売主さんは、譲渡ではなく店舗を純粋に閉じることを考えていたんです。本業は飲食業ではなく大手アパレル会社で、新規事業としてハワイアンカフェを立ち上げたものの、事業ポートフォリオの見直しの為、撤退しようと。

ただ、ハワイアンカフェの業態はニッチなので閉じてしまうのは勿体ありません。閉じるよりも譲り受けてくれる企業を探した方がいいのではないかと提案したところ、もし興味を持つ会社があるなら、ぜひ提案して欲しいと言われたのが始まりでした。

――もともとお付き合いのあったアパレル会社さんだったのでしょうか?

田中 いえ、初めてお会いした企業さんです。譲渡を考えている他のアパレル企業のM&Aを提案しに行ったとき、アパレルだけでなく飲食事業も展開されていたので「飲食事業のM&Aは興味がありますか」と聞いたところ、飲食は撤退すると言われたんですね。

しかも、すでに社内では撤退することで話が進んでいたので、出店していた大型ショッピングモールには、3ヶ月後に解約する話もしていました。

そうなると、買い手企業を探すのに与えられた期間は2ヶ月程度しかありません。すぐにM&Aサクシードに掲載すると、翌日尾張さんからメッセージが届いたというのが今回の経緯です。 

新規参入しにくい大型ショッピングモールに出店していた魅力

――尾張さんと売主さん、お互いの印象はいかがでしたか?

田中 尾張さんはとにかく意思決定が早く、トントン拍子で話が進んでいったので売主さんから喜ばれました。そもそも売主さんは撤退をしようとしていたのに、買ってくれる企業がすぐに見つかったことに驚いていましたね。

今回の案件の魅力は、2店舗ともに、大型ショッピングモールに出店していたことです。通常、そういった大型施設に新規で店舗を出店するのはハードルが高いのですが、売主さんはアパレルブランドの店舗を全国展開していたため、飲食店もモール内に出店していました。テナントとの関係性をそのままに店舗を譲り受けられたら、これは尾張さんにとって大きなメリットとなります。

尾張 その通りで、当社が持っていない飲食ブランドで、しかも大型モールに出店していたことが大きな魅力だったので、必要最低限の確認のみですぐに意思決定をしました。

ハワイアンカフェはまだニッチな市場だから、チェーン展開できる可能性が高いですし、大型ショッピングモールの店舗で信頼と実績を作れたら、既存の飲食事業や別のブランド、サービスを他のショッピングモール内に展開できる可能性もあります。

田中 しかも、売主さんは飲食事業が本業ではなかったので、スピーディな店舗展開に至りませんでしたが、尾張さんはすでに外食事業を営んでいるから、最適な運営やメニュー開発などのノウハウがあり、展開できる見込みがありました。 

売主、テナント、顧客、従業員のすべてがハッピーに

――成約までトントン拍子だったとのことですが、苦労した点はなかったでしょうか?

田中 一点あるとしたら、尾張さんとの交渉を始めてすぐに、大規模な河川氾濫をもたらした大型台風が日本を襲ったことです。店舗に物理的な被害はありませんでしたが、モールを訪れる人が激減したため、店舗の売り上げも落ち込みました。

通常こうした有事の際は、その落ち込みが一過性ではなく回復するのかを、短くとも2ヶ月程度は検証するのですが、今回は成約までのタイムリミットがあったので、1ヶ月程度しか経過を見られなかったんです。その間に売り上げはある程度回復したものの、この先どうなるか不安があった中でも、尾張さんは決断してくれました。

尾張 台風の影響は多少あったにしろ、静岡の店舗を新しいブランドに変えれば、十分安定した利益を出せると判断しました。そもそも、モールに出店しているという強みがあるから今後の展開はいくらでも考えられます。結果、1日もお店を閉じる日を作ることなく引き継ぐことができました。

田中 尾張さんの決断は、売主さんはもちろん、テナント側からも喜ばれています。実は、テナントから売主さんに「撤退せずに続けて欲しい」と言われていたそうなんですね。それをM&Aによって撤退せずに引き継げたことが好印象で、テナントからは「ぜひ全国の他のモールへも展開して欲しい」と言われています。

尾張 本当にありがたいお言葉です。まずは千葉のハワイアンカフェは“ハレの日”に足を運びたくなるようなメニューを追加するなどアップグレードして、静岡の店舗は違うブランドに生まれ変わらせます。

そして、年内には他のモールにも出店して実績をつくり、徐々に既存の飲食店も出店したいと思っています。 

M&Aはすべての経営者が選択肢に入れるべき経営戦略

――尾張さんは、今後も同じような観点でM&Aは積極的に取り組んでいくのでしょうか。

尾張 もちろんです。現在も、M&Aサクシードを通じてデパートへの出店をしている企業と交渉中で、成約につながれば次はデパートへの多店舗展開も可能になります。今回の事例と同じでデパートに出店するのもハードルが高く、自社で一から事業や関係性を作っていくのは時間と労力がかかります。それを短時間で得られるのがM&Aの魅力。

これからも、自分たちが得意とするビジネス領域で、自分たちが持っていない強みを持ったブランドと取引先を増やしていきたいと思っています。

田中 一般的には、譲渡決断から成約まで平均半年~10ヶ月程度かかると言われていますが、尾張さんは2ヶ月というスピード成約を実現させているので、このスピード感で事業拡大を続けて欲しいですね。

小規模事業者の場合、高額なコストが必要なM&Aコンサルタントには依頼できなくても、M&Aサクシードを活用すれば、登録無料・匿名でスピーディーに買い手企業と出会える可能性があります。価値ある事業ならば、M&Aを選択肢に入れることで従業員から職を奪うことなく、そのまま受け継いでもらえるかもしれません。今回私はその実感を得られたので、困っている経営者はまず登録してみることをお勧めしますよ。