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「同業の管工事・給排水設備工事会社が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
管工事・給排水設備工事会社の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
管工事・給排水設備工事会社の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 公開事例は多くありませんが、年商5〜10億円帯で年商の約0.5倍という水準が確認できます。相場観の軸足は、買い手の算定方法と公的統計に置くのが現実的です |
② 買い手の値付け方法 | オファーでは「時価純資産法」と「EBITDAの3〜5倍(+手元現金)」が二本柱 |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | M&Aサクシードのデータでは、1案件に中央値4社・最大20社の買い手がオファー |
まず、上場企業による買収のうち公開されている管工事・給排水設備工事関連の成約事例を、売り手の年商規模別に整理しました。この業種は公開される事例自体が少なく、中小規模の参考になる価格帯は限られます。譲渡額そのものよりも、「年商の何倍で成約しているか」の目安としてご覧ください。
売り手の年商 | 年商に対する譲渡額の倍率(中央) | 譲渡額の目安レンジ |
5〜10億円 | 約0.5倍 | 約2.8億円 |
• 譲渡理由は「後継者不在」が約71%と大半を占める
• 「自社事業の選択と集中」「事業の成長」を理由とする譲渡もそれぞれ約14%あり、後継者問題に限らず選択肢として使われている
事業の特徴 | 年商規模 | 成約額の目安 |
管工事 | 1億円~2億5,000万円 | 約550万円 |
管工事 | 1億円~2億5,000万円 | 約1,000万円 |
給排水工事 | 5億円~10億円 | 約1,500万円 |
排水管洗浄 | 1億円~2億5,000万円 | 約1.4億円 |
管工事 | 5億円~10億円 | 約3.6億円 |
結論:管工事・給排水設備工事会社の価格を決める土台は、管工事施工管理技士など有資格者の在籍と、買収後も施工体制が維持されるかです。建設業許可と現場を回す人材が事業の裏付けそのものだからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 有資格者の在籍と定着(管工事施工管理技士・給水装置工事主任技術者など) | ◎ 最重要 | 建設業許可と受注能力の裏付け。買い手は買収後も施工体制が残るかを見る |
2 | 営業利益(EBITDA) | ◎ 重要 | オファーはEBITDA倍率や時価純資産を基準に値付けされやすい |
3 | 受注構成とメンテナンス収益の継続性 | ○ | 官公庁・民間のバランスや、マンション等ストック向けの定期メンテナンス収益は売上の継続性として評価されやすい |
4 | 代表非依存・管理体制 | ○ | 代表が抜けても見積・施工管理・労務が回る体制は評価されやすい |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 完成工事高が大きくても、低採算の下請け中心では評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「資格と施工体制が引き継げる状態」を作り、次に「利益と継続的な受注を整える」。売上を追うのはその後です。
結論:管工事・給排水設備工事会社へのオファーは、「時価純資産法」と「EBITDAの3〜5倍(+手元現金)」が二本柱です。買い手は資産の裏付けと収益力の両方を見ています。
M&Aサクシードの管工事・給排水設備工事関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を集計すると、純資産を軸にする方法とEBITDA倍率を軸にする方法の二つの系統に分かれます。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
時価純資産法 | 資産・負債を時価で見直した純資産を基準にする。設備・車両など有形資産を持つ工事会社になじみやすい |
EBITDA × 3〜5倍(+手元現金) | 収益力を基準にし、手元現金を上乗せする形も多い |
時価純資産 + 営業利益の数年分 | 資産にのれん(営業利益3〜5年分など)を加える折衷型 |
具体的にイメージすると
たとえばEBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円。これに手元現金や純資産の厚みが加味された金額が、オファーの初期レンジの土台になります。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は、利益を厚くし、資産と財務をきれいに整えておくこと。節税のために利益を圧縮していると、その分だけ初期提示も下がりやすくなります。
結論:「うちに買い手なんてつくのか」という不安は、データを見るとその心配は小さいといえます。管工事・給排水設備工事関連の案件には、1案件あたり中央値4社の買い手がオファーを寄せています。
M&Aサクシードの管工事・給排水設備工事関連案件(26案件)のオファーデータでは、1案件あたり中央値で4社、多いケースでは20社の買い手がオファーを寄せています。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 4社 |
平均 | 約6.5社 |
最も多かった案件 | 20社 |
複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
では、売り手側の供給はどうでしょうか。現在、M&A市場に売りに出ている管工事・給排水設備工事会社関連の案件は約75件にのぼり、業種の中でも流通量が多い部類に入ります。
一方の買い手側のオファーは中央値4社です。案件数に対して需要が突出しているわけではなく、売り手同士の比較にさらされやすい市場といえます。だからこそ、磨いた状態で市場に出す——財務の整理、強みの言語化——が価格に直結します。
もう一つ、交渉の環境として知っておきたい点があります。プラットフォーム型のM&Aでは、複数の買い手が同じタイミングで案件を検討するため、比較検討できるオファーを同じ期間にまとめて集めやすくなります。オファーを1本ずつ受けて判断するのではなく、同じ期間に並べて比較できることが、交渉のしやすさに直結します。比較されている前提で買い手が条件を出す状況では、価格はもちろん、経営者の関与期間や引き継ぎの進め方についても、売り手の希望条件を軸に交渉を進めやすくなります。
ちなみに、市場に出ている案件の譲渡理由では「後継者不在」が目立ちます。売却は特別な会社だけの選択肢ではない、ということの表れといえるでしょう。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像はかなり具体的に見えてきます。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 100億円以上の大手が最多。次いで10億〜30億円の中堅が多く、規模の近い同業から大手まで幅広い |
M&A経験 | 約68%が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 非上場が約86%。東証プライムをはじめとする上場企業も一定数 |
エリア | 約半数が東京。大阪・愛知・静岡など全国の都市圏からもオファーが届く |
業種 | 同業の管工事・設備工事会社のほか、ビルメンテナンス系、総合設備グループなど隣接領域 |
結論:管工事・給排水設備工事会社の買い手で軸になるのは、同業や電気・空調を含む総合設備グループです。有資格者と施工体制、官公庁・民間の受注基盤をまとめて引き継げることが動機だからです。
買い手は複数のタイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業・総合設備グループ | ◎ 主役候補 | 北陸電気工事(管工事の日建を約30億円で取得) | 電気・管・空調をあわせた総合設備化。資格者・施工体制・地域基盤を引き継ぎやすい |
大手・インフラ系グループ | ○ 価格が出やすい | 北陸電力(北陸電気工事を公開買付けで子会社化) | グループの設備工事機能の一体化・強化 |
異業種・事業会社 | ○ シナジー次第 | 日本エコシステム(葵電気工業を取得) | ファシリティ関連サービスの提供範囲拡大・顧客基盤の取得 |
投資ファンド | △ 条件次第 | — | 成長投資・複数社をまとめる戦略の起点 |
つまり、買い手像を一つに決めつけないことが大切です。有資格者の体制、メンテナンス収益、官公庁実績、自社の強みをどの買い手が最も評価するかで、条件は変わってきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
電気工事・管工事・水道施設・消防施設工事など(北陸電気工事) | 約418.5億円 | 北陸電力(約8,583億円) | 約39.2億円 | 公開買付けによる子会社化で、グループの設備工事体制を一体運営 |
管工事業(日建) | 約62.6億円 | 北陸電気工事(約556.1億円) | 約30億円 | 電気工事に管工事を加え、地域に根ざした総合設備体制を強化 |
空調衛生・電気・給排水衛生設備の設計施工管理(葵電気工業) | 約6.0億円 | 日本エコシステム(約112.6億円) | 約2.8億円 | 設備関連サービスの提供範囲の拡大と、新規取引先の開拓を期待 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが抜けても、資格者と受注は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の不安です。「有資格者が辞めて許可要件や施工体制が崩れないか」「主要な受注先が離れないか」「代表がいなくなって現場が回らなくならないか」。この不安を小さくする要素は価格を押し上げ、不安を大きくする要素は価格を下げます。
同じ売上規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 管工事施工管理技士など有資格者が複数在籍し、買収後も残る | ◎ 資格・技術が代表や特定の職人に集中している |
◎ 代表が抜けても見積・施工管理・労務が回る | ◎ 代表個人に営業・受注・現場采配が集中している |
○ マンション等の定期メンテナンスなど継続収益がある | ○ 単発の工事受注が中心で、翌期の売上が読みにくい |
○ 官公庁・民間など受注先が分散している | ○ 受注が特定の元請け1社に偏っている |
○ 利益が継続的に出て、契約書・労務・財務情報が整理されている | △ 利益が薄く、必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「資格者と施工体制が残るか」「代表に依存していないか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。管工事・給排水設備工事を含む「設備工事業」の実績です。公開事例が少ないこの業種では、この統計と前述の算定方法が相場観の軸になります。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
設備工事業(111件) | EV/EBITDA | 3.3倍 | 6.7倍 | 12.1倍 |
設備工事業(130件) | PER | 6.3倍 | 13.2倍 | 24.1倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、管工事・給排水設備工事会社との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | 時価純資産法、またはEBITDAの3〜5倍(+手元現金)。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い管工事・給排水設備工事会社の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
管工事・給排水設備工事会社の価格を最も左右するのは「有資格者と施工体制が引き継げるか」、次に「利益(EBITDA)」と「メンテナンス収益など受注の継続性」です。公開事例が少ない業種だからこそ、買い手の値付け方法(時価純資産法・EBITDAの3〜5倍+手元現金)と公的統計をあわせて見ることが、相場観をつかむ近道になります。1案件あたり中央値4社の買い手がオファーを寄せており、買い手の主役は同業・総合設備グループです。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
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