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「同業の学習塾・個別指導塾が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
学習塾・個別指導塾の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
学習塾・個別指導塾の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 上場企業による買収の公開事例では、譲渡額は年商のおよそ0.5〜0.6倍に分布(年商5〜30億円帯。公開事例は限られる) |
② 買い手の値付け方法 | オファーでは「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸にした提示が見られる |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | 当社データベースでは該当案件が限られるものの、確認できた案件には買い手からオファーが届いており、関心を持ちうる買い手候補は約36社が登録 |
まず、上場企業による買収のうち公開されている学習塾・個別指導塾の成約事例を、売り手の年商規模別に整理しました。公開事例が確認できたのは年商5億〜30億円の帯に限られます。譲渡額そのものよりも、「年商の何倍で成約しているか」の傾向に注目してください。年商5億円未満の規模は公開事例が乏しいため、後述する当社プラットフォームの匿名成約例をあわせてご覧ください。
売り手の年商 | 年商に対する譲渡額の倍率(中央) | 譲渡額の目安レンジ |
5〜10億円 | 約0.6倍 | 約3.1億円〜約4.7億円 |
10〜30億円 | 約0.5倍 | 約6億円〜約18億円 |
• 譲渡理由は「後継者不在」が約4割と最も多く、「資金の確保」「業績不振」「自社事業の選択と集中」がそれぞれ約2割ずつ続く傾向
• 所在地は東京が約6割。都市部に集まりやすい傾向
• 黒字案件は約6割。営業赤字でも成約に至った例があり、黒字は必須条件ではない
事業の特徴 | 年商規模 | 成約額の目安 |
学習塾 | 1,000万〜5,000万円 | 約2,800万円 |
学習塾 | 1,000万〜5,000万円 | 約800万円 |
学習塾 | 2億5,000万〜5億円 | 約3.8億円 |
予備校 | 5,000万〜1億円 | 約8,610万円 |
予備校 | 2億5,000万〜5億円 | 約500万円 |
結論:学習塾・個別指導塾の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「買収後も生徒が通い続け、講師・教室長が残るか」です。月謝という継続収入が事業の土台であり、買い手が気にするのは、買収後に生徒と講師が離れないかだからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 生徒の在籍数と継続率(退塾の少なさ・保護者からの評判) | ◎ 最重要 | 月謝収入の安定が事業の土台。買い手が気にするのは、買収後に生徒・保護者が離れないか |
2 | 営業利益(EBITDA) | ◎ 重要 | 買い手は利益を基準に値付けしやすい。利益が出ているほど素直に価格が上がる |
3 | 講師・教室長の確保と定着 | ○ | 講師が辞めると生徒も離れやすい。教室を任せられる人材が残る体制は評価されやすい |
4 | 教室の立地・教室網と代表非依存 | ○ | 駅前など集客しやすい立地、複数教室への分散、代表個人に依存しない運営は評価されやすい |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、退塾が多い・利益が薄いと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「生徒と講師が残る状態」を作り、次に「利益を残す」。売上規模を追うのはその後です。
結論:学習塾・個別指導塾へのオファーでは、「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸にした提示が見られます。買い手は共通して、引き継げる生徒・教室と収益力を見ています。
M&Aサクシードの学習塾・個別指導塾関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を確認すると、EBITDA倍率を軸にした提示が見られます。当社データベースでは該当する案件が限られるため、構成比としてではなく提示例として整理します。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA × 3〜5倍 | 利益(EBITDA)に一定の倍率を掛けて評価する方法。値付けの標準形と考えてよい |
その他(個別の提示) | 事業内容や買い手とのシナジーに応じた個別の提示 |
具体的にイメージすると
EBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円が初期レンジの土台になります。ここに手元現金や純資産、買い手とのシナジーが加味されます。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は、生徒の継続で利益(EBITDA)を厚くし、手元現金を残しておくことです。逆に、節税のために利益を圧縮していると、その分だけ評価も下がります。
結論:当社プラットフォームでは学習塾・個別指導塾に該当する案件が限られており、オファー社数を統計の厚みをもって示せる段階ではありません。それでも、確認できた案件にはいずれも買い手からオファーが届いており、関心を持ちうる買い手候補は約36社が登録しています。
M&Aサクシードの学習塾・個別指導塾関連案件のオファーデータでは、確認できた範囲で1案件あたり1社の買い手がオファーを提示しています。当社データベースでは該当案件が限られるため、下表の数値は統計値というより参考値としてご覧ください。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 1社 |
平均 | 約1.0社 |
最も多かった案件 | 1社 |
オファーの数そのものより、「どんな買い手が、なぜ関心を持つか」が大切です。まずは「自社にどんな買い手が関心を持ちうるか」を知るところからで十分です。
では、売り手側の供給はどうでしょうか。現在、M&A市場に売りに出ている学習塾・個別指導塾関連の案件は約14件と、決して多くありません。
買い手側は、前述のとおり1案件あたり中央値1社がオファーを出しています。供給・需要とも件数が積み上がる市場ではないぶん、「相性の良い買い手に出会えるか」が条件を大きく左右します。母集団の大きいプラットフォームで幅広く買い手候補に情報を届けることが、良い出会いの確率を上げる近道です。
もう一つ、交渉の環境として知っておきたい点があります。プラットフォームを使えば複数の買い手が同じ期間に案件を検討するため、オファーが重なったときに、条件を見比べながら判断できます。オファーを1本ずつ受けて判断するのではなく、同じ期間に並べて比較できることが、交渉のしやすさに直結します。オファーが複数並ぶと、買い手も他社と比較されていることを前提に条件を出すため、価格だけでなく、経営者の関与期間や引き継ぎの進め方といった条件面でも、売り手の希望をのんでもらいやすくなります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを見ると、買い手像の輪郭が見えてきます。該当するオファーが限られるため、構成比ではなく傾向の参考としてご覧ください。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 売上高10〜30億円規模の中堅企業のほか、1億円未満の会社からの提示も |
M&A経験 | 確認できたオファーはいずれも「M&A経験あり」の買い手 |
上場/非上場 | いずれも非上場の事業会社 |
エリア | いずれも東京の買い手 |
業種 | 学習塾・予備校の同業や教育サービスの事業会社が中心。公開事例では、教育以外の事業会社が新規参入目的で買い手になる例も |
結論:学習塾・個別指導塾の買い手で最も存在感があるのは、「同業の学習塾チェーンやFC本部による教室網の取り込み型」です。少子化で新規開校による拡大が難しいなか、生徒・講師・教室を面で引き継げることが大きな動機だからです。
買い手は4タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業(学習塾チェーン・FC本部) | ◎ 主役・最多 | 明光ネットワークジャパン(約248.3億円、FC加盟企業2社を取得)/スプリックス(約351.3億円、湘南ゼミナールを取得) | 教室・生徒・講師をまとめて引き継ぎやすく、屋号・雇用が継続されやすい |
上場IT・教育関連企業 | ○ 価格が出やすい | ユナイテッド(約120.3億円、個別指導塾を取得) | 教育事業を成長の柱として育成。テクノロジーと指導ノウハウの組み合わせを狙う |
異業種・事業会社 | ○ シナジー次第 | ヤマノホールディングス(約139.6億円、学習塾FC運営会社2社を取得)/エルアイイーエイチ(約103.1億円) | 多角化・新規参入として教育に進出。教室網と運営ノウハウをまとめて取得 |
投資ファンド | △ 限定的だが存在 | — | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり「同業に安く買い叩かれるのでは」という心配は実態と逆です。同業チェーンやFC本部は、教室網・生徒・講師をまとめて引き継ぎたいからこそ、運営の継続を前提に手を挙げてきます。異業種の事業会社も含め、自社の教室網と生徒基盤をどの買い手が最も評価するかで条件は変わってきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
学習塾の運営(湘南ゼミナール) | 約143.4億円 | スプリックス(約351.3億円) | 45億円 | 地域で高い知名度を持つ学習塾ブランドと教室網の獲得 |
学習塾の運営(MAXISホールディングス) | 約26.6億円 | 明光ネットワークジャパン(約248.3億円) | 18億円 | FC加盟企業の取り込みによる「明光義塾」チェーンの強化 |
個別指導塾の運営(ベストコ) | 約23億円 | ユナイテッド(約120.3億円) | 約9.8億円 | テクノロジーと人を組み合わせた教育事業の中核として育成 |
学習塾の経営(ケイライン) | 約12.7億円 | 明光ネットワークジャパン(約248.3億円) | 6億円 | 首都圏等でFC教室を展開する加盟企業の承継によるチェーン網の拡充 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが抜けても、生徒と講師は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後に生徒が退塾しないか」「講師や教室長が辞めないか」「代表がいなくなって教室運営が回らなくならないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ売上規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 生徒の継続率が高く、買収後も在籍が見込める | ◎ 退塾が多く、生徒数が減少傾向にある |
◎ 教室長・講師が定着し、代表が抜けても教室運営が回る | ◎ 代表個人の指導力・評判に生徒が集まっている |
○ 複数の教室・学年に生徒が分散している | ○ 特定の教室・学年に収益が偏っている |
○ 利益が継続的に出ている | ○ 売上はあるが利益が薄い |
○ 月謝・講師の労務・財務の資料が整理されている | △ 必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「生徒が残るか」「代表に依存していないか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。継続率などの具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。学習塾・個別指導塾を含む「その他の教育、学習支援業」の区分を参照します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
その他の教育、学習支援業(20件) | PBR | 0.9倍 | 1.4倍 | 5.2倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、学習塾・個別指導塾との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA(利益)の3〜5倍。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い学習塾・個別指導塾の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
学習塾・個別指導塾の価格を最も左右するのは、売上規模ではなく「買収後も生徒が通い続け、講師・教室長が残るか」、次に「利益(EBITDA)」です。公開事例では年商5〜30億円帯で譲渡額が年商のおよそ0.5〜0.6倍に分布し、オファーではEBITDA(利益)の3〜5倍を軸にした提示が見られます。当社プラットフォームでは該当案件が限られるものの、関心を持ちうる買い手候補は約36社が登録しており、買い手の主役は教室網・生徒・講師をまとめて引き継ぎたい同業の学習塾チェーン・FC本部です。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
• かいしゃ価値トレンドの解説:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/kaisha-kachi-trend
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