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「同業の税理士法人・会計事務所が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
税理士法人・会計事務所の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
税理士法人・会計事務所の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③どれだけの買い手が関心を示すか――をあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 会計事務所は非上場の事務所間の承継が中心で、上場企業による公開事例はごく限られる。そのため相場観は、収益力ベースのオファーと公的統計を主軸に示す |
② 買い手の値付け方法 | オファーで多いのは「EBITDA(利益)の数倍 + 手元現金」。「時価純資産 + 売上の0.5〜1年分」という、顧問報酬をものさしにした方法も見られる |
③ 買い手の関心の集まり方 | 直近の会計事務所関連の対象案件には7社の買い手がオファー(M&Aサクシードのオファーデータ・参考値) |
税理士法人・会計事務所は制度上、税理士・税理士法人しか税務業務を担えないこともあり、上場企業の適時開示に載る単体の公開事例はごく限られます。そのため相場観は、収益力ベースの一次オファーと公的統計を軸に見ていきます。
当社プラットフォーム内の税理士法人・会計事務所関連の成約実績はまだ件数が少なく、譲渡理由や黒字比率などの率・傾向の掲載は控えます。相場観は、オファーと公的統計のデータからご覧ください。
結論:税理士法人・会計事務所の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「顧問先が事務所として引き継げるか(解約されないか)」と「業務が所長個人に依存していないか」です。収益は顧問契約の継続から生まれ、買い手は顧問先と職員ごと引き継げるかを見ているからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 顧問先の数・構成と継続率 | ◎ 最重要 | 月次顧問・申告の継続契約が安定収益の源泉。特定の大口先への集中は逆にリスクと見られる |
2 | 所長・特定担当者への依存度 | ◎ 重要 | 顧問先が「所長個人」につくのか「事務所」につくのか。担当者ごと引き継げる体制が価値になる |
3 | 有資格者・職員の定着 | ○ | 税理士・科目合格者・経験職員の在籍と定着は、引き継ぎの確実性を高める |
4 | 記帳・申告業務のデジタル化と生産性 | ○ | クラウド会計・電子申告への対応度は、買収後の統合コストに直結する |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、所長依存が強い・職員の離職が多いと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず顧問先の担当を複数人体制にし、職員の定着と業務の標準化を固める。規模拡大を追うのはその後です。
結論:会計事務所関連へのオファーは「EBITDA(利益)の数倍 + 手元現金」が中心で、「時価純資産 + 売上の0.5〜1年分」という顧問報酬をものさしにした方法も見られます。買い手は顧問報酬の継続性を見ています。
M&Aサクシードの税理士法人・会計事務所関連の案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を見ると、EBITDA倍率に手元現金を加える方法が中心です。会計業界で古くから使われる「年間顧問報酬の◯年分」に近い、売上をものさしにした提示も見られます。対象件数が限られるため、傾向としてご覧ください。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA × 倍率 + 手元現金(ネットキャッシュ) | 標準形。利益(EBITDA)を基準に手元資金を加える方法 |
時価純資産 + 売上の0.5〜1年分 | 顧問報酬(売上)をものさしにする、会計業界の慣行に近い方法 |
時価純資産 + EBITDA × 倍率 | 資産価値と収益力の折衷 |
具体的にイメージすると――
たとえば年間の顧問報酬売上が1億円・EBITDAが2,500万円なら、EBITDAの数倍+手元現金、あるいは純資産+売上の0.5〜1年分(5,000万〜1億円)が、一次オファーの初期レンジの一つの目安になります。
価格を上げるいちばん直接的な方法は「顧問先の継続率と担当体制を示し、利益(EBITDA)を安定させること」。顧問先リストと解約率を整理して示せるだけでも、買い手の見え方は変わります。
結論:「うちのような事務所に買い手がつくのか」という心配は、データを見ると小さいといえます。直近の会計事務所関連の対象案件には、7社の買い手が一次オファーを寄せています。
M&Aサクシードの税理士法人・会計事務所関連では対象案件の数自体が限られるため件数分布は示せませんが、直近の対象案件には7社の買い手がオファーを寄せました。士業事務所の承継ニーズは強く、会計事務所関連の買い手候補は約19社が登録されています。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
オファー社数(直近の対象案件) | 7社 |
複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
では、売り手側の供給はどうか。M&A市場に出ている税理士法人・会計事務所関連の売り案件は約12件にとどまり、案件数は少なめです。
買い手側のオファー数は統計として示せる件数に達していませんが、前述のとおり関心を寄せる買い手は確かに存在します。供給が少ない業種では、売り案件が出てきたこと自体が買い手にとってのニュースになります。希少性を活かすためにも、幅広い買い手に情報が届く形で相手探しを始めることが重要です。
もう一つ、交渉の環境として知っておきたい点があります。プラットフォームを使えば複数の買い手が同じ期間に案件を検討するため、オファーが重なったときに、条件を見比べながら判断できます。1社ずつ順番に打診して回るのではなく、複数のオファーを手元に並べて、価格や条件を見比べながら交渉相手を選べる状態をつくれます。オファーが複数並ぶと、買い手も他社と比較されていることを前提に条件を出すため、価格だけでなく、従業員の処遇や引き継ぎ期間といった条件面でも、売り手の希望をのんでもらいやすくなります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像は具体的に見えてきます(件数が限られるため参考値)。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 1〜5億円、5〜10億円、10〜30億円と中堅規模が中心 |
M&A経験 | オファーを出した買い手7社のうち5社が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 非上場が中心 |
エリア | 東京が中心。福岡・岡山など地方の買い手も |
業種 | 税理士法人・会計事務所の同業、士業グループ、経理アウトソーシング関連など |
結論:税理士法人・会計事務所の買い手で最も数が多く、最も早く動くのは「拠点と顧問先を広げたい同業の税理士法人・会計事務所グループ」です。税務業務は税理士にしか担えないため、買い手は実質的に同業と士業グループに集中し、その分だけ承継ニーズは強く安定しています。
買い手は複数タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業の税理士法人・会計事務所グループ(ロールアップ型) | ◎ 最多・最速 | — | 顧問先・職員・拠点をそのまま引き継ぎ、対応エリアと体制を広げられる |
士業グループ(税務+労務・法務等の総合化) | ○ 価格が出やすい | — | 顧問先への複数サービス展開(クロスセル) |
経理アウトソーシング・コンサル関連の事業会社 | ○ シナジー次第 | — | 記帳・経理代行と税務の一体提供(税務業務は提携税理士が担う形) |
投資ファンド | △ 条件次第 | — | 士業グループ組成の起点(制度上の制約に配慮した設計が前提) |
つまり「小規模な事務所に関心は集まらないのでは」という心配は実態と逆です。顧問先と職員の基盤そのものが価値なので、事務所ごと引き継ぎたい同業が競って手を挙げます。
税理士法人・会計事務所は、制度上税理士・税理士法人しか税務業務を担えないこともあり、上場企業による買収が適時開示される公開事例はごく限られます。本記事では実名事例の一覧掲載を控え、相場観は一次オファーの値付け方法と公的統計に置いてご覧ください。
結論:高く評価される事務所と、伸びない事務所を分けるのは、つきつめると一つの問い――「所長であるあなたが引退しても、顧問先と職員は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ年商でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 顧問先の担当が複数人体制で、所長不在でも業務が回る | ◎ 主要顧問先を所長が一人で担当している |
◎ 顧問契約が書面で整理され、解約率が低い | ◎ 契約条件が口頭・慣行ベースで、継続が読みにくい |
○ 有資格者・経験職員が定着している | ○ 職員の離職が多く、引き継ぎ先が育っていない |
○ クラウド会計・電子申告など業務が標準化されている | △ 業務手順が属人的で、資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「顧問先が事務所につくか」「契約が継続するか」――この2つを整えるだけで、同じ規模でも評価は変わってきます。
※ 当社プラットフォームのデータと業界の承継実務から見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。税理士法人・会計事務所が含まれる「専門サービス業(他に分類されないもの)」の倍率を示します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
専門サービス業(他に分類されないもの)(50件) | EV/EBITDA | 2.8倍 | 5.1倍 | 10.8倍 |
専門サービス業(他に分類されないもの)(51件) | PER | 5.3倍 | 10.4倍 | 18.6倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、税理士法人・会計事務所との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA(利益)の数倍 + 手元現金(ネットキャッシュ)。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのは“あなたの会社の社名”だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い税理士法人・会計事務所の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手の一次オファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
税理士法人・会計事務所の価格を最も左右するのは、売上規模ではなく「顧問先が事務所として引き継げるか」と「業務が所長個人に依存していないか」です。買い手のオファーはEBITDA(利益)の数倍に手元現金を加える方法が中心で、顧問報酬をものさしにした「純資産+売上の0.5〜1年分」も見られます。直近の対象案件には7社の買い手がオファーを寄せました(参考値)。買い手の主役は、顧問先と職員ごと引き継ぎたい同業の税理士法人・士業グループです。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる――その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
• かいしゃ価値トレンドの解説:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/kaisha-kachi-trend
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