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「同業の幼稚園・認定こども園が、いくらでM&Aされたのか」――気になったことはありませんか。
幼稚園・認定こども園の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る――どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
幼稚園・認定こども園の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すか――をあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 幼稚園・認定こども園そのものの公開成約事例は僅少。相場観はオファーの値付け(EBITDA基準等)と、幼児園・キンダーガーテンなど近い領域の公開事例、公的統計に置くのが現実的 |
② 買い手の値付け方法 | オファーでは、案件ごとの個別事情を踏まえた算定のほか、「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸にした提示がみられる |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | 該当案件が少ないため統計値は示せないものの、複数の案件に買い手がオファーを寄せている。相性がよさそうな買い手候補は約45社が登録 |
まず、上場企業による買収のうち公開されている幼稚園・認定こども園関連の成約事例を、売り手の年商規模別に整理しようとしました。ただし、幼稚園・認定こども園そのものを運営する中小企業の公開成約事例は僅少で、年商規模別の倍率テーブルとしてお示しできるだけの件数がありません。ここでは倍率表は載せず、買い手が実際に使う値付け(EBITDA基準等)と、幼児園・キンダーガーテンなど近い領域の実名事例、公的統計を相場観の軸に置きます。
結論:幼稚園・認定こども園の価格を決める大きな要素は、売上規模ではなく「定員充足率――少子化の中でも園児が集まり続けるか」と「幼稚園教諭・保育教諭など有資格者の確保・定着」です。園児と先生がそろってはじめて園の運営が続くため、買い手が気にするのは“買収後もこの園が選ばれ続けるか”だからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 定員充足率・園児数の安定(少子化の中でも園児が集まり続けるか) | ◎ 最重要 | 収益の源泉であり、地域の子育て世帯から選ばれている証拠。共働き世帯の多い地域など、保育・教育需要の強い立地かどうかもあわせて見られる |
2 | 幼稚園教諭・保育教諭など有資格者の確保と定着 | ◎ 重要 | 配置基準を満たす体制が維持できなければ運営は続かない。買い手が気にするのは、買収後に先生が辞めないか |
3 | 認可・施設の状態(認可の区分、園舎・園庭の整備状況) | ○ | 施設の老朽化や修繕負担は評価を抑える要素。認可等の承継の進め方は法人形態や自治体により異なるため、個別の確認が前提 |
4 | 利益体質と園長(代表)非依存の運営 | ○ | 利益が継続的に出ていること、園長個人の人望だけに募集・運営が依存していないことは、引き継ぎリスクを下げる |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、定員割れが続く・先生の離職が多い・利益が薄いと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「園児が集まり続け、先生が定着している状態」を示せるようにし、次に「利益を残す」。売上規模を追うのはその後です。
結論:幼稚園・認定こども園関連のオファーでは、施設や認可の状況など案件ごとの個別事情を踏まえた算定と、「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸にした算定がみられます。該当する提示が僅少なため、傾向は参考としてご覧ください。
M&Aサクシードの幼稚園・認定こども園関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を確認すると、定型の倍率式によらない個別の算定と、EBITDA倍率による提示がみられます。該当する提示が僅少なため、構成比としてではなく提示例として整理します。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
その他(案件の個別事情に応じた算定) | 施設・認可の状況や買い手とのシナジーを踏まえた、定型の倍率式によらない個別の提示 |
EBITDA × 3〜5倍 | 収益力(EBITDA)に倍率を掛けて評価する標準的な方法。利益が厚いほど価格が伸びる |
具体的にイメージすると――
EBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円が初期レンジの土台になります。ここに手元現金や純資産、施設・認可の状況、買い手とのシナジーが加味されます。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は、定員充足率を保って利益(EBITDA)を厚くし、買い手が安心して引き継げる状態を作ることです。
結論:幼稚園・認定こども園関連の案件は当社プラットフォームでの該当が少ないため、1案件あたりのオファー社数(中央値・平均・最大)を統計として示すことは控えます。それでも該当する複数の案件に買い手がオファーを寄せており、関心を持ちうる買い手候補は約45社が登録しています。
M&Aサクシードの幼稚園・認定こども園関連案件では、買い手がオファーを寄せた実績があります。ただし該当する案件が少ないため、1案件あたりのオファー社数の中央値・平均・最大といった統計値の掲載は控え、傾向の参考にとどめます。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
統計値(中央値・平均・最大) | 該当案件が少ないため記載を控えます |
確認できる傾向 | 該当する複数の案件に買い手がオファーを提示 |
買い手が関心を示すかどうかは、園の立地・充足率・体制によって変わってきます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
では、売り手側の供給はどうか。M&A市場に出ている幼稚園・認定こども園関連の売り案件は約11件にとどまり、案件数は少なめです。
買い手側のオファー数は統計として示せる件数に達していませんが、前述のとおり関心を寄せる買い手は確かに存在します。供給が少ない業種では、売り案件が出てきたこと自体が買い手にとってのニュースになります。希少性を活かすためにも、幅広い買い手に情報が届く形で相手探しを始めることが重要です。
もう一つ、交渉の環境として知っておきたい点があります。M&Aサクシードのようなプラットフォームでは複数の買い手が同時に案件を検討するため、関心を持つ買い手が重なれば、オファーを同じ期間に並べて見比べることができます。オファーを1本ずつ受けて判断するのではなく、同じ期間に並べて比較できることが、交渉のしやすさに直結します。比較されている前提で買い手が条件を出す状況では、価格はもちろん、従業員の雇用継続や取引先との関係維持についても、売り手の希望条件を軸に交渉を進めやすくなります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを見ると、買い手像の輪郭が見えてきます。該当するオファーが僅少なため、構成比ではなく傾向の参考としてご覧ください。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 売上1億円未満の小規模な会社から、10億〜30億円、50億〜100億円規模まで幅がある |
M&A経験 | M&A経験のない買い手とある買い手の両方から提示がある |
上場/非上場 | 非上場の事業会社が中心。上場企業からの提示も |
エリア | 東京が中心。福岡など首都圏以外の買い手も |
業種 | 幼稚園・こども園・幼児教育に関わる領域に関心を持つ事業会社(後述の買い手候補は、業種タグ・事業内容が幼児教育関連の会社を集計) |
結論:幼稚園・認定こども園の買い手で最も存在感があるのは、「園の運営・職員・園児をまとめて引き継ぎ、幼児教育・保育の基盤を広げたい同業・教育系の事業会社」です。少子化で新規開設による拡大が難しくなるなか、すでに地域で選ばれている園と有資格者の体制を引き継ぐこと自体に価値があると考えているからです。
買い手は4タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業・幼児教育/保育運営の事業会社 | ◎ 主役候補 | グローバルキッズCOMPANY(約270億、幼児教育・保育領域で2社を取得) | 園運営・職員・園児をまとめて引き継ぐ前提で評価。運営と雇用の継続を重視しやすい |
教育系上場企業(学習塾・語学・通信教育等) | ○ 価格が出やすい | レアジョブ(約97.2億、キンダーガーテン運営会社を取得)/京進(約264.6億、保育運営会社を取得) | 既存の教育サービスと幼児教育をつなぎ、園児・生徒との接点を低年齢から広げる |
異業種・事業会社 | ○ シナジー次第 | アジャイルメディア・ネットワーク(現・CRAVIA、約4.6億、幼児教育材の会社を取得) | 自社の顧客基盤・サービスと、園・子育て家庭との接点を組み合わせる |
投資ファンド | △ 限定的だが存在 | — | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり「同業に安く買われるのでは」という心配は実態と逆です。同業・教育系の買い手は、園児・先生・地域の信頼をまとめて引き継ぎたいからこそ、運営と雇用の継続を前提に手を挙げてきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。幼稚園・認定こども園そのものの公開事例は僅少なため、ここでは幼児園・キンダーガーテンの運営や園向けの周辺事業など、近い領域の事例を「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像として挙げます。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
キンダーガーテン・アフタースクールの運営、カリキュラム開発(東京インターナショナルスクールグループ) | 約10.7億 | レアジョブ(約97.2億) | 4.62億 | 教育ブランドの確立と子ども・子育て支援事業の強化。幼児からの英語・グローバル教育と既存事業との相乗効果 |
語学・知育・体育を組み合わせたバイリンガル幼児園の運営(現代幼児基礎教育開発) | 約2.1億 | アオバインターナショナルエデユケイショナルシステムズ(約77億) | 1.85億 | 幼児教育の体制強化と提供地域の拡大。インターナショナルスクール初等部教育との相乗効果 |
幼稚園・保育園向け幼児教育材(絵本・玩具・遊具等)の企画・製作・販売(グローリー) | 約0.7億 | アジャイルメディア・ネットワーク(現・CRAVIA、約4.6億) | 約0.2億 | 200か所以上の園との長期的な取引関係と、企画から製作・販売・メンテナンスまでの一貫体制 |
結論:高く評価される園と、伸びない園を分けるのは、つきつめると一つの問い――「あなたが手を離しても、園児と先生は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後に先生が辞めないか」「園児募集が細らないか」「認可や施設の引き継ぎでつまずかないか」「園長がいなくなって運営が回らなくならないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ売上規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 定員充足率が高く、園児募集が安定している | ◎ 定員割れが続き、園児数の減少が止まらない |
◎ 幼稚園教諭・保育教諭が定着し、買収後も配置基準を満たせる | ◎ 離職が多く、有資格者の確保が不安定 |
○ 共働き世帯が多い地域など、保育・教育需要の強い立地にある | ○ 通園圏の子どもの数が減り続けている |
○ 園長(代表)が替わっても運営・募集・行事が回る体制がある | ○ 園長個人の人望・人脈に募集や運営が依存している |
○ 認可関係・契約・労務・財務の資料が整理されている | △ 必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が大切です。「園児が集まり続けるか」「先生が残るか」――この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 公開事例の買い手の取得理由などから見られる傾向の整理です。充足率などの具体的な閾値は個園ごとに異なります。また、認可の承継や法人形態(学校法人・社会福祉法人・株式会社等)による手続きの違いは個別の確認が必要です。
も園を直接対象とした区分がないため、近い「その他の教育、学習支援業」を参照します。この区分はEV/EBITDA・PERの集計値が公表されていないため、PBR(純資産倍率)のみ掲載します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
その他の教育、学習支援業(20件) | PBR | 0.9倍 | 1.4倍 | 5.2倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、幼稚園・認定こども園との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA(利益)の3〜5倍。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのは“あなたの会社の社名”だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い幼稚園・認定こども園の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
幼稚園・認定こども園の価格を大きく左右するのは、売上規模ではなく「定員充足率――園児が集まり続けるか」と「幼稚園教諭・保育教諭など有資格者の確保・定着」です。幼稚園・認定こども園そのものの公開成約事例や当社プラットフォームでの該当案件は僅少ですが、オファーではEBITDA(利益)の3〜5倍を軸にした提示もみられ、相性がよさそうな買い手候補は約45社が登録しています。買い手の主役は、園の運営・職員・園児の引き継ぎを前提に手を挙げる、幼児教育・保育の基盤を広げたい同業・教育系の事業会社です。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる――その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
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