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「同業の葬儀社・葬祭業・葬儀場が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
葬儀社・葬祭業・葬儀場の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
葬儀社・葬祭業・葬儀場の相場は、①公開されている成約事例の顔ぶれ、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 上場企業による買収の公開事例では、年商7億円規模の葬儀会館運営会社が年商の約3倍で成約した例がある。会館の立地と施行基盤が評価される |
② 買い手の値付け方法 | オファーで多いのは「EBITDA3〜5倍」を軸にした算定。会館という資産を持つため、時価純資産や営業利益を組み合わせる形も見られる |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | M&Aサクシードでは1案件あたり中央値9社が関心を示す。買い手は集まりやすい |
まず公開事例を売上規模別に見たいところですが、葬儀社・葬祭業・葬儀場の公開M&Aは上場企業による案件が中心で件数が限られます。ここでは実名事例と当社プラットフォームの傾向、公的統計を組み合わせて相場観を示します。
葬儀社・葬祭業・葬儀場の公開成約事例は件数が限られ、売上規模別の倍率を安定して出せるほどのサンプルがありません。参考として、年商約7億円の葬儀会館運営会社が年商の約3倍(約21億円)で成約した公開事例があります。会館の立地と施行基盤が評価される点に立ち返ってご覧ください。代わりに、後述の実名事例・当社プラットフォームの傾向・公的統計を参照してください。
• 譲渡理由は「後継者不在」と「代表者の引退」が中心。承継を目的とした前向きな譲渡が多い
• 会館の立地・保有形態と、会員・事前相談による将来施行の基盤が価値の中心になりやすい
• 黒字での成約もあれば、そうでない案件も成約している。黒字であることは必須条件ではない
事業の特徴 | 年商規模 | 成約額の目安 |
葬儀 | 5〜10億円 | 約21億円 |
葬儀 | 1〜2.5億円 | 非開示 |
葬儀 | 5〜10億円 | 非開示 |
結論:葬儀社・葬祭業・葬儀場の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「将来の施行が読めるか、会員・事前相談の基盤と、会館の立地が買収後も残るか」です。買い手が買っているのは、地域で選ばれ続ける会館と、これから施行につながる顧客基盤だからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 会員・事前相談の顧客基盤(会員数・事前相談件数・地域での選ばれ方) | ◎ 最重要 | 将来の施行につながる予約が積み上がっているほど、買収後の売上が読みやすい。ここが価格の土台になる |
2 | 会館の立地と保有形態(自社物件か賃借か・エリアの人口と競合) | ◎ 重要 | 立地の良い会館は施行件数の土台。自社保有なら資産価値も加わり、素直に評価が上がる |
3 | 施行件数・単価と利益率(件数の安定・単価の維持・原価管理) | ○ | 買い手はEBITDAを基準に値付けする。件数と単価が安定し利益が残っているほど評価が上がる |
4 | 地域でのブランドと紹介網(評判・寺院や病院等との関係・リピート) | ○ | 紹介と評判が回るほど、買収後も施行が続きやすい。関係が属人的でないほど安心される |
— | 売上・会館数の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 会館が多くても、会員基盤が細く立地が弱ければ評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「会員・事前相談の基盤と立地の良い会館が残る状態」を作り、次に「件数と利益」を整える。会館数を追うのはその後です。
結論:買い手のオファーでは「EBITDA3〜5倍」を軸にした算定が中心で、これに手元現金や時価純資産・営業利益を組み合わせる形が続きます。会館という資産を持つ事業だからこそ、買い手は利益と資産の両方を見ています。
M&Aサクシードに届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を集計すると、EBITDA倍率を軸にしたものが中心でした。残りの方法も、EBITDAか純資産・営業利益を軸にした変種にとどまります。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA × 3〜5倍 + 手元現金 | 標準形。収益力を倍率で評価し、手元現金(ネットキャッシュ)を上乗せする |
EBITDA × 3〜5倍 | 収益力を倍率で評価する基本形 |
純資産 + 営業利益×数年分 | 会館などの純資産に、数年分の営業利益を加える形 |
時価純資産 + 営業利益×数年分 | 会館の資産価値に収益力を加算する形 |
具体的にイメージすると
たとえばEBITDAが1億円なら、3〜5倍で3億〜5億円。これに手元現金や会館の資産価値を組み合わせた金額が、オファーの初期レンジになります。ただし個別事情で変わります。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は「会員・事前相談で将来施行を厚くし、EBITDAを積むこと」。逆に、件数が細ったり会館の立地が弱かったりすると、その分だけ評価も下がります。
結論:「うちのような葬儀社に買い手がつくのか」という心配について。M&Aサクシードのデータでは、葬儀社・葬祭業・葬儀場に関連する案件に対し、1案件あたり中央値で9社の買い手が関心を示しています。関心は集まりやすい業種です。
M&Aサクシードで葬儀社・葬祭業・葬儀場に関連する案件が受け取ったオファーを、1案件あたりの買い手数として集計しました。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 9社 |
平均 | 約9.2社 |
最大 | 18社 |
つまり「買い手が現れるだろうか」という心配は、データの上では小さいといえます。まずは「どんな買い手が、どんな狙いで関心を持つか」を知るところからで十分です。
では、売り手側の供給はどうか。M&A市場に出ている葬儀社・葬祭業・葬儀場関連の売り案件は約31件と、コンスタントに案件が出てくる業種です。
一方で、前述のとおり買い手の関心は厚く、1案件あたり中央値9社のオファーが集まります。案件の流通で相場観が形成されつつ、なお需要が供給を上回る売り手に追い風の市場です。相場が読みやすいうえに買い手間の競争も働くため、好条件を引き出しやすい環境といえます。
こうした買い手の厚みは、交渉の場面で具体的な意味を持ちます。プラットフォーム型のM&Aでは、複数の買い手が同じタイミングで案件を検討するため、比較検討できるオファーを同じ期間にまとめて集めやすくなります。オファーを1本ずつ受けて判断するのではなく、同じ期間に並べて比較できることが、交渉のしやすさに直結します。複数のオファーが集まれば、交渉の主導権は売り手側に寄ります。価格に加えて、従業員の処遇や引き継ぎ期間などの条件面でも、売り手側の意向を反映しやすくなります。
なお、売りに出ている案件の譲渡理由としては「後継者不在」が最も多く、「選択と集中」がそれに続きます。事業や業績に問題があって売りに出るケースばかりではない、という点は売り手・買い手双方にとって押さえておきたいポイントです。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像が見えてきます。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 5〜10億円、100億円超、1〜5億円と幅広い。地域の同業から大手までが関心を示す |
M&A経験 | およそ7割が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 非上場が中心。東証プライム・スタンダード等の上場企業も |
エリア | 東京がおよそ4割。大阪・愛知など各地の買い手も含む |
業種 | 同業の葬儀・葬祭のほか、地域基盤やライフエンド関連を広げたい事業会社など |
結論:葬儀社・葬祭業・葬儀場の買い手で存在感が大きいのは、「同業の葬儀・葬祭グループ」と「地域基盤を広げたい事業会社」です。会館の立地と会員基盤、地域での信頼を、自社で一から築くには時間のかかるものとしてまとめて引き継げることが、大きな動機だからです。
買い手は複数のタイプに分かれますが、出現頻度も価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業の葬儀・葬祭グループ | ◎ 主役 | 広済堂ホールディングス(葬儀施行件数の増大とエリア展開の足掛かりとして取得) | 会館・会員・施行基盤をまとめて引き継げる相手。屋号や雇用が継続されやすい |
地域基盤を広げたい事業会社 | ○ シナジー次第で高値 | ―(隣接エリアや周辺サービスへ広げたい相手) | 自社の地域網や関連サービスに葬祭を組み合わせる狙い |
ライフエンド関連(墓所・仏事・保険等)を持つ会社 | ○ 相互送客を狙う | ―(供養・終活の周辺領域を持つ相手) | 会員基盤との相互送客で、周辺サービスまで広げる狙い |
投資ファンド | △ 限定的だが存在 | ―(葬儀関連の買い手候補にも一定数) | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり「同業に安く買い叩かれるのでは」という心配は実態と逆です。同業や事業会社は、会館と会員基盤、地域の信頼をまとめて引き継ぎたいからこそ、雇用の継続を前提に手を挙げてきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
葬儀式場・室内墓所を運営する会社 | 約7.0億 | 広済堂ホールディングス(約383億) | 約21.0億 | 葬儀施行件数の増大を目的とした戦略的投資。隣接エリアへのサービス展開の足掛かり |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが抜けても、会員基盤と会館、地域の信頼は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後に施行件数が落ちないか」「会員・事前相談の基盤が続くか」「代表がいなくなって寺院や病院、地域との関係が切れないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ年商5億円でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 会員・事前相談が積み上がり、将来施行が読める | ◎ スポット施行中心で、件数が景気や偶発に左右される |
◎ 立地の良い会館を持ち、代表が抜けても運営が回る | ◎ 代表個人に紹介元・地域との関係が集中している |
○ 施行件数と単価が安定し、利益が継続的に出ている | ○ 件数・単価が不安定で、利益が薄い |
○ 寺院・病院・地域との関係が組織で維持されている | ○ 会館が賃借中心で、契約更新にリスクがある |
○ 紹介と評判が回り、リピートが続いている | △ 会員・契約・財務の資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「将来施行が読めるか」「代表に依存していないか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。葬儀・葬祭が含まれる「その他の生活関連サービス業」を参照します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
その他の生活関連サービス業(n=25) | EV/EBITDA | 3.9倍 | 5.1倍 | 10.1倍 |
その他の生活関連サービス業(n=28) | PER | 6.9倍 | 10.7倍 | 16.6倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、葬儀社・葬祭業・葬儀場との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDAの3〜5倍(手元現金・時価純資産・営業利益を組み合わせる場合あり)。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い葬儀社・葬祭業・葬儀場の相場を見る(無料)
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
葬儀社・葬祭業・葬儀場の価格を最も左右するのは「将来の施行が読めるか(会員・事前相談の基盤と会館の立地)」、次に「会館の立地と保有形態」「施行件数・単価と利益率」「地域でのブランドと紹介網」です。買い手のオファーはEBITDA3〜5倍を軸に、手元現金や時価純資産・営業利益を組み合わせる算定が中心です。買い手の主役は、会館と会員基盤、地域の信頼をまとめて引き継ぎたい同業の葬儀・葬祭グループと、地域基盤を広げたい事業会社です。
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