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「同業の測量会社・測量設計事務所が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
測量会社・測量設計事務所の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
測量会社・測量設計事務所の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 上場企業による買収の公開事例は年商10〜30億円の帯に集中し、譲渡額は年商の約0.7倍(中央値)、約10億〜約22億円 |
② 買い手の値付け方法 | オファーで具体的な算定式として多いのは「時価純資産法」と「EBITDA倍率(+手元現金)」。資産の裏付けと収益力の両方が見られる |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | M&Aサクシードのデータでは、1案件に中央値6社(多い案件では17社)の買い手がオファー |
まず、上場企業による買収のうち公開されている測量会社・測量設計事務所関連の成約事例を、売り手の年商規模別に整理しました。公開事例が確認できたのは年商10〜30億円の帯に限られるため、この帯のみを表にしています。譲渡額そのものよりも、「年商の何倍で成約しているか」の傾向に注目してください。
売り手の年商 | 年商に対する譲渡額の倍率(中央) | 譲渡額の目安レンジ |
10〜30億円 | 約0.7倍 | 約10億〜約22億円 |
事業の特徴 | 年商規模 | 成約額の目安 |
測量 | 2億5000万円~5億円 | 約6,300万円 |
測量 | 1億円~2億5000万円 | 約7,530万円 |
測量 | 1億円~2億5000万円 | 約1億円 |
測量 | 1億円~2億5000万円 | 約3.1億円 |
結論:測量会社・測量設計事務所の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「測量士など有資格者の在籍と、公共案件の受注実績を買収後も引き継げるか」です。技術者と実績が事業の土台であるこの業種では、買い手が気にするのは買収後も測量業務を受注し、こなせる体制が残るかだからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。実際、当社の成約例でも「有資格者複数名在籍・公共案件主体」の測量会社は、年商1億〜2.5億円の規模で約1億円の成約となっています。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 測量士など有資格者の在籍・定着と、公共案件の受注実績(入札参加資格・官公庁との取引実績) | ◎ 最重要 | 技術者と実績が事業そのもの。買収後も有資格者が残り、公共案件の受注が続く見込みが価格の土台になる |
2 | 営業利益(EBITDA) | ◎ 重要 | 買い手は利益や純資産を基準に値付けする。利益が出ているほど素直に価格が上がる |
3 | 3次元計測・ドローン・最新測量機器などの技術・機材 | ○ | 最新機器による効率化や三次元測量などの対応力は、買い手が自前で揃えにくい差別化要素として評価される |
4 | 発注元の分散・代表非依存 | ○ | 特定の発注元や代表個人の関係に受注が偏っていると、引き継ぎリスクとして減点される |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、利益が薄い・技術者が残らない・実績が引き継げないなら評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「有資格者と公共実績が引き継げる状態」を作り、次に「利益を残す」。売上を追うのはその後です。
結論:測量会社・測量設計事務所へのオファーでは、買い手は「時価純資産」と「収益力(EBITDA)」の両方を見ています。測量機器・車両など資産を持つ業種のため、資産の裏付けを軸にした値付けが使われやすいのが特徴です。
M&Aサクシードの測量会社・測量設計事務所関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を集計しました。件数の上では案件の個別事情に応じた「その他」が最多ですが、具体的な算定式としては時価純資産法が最も多く、EBITDA倍率系がこれに続きます。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
その他(案件の個別事情に応じた算定) | 件数では最多。事業内容や資産の状況を踏まえて個別に提示 |
時価純資産法(資産の時価評価) | 具体的な算定式では最多。測量機器・車両など資産を持つ会社で使われやすい |
EBITDA × 3〜5倍(+手元現金=ネットキャッシュを加える形も) | 収益力を軸にした方法。利益が厚いほど価格が伸びる |
純資産 + 営業利益の数年分/EBITDA × 倍率 | 資産価値にのれん(収益力)を加算する方法。資産と収益力の両取り |
具体的にイメージすると
EBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円。これに手元現金や、測量機器・車両・不動産などの純資産の厚みが上乗せされた金額が、オファーの初期レンジの土台になります。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は「利益を厚くし、資産と負債の実態を整理しておくこと」。決算書の純資産と実態が揃っているほど、買い手は安心して価格を出せます。
結論:「うちのような測量会社に買い手なんてつくのか」という心配は、データを見ると小さいといえます。測量会社・測量設計事務所関連の案件には、1案件あたり中央値6社の買い手がオファーを寄せています。
M&Aサクシードの測量会社・測量設計事務所関連案件のデータでは、1案件あたり中央値で6社、多いケースでは17社の買い手がオファーを寄せています。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 6社 |
平均 | 約7.6社 |
最も多かった案件 | 17社 |
複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
次に、売り手側の供給を見てみましょう。測量会社・測量設計事務所関連の売り案件は市場に約23件あり、案件の流通は安定して続いています。
一方で、前述のとおり買い手の関心は厚く、1案件あたり中央値6社のオファーが集まります。案件の流通で相場観が形成されつつ、なお需要が供給を上回る売り手に追い風の市場です。相場が読みやすいうえに買い手間の競争も働くため、好条件を引き出しやすい環境といえます。
この需要の厚さを踏まえると、オファーの集め方が交渉条件を左右します。M&Aサクシードのようなプラットフォームでは、複数の買い手が同時に案件を検討するため、比較できるオファーを同じ期間に集めやすくなります。1社ずつ順番に打診して回るのではなく、複数のオファーを手元に並べて、価格や条件を見比べながら交渉相手を選べる状態をつくれます。オファーが複数並ぶと、買い手も他社と比較されていることを前提に条件を出すため、価格だけでなく、経営者の関与期間や引き継ぎの進め方といった条件面でも、売り手の希望をのんでもらいやすくなります。
なお、売りに出ている案件の譲渡理由としては「後継者不在」が最も多く、「事業拡大・成長戦略」がそれに続きます。事業や業績に問題があって売りに出るケースばかりではない、という点は売り手・買い手双方にとって押さえておきたいポイントです。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像はかなり具体的に見えてきます。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 10〜30億円が最多(約3分の1)。次いで1〜5億円。100億円超の大手も一定数 |
M&A経験 | 約64%が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 非上場が約8割。東証プライム・グロース等の上場企業も |
エリア | 東京都が最多(約4割)。大阪・岡山・愛知・静岡・北海道など全国の都市圏からも |
業種 | 測量・設計・地質調査や建設コンサルタントなど近い事業のほか、隣接領域への拡張や内製化を狙う事業会社など |
結論:測量会社・測量設計事務所の買い手で最も存在感があるのは、「測量・建設コンサルタントなど同業・隣接の事業会社」です。有資格者の確保が難しいいま、測量技術者と公共案件の実績をまとめて引き継げることが大きな動機だからです。
買い手は4タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業・隣接の測量/建設コンサルタント | ◎ 主役・最速 | パスコ(約607億円、測量会社を取得)/メイホーホールディングス(約130.1億円、測量・建設コンサルタント会社2社を取得) | 技術者・公共実績・地域基盤をまとめて引き継ぎやすく、雇用が継続されやすい |
検査・インフラ関連の上場グループ | ○ 価格が出やすい | ERIホールディングス(約197.7億円、河川環境の調査・測量会社を約21.9億円で取得) | 土木インフラ・環境分野への事業領域の拡大。グループ会社化 |
建設関連の異業種・事業会社 | ○ シナジー次第 | ヤマウホールディングス(約228.4億円、地質調査・測量・設計の会社を取得) | 自社の得意市場と測量・設計を組み合わせて事業を広げる |
投資ファンド | △ 限定的だが存在 | — | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり「同業に安く買われるのでは」という心配は実態と逆です。同業・隣接の買い手は、技術者と実績をまとめて引き継ぎたいからこそ、雇用と体制の継続を前提に手を挙げてきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
建設コンサルタント(河川環境)・環境調査測量・環境分析試験 | 約18.3億円 | ERIホールディングス(約197.7億円) | 約21.9億円 | 土木インフラ・環境分野へ事業領域を広げ、社会の安全・安心を担う体制づくり |
土木工事業(地質調査、測量・設計) | 約17.2億円 | ヤマウホールディングス(約228.4億円) | 約12.6億円 | 両社が得意とする市場での相互シナジーと事業拡大 |
測量業 | 約29.1億円 | パスコ(約607億円) | 約10億円 | 両社の事業分野を補完し、グループの業容を拡充 |
建設コンサルタント業・補償コンサルタント業・測量業 | 約6.5億円 | メイホーホールディングス(約130.1億円) | 約5億円 | 測量・設計・地質調査から維持管理まで一貫して手がけるサービス体制 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが抜けても、技術者と受注は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後に有資格者が辞めないか」「公共案件の受注が続くか」「代表がいなくなって現場が回らなくならないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ年商規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 測量士など有資格者が定着し、買収後も技術者が残る | ◎ 有資格者が少なく、特定の技術者に業務が集中している |
◎ 入札参加資格・公共実績が会社に紐づき、代表が抜けても受注が回る | ◎ 受注が代表個人の人脈・営業に依存している |
○ 利益が継続的に出ている | ○ 売上はあるが利益が薄い |
○ 発注元・案件が官民に分散している | ○ 特定の発注元に売上が偏っている |
○ 機材台帳・契約書・労務・財務情報が整理されている | △ 必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「技術者が残るか」「実績が会社に紐づいているか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。測量・設計を含む「技術サービス業(他に分類されないもの)」の区分を参照します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
技術サービス業(他に分類されないもの)(36件) | EV/EBITDA | 5.3倍 | 7.6倍 | 15.6倍 |
技術サービス業(他に分類されないもの)(44件) | PER | 6.6倍 | 10.8倍 | 28.1倍 |
技術サービス業(他に分類されないもの)(50件) | PBR | 0.9倍 | 1.5倍 | 3.3倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、測量会社・測量設計事務所との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | 時価純資産法、またはEBITDAの3〜5倍 + 手元現金(ネットキャッシュ)。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い測量会社・測量設計事務所の相場を見る(無料)
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
測量会社・測量設計事務所の価格を最も左右するのは「測量士など有資格者と公共案件の実績を、買収後も引き継げるか」、次に「利益(EBITDA)」です。買い手の値付けは時価純資産法とEBITDA倍率(+手元現金)が中心で、測量関連の案件には1案件あたり中央値6社の買い手がオファーを寄せています。買い手の主役は、技術者と実績をまとめて引き継ぎたい同業・隣接の測量・建設コンサルタント系の事業会社です。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
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