





「同業の習い事教室(音楽教室・ダンススクール・カルチャースクール)が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
習い事教室(音楽教室・ダンススクール・カルチャースクール)の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
習い事教室(音楽教室・ダンススクール・カルチャースクール)の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③どれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 音楽教室・ダンス・スイミングなど習い事関連の公開事例では、譲渡額が年商の0.1倍未満から2倍超まで、生徒基盤と収益の中身によって差が出ている。事例が限られるため、収益力ベースのオファーと公的統計もあわせて相場観を示す |
② 買い手の値付け方法 | オファーで多いのは「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸にした方法 |
③ 買い手の関心の集まり方 | 個別案件へのオファーは件数が限られるが、習い事・スクール関連の買い手候補はおよそ37社が登録されている(M&Aサクシードの当社データ) |
まず、上場企業による買収のうち公開されている習い事・スクール関連の成約事例を見ます。音楽教室・ダンススクール・スイミングスクールの単体事例は数が限られ、売上規模別の倍率表を作れるほどの件数はありません。そのため相場観は、後述の実名事例と、収益力ベースのオファー・公的統計を軸に見ていきます。
当社プラットフォーム内の成約実績は、習い事教室・カルチャースクールではまだ件数が少なく、譲渡理由や黒字比率などの率・傾向の掲載は控えます。相場観は、後述の実名事例・公的統計・オファーのデータからご覧ください。
結論:習い事教室の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「生徒が月謝を払い続けてくれる基盤があるか」と「講師と教室運営が特定個人に頼らず回っているか」です。収益は継続する月謝から生まれ、買い手は生徒・講師ごと引き継げるかを見ているからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 生徒数と継続率(月謝収入の安定) | ◎ 最重要 | 退会が少なく月謝収入が読める教室は、将来の収益を見込みやすく評価されやすい |
2 | 講師の定着と運営の仕組み化 | ◎ 重要 | 講師が定着し、カリキュラム・発表会・進級の運営が仕組みになっていると、買収後もそのまま続けられる |
3 | 教室の立地・賃借条件と稼働率 | ○ | 駅近など集客に有利な立地と、無理のない賃料。空き時間帯の少ない稼働も評価される |
4 | 代表・特定講師への依存度 | ○ | 生徒が「教室」ではなく「先生個人」についている場合、引き継ぎの設計が課題になる |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、退会が多い・講師の入れ替わりが激しいと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず生徒の継続と講師の定着を固め、運営を仕組みにする。教室数や売上規模を追うのはその後です。
結論:習い事教室・スクール関連へのオファーは「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸に、手元現金や純資産を加える形が中心です。買い手は月謝収入の安定と利益を見ています。
M&Aサクシードの習い事・スクール関連の案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を見ると、EBITDA倍率を軸にした方法が中心です。対象件数が限られるため、傾向としてご覧ください。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA × 3〜5倍 | 標準形。利益(EBITDA)を基準に評価する方法 |
EBITDA × 3〜5倍 + 手元現金(ネットキャッシュ) | 上記に手元資金を加えた変種 |
時価純資産法(保有資産の時価ベース) | 保有資産の時価を基準にする方法 |
具体的にイメージすると
たとえばEBITDAが2,000万円なら、3〜5倍で6,000万〜1億円。これに手元現金や教室の資産、買い手とのシナジーを加味した金額が、オファーの初期レンジになります。
価格を上げるいちばん直接的な方法は「生徒の継続率を高めて利益(EBITDA)を安定させ、講師と運営の仕組みを整えておくこと」。逆に、節税のために利益を圧縮していると、その分だけ評価も下がります。
結論:「うちのような小さな教室に買い手がつくのか」という心配に対しては、まず買い手候補の登録数が参考になります。習い事・スクール関連ではおよそ37社の買い手候補が登録され、その約6割にM&Aの経験があります。
M&Aサクシードの習い事・スクール関連の案件に届いたオファーは、1案件あたり中央値1社・最大2社と件数が限られます(対象案件が少ないため参考値)。一方で、関心を持ちうる買い手候補は約37社が登録されており、教室の内容と条件が合えば複数の買い手に届く素地があります。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 1社 |
平均 | 約1.5社 |
最も多かった案件 | 2社 |
オファーの件数そのものより、「自社の教室にどんな買い手が関心を持つか」を知ることに意味があります。まずは相場と買い手の顔ぶれを見るところからで十分です。
次に、売り手側の供給を見てみましょう。習い事教室(音楽教室・ダンススクール・カルチャースクール)関連の売り案件は市場にほとんど出回っておらず、公開されること自体が珍しい業種です。
一方、買い手側の関心は前述のとおり確かに存在します。売り案件が滅多に出てこない業種では、希少性そのものが交渉力になります。「出てくるのを待っていた」という買い手に出会えれば、競合案件と比較されることなく、じっくり条件を詰められる可能性があります。
交渉の進め方という点でも、押さえておきたいことがあります。M&Aサクシードのようなプラットフォームでは複数の買い手が同時に案件を検討するため、関心を持つ買い手が重なれば、オファーを同じ期間に並べて見比べることができます。1社ずつ順番に打診して回るのではなく、複数のオファーを手元に並べて、価格や条件を見比べながら交渉相手を選べる状態をつくれます。複数のオファーが集まれば、交渉の主導権は売り手側に寄ります。価格に加えて、従業員の雇用継続や取引先との関係維持などの条件面でも、売り手側の意向を反映しやすくなります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像は具体的に見えてきます(件数が限られるため参考値)。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 10〜30億円規模が最多。50〜100億円規模の中堅も関心を寄せています |
M&A経験 | オファーを出した買い手6社のうち5社が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 非上場が中心。上場企業も含まれます |
エリア | 東京が中心。福岡など地方の買い手も |
業種 | 教育・スクールの同業、スポーツ・カルチャー関連の事業会社、教育コンテンツを求める異業種など |
結論:習い事教室の買い手で最も動きやすいのは「教室・スクールを複数展開する教育・スポーツ系の同業」です。生徒・講師・教室をまとめて引き継ぎ、地域やジャンルを広げたい動機が強いからです。
買い手は複数タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
教室・スクール運営の同業(ロールアップ型) | ◎ 最多・最速 | ジェイエスエス(スイミングのワカヤマアスレティックスを取得) | 生徒・講師・教室をそのまま引き継ぎ、地域展開を広げられる |
教育・学習支援の事業会社 | ○ 価格が出やすい | 城南進学研究社(スイミングの久ヶ原スポーツクラブを取得) | 学習塾等の顧客基盤に習い事を加え、教育サービスを多角化 |
異業種の事業会社・グループ | ○ シナジー次第 | シーエスロジネット(音楽教室・楽器店のtwo-fiveを取得)/日本創発グループ(ダンススクール運営会社を取得) | コンテンツ・会員基盤と本業の掛け合わせ |
投資ファンド | △ 条件次第 | — | 複数教室の統合・成長投資の起点 |
つまり「小さな教室に関心は集まらないのでは」という心配は実態と逆です。生徒と講師の基盤そのものが価値なので、教室ごと引き継ぎたい同業・教育事業者が手を挙げます。
買い手・売り手ともに公表されている、習い事教室・スクール関連の成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
音楽教室・練習スタジオ併設型の楽器店運営(two-five) | 約19.6億円 | シーエスロジネット(約107.9億円) | 約1.2億円 | 音楽教室の生徒基盤と楽器販売・音楽教育コンテンツの取り込み |
スイミングクラブ・スポーツクラブの運営(久ヶ原スポーツクラブ) | 約2.9億円 | 城南進学研究社(約56.2億円) | 約7.4億円 | 教育サービスの多角化と、地域に根づいた会員基盤の獲得 |
スイミングスクール・フィットネスクラブの運営(ワカヤマアスレティックス) | 約8.3億円 | ジェイエスエス(約83.8億円) | 約5.5億円 | スイミングスクール同業による地域展開の拡大 |
ダンススクール運営・キャラクターイベント企画(ゴーゴープロダクション) | 約1.8億円 | 日本創発グループ(約801億円) | 約1.1億円 | ダンススクールとイベント・制作事業の相乗効果 |
結論:高く評価される教室と、伸びない教室を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなた(や看板の先生)が抜けても、生徒と月謝収入は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ年商でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 生徒が「教室」につき、担当が替わっても続く仕組みがある | ◎ 生徒が代表・特定講師の個人人気についている |
◎ 月謝制で継続率が高く、収入が読める | ◎ 単発レッスンやイベント頼みで収入が変動しやすい |
○ 講師が定着し、採用・育成の型がある | ○ 講師の入れ替わりが激しく、退会につながっている |
○ 立地・賃借条件がよく、稼働率が高い | △ 賃借契約や生徒数の記録が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「生徒が教室につくか」「月謝が続くか」この2つを整えるだけで、同じ規模でも評価は変わってきます。
※ 公開事例の取得理由と当社プラットフォームのデータから見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。習い事教室が含まれる「その他の教育、学習支援業」は、EV/EBITDA・PERの公表が限られるため、PBR(純資産倍率)を示します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
その他の教育、学習支援業(20件) | PBR | 0.9倍 | 1.4倍 | 5.2倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、習い事教室(音楽教室・ダンススクール・カルチャースクール)との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA(利益)の3〜5倍。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い習い事教室(音楽教室・ダンススクール・カルチャースクール)の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
習い事教室(音楽教室・ダンススクール・カルチャースクール)の価格を最も左右するのは、売上規模ではなく「生徒が月謝を払い続けてくれる基盤」と「講師・運営が特定個人に頼らず回る仕組み」です。買い手のオファーはEBITDA(利益)の3〜5倍を軸にした方法が中心で、公開事例では教室・会員基盤の中身によって年商の0.1倍未満から2倍超まで評価に差が出ています。買い手の主役は、生徒・講師ごと引き継いで展開を広げたい教育・スクールの同業です。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
• かいしゃ価値トレンドの解説:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/kaisha-kachi-trend
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