





「同業の生コン製造・コンクリート二次製品メーカーが、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
生コン製造・コンクリート二次製品メーカーの評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
生コン製造・コンクリート二次製品メーカーの相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 公開事例にはグループ内の再編や名目的な価格の譲渡が多く含まれ、売上規模別の倍率表にはなじまない。相場観はEBITDA基準の値付けと、近い業種の公的統計に置くのが現実的 |
② 買い手の値付け方法 | 該当案件へのオファーが少数のため構成比は示さず、収益力(EBITDA)とプラント・設備などの資産、買い手とのシナジーをあわせて見る考え方を目安に置く |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | 該当案件が少数のため統計値は示せないものの、複数の買い手がオファーを寄せている。相性がよさそうな買い手候補は約96社が登録 |
まず、上場企業による買収のうち公開されている生コン製造・コンクリート二次製品関連の成約事例を、売り手の年商規模別に整理しようとしました。ただし、この業界の公開事例にはグループ内の再編や、譲渡額が名目的な水準(100万円〜5,000万円程度)にとどまる取引が多く含まれ、年商規模別の倍率表としてお示しするには適しません。ここでは倍率表は載せず、買い手が実際に使う値付け(EBITDA基準)と、近い業種の公的統計を相場観の軸に置きます。
結論:生コン製造・コンクリート二次製品メーカーの価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「プラント・設備の状態と、供給エリアの建設需要・出荷先との契約の継続性」です。生コンは練り混ぜから打ち込みまでの時間制約で供給エリアが地理的に決まるため、買い手が気にするのは、買収後もそのエリアで出荷と収益が続くかだからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | プラント・設備の状態と供給エリアの建設需要(人口動態・運搬距離の制約を踏まえた立地) | ◎ 最重要 | 生コンは運搬時間の制約で商圏が地理的に決まる。プラントの更新状態と供給エリアの需要が事業の土台で、買い手が気にするのは買収後も出荷が続くか。ここが価格の土台 |
2 | 営業利益(EBITDA) | ◎ 重要 | 買い手は利益を基準に値付けしやすい。利益が出ているほど素直に価格が上がる |
3 | 出荷先・契約の継続性(官公需への依存度と民間需要のバランス) | ○ | 公共工事に依存した売上は予算次第で振れる。官民の出荷先が分散しているほど、買収後の売上継続リスクが下がる |
4 | 代表非依存・後継体制(製造・品質管理・営業が回るか) | ○ | 後継者難が課題になりやすい業界だからこそ、代表が抜けても工場と営業が回る体制は評価されやすい |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、設備の老朽化が進み、利益が薄く、需要が縮む商圏では評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「プラント・設備と出荷先を引き継げる状態」を作り、次に「利益を残す」。売上を追うのはその後です。
結論:生コン製造・コンクリート二次製品メーカーの案件は当社プラットフォームでの該当が少数のため、オファーの算定方法を構成比として示すことは控えます。一般に買い手は、収益力(EBITDA)とプラント・設備などの資産、買い手とのシナジーをあわせて見ています。
M&Aサクシードの生コン製造・コンクリート二次製品関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を確認しました。ただし該当する提示が少数のため、構成比としてではなく提示の傾向として整理します。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
算定方法の構成比 | 該当案件へのオファーが少数のため、掲載を控えます |
確認できる提示 | 定型の算定式ではなく、事業内容や資産に応じた個別の提示 |
具体的にイメージすると
EBITDAが5,000万円なら、倍率評価ではその数倍が初期レンジの土台になります。ここに手元現金や純資産、買い手とのシナジーが加味されます。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は、利益を厚くし、プラント・設備や出荷先といった「買い手が安心して引き継げる資産」を示せる状態を作ることです。
結論:生コン製造・コンクリート二次製品関連の案件は当社プラットフォームでの該当が少数のため、1案件あたりのオファー社数(中央値・平均・最大)を統計として示すことは控えます。それでも該当案件には複数の買い手がオファーを寄せており、関心を持ちうる買い手候補は約96社が登録しています。
M&Aサクシードの生コン製造・コンクリート二次製品関連案件では、複数の買い手がオファーを寄せた実績があります。ただし該当する案件が少数のため、1案件あたりのオファー社数の中央値・平均・最大といった統計値の掲載は控え、傾向の参考にとどめます。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
統計値(中央値・平均・最大) | 該当案件が少数のため記載を控えます |
確認できる傾向 | 該当する案件に複数の買い手がオファーを提示 |
複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
次に、売り手側の供給を見てみましょう。生コン製造・コンクリート二次製品メーカー関連の売り案件は市場に約18件しかなく、流通量は限られています。
買い手側の需要は統計値では語れないものの、前述のとおり関心を示す買い手は存在します。売り案件・買い手とも数が限られる市場だからこそ、広い母集団の中から相性の良い一社を見つけられるかがすべてです。
そのうえで大事になるのが、オファーの集め方です。プラットフォーム型のM&Aでは、複数の買い手が同じタイミングで案件に目を通すため、関心が重なれば、比較検討できるオファーを同じ期間に集められます。1社ずつ順番に打診して回るのではなく、複数のオファーを手元に並べて、価格や条件を見比べながら交渉相手を選べる状態をつくれます。比較されている前提で買い手が条件を出す状況では、価格はもちろん、社名・屋号の存続や従業員の雇用継続についても、売り手の希望条件を軸に交渉を進めやすくなります。
なお、売りに出ている案件の譲渡理由としては「後継者不在」が最も多くなっています。同じ悩みを抱えるオーナーが売却という選択肢を現実に選んでいる、ということでもあります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを見ると、買い手像の輪郭が見えてきます。該当するオファーが少数のため、構成比ではなく傾向の参考としてご覧ください。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 売上高100億円以上の大手が中心。10〜30億円規模の会社も |
M&A経験 | M&A経験のある買い手が中心。買い慣れた買い手が手を挙げやすい |
上場/非上場 | いずれも非上場の事業会社 |
エリア | 神奈川・東京など首都圏のほか、岐阜など |
業種 | 生コン・コンクリート二次製品と近い建設資材・建材のほか、資材の内製化・調達の安定化を狙う建設・土木関連の事業会社など |
結論:生コン製造・コンクリート二次製品メーカーの買い手で最も存在感があるのは、「製品群と供給エリアを補完し、業界再編の担い手になろうとする同業・隣接のコンクリート製品メーカー」です。運搬距離の制約があるこの業界では、拠点と設備をまとめて引き継ぐことがエリア拡大の近道だからです。
買い手は4タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業・隣接のコンクリート製品メーカー | ◎ 主役候補 | ベルテクスコーポレーション(約389.2億、IHI建材工業を取得)/ヤマックス(約234.7億、東北の同業を取得) | 工場・出荷先・人材を引き継ぎやすい。製品群と供給エリアの補完を高く評価 |
上場企業・大手メーカー(素材・金属加工など隣接分野) | ○ 価格が出やすい | 高周波熱錬(ネツレン)(約575.6億、ドーケンを取得) | 中期経営計画に沿った事業領域の拡張。グループ会社化して新たな柱に育成 |
異業種・事業会社(建設・建材・土木関連) | ○ シナジー次第 | 買い手候補に一定数 | 資材の内製化・調達の安定化、顧客基盤の取得 |
投資ファンド | △ 条件次第 | — | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり、買い手像を一つに決めつけないことが大切です。プラント・設備と供給エリアをどの買い手が最も評価するかで、条件は変わってきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。なお、この業界の公開事例にはグループ内の再編にあたる取引も含まれ、その場合の譲渡額は名目的な水準にとどまります。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
建築・土木用プレキャスト・コンクリート部材の製作施工、生コンクリートの製造販売など | 約31.5億円 | 高周波熱錬(ネツレン)(約575.6億円) | 約17.8億円 | 長期経営ビジョンと中期経営計画に沿って、コンクリート部材事業を取り込み、事業領域を広げる狙い |
トンネル・橋梁・プラント等向けコンクリート製品を中心とする土木・建築資材の設計・開発・製造販売 | 約126.1億円 | ベルテクスコーポレーション(約389.2億円) | 約12.6億円 | 長期ビジョンにもとづく中期経営計画の一環として、コンクリート二次製品の製品群と供給体制を強化 |
ヒューム管・コンクリートパイルの製造販売(東北エリアに製造工場と営業拠点を展開) | 約13.7億円 | ヤマックス(約234.7億円) | 約0.5億円 | 東北の製造・営業拠点を取り込み、供給網を広げる狙い。グループ内再編の性格を含む取引で、譲渡額は名目的な水準 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが手を離しても、工場と出荷先は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後もプラントが安定して稼働するか」「主要な出荷先が離れないか」「設備の更新投資がどれだけ必要か」「代表がいなくなって工場と営業が回らなくならないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ売上規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ プラント・設備の状態がよく、買収後も出荷・供給をそのまま引き継げる | ◎ 設備の老朽化が進み、更新投資の負担が読めない |
◎ 代表が抜けても製造・品質管理・営業が回る | ◎ 代表個人に営業・受注・管理が集中している |
○ 官公需・民間の出荷先が分散し、契約が継続している | ○ 特定の出荷先や公共工事に売上が偏っている |
○ 供給エリアの建設需要が見込め、利益が継続的に出ている | ○ 供給エリアの需要縮小で売上・利益が細っている |
○ 品質記録・契約書・財務情報が整理されている | △ 必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が大切です。「工場と出荷先を引き継げるか」「代表に依存していないか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。中小企業庁の統計には、生コン・コンクリート製品が属する窯業・土石製品の中分類がないため、「その他の製造業」を代替のベンチマークとして参照します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
その他の製造業(26件) | EV/EBITDA | 4.7倍 | 5.9倍 | 14.1倍 |
その他の製造業(26件) | PER | 9.4倍 | 12.9倍 | 23.8倍 |
その他の製造業(37件) | PBR | 0.7倍 | 1.1倍 | 1.9倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、生コン製造・コンクリート二次製品メーカーとの連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA基準など、収益力とプラント・設備などの資産をあわせて見る個別の算定。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
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相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
生コン製造・コンクリート二次製品メーカーの価格を最も左右するのは「プラント・設備の状態と、供給エリアの建設需要・出荷先との契約の継続性」、次に「利益(EBITDA)」です。公開の成約事例にはグループ内再編や名目的な価格の譲渡が多く含まれるため、売上規模別の倍率表ではなく、EBITDA基準の値付けの考え方と公的統計(その他の製造業)を相場観の軸に置きました。買い手の主役は、製品群と供給エリアを補完したい同業・隣接のコンクリート製品メーカーや、事業領域を広げたい上場メーカーで、相性がよさそうな買い手候補はおよそ96社が登録しています。
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