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「同業のゲーム開発会社が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
ゲーム開発会社の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
ゲーム開発会社の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 上場企業による買収の公開事例では年商の1倍未満に収まる例もあり、該当する公開事例が少なく、実際は保有IP・運営タイトルの収益性で大きく差が出る |
② 買い手の値付け方法 | オファーで最も多いのは「EBITDA3〜5倍+手元現金」 |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | M&Aサクシードのデータでは、1案件に中央値5社の買い手がオファー(該当案件は限られる) |
まず、上場企業による買収のうち公開されているゲーム開発関連の成約事例を、売り手の年商規模別に整理しました。譲渡額そのものよりも、「年商の何倍で成約しているか」の傾向に注目してください。ただし該当する公開事例は少なく、あくまで目安です。
売り手の年商 | 年商に対する譲渡額の倍率(中央) | 譲渡額の目安レンジ |
1〜3億円 | 約0.65倍 | ごく小さい額〜約2.55億円 |
結論:ゲーム開発会社の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「開発・運用チームの再現性と、保有IP・タイトルの資産性」です。ゲーム開発会社の価値は、良いものを継続して作り・運営できる体制と、収益を生み続ける知的財産そのものにあり、買い手が気にするのは買収後も同じ品質でヒットや運営を再現できるかだからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 開発・運用チームの再現性と、保有IP・タイトルの資産性 | ◎ 最重要 | 良いものを作り・運営し続けられるチームと、収益を生む知的財産が価値の源泉。買い手が気にするのは、買収後も同じ品質を再現できるか。ここが価格の土台 |
2 | 営業利益(EBITDA) | ◎ 重要 | 買い手はEBITDA基準で値付けする。利益が出ているほど素直に価格が上がる |
3 | 収益源の分散(特定プラットフォーム・特定受託先への依存度) | ○ | 収益が単一プラットフォームや特定の受託先に偏っていると、規約変更や取引終了の影響が大きく、評価を抑える |
4 | 運営体制の属人性(特定クリエイター・キーマンに依存しない開発・運営) | ○ | 看板クリエイターやキーマン個人に開発・運営が集中していると、引き継ぎリスクとして減点される |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、受託中心で利益が薄い・IPが積み上がっていないと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「特定の人・特定の相手に頼らずに作り・運営し続けられる状態」を作り、次に「利益を残す」。売上を追うのはその後です。
結論:買い手のオファーは「EBITDA × 3〜5倍 + 手元現金」に集約されます。算定方法に大きなばらつきはなく、買い手の多くが共通して利益を見ています。
M&Aサクシードのゲーム開発関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を集計すると、最頻はEBITDA倍率+手元現金。残りの方法も、EBITDAか純資産を軸にした変種にすぎません。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA × 3〜5倍 + 手元現金(ネットキャッシュ) | 標準形。これが基準と考えてよい |
純資産 + 営業利益の数年分 | 資産価値に、のれん(営業利益の数年分)を加える方法 |
時価純資産 + EBITDA × 3〜5倍 | 上記の変種。資産の時価に収益力を加算 |
EBITDA × 3〜5倍 | 手元現金を分けずに収益力で評価する簡便形 |
具体的にイメージすると
EBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円。これに手元現金を上乗せした金額が、オファーの初期レンジになります。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は「利益(EBITDA)を厚くし、手元現金を残しておくこと」。逆に、節税のために利益を圧縮していると、その分だけ評価も下がります。
結論:「うちのようなゲーム開発会社に買い手なんてつくのか」という心配は、データを見ると小さいといえます。該当する案件は限られますが、ゲーム開発関連の案件には1社あたり中央値5社の買い手がオファーを寄せています。
M&Aサクシードのゲーム開発関連案件のデータでは、1社あたり中央値で5社、多いケースでは17社の買い手がオファーを寄せています。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 5社 |
平均 | 約6.7社 |
最も多かった案件 | 17社 |
複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
次に、売り手側の供給を見てみましょう。ゲーム開発会社関連の売り案件は市場に約10件しかなく、流通量は限られています。
一方の買い手側は、前述のとおり中央値5社がオファーを出しています。流通量・オファー数とも派手な数字ではありませんが、裏を返せば競合する売り案件も少なく、一件一件が丁寧に検討される市場です。買い手の網を広く張れるかどうかが結果を分けます。
この需要の厚さを踏まえると、オファーの集め方が交渉条件を左右します。プラットフォームを使えば、複数の買い手が同じ期間に案件を検討するため、条件を見比べられるオファーがまとまって集まりやすくなります。相対で1社と向き合うのではなく、複数のオファーを並べて比較しながら進められる状態です。比較されている前提で買い手が条件を出す状況では、価格はもちろん、従業員の雇用継続や取引先との関係維持についても、売り手の希望条件を軸に交渉を進めやすくなります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像はかなり具体的に見えてきます。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 10〜30億円が最多(約3割)。100億円超の大手も一定数 |
M&A経験 | 約6割が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 多くが非上場。東証グロース・プライム等の上場企業も |
エリア | 約8割が東京。大阪・福岡など都市圏が続く |
業種 | ゲーム・アプリ開発の同業のほか、IT・コンテンツ、エンタメ領域の事業会社が中心 |
結論:ゲーム開発会社の買い手で最も存在感があるのは、「保有IPや開発・運用体制をまとめて取り込みたい同業・上場大手」です。自社の販売網や運営基盤に載せれば、引き継いだIPやタイトルの収益をさらに伸ばせると考えているからです。
買い手は4タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業ゲーム大手のロールアップ型 | ◎ 主役・最速 | マーベラス(約279.6億、ゲーム開発会社を複数取得) | IPと開発・運用体制を高く評価。自社の販売・運営基盤に載せて収益を伸ばしやすい |
上場IT・開発大手 | ○ 価格が出やすい | Sun Asterisk(約135.7億)/SHIFT(約1,298.2億) | 開発・クリエイティブ人材やエンタメ領域を新たな収益の柱として育成。グループ会社化 |
異業種・事業会社 | ○ シナジー次第で高値 | テクノロジーズ(約139.0億、映像・SaaS等を展開) | 自社の技術・事業領域とゲーム・メタバース開発を組み合わせる |
投資ファンド | △ 限定的だが存在 | (ゲーム関連の買い手候補にも一定数) | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり「同業に安く買われるのでは」という心配は実態と逆です。同業・上場大手は、IPと開発・運用体制をまとめて引き継ぎたいからこそ、運営の継続を前提に、競って手を挙げてきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
オンラインゲームの企画・開発・運営(ジー・モード) | 約28億 | マーベラス(約279.6億) | 約24.98億 | ネイティブアプリ向けの開発基盤への投資と、着実なアプリ開発体制の構築 |
スマートフォン向けゲームアプリの企画・開発・運営(グローバルギア) | 約4.9億 | Sun Asterisk(約135.7億) | 約11億 | 多国籍のエンジニア・クリエイターを擁するデジタル・クリエイティブスタジオ体制の取り込み |
3DCGアニメーション制作・ゲーム制作(モズー) | 約1.4億 | SHIFT(子会社DICOによる取得、約1,298.2億) | 約0.9億 | エンターテインメント領域における制作力の獲得と、品質保証サービスとの相乗効果 |
ゲーム・アプリ・メタバースの開発・運用(OGIX) | 約2.2億 | テクノロジーズ(約139.0億) | 非開示 | 映像・AI等の技術領域とゲーム・メタバース開発を組み合わせた事業拡大 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが手を離しても、同じ品質で作り・運営し続けられるか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後にヒットや運営の品質を再現できるか」「主要なプラットフォームや受託先が離れないか」「看板クリエイターがいなくなって開発が止まらないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ年商規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 開発・運用チームが再現性を持ち、キーマンが抜けても回る | ◎ 看板クリエイター・キーマン個人に開発・運営が集中している |
◎ 収益を生む自社IP・運営タイトルが積み上がっている | ◎ 受託中心でIPが積み上がらず、案件が切れると収益が細る |
○ 収益源が複数のプラットフォーム・取引先に分散している | ○ 特定プラットフォーム・特定受託先に収益が偏っている |
○ 営業利益が継続的に出ている | ○ 売上はあるが利益が薄い |
○ 開発資産・契約書・運営データが整理されている | △ 必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「チームで作り・運営し続けられるか」「資産になるIP・タイトルがあるか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 上場企業の取得理由や買い手の評価軸から見られる傾向の整理です。依存度などの具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。ゲーム開発に近い「情報サービス業」と、コンテンツ制作寄りの「映像・音声・文字情報制作業」を併記します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
情報サービス業(100件) | EV/EBITDA | 4.9倍 | 9.7倍 | 17.7倍 |
情報サービス業(106件) | PER | 6.7倍 | 13.5倍 | 27.7倍 |
映像・音声・文字情報制作業(20件) | PBR | 0.8倍 | 1.2倍 | 2倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、ゲーム開発会社との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDAの3〜5倍 + 手元現金(ネットキャッシュ)。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近いゲーム開発会社の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
https://ma-succeed.jp/register/direct
相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
ゲーム開発会社の価格を最も左右するのは「開発・運用チームの再現性と、保有IP・タイトルの資産性」、次に「利益(EBITDA)」です。買い手の値付けはEBITDA3〜5倍+手元現金に集約され、該当案件は限られるものの、ゲーム開発関連の案件には1社あたり中央値5社の買い手がオファーを寄せています。買い手の主役は、IPと開発・運用体制の引き継ぎを前提に競って手を挙げる、同業ゲーム大手や上場IT・開発大手です。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
• かいしゃ価値トレンドの解説:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/kaisha-kachi-trend
• かいしゃ価値トレンドで相場を見る:https://ma-succeed.jp/register/direct
そんなときに、まず使えるのが「かいしゃ価値トレンド」。会社名を出さず・約30秒・無料で、同業の成約相場と買い手の傾向を確認できます。
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