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「同業の福祉用具メーカー・介護用品メーカーが、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
福祉用具メーカー・介護用品メーカーの評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
福祉用具メーカー・介護用品メーカーの相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 公開事例は福祉用具のレンタル・販売系が中心で、譲渡額は事業類型や利益で幅がある(同規模帯の公開事例は限られるため、相場観はオファーと公的統計を主軸に) |
② 買い手の値付け方法 | オファーで多いのは「EBITDA(利益)の3〜5倍」に手元現金を加える方法 |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | M&Aサクシードのデータでは、1案件あたりのオファー社数は中央値6社(多いケースでは60社超) |
まず、上場企業による買収のうち公開されている福祉用具メーカー・介護用品メーカー関連の成約事例を見ます。公開事例は福祉用具のレンタル・販売会社が買われる形が中心で、メーカー単体の同規模帯の公開事例は限られます。そのため相場観は、M&Aサクシードのオファー(収益力ベース)と公的統計を軸に見ていきます。
• 公開事例では、福祉用具のレンタル・販売会社が同業メーカーや介護・医療機器の事業会社に引き継がれる形が目立つ傾向
• 譲渡理由は「大手グループの規模・エリア拡大」と「福祉領域への事業拡張」が見られる傾向
• 利益が薄くても、製品・特許・販売網や介護事業者との取引基盤によって買い手がつくことがある
結論:福祉用具メーカー・介護用品メーカーの価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「製品や機構の独自性・特許」と「介護保険(貸与種目・特定福祉用具販売)への対応と品目登録」です。他社が容易にまねできない製品と、介護保険制度に乗せられる品目登録が、継続的な収益の源泉だからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 製品・機構の独自性と特許・知的財産 | ◎ 最重要 | 歩行車・車いす・入浴/排泄関連などで、他社がまねしにくい独自機構や特許を持つほど評価が上がる。買い手が最も欲しがるのは、買収後も続く製品の競争力 |
2 | 介護保険への対応(貸与種目・特定福祉用具販売)と品目登録 | ◎ 重要 | 介護保険の貸与・販売種目として品目登録されている製品は、需要が安定し収益が読みやすい。制度改定への対応力も見られる |
3 | 利益(EBITDA)の厚み | ○ | 買い手は利益を基準に値付けしやすい。利益が継続的に出ているほど素直に価格が上がる |
4 | 介護事業者・代理店との取引網と販路 | ○ | 介護事業者・レンタル卸・代理店との取引網や販路は、買収後の売上継続を支える。特定顧客への偏りが小さいほど安心されやすい |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、製品の独自性が乏しく利益が薄いと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず製品・機構の独自性を守り、介護保険の品目登録を活かして需要を安定させ、次に利益を残す。売上規模を追うのはその後です。
結論:福祉用具メーカー・介護用品メーカーへのオファーは「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸に、手元現金や純資産を加える形が中心です。買い手の多くが共通して利益と引き継げる製品・販路を見ています。
M&Aサクシードの福祉用具メーカー・介護用品メーカー関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を集計すると、EBITDA倍率を軸にした方法が中心です。残りの方法も、EBITDAか純資産を軸にした変種にあたります。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA × 3〜5倍 + 手元現金(ネットキャッシュ) | 最も多い形。利益(EBITDA)を基準に、手元資金を加える方法 |
時価純資産 + EBITDA × 3〜5倍 | 資産価値に、利益(EBITDA)の数倍を加える方法 |
時価純資産 + 営業利益の3〜5年分(のれん) | 資産価値に、のれん(営業利益の数年分)を加える方法 |
純資産 + 営業利益の数年分 | 純資産を基準に、営業利益の数年分を加える方法 |
具体的にイメージすると
EBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円。これに手元現金や純資産、買い手とのシナジーを加味した金額が、オファーの初期レンジになります。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は「独自製品で利益(EBITDA)を厚くし、手元現金を残しておくこと」。逆に、節税のために利益を圧縮していると、その分だけ評価も下がります。
結論:「うちのような規模に買い手がつくのか」という心配は、データを見ると小さいといえます。福祉用具メーカー・介護用品メーカー関連の案件には1社あたり中央値6社、多いケースでは60社を超える買い手がオファーを寄せています。
M&Aサクシードの福祉用具メーカー・介護用品メーカー関連案件のデータでは、1社あたり中央値で6社、多いケースでは64社の買い手がオファーを寄せています。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 6社 |
平均 | 約13.6社 |
最も多かった案件 | 64社 |
複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
では、売り手側の供給はどうでしょうか。現在、M&A市場に売りに出ている福祉用具メーカー・介護用品メーカー関連の案件は約8件と、決して多くありません。
これに対して買い手側は、前述のとおり1案件あたり中央値6社がオファーを出しています。売り案件の少なさに対して買い手の需要が上回る、売り手優位の需給バランスです。数少ない案件に買い手が集中するため、複数の候補を比べながら条件交渉を進めやすい環境にあります。
この需要の厚さを踏まえると、オファーの集め方が交渉条件を左右します。プラットフォーム型のM&Aでは、複数の買い手が同じタイミングで案件を検討するため、比較検討できるオファーを同じ期間にまとめて集めやすくなります。相対で1社と向き合うのではなく、複数のオファーを並べて比較しながら進められる状態です。比較されている前提で買い手が条件を出す状況では、価格はもちろん、従業員の処遇や引き継ぎ期間についても、売り手の希望条件を軸に交渉を進めやすくなります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像はかなり具体的に見えてきます。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 10〜30億円が最多。100億円超の大手も約4社に1社と一定数 |
M&A経験 | 約9割が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 約9割が非上場。東証プライム・スタンダードなどの上場企業も |
エリア | 東京が最多(約4割)。大阪・兵庫など都市圏が続く |
業種 | 福祉用具・介護用品の同業メーカー、介護・医療機器の事業会社、レンタル卸などが中心 |
結論:福祉用具メーカー・介護用品メーカーの買い手で最も動きが目立つのは「同業メーカーによるロールアップ型」です。歩行車・車いす・入浴/排泄関連などの製品ラインや販路を面でそろえ、介護保険への品目対応をまとめて広げたいという動機が強いからです。
買い手は複数タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業(福祉用具・介護用品メーカー)ロールアップ型 | ◎ 最多・最速 | 幸和製作所(パムック・パーソンケアを取得) | 製品ライン・販路・介護保険品目を面で引き継ぎ、総合メーカー化を進めやすい |
介護・医療機器の事業会社 | ○ 価格が出やすい | インターネットインフィニティー(フルケアを取得)/ワキタ(ケアレックスを取得) | 既存の介護・医療サービスや福祉用具レンタル卸との相乗効果・エリア拡大 |
異業種・事業会社 | ○ シナジー次第 | — | 内製化・新規事業・福祉/ヘルスケア分野への多角化 |
投資ファンド | △ 条件次第 | — | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり「同業に安く買い叩かれるのでは」という心配は実態と逆です。同業メーカーは、製品・特許・販路・介護保険品目をまとめて引き継ぎ総合メーカー化したいからこそ、競って手を挙げてきます。実際、歩行車・杖などの福祉用具メーカーが複数の会社を続けて取得している例もあります。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
車いすや介護用ベッド等の福祉用具レンタル卸事業(ケアレックス) | 約59億円 | ワキタ(約923.2億円) | 約52億円 | 福祉用具レンタル卸事業のさらなる規模拡大とエリア拡充 |
福祉用具・医療機器のレンタル・販売、住宅改修などを手がける事業(フルケア) | 約5.8億円 | インターネットインフィニティー(約51.6億円) | 約3.3億円 | リハビリ型デイサービスや介護専門サービスとの相乗効果で超高齢社会の課題解決を強化 |
車いすのオーダーメイドや福祉用具レンタルを手がける事業(パムック) | 約6.3億円 | 幸和製作所(約63.7億円) | 約0.6億円 | 介護用品・福祉用具の総合メーカーとして製品・販路を拡充 |
福祉用具のレンタル・販売事業(パーソンケア) | 約1.9億円 | 幸和製作所(約63.7億円) | 約0.2億円 | 介護用品・福祉用具の総合メーカーとして販路・取引網を拡充 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが抜けても、製品の競争力(独自性・特許・介護保険品目)と販路は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後も製品が売れ続けるか」「介護保険の品目登録や販路が維持できるか」「代表がいなくなって開発・営業が回らなくならないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ年商5億円でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 独自機構・特許を持ち、買収後も製品の競争力が続く | ◎ 製品が汎用的で、価格競争に巻き込まれやすい |
◎ 介護保険の貸与・販売種目に品目登録され、需要が安定 | ◎ 制度対応や品目登録が弱く、需要が読みにくい |
○ 介護事業者・代理店との取引網が広く、顧客が分散している | ○ 特定の取引先に売上が偏っている |
○ 代表が抜けても開発・営業・生産が回る | ○ 代表個人に開発・営業が集中している |
○ 契約・労務・財務・知財の資料が整理されている | △ 必要書類・特許管理が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「製品の競争力が続くか」「介護保険品目で需要が安定しているか」この2つを整えるだけで、同じ売上規模でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。福祉用具メーカー・介護用品メーカーに近い「その他の製造業」と「機械器具卸売業」を併記します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
その他の製造業(26件) | EV/EBITDA | 4.7倍 | 5.9倍 | 14.1倍 |
その他の製造業(26件) | PER | 9.4倍 | 12.9倍 | 23.8倍 |
機械器具卸売業(38件) | EV/EBITDA | 3.7倍 | 6.8倍 | 14.1倍 |
機械器具卸売業(39件) | PER | 7.2倍 | 10.3倍 | 19.9倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、福祉用具メーカー・介護用品メーカーとの連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA(利益)の3〜5倍 + 手元現金。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い福祉用具メーカー・介護用品メーカーの相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
https://ma-succeed.jp/register/direct
相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
福祉用具メーカー・介護用品メーカーの価格を最も左右するのは、売上規模ではなく「製品や機構の独自性・特許」と「介護保険(貸与種目・特定福祉用具販売)への対応と品目登録」です。加えて、利益(EBITDA)の厚みと、介護事業者・代理店との取引網も評価に影響します。買い手のオファーはEBITDA(利益)の3〜5倍を軸に手元現金や純資産を加える形が中心で、関連案件には1社あたり中央値6社(多いケースでは60社超)の買い手がオファーを寄せています。買い手の主役は、製品・販路・介護保険品目をまとめて引き継ぎ総合メーカー化を進める同業メーカーによるロールアップ型です。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
• かいしゃ価値トレンドの解説:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/kaisha-kachi-trend
• かいしゃ価値トレンドで相場を見る:https://ma-succeed.jp/register/direct
そんなときに、まず使えるのが「かいしゃ価値トレンド」。会社名を出さず・約30秒・無料で、同業の成約相場と買い手の傾向を確認できます。
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