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「同業の動物病院・獣医師が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
動物病院・獣医師の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
動物病院・獣医師の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 上場企業による買収の公開事例では、年商1〜3億円規模で譲渡額が年商のおよそ2倍前後(件数が少なく、あくまで目安) |
② 買い手の値付け方法 | オファーで見られるのは「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸にした方法 |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | M&Aサクシードのデータでは、1案件あたり中央値4社の買い手がオファー(対象案件数が少なく参考値) |
まず、上場企業による買収のうち公開されている動物病院・獣医師関連の成約事例を、売り手の年商規模別に整理しました。譲渡額そのものよりも、「年商の何倍で成約しているか」の傾向に注目してください。公開事例は小型(年商1〜3億円)に集中し件数も限られるため、相場観はオファー(収益力ベース)と公的統計もあわせて見るのが安全です。
売り手の年商 | 年商に対する譲渡額の倍率(中央) | 譲渡額の目安レンジ |
1〜3億円 | 約2.1倍 | 約3.4億円〜約5.5億円 |
• 後継者不在を背景とした譲渡が中心。院長(獣医師)の引退・世代交代が引き金になりやすい
• 小型(年商1〜3億円)の地域密着型が公開事例の中心。診療圏の患者基盤が引き継げるかが評価の起点になる
• 自由診療中心で単価が高く、利益が安定していれば規模が小さくても買い手がつきやすい
事業の特徴 | 年商規模 | 成約額の目安 |
動物病院 | 1,000万〜5,000万円 | 約1,300万円 |
結論:動物病院・獣医師の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「診療の中心である獣医師(院長)が買収後も残るか」と「診療圏の患者基盤が安定しているか」です。動物病院は院長個人の技量と信頼に患者が集まり、自由診療中心で単価が高いため、この2つが崩れると売上が続かないからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 院長(獣医師)の残留と勤務獣医師の確保・定着 | ◎ 最重要 | 診療の質と患者の信頼が院長に紐づく。買い手が最も気にするのは、買収後に院長・獣医師が辞めて患者が離れないか |
2 | 診療圏の患者基盤とリピート・自由診療の単価 | ◎ 重要 | 自由診療中心で単価が高く、通院リピートが収益の源泉。安定した患者基盤と高い稼働は素直に価格を押し上げる |
3 | 二次診療・夜間救急など専門性の有無 | ○ | 高度医療設備・専門診療(二次診療/夜間救急)は差別化になり、他院からの紹介や広域集患につながる |
4 | 立地・複数院展開と代表非依存の運営体制 | ○ | 通院しやすい立地、複数院、事務・受付・看護体制が整い院長個人に依存しない運営は評価されやすい |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、院長依存が強い・利益が薄いと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず院長・獣医師が引き継げる体制と安定した患者基盤を整え、次に利益を残す。売上規模を追うのはその後です。
結論:動物病院・獣医師へのオファーは「EBITDA(利益)の3〜5倍」を軸に評価する形が見られます。買い手は共通して利益と患者基盤の安定を見ています。
M&Aサクシードの動物病院・獣医師関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を集計しました。件数は限られますが、軸になるのは利益(EBITDA)倍率です。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA(利益)の3〜5倍 | 利益(EBITDA)を基準に評価する、最も分かりやすい方法 |
具体的にイメージすると
EBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円。これに手元現金や純資産、買い手とのシナジーを加味した金額が、オファーの初期レンジになります。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は、患者基盤を保って利益(EBITDA)を厚くし、院長・獣医師が安心して引き継げる状態を作ることです。
結論:「うちのような動物病院に買い手がつくのか」という心配は、データを見るとやわらぎます。ただし動物病院・獣医師関連の対象案件は少数のため、以下の数値は参考値として見てください。
M&Aサクシードの動物病院・獣医師関連案件のデータでは、1案件あたり中央値で4社の買い手がオファーを寄せています。ただし対象案件数が4件と限られるため、あくまで参考値です。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
中央値 | 4社 |
平均 | 約5.5社 |
最も多かった案件 | 13社 |
件数は限られますが、複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
次に、売り手側の供給を見てみましょう。動物病院・獣医師関連の売り案件は市場に約13件しかなく、流通量は限られています。
一方の買い手側は、前述のとおり中央値4社がオファーを出しています。流通量・オファー数とも派手な数字ではありませんが、裏を返せば競合する売り案件も少なく、一件一件が丁寧に検討される市場です。買い手の網を広く張れるかどうかが結果を分けます。
交渉の進め方という点でも、押さえておきたいことがあります。プラットフォーム型のM&Aでは、複数の買い手が同じタイミングで案件を検討するため、比較検討できるオファーを同じ期間にまとめて集めやすくなります。相対で1社と向き合うのではなく、複数のオファーを並べて比較しながら進められる状態です。オファーが複数並ぶと、買い手も他社と比較されていることを前提に条件を出すため、価格だけでなく、従業員の雇用継続や取引先との関係維持といった条件面でも、売り手の希望をのんでもらいやすくなります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを集計すると、買い手像は具体的に見えてきます。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 10〜30億円と100億円超がそれぞれ最多。中小から大手まで幅広い |
M&A経験 | 約8割が「M&A経験あり」。買い慣れた買い手が中心 |
上場/非上場 | 約9割が非上場。東証プライム・地方証券取引所の上場企業も |
エリア | 東京が最多(約4割)。兵庫・千葉など都市圏が続く |
業種 | 動物病院グループなどの同業、獣医療・ペット関連の隣接領域、拡張を狙う事業会社が中心 |
結論:動物病院・獣医師の買い手で主役になるのは「同業(動物医療グループ)のロールアップ型」です。院長・獣医師と患者基盤を面で引き継ぎ、複数院を束ねて診療体制と経営基盤を強化したいという動機が強いからです。
買い手は複数タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業(動物医療グループ)ロールアップ型 | ◎ 主役・最速 | WOLVES HAND(194A、動物病院を連続取得) | 獣医師・患者基盤・院を継続しやすく、複数院で診療体制を強化できる |
上場企業・大手企業 | ○ 価格が出やすい | WOLVES HAND(194A、約54.6億円) | 既存の動物医療事業の強化・エリア拡大 |
異業種・事業会社 | ○ シナジー次第 | — | ペット関連・ヘルスケアなど周辺事業からの参入・多角化 |
投資ファンド | △ 条件次第 | — | 成長投資・ロールアップの起点 |
つまり「同業に安く買い叩かれるのでは」という心配は実態と逆です。同業ロールアップ型は、獣医師・患者・院をまとめて引き継ぎたいからこそ、雇用や診療の継続を前提に手を挙げてきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像としてご覧ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
動物病院運営(札幌市で地域密着の診療を提供、See) | 約2.4億円 | WOLVES HAND(194A)(約54.6億円) | 約5.5億円 | 地域に根ざした患者基盤と診療体制を取り込み、動物医療グループの拠点網を拡大 |
動物病院運営(守山市で地域密着の診療を提供、バハティー) | 約1.8億円 | WOLVES HAND(194A)(約54.6億円) | 約3.4億円 | 地域で確立した診療基盤を継承し、グループの診療網を面で強化 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなた(院長)が抜けても、獣医師と患者、そして診療体制は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後に獣医師が辞めないか」「患者が離れないか」「院長がいなくなって診療が回らなくならないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ年商規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 院長・勤務獣医師が定着し、買収後も診療体制を維持できる | ◎ 院長個人に診療が集中し、抜けると回らない |
◎ 診療圏の患者基盤が安定し、リピートが続いている | ◎ 患者が院長個人につき、離院リスクが高い |
○ 二次診療・夜間救急など専門性や設備で差別化できている | ○ 一般診療のみで近隣院との差別化が弱い |
○ 利益が継続的に出ている | ○ 売上はあるが利益が薄い |
○ 診療記録・労務・財務情報が整理されている | △ 必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が決定的です。「獣医師と患者が残るか」「院長に依存していないか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。動物病院・獣医師に近い「医療業」を参照します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
医療業(51件) | EV/EBITDA | 3.3倍 | 7.8倍 | 16.4倍 |
医療業(71件) | PER | 2.2倍 | 9.5倍 | 20倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、動物病院・獣医師との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA(利益)の3〜5倍。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い動物病院・獣医師の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
https://ma-succeed.jp/register/direct
相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
動物病院・獣医師の価格を最も左右するのは、売上規模ではなく「診療の中心である獣医師(院長)が買収後も残るか」と「診療圏の患者基盤が安定しているか」です。自由診療中心で単価が高く、二次診療・夜間救急などの専門性も差別化になります。買い手のオファーはEBITDA(利益)の3〜5倍を軸に見られ、動物病院・獣医師関連案件には1案件あたり中央値4社の買い手がオファーを寄せています(件数が限られるため参考値)。買い手の主役は、獣医師・患者・院の継続を前提に手を挙げる同業(動物医療グループ)ロールアップ型です。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
• かいしゃ価値トレンドの解説:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/kaisha-kachi-trend
• かいしゃ価値トレンドで相場を見る:https://ma-succeed.jp/register/direct
そんなときに、まず使えるのが「かいしゃ価値トレンド」。会社名を出さず・約30秒・無料で、同業の成約相場と買い手の傾向を確認できます。
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