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「同業の貿易商社・輸出入代行が、いくらでM&Aされたのか」気になったことはありませんか。
貿易商社・輸出入代行の評価は、売上高だけでは決まりません。利益、人材の定着、事業の独自性や強み、顧客との契約継続性、そして買い手とのシナジーで変わってきます。同じ売上規模でも、評価が数倍違うことは珍しくありません。
この記事は、売却をすすめるものではありません。会社を続ける・伸ばす・いつか譲る、どの選択肢を考えるにしても、まず「自社が市場でどう見られているか」を知っておくことには意味があります。公開されているM&A成約事例と、M&Aサクシードのプラットフォームに届いた実際のオファーデータをもとに、その見方を解説します。
貿易商社・輸出入代行の相場は、①公開されている成約事例での価格水準、②買い手が実際に使う値付け方法、③1社にどれだけの買い手が関心を示すかをあわせて見ると立体的に分かります。
見る視点 | わかること |
① 成約事例での価格水準 | 上場企業による買収の公開事例は限られますが、輸出入・通関を手がける会社が、海外サプライヤーや販路の取り込みを目的に取得されています |
② 買い手の値付け方法 | オファーではEBITDA(利益)を基準にした方法や、資産価値を軸にした方法が見られます |
③ 1社あたりの関心の集まり方 | 当社プラットフォームでの該当案件は限られるため統計値は示せませんが、複数の買い手が関心を寄せています。相性がよさそうな買い手候補は約54社が登録 |
まず、上場企業による買収のうち公開されている輸出入・通関・貿易関連の成約事例を整理しました。ただし、貿易商社・輸出入代行を手がける中小企業の公開成約事例は限られ、年商規模別の倍率テーブルとしてお示しできる件数がある帯は限定的です。ここでは掲載できる規模帯のみを載せ、譲渡額そのものよりも「どんな会社が、何を目的に取得されたか」に注目してください。
売り手の年商 | 年商に対する譲渡額の倍率(中央) | 譲渡額の目安レンジ |
10〜30億円 | 約1.9倍 | 約9.5億円〜約72億円 |
• 譲渡理由には「後継者不在」が見られる
• 取扱商材の独自性(他社が扱いにくい商材や、特定の海外サプライヤーとの関係)が評価につながっている
• 黒字で引き継がれる会社もあり、利益が出ていることは評価の後押しになる
事業の特徴 | 年商規模 | 成約額の目安 |
木材輸入 | 5億〜10億円 | 約2.8億円 |
通関業務 | ― | 約3,000万円 |
結論:貿易商社・輸出入代行の価格を決める最大の要素は、売上規模ではなく「取扱商材の専門性と、海外サプライヤー・販売先との関係を、買収後もそのまま引き継げるか」です。買い手が手に入れたいのは、他社が簡単には持てない仕入れ・販売のネットワークだからです。
評価要素には序列があります。同じ要素でも、価格への効き方は同じではありません。
順位 | 評価要素 | 影響度 | なぜそうなるか |
1 | 取扱商材の専門性と、海外サプライヤー・販売先との関係の継続性 | ◎ 最重要 | 他社が扱いにくい商材や、特定の海外サプライヤー・販路との関係が事業の土台。買い手が気にするのは、買収後もその仕入れ・販売が続くか。ここが価格の土台 |
2 | 営業利益(EBITDA) | ◎ 重要 | 買い手は利益を基準に値付けしやすい。利益が出ているほど素直に価格が上がる |
3 | 通関・物流の機能と、為替・在庫リスクの管理体制 | ○ | 通関の実務ノウハウや物流手配、為替ヘッジ・在庫回転の管理が整っていると、買収後の運営リスクが下がり評価されやすい |
4 | 特定の取引先・代表への依存度 | ○ | 仕入れや販売が特定の1社に偏る、あるいは海外との交渉が代表個人に集中していると、引き継ぎリスクとして減点される |
— | 売上の大きさ(単体) | △ 効きにくい | 売上が大きくても、薄利の転売中心・商材や取引先の入れ替わりが激しいと評価は伸びない |
つまり、価格を上げたいなら順番があります。まず「取扱商材と海外ネットワークが引き継げる状態」を作り、次に「利益を残す」。売上を追うのはその後です。
結論:貿易商社・輸出入代行へのオファーでは、EBITDA(利益)を基準にした方法や、資産価値を軸にした方法が見られます。買い手は共通して、収益力と引き継げる資産を見ています。
M&Aサクシードの貿易・輸出入関連案件に届いたオファーで、買い手が提示した算定方法を確認しました。該当する提示が限られるため、構成比としてではなく提示例として整理します。
買い手が提示する算定方法(多い順) | 位置づけ |
EBITDA × 3〜5倍 | 収益力(EBITDA)に一定の倍率を掛けて評価する方法。利益が厚いほど価格が伸びる |
その他(個別の提示) | 事業内容や取扱商材・買い手とのシナジーに応じた個別の提示。資産価値や在庫・純資産を加味する形も見られる |
具体的にイメージすると
EBITDAが5,000万円なら、3〜5倍で1.5億〜2.5億円。これに手元現金や在庫・純資産などの資産価値、買い手とのシナジーが加味された金額が、オファーの初期レンジになります。
ここからいえることはシンプルです。価格を上げるいちばん直接的な方法は、利益(EBITDA)を厚くし、取扱商材や海外ネットワークといった「買い手が安心して引き継げる資産」を示せる状態を作ることです。
結論:貿易・輸出入関連の案件は当社プラットフォームでの該当が限られるため、1案件あたりのオファー社数(中央値・平均・最大)を統計として示すことは控えます。それでも該当案件には買い手が関心を寄せており、相性がよさそうな買い手候補は約54社が登録しています。
M&Aサクシードの貿易・輸出入関連案件では、買い手がオファーを寄せた実績があります。ただし該当する案件が限られるため、1案件あたりのオファー社数の中央値・平均・最大といった統計値の掲載は控え、傾向の参考にとどめます。
1案件あたりのオファー買い手数 | 実績(M&Aサクシード) |
統計値(中央値・平均・最大) | 該当案件が限られるため記載を控えます |
確認できる傾向 | 該当案件に買い手がオファーを提示。相性がよさそうな買い手候補は約54社が登録 |
複数の買い手が同時に関心を示す状況は、条件交渉でも有利に働きます。まずは「自社にどんな買い手が、何社くらい関心を持つか」を知るところからで十分です。
次に、売り手側の供給を見てみましょう。貿易商社・輸出入代行関連の売り案件は市場に約18件しかなく、流通量は限られています。
買い手側の需要は統計値では語れないものの、前述のとおり関心を示す買い手は存在します。売り案件・買い手とも数が限られる市場だからこそ、広い母集団の中から相性の良い一社を見つけられるかがすべてです。
そのうえで大事になるのが、オファーの集め方です。M&Aサクシードのようなプラットフォームでは複数の買い手が同時に案件を検討するため、関心を持つ買い手が重なれば、オファーを同じ期間に並べて見比べることができます。1社ずつ順番に打診して回るのではなく、複数のオファーを手元に並べて、価格や条件を見比べながら交渉相手を選べる状態をつくれます。オファーが複数並ぶと、買い手も他社と比較されていることを前提に条件を出すため、価格だけでなく、社名・屋号の存続や従業員の雇用継続といった条件面でも、売り手の希望をのんでもらいやすくなります。
なお、売りに出ている案件の譲渡理由としては「後継者不在」が最も多くなっています。同じ悩みを抱えるオーナーが売却という選択肢を現実に選んでいる、ということでもあります。
実際にオファーを寄せた買い手のプロフィールを見ると、買い手像の輪郭が見えてきます。該当するオファーが限られるため、構成比ではなく傾向の参考としてご覧ください。
買い手の属性 | 実際の傾向 |
売上規模 | 100億円以上の大手から、1億円未満の小規模な買い手まで幅がある |
M&A経験 | M&A経験のある買い手が中心。買い慣れた買い手が手を挙げやすい |
上場/非上場 | いずれも非上場の事業会社 |
エリア | 東京・大阪など、貿易の拠点となる都市圏の買い手 |
業種 | 各種商品卸売・その他の卸売など、商材・販路や海外ネットワークの取り込みを狙う卸売・商社系の事業会社が中心 |
結論:貿易商社・輸出入代行の買い手で最も存在感があるのは、「取扱商材・販路と海外サプライヤーとの関係をまとめて引き継ぎ、自社の仕入れ・販売網を広げたい同業商社・卸・メーカー」です。自社の販売基盤に商材を載せれば、引き継いだネットワークの収益をさらに伸ばせると考えているからです。
買い手は4タイプに分かれますが、出現頻度もスピードも価格の出し方も同じではありません。実名の事例とあわせて、重みづけして見ます。
買い手タイプ | 位置づけ | 実名の例(売上規模) | 売り手から見た特徴 |
同業商社・卸(商材・販路の取り込み型) | ◎ 主役候補 | 宝ホールディングス<2531>(食料品・酒類等の輸入・輸出商社を取得し海外日本食材卸網を拡充) | 取扱商材・海外サプライヤー・販路をまとめて引き継ぎ、自社の仕入れ・販売網を広げられる。事業の継続を前提に評価 |
物流・通関の事業会社 | ○ 機能の取り込み | SBSホールディングス<2384>(輸出入通関業務の会社を取得し国際物流を強化) | 通関・物流の機能や実務ノウハウ・取引先を取り込み、国際物流のサービスを一気通貫にする |
メーカー・小売など事業会社 | ○ シナジー次第で高値 | 取扱商材や海外調達網を求める事業会社に一定数 | 海外調達・輸入の内製化。自社の仕入れ・販売と組み合わせてコストや品揃えを強化 |
投資ファンド | △ 限定的だが存在 | ―(貿易・卸関連の買い手候補にも一定数) | 成長投資・ロールアップの起点。経営支援を受けて拡大 |
つまり、買い手像を一つに決めつけないことが大切です。取扱商材と海外ネットワークをどの買い手が最も評価するかで、条件は変わってきます。
買い手・売り手ともに公表されている成約事例です。貿易商社・輸出入代行そのものの公開事例は限られるため、輸出入・通関を対象とした事例を「どんな会社が、いくらで、なぜ評価されたか」の具体像として挙げます。中小規模のM&Aにそのまま当てはまる水準ではない点にご注意ください。
売り手の事業 | 売り手売上 | 買い手(売上規模) | 譲渡額 | 評価の軸 |
食料品・酒類・雑貨品等の輸入・輸出販売業(東京共同貿易) | 約106.7億 | 宝ホールディングス<2531>(約3,626.9億) | 13.26億 | 海外日本食材卸ネットワークの調達拠点として取得。仕入先との関係強化・商品供給機能の拡充 |
輸出入通関業務(エイシーシステムコーポレイション) | 約10億 | SBSホールディングス<2384>(約4,481.4億) | 9.5億 | 専門性の高い輸出入通関のノウハウ・約500社の取引先を取り込み、国際物流を強化 |
結論:高く評価される会社と、伸びない会社を分けるのは、つきつめると一つの問い「あなたが手を離しても、取扱商材と海外サプライヤー・販売先との関係は残るか」です。
買い手の頭にあるのは、買収後の心配です。「買った後も同じ商材を仕入れ続けられるか」「海外サプライヤーや主要な販売先が離れないか」「為替や在庫のリスクで収益が崩れないか」「代表がいなくなって海外との関係が切れないか」。この心配を小さくする要素は価格を押し上げ、大きくする要素は価格を下げます。
同じ売上規模でも、評価には差が出ます。
価格を押し上げる(買い手の不安を消す) | 価格を下げる(買い手の不安を増やす) |
◎ 取扱商材や海外サプライヤー・販売先との関係が引き継げ、買収後も同じ取引が続く | ◎ 商材や取引先の入れ替わりが激しく、主要な仕入れ・販売を引き継げるか分からない |
◎ 代表が抜けても海外との交渉・仕入れ・販売が回る | ◎ 代表個人に海外交渉・取引先との関係が集中している |
○ 通関・物流の実務や、為替ヘッジ・在庫管理の体制が整っている | ○ 通関や物流を特定の人・外部任せにし、リスク管理の体制が弱い |
○ 仕入先・販売先が複数に分散している | ○ 仕入れ・販売が特定の1社に偏っている |
○ 利益が継続的に出ている/契約書・在庫・財務情報が整理されている | △ 薄利の転売中心で、必要資料が整理されていない |
最初の2行(◎)が大切です。「商材と海外の関係が引き継げるか」「代表に依存していないか」この2つを整えるだけで、同じ業績でも評価は変わってきます。
※ 当社の成約事例・買い手の取得理由から見られる傾向の整理です。依存度などの具体的な閾値は個社ごとに異なります。
外部の裏付けとして、登録支援機関の中小M&A実績にもとづく公的統計を参照します。貿易商社・輸出入代行に近い「各種商品卸売業」と「その他の卸売業」を併記します。
参照業種(件数) | 指標 | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
各種商品卸売業(39件) | EV/EBITDA | 3.5倍 | 4.4倍 | 9.4倍 |
各種商品卸売業(37件) | PER | 4.4倍 | 10倍 | 13.9倍 |
その他の卸売業(30件) | EV/EBITDA | 3.2倍 | 10.6倍 | 15.6倍 |
その他の卸売業(34件) | PER | 6.2倍 | 13.1倍 | 19.9倍 |
相場を見たら、次は「自社に実際どんなオファーが届くか」を確かめてみることもできます。
M&Aサクシードでは、相場を見たあと、気が向いたら試しにプラットフォームの会員企業からオファーを受け取ってみることができます。ここまでの相場の確認も、オファーの受け取りも、無料でご利用いただけます。
オファーを受け取るだけなら、契約は不要・決算書などの書類提出も不要・(オファー相手の企業に対して)会社名は匿名のままで利用できます。
「売却すると決めてから動く」のではなく、「オファーを見てから、どうするかを考える」という順序で進められます。
届くオファーには、「いくらで」だけでなく、次のような内容まで含めることができます。
• なぜ自社に関心があるのか(買い手の狙い・シナジー)
• 連帯保証はどうなるか
• 従業員はどうなるか(雇用の継続)
• 自分はいつまで経営に関わるか(引き継ぎ期間)
実際のオファーは、たとえば次のような形で届きます。
会社名 | 株式会社サクシードテック ※本記事用のサンプル表記 |
本社所在地 | 東京都 |
事業内容 | 首都圏を中心に事業を展開し、貿易商社・輸出入代行との連携・取り込みに注力する企業。 |
売上高 / 従業員 | 100億円以上 / 1,001名以上 |
上場区分 / M&A実績 | 非上場 / 2〜5案件 |
関心を持った背景 | 弊社は人材・体制の強化を経営課題としており、貴社が強みとする領域は、まさに弊社が探し求めていた領域です。同エリアの営業・調達基盤と組み合わせることで強いシナジーが見込まれます。ぜひ早期に秘密保持契約を締結し、責任者同士の面談の機会を頂戴できれば幸いです。 |
買収金額の算定方法 | EBITDA(利益)を基準にした評価。対象会社の収益性をベースに株式評価。詳細はデューデリジェンスを通じて検討。 |
経営者の処遇 | 売り主様のご意向を全面的に尊重。従業員・取引先へのスムーズな承継のため、数ヶ月〜半年程度の引き継ぎ期間(顧問等)をご相談。形態は状況に合わせ柔軟に。 |
連帯保証の解除時期 | クロージング時までに金融機関と調整し、前オーナー様の連帯保証を全て解除することを前提。 |
匿名なのはあなたの会社の社名だけ。オファーを送る買い手側は、社名・所在地(都道府県)・売上規模・M&A実績まで明かしています。だから「誰が、なぜ、いくらで」を確認したうえで、進めるかどうかを判断できます。
良いオファーが届いたときだけ、ご自身の判断で次のステップに進めます。もちろん、M&Aプロセスに詳しいM&Aサクシードの担当者と一緒に進めることもできます。
▶ まずは自社に近い貿易商社・輸出入代行の相場を見る(無料)
https://ma-succeed.jp/register/direct
▶ 匿名のまま、試しにオファーを受け取ってみる(契約・書類提出不要)
https://ma-succeed.jp/register/direct
相場の確認も、会員企業からのオファーの受け取りも無料です。契約や決算書の提出も不要で、オファー相手の企業に対しては会社名を匿名のまま利用できます。
問題ありません。むしろ決める前に、同業の相場や届くオファーを見ておくことで、続ける・伸ばす・譲るという選択肢を落ち着いて考えられます。オファーを見てから、どうするかを考える順序で進められます。
可能性はあります。買い手は赤字理由、人材の定着、顧客契約、改善余地を確認します。実際に営業赤字でも買い手がついた事例があります。
年商だけで決まりません。小規模でも、利益が出ている・顧客契約が安定している・買い手にとって魅力的な人材や資産を抱えている場合は対象になります。
売上倍率だけで見るのは適切ではありません。買い手のオファーでは、利益(EBITDA)を基準に手元現金を加える形が最も多く見られます。
貿易商社・輸出入代行の価格を最も左右するのは「取扱商材の専門性と、海外サプライヤー・販売先との関係が引き継げるか」、次に「利益(EBITDA)」です。貿易商社・輸出入代行そのものの公開成約事例や当社プラットフォームでの該当案件は限られますが、輸出入・通関の会社は、商材・販路や海外ネットワークの取り込みを目的に取得されており、オファーではEBITDA基準や資産価値を軸にした方法が見られます。買い手の主役は、取扱商材と海外ネットワークの引き継ぎを前提に手を挙げる、商材・販路を広げたい同業商社・卸・メーカーです。
そして、自社に実際どんなオファーが届くかは、匿名・無料で確かめられます。まずは相場を見て、気が向いたらオファーを受け取ってみる、その順序で、ご自身のペースで選択肢を広げてみてください。
• かいしゃ価値トレンドの解説:https://ma-succeed.jp/content/knowledge/kaisha-kachi-trend
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そんなときに、まず使えるのが「かいしゃ価値トレンド」。会社名を出さず・約30秒・無料で、同業の成約相場と買い手の傾向を確認できます。
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